コクリコ坂からのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。2ページ目

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コクリコ坂から

[コクリコザカカカラ]
From Up On Poppy Hill
2011年上映時間:91分
平均点:5.70 / 10(Review 117人) (点数分布表示)
公開開始日(2011-07-16)
ドラマアニメ青春もの学園ものロマンス漫画の映画化
新規登録(2011-02-15)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2023-08-22)【イニシャルK】さん
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監督宮崎吾朗
長澤まさみ松崎海(メル)
岡田准一風間俊
大森南朋風間明雄
香川照之徳丸理事長
石田ゆり子北斗美樹
竹下景子松崎花
風吹ジュン松崎良子
内藤剛志小野寺善雄
風間俊介水沼史郎
柊瑠美広小路幸子
小林翼松崎陸
手嶌葵海の友達
白石晴香松崎空
藤山扇治郎
原作佐山哲郎
高橋千鶴
脚本宮崎駿
丹羽圭子
音楽武部聡志
作詞永六輔「上を向いて歩こう」
宮崎吾朗「朝ごはんの歌」/「初恋の頃」/「紺色のうねりが」
谷山浩子「朝ごはんの歌」/「初恋の頃」
宮崎駿「紺色のうねりが」
宮沢賢治「紺色のうねりが」(原案)
作曲坂田晃一「さよならの夏 ~コクリコ坂から~」
中村八大「上を向いて歩こう」
谷山浩子「朝ごはんの歌」/「初恋の頃」/「紺色のうねりが」
編曲武部聡志「さよならの夏 コクリコ坂から」/「朝ごはんの歌」/「初恋の頃」/「紺色のうねりが」
主題歌手嶌葵「さよならの夏 ~コクリコ坂から~」
挿入曲坂本九「上を向いて歩こう」
手嶌葵「朝ごはんの歌」/「初恋の頃」/「紺色のうねりが」
撮影奥井敦(撮影監督)
製作奥田誠治(製作担当)
スタジオジブリ(「コクリコ坂から」製作委員会)
電通(「コクリコ坂から」製作委員会)
博報堂DYメディアパートナーズ(「コクリコ坂から」製作委員会)
日本テレビ(「コクリコ坂から」製作委員会)
三菱商事(「コクリコ坂から」製作委員会)
東宝(「コクリコ坂から」製作委員会)
ウォルト・ディズニー・ジャパン(「コクリコ坂から」製作委員会)
島谷能成(「コクリコ坂から」製作委員会)
高井英幸(「コクリコ坂から」製作委員会)
市川南〔製作〕(「コクリコ坂から」製作委員会)
企画宮崎駿
プロデューサー鈴木敏夫
川上量生(プロデューサー見習い)
制作星野康二
スタジオジブリ
配給東宝
作画近藤勝也(キャラクターデザイン)
高坂希太郎(作画監督)
米林宏昌(原画)
本田雄(原画)
山下明彦(作画監督)
田中敦子〔作画〕(原画)
新井陽次郎(動画)
編集瀬山武司
録音東北新社
木村絵理子(アフレコ演出)
その他スタジオジブリ(提携)
電通(提携)
博報堂DYメディアパートナーズ(提携)
日本テレビ(提携)
三菱商事(提携)
東宝(提携)
ウォルト・ディズニー・ジャパン(提携)
鈴木敏夫(キャッチコピー【ノンクレジット】)
読売新聞社(特別協力)
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未見の方は注意願います!
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97.《ネタバレ》 もはやジブリは誰が監督でもそれほど差はない。これはほめ言葉です。つまりアリエッティにせよ、コクリコ坂にせよ、ポニョにせよ、レベルはほぼ同じで高水準です。誰がメガホンをとろうがジブリはジブリであり、監督が違えども、選手は同じなのです。本作品をみて改めてジブリの絵は「ヘタウマ」に変化しつつあると思った。本当は俺たち、写真のようにリアルティのある絵を描けるんだぜ、だけどそういう路線には進まないんだぜ、とジブリは言っているのです。彼らの矜持にたいし、私は畏敬の念を感じずにはいられない。よくピカソの絵は下手なんじゃないの?という議論が持ち上がる。ひょっとしてジブリの創り出す絵はピカソ的方向に向かっているのではないか?つまり多視点への挑戦です。表現力の追及です。さらに古き良き時代がノスタルジーとして描かれている。かといって単なる懐古主義に終始しているわけではなく、未来への希望が前面に打ち出されている。実は学園闘争の描写は「挑戦」に対するメタファーになっており、そこに人間賛歌が描かれている。しかも小難しいメッセージがない。もし駿が今映画を作っているならば、原発問題へのメッセージまでも織り込みそうでかえって怖い。我々映画ファンは、外国人に褒められるようなバカなアニメ映画はもうたくさんなのだ。ちなみにこの映画が楽しめるか否かの生命線は、ヒロインの海を応援できるか否かにかかっていると思います。海が母親から真相を聞いて泣き出すシーン。私は鼻水垂らして号泣でした。なぜ海は泣いたのか?その涙はうれし涙ではないと思う。張りつめていた不安や緊張感から一気に解放されたがゆえの涙だったに違いない。結ばれない恋愛と思いつつも私はあなたを好きになってよかったというあの気丈セリフ。君の一挙一動に私は涙で脱水症状寸前でした。ジブリの魅力はたしかに冒険もあるでしょう。しかし真のジブリの魅力とはヒロインの魅力に尽きる。時にはブタやババアを主役にして大コケすることはあるがナウシカ、シータ、キキ、トトロの姉妹、それら少女の人物描写こそジブリの財産であることをジブリ自身が自覚していることに私は安堵した。良い主人公だった。だから良い映画だったと心から思う。私の感想はそれに尽きる。
