61.《ネタバレ》 『運び屋の主人公はある日1人の女性に恋をする、しかし借金を抱えていた旦那(冒頭は服役中、悪い人じゃない)が脅され強盗をする事になる。しかし雇い主は元々彼らに罪を擦り付けるのが目的で強盗後主人公達を殺そうとする。家族のため苦渋の決断をした旦那の想いを侮辱し、女性まで殺そうとした彼らに主人公は復讐をする』、話だけなら目新しくもなく、悪役マフィアが殺し素人の主人公に壊滅させられる位の規模(構成員10人以下)だったり色々あって良くて5点。 だが『それ以外』が良い。 とにかく『静』を意識した演出が絶妙。登場人物の行動やアクションの合間に良い感じの『間』があり、それが見事に各人の心境やアクションの緩急を引き立てていた。 またBGMも基本無音で『ここぞ!』と言う時だけにこれまた各場面にマッチした多種多様な音楽を使用しており、上述した『間』と合わさり120%そのシーンを盛り上げていた。主人公の決意シーンやカーチェイスも全然派手じゃないのに凄いドキドキしてしまいました。 英語は全然ですが、主人公が訛りみたいのがある英語なのだが、これが彼の『不器用な純粋さ』と言う性格にマッチしていた良かった。 グロはランボーやスターシップみたいな派手グロではなく、包丁で首メッタ刺しやストンピングで頭蓋骨破壊等生々しいグロさですが、予想してたよりは少なかったですし、マフィアたちの必死さや主人公の彼らに対する怒り具合等十分理由のあるものでした。 尺に関しては話が話なのでこれで十分。あらすじに書いた内容をそれぞれ丁寧にそれなりの尺を掛け、且つ主人公の性格等はシーンの合間から『読み取れる』用にして尺を節約しつつ押し付けないようにしてあり、ここでも監督の構成力が光る。 イメージ的には『トランスポーター』みたいなアクションではなく、『貴婦人がヒロインのレオン』といった感じかな。 大金使ってCGゴテゴテにしただけの映画(それが駄目とは言わないが)とは一線を画する、『娯楽』ではなく『芸術』として観れる映画でした。そう言う意味でも子供とかは退屈してしまうと思うのでR15と言うのは『この映画の凄さを理解できる年齢』として設けてあって良かったと思う。 ただ前述したようにストーリーは本当つまらない。監督としての能力は文句無しなのでもっと面白い話を書ける人と組んで今後も活躍してほしい。 【ムラン】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-03-31 23:17:44) (良:1票) |
60.《ネタバレ》 バイオレンスなシーンがちょっと引くほどグロいけど、繊細な映画だったと思ってます。好きなシーンもある(窓越し、ガラス越しの不穏、影の戦いなど)のだけど。■なんか分からないよね。軽々に弱みになりそうなものを作らなそうな主人公が、なぜアイリーンたちに惹かれてしまったのか、ドライビングテクニックが武器のハズの主人公が、なぜそれを見せ場にしないのか?■それが理解できる方は、評価が高いんでしょうなあ。あいや、分かればおもしろそうなんですよ。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 5点(2024-10-27 18:53:57) |
59.《ネタバレ》 凄腕のドライバー。 冒頭の逃走劇は派手じゃないのに緊迫感が凄まじい。 まさに仕事人。 そして子連れのウェイトレス。 夫は服役中で一人息子を育てるために奮闘中。 髪だって伸ばしてる暇なんてない。 週末のデートで、シフトを握る手にそっと手を伸ばすシーンは最高にロマンティックだった。 しかし、奴には普通の暮らしなんてできっこない。 躊躇せずに頭を踏み潰せるなんて普通じゃない。 後退りする女を見て、また別の街で暮らすしかないことを悟る男。 大金持って3人で暮らすなんて、らしくない夢を見たもんだ。 一つ所に落ち着けるはずもなく、当てもなく車を転がす。 観終わってから、なぜタイトルがドライヴなのかわからなかったが、多分そんなところじゃないか。 無駄な説明やセリフのない、いい映画だった。 |
58.《ネタバレ》 “Drive”『運転する』『運ぶ』以外に『追いやる・至らせる』『人をこき使う』なんて意味もあるそう。 主人公はウォルター・ヒルの『ザ・ドライバー』みたく名前がないようだけど、劇中シャノンが「キッド」って呼んでたから、それが名前だと思ってたわ。設定のアッサリした'80年代風の映画を、'90年代の味付けで撮ったような、そんな2011年の映画。 キャリー・マリガン演じるアイリーンの美しさが光る。最初のエレベーターで何気にすれ違うところから美しい。キッドにはアイリーンがどう輝いて見えているかがよくわかる撮り方。 スーパーで見かける時の、最初ベニッシオを観せない撮り方も上手い。『あぁ、子持ちなのか』ってキッドの心の声が聞こえそう。水を汲む時の鏡越しのアイリーンの美しさ。からのスタンダードとベニッシオのツーショット写真。ここも『あぁ、旦那居るのか』って心の声が。そして「刑務所」って聞いた時も。キッドの気持ちがとてもわかり易く書かれている。 親子と幸せな日々を過ごしてからの出所。スタンダードがクズであってほしかった。キッドとアイリーンの仲を割く邪魔者であってほしかった。けど、人生の再出発を考えてる良いヤツで困ってしまう。このやり場のないキッドの感情が手に取る様にわかってしまう撮り方の上手さ。だからエレベーターのキスシーンからの暴力が活きる。理解できる。エレベーターのすれ違いで始まり、エレベーターの見つめ合いで終わる。 なので電話は蛇足だった気がする。けど、キッドの気持ちを考えると、伝えてしまうんだろうな。映画らしくカッコいい主人公じゃないキッドの人間臭さがエンディング曲“A Real Hero”に繋がる演出も上手い。 【K&K】さん [インターネット(字幕)] 8点(2023-03-21 10:01:39) |
