4.可愛らしいだけのヒロインかと思いきや、無様でカッコ悪い側面をもさらけ出す。
それでも、その醜態を超えたところで最終的により一層の輝きを増すヒロイン。
それが吉田作品のヒロイン像だが、
ここでの広瀬アリスは単に可愛らしいだけのキャラクターで少々もの足りない。
初の原作ものの制約でやむを得ないところか。
親と向き合う、との台詞も言葉だけでは消化不良だ。
が、屋外バーベキューやばん馬コース作り、レースに集まるギャラリーなど、
後半は北海道ロケを活かしたモブシーンが充実して映画をよく活気づけている。
クライマックスとなるばん馬レースの盛り上がりと、離農する市川知宏一家の引越し
シーンの対照的なカットバック。その悲喜交々の情感醸成が素晴らしい。
市川と西田尚美の母子、小さな姉妹らが泣かせる。