花守湖さん [DVD(邦画)] 9点(2012-08-18 20:07:17)(良:1票)
96.ジブリのブランドを掲げるならもっと幅広い年齢にうける作品つくりをしないといけないとおもう。そのレベルに達していないなら作るべきじゃない。ほかの制作会社にまかせればいい。たくさんあるんだから。ジブリだからって勘違いして見に行った家族連れは困るでしょ。中学生以下はおもしろさは絶対に理解できないだろうし。理解できないというよりはさせる気がないのだけども。作品的には可もなく不可もなくっていう程度のレベル。
HAMさん [映画館(邦画)] 4点(2011-08-30 14:36:55)(良:1票)
95.肩の力を抜き、心地よく観られた。いつもより音楽が雄弁で、説明は寡黙だった。そういう意味でこの映画は子供向きでは決して無いし、全てに納得のいく説明を求める人向きでもない。カルチェラタンといいメルといい、フランス語の影響が垣間見えるが、これは何故か少しだけ気になる。カルチェラタンのわくわく度といったら最高で、ジブリおなじみのモチーフである掃除も単に古いものを残す懐古趣味ではなく、きちんとした検討や改良を施すことを前提にした懐古趣味であることを示唆しているようで興味深いし、何より楽しい。この映画はラブストーリーであるところが良い。お互いが惹かれあう過程などあの程度で十分だ。人を好きになる理由をくどくどと説明するのは野暮であるし、そもそもあの恋は海原や父親たち、そして何よりメルが毎朝上げる旗が引き寄せた運命なのである。これを解さずして説明不足との批判は妥当しまい。何より説明せずして説明する手腕、説明しないことをしすぎないそのバランス感覚は非常に良かったと思うし、メルの人柄がよく伝わってきて心地よい良作であった。
Balrogさん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-20 01:28:56)(良:1票)
94.《ネタバレ》 いい加減に、ジブリは十人が観て七人は「観て良かった」と言う映画を作らなければならないと思います。
決して「面白い」と言われなくても、観たあとに観客に感想を言わせ、人に話したくなるような衝動を起こさせなければならないと思います。
私はこの作品を鑑賞し、ある意味危機的なものを感じました。
人に「コクリコってどんな話?ネタばれで教えて。」と聞かれ話した時でした。あらすじを話してみたのですが、ここで気づいたのが、「今回の主人公は何もしていない」ということでした。
「そんなわけはない」という方は沢山おられるでしょうが、あらすじを書くと・・・主人公は高校で男と知り合い、一緒に部室の保存運動を行いながらいい感じになるが兄弟だとわかる。部室の保存のために理事長にお願いに行き、成功し、さらに男の出生のいきさつがわかり、兄弟でないとこが分かる・・・
今までのジブリ作品は主人公が努力し、戦い、成長する物語が基軸だったと思います。
画や表面的な世界観を見せ、人物や脚本、世界観の奥行きは軽く作っているように見えてなりません。
「千と千尋」あたりから始まったこの流れをそろそろ転換しないと・・・厳しいのではないでしょうか。
パンツァー・フォーさん [映画館(邦画)] 4点(2011-08-15 22:44:34)(良:1票)
93.昭和30年代後半の街並みは鮮やかに描かれていたし、主人公の爽やかな恋愛模様と、カルチェラタン再生のわくわく感も良かった。
二人乗りの自転車で坂道をくだるシーンや、手際良く料理を作る所作や、学生たちが掃除やペンキ塗りをするシーンも良くできていて楽しかったと思う。
思うんだけれど、おそらく前提条件をわざと省略しているのだろうと思うが、登場人物が描き切れておらず、風間君のダイブや、ふたりが惹かれあっていく過程など、その心理や行動原理が理解しにくい。
理解しにくいから感情移入できず、結局のところ最後まで傍観者のままで映画は終ってしまった。
判断や想像を観客に委ねるのと、不親切なのとは全然違う。
「伝えたいなにか」があるのなら、雰囲気だけでなく、もっと丁寧に人物を描いてほしかった。
結果として、物語は単なる懐古趣味の域を出ず、非常に表面的な印象を受けた。
全体としての出来は悪くないだけにとても残念。(8.10 新宿ピカデリー)
poppoさん [映画館(邦画)] 6点(2011-08-11 14:30:30)(良:1票)
92.《ネタバレ》 作品全体から伝わる真っ直ぐさがとても心地よかった。起承転結が少ない物語だけれど、映画の魅力は登場人物のキャラクタであると思う。風間君は文句なしの爽やか好青年で、海はひたむきで芯のあるヒロイン。その他脇役たちも、みんな擦れていない。