57.冒頭は「トランスポーター」をもっとリアルで泥臭くした感じ。あの路線で行くのかなと思ったら、予想外の展開でした。ユーモアの一つもないし、どんどん人は死んでいくし、妙にグロいですが、アメリカ映画らしからぬ浪花節的なものも感じます。後半の〝仕事人〟ぶりも見事。 そてにしても、ライアン・ゴズリングは寡黙な役がよく似合います。終盤に行くにしたがい、ジェイソン・ステイサムというより高倉健に見えてきました。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-12-19 18:45:50) |
56.《ネタバレ》 クールなあいつは逃し屋。我らがライアン・ゴズリング。 監督はデスストランディングでハートマンを演じたニコラス・ウィンディング・レフン。 アウトローながらも純な愛を知った彼の未来は綺麗な映像とエモい音楽の割に上手くいかない。いや、行くはずがない。 ライアン・ゴズリングってイカれた役が多くて今回はなんともクールで期待しましたが、中盤からバイオレンス全開になった瞬間彼のサイコ本性が丸見えになっちゃって「あ、いつもの彼だ」となっちゃいました。 彼には血しぶきの化粧がお似合いなのだ。人妻との恋仲も顔をペチャンコになるまで潰したらそりゃドン引きですわ! 結末は意外とアッサリで、余韻はあるけれどよくは分からず、人妻もあんな殺しっぷりを見ても後ろ髪惹かれていて大丈夫かなとなっちゃいました。 監督の映画は初めてでしたが、その音楽と映像は美しく、なおかつバイオレンスも凄い、面白い作品でした。 【えすえふ】さん [インターネット(吹替)] 6点(2020-08-29 22:36:37) |
55.《ネタバレ》 多くの方が書かれているように、冒頭の逃亡シーンはものすごく面白いです。 単純なカーチェイスではないいままでの映画にないパターンで引き込まれます。 なるほど、これは評判通りおもしろそうだ…と思わせるわけですが、そこから強盗までの交流シーンがまずダラダラしてて長い。 で、強盗シーンになるわけですが、そこからは「スタッフが総交代したの?」とばかりの怒涛の残虐シーンでほとんどホラー映画。 (人間のかぶりものして無言で追い詰めていくとか怖すぎるでしょ) そして最後も、結局やった事といえばあのヒロインと子供の生活を守っただけで彼は去っていく…と、そこで僕は気づきました。 …あ、これ「シェーン」じゃん! 実はこの映画、ほとんど「シェーン」です。 違うのは主人公がサイコでいかれてて何を考えてるかわかんなくて不気味な事くらい… って、え、それ面白いの…?? とりまヒロインのちょうどいい可愛さはグッド。可愛すぎないのがいい。 あと欧州監督特有の「これおしゃれだろ」的な雰囲気は(音楽含め)、個人的には微妙でした。 冒頭の逃亡シーンの延長で本編が描かれていればものすごく面白かったんだろうな、とちょっと残念な映画です。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-06-01 18:01:05) |
54.《ネタバレ》 中盤までは、犯罪者の逃走を手助けする寡黙なドライバーが まるでサイコパスのように相手を殺しまくる物語 【草のつるぎ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-03-06 15:16:11) |
53.冒頭のドライブシーンで心を掴まれた。寡黙な主人公もいい。しかし、後半はバイオレンス描写が多く、通常のアクション映画のようになってしまうのが残念。最初の雰囲気をずっと保っていてくれれば、素晴らしかったのだが。 【アクアマリン】さん [レーザーディスク(字幕)] 5点(2019-02-17 17:45:10) |
52. 設定は面白いと思いましたが、展開が早すぎてちょっとついていけない部分がありました。 レオンなどの登場人物などとなんとなく比べてみたのですが、そういう観点で見ると哀愁も足りない気がします。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-02-02 10:27:23) |
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51.《ネタバレ》 昔の東映、日活の流れ者映画みたい。好きな女のために・・。最後のバイオレンスシーンにびっくり。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-01-02 17:31:34) |