また、女子のハートをつかむ演出はジブリ作品の中でもハイレベル。自転車の二人乗り。学校を抜け出す。船に飛び乗る海を風間君が受け止めるシーン。ベタなんだけど、日常生活から離れすぎず、うまく切り取られていて、上手に引き込んでもらえた。クライマックスにかけては細かい突っ込みはせずに楽しめばよい。作品全体に漂う哀愁のせいなのか、じわじわと泣かせられる。とてもよかった。良くまとまっている。


ただ、作品全体として惜しいのが、少女漫画から抜け切れていない部分があること。
作品の芯や伝えたいことがどうしても私には見出せなかった。
なぜカルチェラタンを守りたかったのか。好きだから?それだけだと少し寂しい。
父親たちの友情が彼らにどんな影響を与えていたのか。勝手に物事を決めていく大人との壁を彼らは何を感じたのか。
ジブリお得意のわくわく感はカルチェラタンに入るところや、掃除のシーンでとってもよい雰囲気を出しているだけに、物語にある芯が見出せないのは非常に残念。


各登場人物のキャラクターは良かったけれど、もう少し深堀してほしい。たとえば、風間くんはもっと感情を出してもよかったかなと思う。登場シーンや討論会を見るともうちょっと活発な設定なのでは?なのに後半になると感情を押さえつけていて、人となりが見え辛い。直接理事長に乗り込むシーンは、淡々としすぎ。高校生が東京に乗り込むってすごいことなんじゃないの?なのに3人からはその不安さが伝わってこない。

ストーリーとは離れるが、気になったところは、絵とBGMの使い方。最初の街の景色がちょっと粗い。朝だか昼だかわからない。草がただの草であり、朝露と朝日を浴びる草ではない。それから海が旗をあげて汽笛を聞くシーン。これはすごく見せ所。なのにBGMと汽笛が被っている。これには唖然。ここは静寂が良いのでは。神聖な祈りの意味もあるわけだし。外国アニメと異なり、ジブリは音のない演出が上手い作品が多いだけに、少しがっかりした。

色々と文句もかきましたが、全体的には良い作品。もう一回見たいと思います。


うらわっこさん [映画館(邦画)] 6点(2011-07-31 22:41:47)(良:1票)
91.《ネタバレ》 大変爽やかな映画だと思いました。作中で発生する、とある(俊言うところの「メロドラマみたい」な)展開も、この爽やかな物語に起伏を持たせるためにはある意味相応しかったと、個人的には思います(以下原作未読でレビューします)。

僕自身はこの映画で描かれている時代を経験しているわけではありませんが、それだけに作中の風物や、あるいは登場人物の物の言い方なども、結構新鮮に見ることができました。

例えば作中、カルチエラタンの取り壊し反対のための討論集会の場面など、恐らく見る方の世代によっては「このシーンは学生運動を経過した頃の時代の空気を反映している」という風に受け取る方もいらっしゃるかと思います。僕も一応知識としては「そういうことがあった」という事を知ってはいますし、中にはそんな作中の描写を「単なる懐古趣味だ」と批判的に受け取る方もいらっしゃるかもしれません。

もちろんそういう意見を否定するつもりは全くありません。そしてそのシーンに対する、(知識としてしかそういう時代が存在したことを知らない)僕自身の感想を言えば、その集会のシーン全体からは、「我は我である」といった一癖ある人物たちが、何の屈託も無く自分の足場に立って自己の主張を展開し、また周囲もそんな曲者を「個人」として認め、その存在を許容しているという、何とも鷹揚な清々しさを感じました。それはまたあの印象的なカルチエラタンの個性的な住人たちが初めて紹介される一連のシーンでも感じたことでした。

こういう「楽天的な鷹揚さ」や、あるいは海と俊の爽やかな恋愛模様といった内容は、もしかしたら今のような時代に望むのは困難なものかもしれません。あるいはまた、上記一連のカルチエラタンのエピソードに代表される「屈託のない理想主義」といった内容は、実際にかつての1960年代の日本に(あるいは世界中、人類の歴史始まって以来延々と)人々から望まれ、あるいは挫折してしまった事柄かもしれません。

しかし過去に一度存在した(そして挫折してしまった)からと言って、「それを現代で望んでいけない」という決りは無いと思います。そして何より、過去に材を取ろうが、挫折をしていようが、「何かを望み、実現する」という様子を、どんな形であれ映像化し、またそれを目の当たりにするのは、いつの時代も変わらず心地よく、また感動的なのではないかと思います。