50.《ネタバレ》 冒頭の逃走シーンは本当に凄い。派手なアクションはわずかだけど、静と動の組み合わせでこれだけサスペンスに溢れる場面が作れるのかと関心しました。また、映画中盤のモーテル?のシーンから急にタガが外れるバイオレンスも、あの頭ぶっとぶシーンから別の映画になったようで戸惑ったけど、物語にスピード感を与える(まさに「ギアが入る」)表現としては面白いと思いました。前半は違和感だった80年代風の音楽もだんだん映画と馴染んでくるから不思議。ただ、残念だったのは、プロットのほう。これは原作ありきなので仕方がないのかもしれないけれど、「純愛」部分のベタベタなロマンティシズム。キャリー・マリガンは可愛いが、どこか男目線のファンタジーを体現した感じは2010年代の映画としてはどうなんだろう。「ドライヴ」というタイトルから想像されるカーチェイスも後半はほとんどなし。そして、事件の真相部分。LAという大都会を舞台としたはずなのに、想像以上に狭い人間関係で、主人公周りの人物相関図だけですべてが描けてしまうのが、いったいどこの田舎町の話だっていう感じだった。まあ、映像とか音楽とか、台詞の間というか無言のシーンとかの使い方にはセンスを感じるので、監督の他の作品には興味ありです。 【ころりさん】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-09-17 12:12:25) |
49.冒頭の、派手なカーチェイスだけではない逃走シーンで期待が高まりましたが、バイオレンスな雰囲気が苦手なため、自分的にはダメでした。センスの良い、切れ味ある映画技法も多かっただけに、それを別のカタチで味わいたかったです。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-08-11 12:29:17) |
48.《ネタバレ》 男は黙って車を転がし、人として最低限のルールを破った悪はブチのめす。なんとも不器用でカッコイイ主人公。オープニングの斬新な逃がしのシークエンスですっかりのめり込み、最後まで主人公から目を離せなかった。最後の音楽も含めあらゆるカッコイイが堪能できる快作。 【けんじマン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-06-05 20:27:39) |
47.《ネタバレ》 主人公のライアンゴズリングという役者、他の映画でも一度見ましたが、その時は地味な役者だなぁぐらいでした。今回も地味は地味ですが、その地味さの味が良くかっこよかったです。あの全然しゃべらなさも良い。物語の終わり方はどうなるんだろうって思ってましたが映画のタイトルどおりのエンディング、これもまた渋いですね。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-02-08 22:41:04) |
46.主人公のドライバーにそれほど感情移入できなかった。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-08-01 19:17:59) |
45.まず音楽がいい。アングラな物語やラヴロマンスシーンにうまく融合していてセンスの良さがビンビンに伝わってくる。 特にラストのCollege feat. Electric YouthのA Real Heroでしょうか。凄いいい曲でエンディングをより一層際立てている。 普段はやさしくて無口でクールな男が凶暴な一面を併せ持ち、あんな人妻と恋に落ちたら…という男の夢も詰まってる。 優しさと狂気のテンポがうまく合ってなんとなく心地よい、そんな映画。 少々残念な点としては期待ほどカーチェイスが少なくアクションとしてはパンチが弱いかな。後半への失速感は否めない。 |
44.この作品は当たりだ。予想以上にカッコイイ作りである。 数少ないセリフのチョイス、演出、構図、照明、編集・・・実にイイ感じなのだ。 切ないラストもにくいぜ。 【へろへろ】さん [地上波(吹替)] 7点(2015-08-28 18:36:44) |
43.《ネタバレ》 一定のテクノビートを刻むミニマルミュージックから一気に引き込まれる。派手さとは無縁の、チェスの読み合いみたいなカーチェイスに新鮮味を覚える。それに続く、80年代テクノポップとピンクの筆記体クレジットで綴られる『ドライヴ』は、オーソドックスでありながら新しい風を呼び起こす。アメリカン・ハードボイルドとヨーロピアン・フィルムノワールが融合した文体は、不思議な浮遊感に満ち足り、かと思えば、静と動、ラブストーリーとバイオレンスの対比がアクセントとして効いている。過去も名前も不明なドライバーが、トラブルに巻き込まれた人妻と幼い子供のために、再び裏社会に舞い戻る、ありきたりな任侠映画のプロットでありながら、エレベーターのシーンで彼が歩んだ過去が凝縮されているように感じた。同時に彼女とは違う世界の人間であり、相容れられないことも。恩師を殺され、復讐するシーンでリズ・オルトラーニの"Oh My Love"を流すセンスが神がかっており、「映画に恋をする」というのは正にこうゆうことなのだろう。全てを終え、追われる身になったドライバーはもう戻らない。それでも人妻は彼を想い続けるだろうし、刺されたドライバーは彼女の温もりを乗せ、今頃生きているのかもしれないし死んだかもしれない。彼の人生を想像したとき、大きな余韻がふっと湧き上がる。 |
42.最初のシーンは、お〜っ、と思ったがその後急におとなしくなり、「ドライブ」っぽくなかった。 キャリー・マリガンが可愛いのは発見だった。それが自分にとってのこの映画の価値。きちんと観れば面白かったのだろうか。 【simple】さん [地上波(吹替)] 4点(2015-05-12 23:24:36) |