「自分自身宮崎駿作品のファンだった」と公言する吾朗監督だけに、端々に過去の宮崎駿作品へのオマージュと見られるシーンがありますが、そんなシーンの存在と、高校生の青春映画としての体裁、そしてスムーズな物語展開といった要素が相まって、僕はまるで一編のファンタジーを楽しむかのように、この別時代(別世界)の爽快な物語を楽しみました。
マーチェンカさん [映画館(邦画)] 9点(2011-07-24 16:43:02)(良:1票)
90.《ネタバレ》 「ゲド戦記」の酷さに比べれば、宮崎吾朗の腕は上がっているのはハッキリと見て取れ、物語としては少女漫画原作のいわゆるメロドラマという所で、これ自体は悪くないと思います。学生集会の馬鹿騒ぎも昔の宮崎アニメを髣髴とする、コミカルな演出もされていて、そうした意味で、この映画自体は思ったほど悪くは無いのかな、と思います。何にも無い、なんでもない日常に一陣の風が吹き込む感じというのは、個人的には好きです。但し、内容的にはどうかな?という部分がかなりありますよね。例えば国際信号機についてはフォネティックコード(旗のアルファベットコード)レベルの説明しか無いし、BGMの使い方が物凄く雑だったり、主人公が何故「メル」と呼ばれるのかを伝える部分が無いなど、普通に観に来た人ならだれでも「???」と思ってしまうことが満載で、こうした演出の配慮の無さは本当に宮崎駿が脚本書いてるのか?と疑いたくなるほどでしたね。細かい部分ではあるけど、こうした部分の緻密さがあってこそ、映画そのものを面白くなると思うので、こうした部分でこの映画が配慮に欠ける感があるのが残念です。
で、ここからはジブリそのものの問題ですが…なんでこうした物語の映画を夏休みに持ってくるのかがさっぱりわかりません。単に集客したいだけと思われても仕方ないですね。その意味では鈴木敏夫のプロデュース能力は高いのかもしれないけど、この映画を子供が見て楽しめるのかというとあたしはちょっと首を傾げます。ネタを持ち込んでいるのが宮崎駿という事もあって、完全に彼の趣味であるのはわかるのだけど、あれだけ子供に対して配慮をしていた筈の人が、ここまで子供をバッサリと切ったとしか思えない様なアニメの脚本を書くことに、疑問を感じてしまいます。宮崎吾朗監督が、宮崎駿と鈴木敏夫がジブリから居なくなったら、ジブリ自体が消滅するだろうと言ったようなニュアンスの話をラジオインタビューで受けていたが、正しくそうなんだろうなぁという気がしますね。後進を育てるような事をしつつ、その後進の芽を摘み取ってる感が否めない宮崎とプロデュース能力は抜群でありながら、それを追従するようなプロデューサーが現れない鈴木の二人を擁するジブリの先行きを本当に心配になってしまいます。
奥州亭三景さん [映画館(邦画)] 6点(2011-07-24 10:29:21)(良:1票)
89.懐古厨には、ひょっとしたらうけるかもしれませんが、子供には絶対うけないですね。物語の起伏がないのもそうですが、困難という困難がないんですね。あれがそうだったのかもしれませんが、とんとん拍子で解決するし、あれでは観てる方は、感動できません。せめて敵役ぐらいいればよかったのですが、それもいない。これで面白い作品になる訳ない。
Yoshiさん [映画館(邦画)] 4点(2011-07-22 01:19:22)(良:1票)
88.《ネタバレ》 本作が提示した時代の空気や登場人物のメンタリティは、吉永小百合や浜田光夫が最も輝いていた60年代の日活青春映画と同じですね。私はそんな60年代の邦画青春映画を好んで観ています。そして、本作はなぜ自分が60年代の青春映画が好きなのかを確認させてくれました。若者の根底にある上昇志向や向上心、あるいは正しく生きたい願望のようなものをストレートに出すことが恥ずかしいとされる現代の風潮に対し、そこを照れずにやれる。それで不自然にならない時代が60年代なんだと思います。複雑に分化した現代社会では青春の挫折を表現するだけでも簡単にはスタートできない窮屈を感じるが、本作にそんな制約はない。時代が半世紀も昔でも、持ち上がる問題がシンプルでも、そこに揺れる心の機微に魅了されればそれで十分である。それが本作の魅力であり、ひいては60年代の青春映画の魅力でもある。「上を向いて歩こう」を象徴する路面電車の停留所シーンに感心しました。直球のコミュニケーションは清々しく強い。さらに大事なポイントは、実写の60年代青春映画に感じる隔世感が、アニメというメディアが持つ純化とデフォルメ作用によって見易いものに変換されていること。吾朗監督、本作は褒められる仕事をしたと思います。前作ではやたらと気になった「宮崎色」を感じなかったことに鑑賞後に気付きました。これは大きな進歩です。だけどスタート地点に立っただけという見方もある。次回作は「吾朗色」の発現に期待したいです。
アンドレ・タカシさん [映画館(邦画)] 7点(2011-07-21 01:23:22)(良:1票)
87.長澤まさみとスタジオジブリ作品大好きな友達の一言、昼飯に寿司かうなぎどちらかおごるからという甘い誘惑に負けてしまい、あまり見たいとは思わなかったのに観に行ってしまった。個人的にはこの監督の前作も言われているほど私はつまらなくなかったし、普通に楽しめはした。しかしだ。それでも何だか面白い気がしなかったのだが見てきて良かったかもしれない。全く期待してなかっただけに楽しめた。音楽も映像も雰囲気も悪くない。いや、悪い所か心地良い。何故かは解らないけど普通に楽しめました。宮崎駿という偉大な父親を持つと大変だなあ!それはまるで無敗の三冠馬を父に持つばかりに1つもG1を取れなかった事を責められてしまう可哀想なアイルトンシンボリという馬のようなこの宮崎吾郎さん、宮崎駿というかつて素晴らしい作品ばかりを撮っていながらも「もののけ姫」を境にそこから後は全く意味不明な駄作連発でここからはシンボリルドルフとは全く違う。デビューから無敗で望んだ皐月賞での初黒星を境に引退するまで1つも勝てなくなったフサイチホウオー的な最近の宮崎駿の影響を受けているようなこの宮崎吾郎氏の気持ちを思うと何とも言えない気持ちにさせられる。宮崎駿の血を継ぐてだけで期待され、それに応えられないと叩かれる。凄く可哀想である。期待しすぎてガッカリさせられるなら期待なんてしなければ良いというぐらいで観るのがこの監督とこの映画の正しい見方ではないでしょうか?開幕前は圧倒的最下位予想も開幕の中日3連戦で勝ち越し、今年何か違うぞと期待してみたらやっぱり思った通りかよ!という横浜ファンのようにならぬよう最初から期待せず見たことが良かったかもしれない。確かにかつての宮崎アニメのようなワクワク感も爽快感にも躍動感にも欠ける。それでも期待しないでいたから私は裏切られることなどなかった。最後に一緒に見て来た友達は「コクリコ坂から」で止めるなよ。その後が気になるぞとこの映画のタイトルに対し文句を言ってたことが頭から離れない。
青観さん [映画館(邦画)] 7点(2011-07-18 22:19:50)(良:1票)
86.《ネタバレ》 まず、全体の感想としては、悪くなかったのです。少なくともアリエッティよりは演出の才能がある人がつくっている感じがしました。だけど、この制作条件を与えられていれば、もっとよくなれたはずだ、とも思いました。一番の問題だと思ったのは、主人公の海の心が描けていないこと。え、なんでガリ版手伝ってんの?え、いつ俊のこと好きになったの?(イケメンだったからってだけ?)どういうふうに成長したの?(父のことはどう乗り越えたの?)テーマであるべき人間の心の変化が描かれていないから、感動が浅いところで止まってしまう。せっかくのいい題材がなんだか薄っぺらくなってしまう。駿さんが書いた脚本段階では、冒頭に海の父が戦死する海戦シーンがあったという。それを吾朗監督は「旗を揚げる海が重い宿命を背負っている子にしか見えなくなってしまうから」と削除したという。ここに映画経験の乏しさ、あるいはセンスの欠落が出てると思った。あるとないとでは、海が旗をあげていることの意味や、彼女の印象がだいぶ変わってくる。たしかに朝食の準備から始まるシーン、軽快な音楽でとても素敵だけど、そのせいで作品の背骨が抜かれてしまってる。気の毒だとも思うけど、ジブリはもはや国民的アニメをつくる責務を背負ってしまっているのだから、それに耐えうるだけの濃度をもった映画を準備してほしいと思う。30年先に残る作品を毎回つくる気でやってほしい。悪くなかったけど、もうちょっと頑張ってほしい、勝手ながらそう思いました。「バス停での告白」「東京で理事長を待つ3人」「カルチェラタンまわり」のシーン、好きです。可能性を感じました。がんばってほしいです。今作で吾朗監督を応援しようという気になってきました。 次回作に期待します!
コダマさん [映画館(邦画)] 6点(2011-07-18 02:07:19)(良:1票)
85.今作のジブリは、冒険やファンタジーではなく、少女マンガ雑誌「なかよし」に掲載された作品を原作とした、高校生の淡い恋を描いた作品。下宿屋コクリク荘を切り盛りしている女子高生・松崎海が、学校新聞を発行している風間俊に惹かれ、ガリ切りを手伝うようになる、というのが話の発端。「ガリ切り」って分かる人は少なくなってしまったのではないでしょうか。うちにも鉄筆が何本か有りました。
東京オリンピック開催をひかえながらも戦争がまだ遠い昔のできごとになっていない昭和38年。横浜に路面電車が走り、オート三輪が街中を行きます。
監督は宮崎吾朗。近藤喜文が生きていれば本作の監督は彼だったでしょう。
ぶん☆さん [映画館(邦画)] 7点(2011-07-18 00:38:59)(良:1票)
84.《ネタバレ》 父親(宮崎駿)とは比べまい…と思いながら鑑賞したが、どうしてもジブリ作品ということで、自然とこちらの観る目も厳しくなってしまう。宮崎アニメに顕著な流れるような動き(飛翔感)が全く感じられず、登場人物の口の動きがみんな同じで表情に乏しい、など、技術的に未熟な点が目立つ。老いたとは言え、父親が『ポニョ』で魅せた、あのイマジネーション豊かなスペクタクルシーンは、やはり天才の成せる業なのだろう。はっきり言って比べ物にならない(あ、やっぱり比べてしまった…)。内容的には決して悪くはないのだが、後半、あまりにもとんとん拍子に進みすぎるハッピーエンディングには合点がいかない。「古い校舎が取り壊されるかもしれない」→「偉い人に直談判したら取り壊しをやめてくれた」「好きな人と兄妹かもしれない」→「関係者に訊ねたらやっぱり血の繋がりはなかった」なんて言われても、「あ~良かったね」としか思わない。 また、映画館の前列で観ていた子供は、オープニングの軽快な音楽にノリノリだったが、途中から話に付いて行けなくなり、最後には母親にストーリーを説明されていた。時代背景を知らない子供には難しい内容だろう。
フライボーイさん [映画館(邦画)] 6点(2011-07-17 17:36:29)(良:1票)
83.《ネタバレ》 キャラの視点が気になってしまうんですよね。この映画、みんな大抵、瞳孔がセンターに存在していて顔ごと体ごと動かす事が視点移動になる状態。そして、その視点が見るべきところから微妙に、あるいは大きくズレてたりして。アニメにしろ映画にしろ、その目がどこを見ているのか、というのはとても大事なワケで、『ゲド戦記』に比べるとかなり改善してはいるものの、まだ気になりました。それはこのアニメのやや平面的な空間認識に起因しているようでもあって。人物が重なりあうシーンでは平べったい二人がぺったりとくっついているような感じを受けてしまう箇所があって、平面で見つめ合う二人の表情を一度に見せるためには不自然な視線も仕方ないというマンガ的表現法が根底にありはしないかな?って。的確に空間認識をしてそれをどう映像化できるかが課題ですかねぇ。映画は舞台となった時代に実写で撮られていたらさぞかし魅力的だったんじゃないかなぁ、って感じがしてしまいまして。アニメで魅力を出すには、もっともっと描き込んでゆかないとキャラが薄く感じられてしまうなぁ、と。また記号化されたジブリアニメの法則で描かれてますしね。毎度の安心な、しかし平板なタッチ、ジブリの良心と言うよりも、ジブリの限界が透けて見えてきてるんでしょうか? 見てからしばし時間が経って、印象に残っているのは最早絵描きのメガネのおねえさんだけ。他は表情もあまり思い出せません。まあ、それでも、今回はイラついたりせず退屈もせずに見られたので、まあまあ、良かったんじゃないでしょうか。昭和30年代の終わり頃の神奈川の雰囲気、ステキに表現されてましたしね。
あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 6点(2011-07-17 14:15:33)(良:1票)
82.うーん。かなり観る人の世代で評価が違うのかなーって感じです。若いカップルや子供には厳しい内容かも。逆に40代~50代の人にはノスタルジー感じて良いかな。
ジブリには子供も大人も楽しめる夢のある映画を作って欲しいです。そのあたりはピクサーの方が優れているかも。ぶっちゃけ加山雄三の若大将シリーズ平成アニメ版。
kenzさん [試写会(邦画)] 4点(2011-07-17 12:15:05)(良:1票)
81.いやすごい、本当面白かった。何より「ゲド戦記」の悪いところがなくなっているのが素晴らしいです。
心底憎たらしい悪役は出てきません。愛おしい登場人物ばかりです。
テーマをベラベラしゃべらしたりしません。心理描写を大切にしています。
声優は棒読みじゃありません。みんな素晴らしい演技をしています。
脚本は駿お父さんが関わっているので素直に褒めれないのが残念ですが、ゴローちゃんはこれで十分に評価を得るのではないでしょうか。
映画は、東京オリンピックが行われようとしている時代の「何でもない」日常を淡々と描いています。
胸躍る冒険もしません。
悪役もいません。
物語の起伏もそんなにありません。
それなのに、感動的な映画に仕上がっています。
「たいした事件がおこっていない」のに感動するのは、人物描写の上手さによるものにほかなりません。
ゲド戦記で描いた「父殺し」とはまったく異なる「親子」の描き方に感動する人は多いと思います。
そんなわけで、今作はかなり大人向けです。
小学生以下のお子様は退屈必死。
高校生以上推奨くらいです。
前述のとおり、当時の風土を知っておくとより楽しめるでしょう。
お子様にポケモンを観せているすきに、大人だけで観るといいんじゃないかと思います。
本気でおすすめです。
ヒナタカさん [映画館(邦画)] 8点(2011-07-16 21:13:42)(良:1票)
80.《ネタバレ》 本作「コクリコ坂から」は「風立ちぬ」以上に意地悪な作品でした。一見さんお断り、判らない人は理解しなくてよいと明確に突き放した作風になっていて、それが悪い意味でちょっと鼻につくほどです。時代背景や地域特有の物や風景に精通していないと楽しめない作りになっていて、おそらく現在70-80代の人でしたら最大限に楽しめると思われますが彼らが率先してアニメを見るかどうか。(私の両親が空と同年代ですが、うちの両親がこのアニメを見たがるとは思えません)

とにかく説明が少なすぎるせいで世代以外の人では半分も楽しめないかもしれません。タランティーノ監督もそういった作風ですが、あちらの場合は判らない人でもそれなりに分かった風に感じられてニンマリさせられますが、こちらの場合は判らない人は完全スルー、不勉強な方だとセリフの意味すら理解できない箇所もあったりして非常に不親切。
しかし裏を返せばこの作品の裏に描かれている事実や事情、心情までも深く知り得ることができれば非常に楽しめる作品です。これほど描写やセリフにこだわった作品も少なく、唯一無二、評価が二分しているのもまあそれなりに納得できます。

私個人としては宮崎駿にはない優しい作風には心底感心しました。宮崎駿の強引な押し付けより、本作のようなやんわり曖昧な表現のほうが好きです。ただし繰り返しになりますが、作品を完全に理解するには鑑賞後の掘り下げ&再鑑賞が必須で、正直、娯楽作品としてはちょっと敷居が高くて難しい作品だといわざるを得ません。(雰囲気は決して嫌いじゃない)
最後に、恋愛状況がキモイという意見もみられますが、メルが好きな先輩と障害なく付き合えそうなラストで私としてはとても嬉しかったです。二人には好感が持てるしお似合いのカップルです。
アラジン2014さん [地上波(邦画)] 7点(2023-07-18 13:50:51)
79.《ネタバレ》 ジブリ作品はファンタジーの世界を失って
しまった自分にはもう理解できないだろうと敬遠していたのですが
地上波で放映されるとのことで観てみました。
みなさんがここに書き込まれていることの意味が分かる気がしました。
舞台となった戦後10年から20年にかけての時代を理解できる人はそれ
ほど多くはなく、主人公たちに感情移入するのが難しいと思いました。
他の人が言っていましたが、この物語の主人公はメルと俊ではなく、
船乗り3人の友情物語なのだろうというのに同感です。

ただそれにしては全てが中途半端で従って感動も今一湧いてきません。
また、広小路のおばあさんの素性や母親がなぜ娘たちを置いて米国に
行っていたのか、留学する歳ではないはずなのに何か留学したような
口ぶりでしたが、その辺の説明がなく仔細にこだわる人にとっては
もやもやが残ります。

メルという呼び名は、恐らく海=フランス語のMerから来ているのかと
想像はしますが、なぜフランス語なのかは不明です。
キムリンさん [地上波(邦画)] 5点(2023-07-16 22:32:39)
78.学生時代にこんなに一生懸命になれるってなんて素敵なこと。
TERUさん [地上波(邦画)] 10点(2023-02-04 22:04:39)
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【点数情報】

Review人数 117人
平均点数 5.70点
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232.56%
386.84%
42218.80%
51815.38%
63025.64%
71815.38%
8108.55%
975.98%
1010.85%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 4.80点 Review10人
2 ストーリー評価 5.18点 Review16人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review13人
4 音楽評価 6.28点 Review14人
5 感泣評価 4.53点 Review13人
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