44.これだけの手間暇を全部「外枠の形を作ること」に投入してしまって、中身がまったく伴っていない。登場人物がことごとく動かされているだけであって、動いてないのです。だから、役者の台詞や演技の一つ一つも、そうさせられているだけ、になっています。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-04-16 01:41:55) |
43.《ネタバレ》 この映画、完成度ということについてはよくわかんなくって、何だか繋がりが悪い感じがあるんですけどね。主人公の弟の独白が(冒頭シーンを無理やり思い出させるように)入るのも奇妙だし、映画後半になると波乱万丈の物語がさらにバラバラな感じになってきて、パルチザンに誘拐されるあたりなどちょっと唐突な印象。 この広いロシアで、妙に易々と「再会」が繰り返されるのも、変と言えば変。 それでもやっぱり、タマラないんだなあ、この作品。 ロシアの広大で厳しい大地の圧倒的な映像と、人間の個性を圧殺する共産主義体制の台頭を前にして、人間の存在がいかにちっぽけなものか。主人公はヒーローでも何でもない、やや寡黙ですらあるフツーの男、妻子を愛しつつ、浮気なんかもして、しまいにゃあっけなく、実にあっけなく頓死してしまう。 ホントに容赦なく「ちっぽけ」なんですけどね、それでもどっこい、生きている。 無表情なアレック・ギネスが示す、微かな笑み。 本作のラスト、これほど静かで、これほど力強いも、なかなかありません。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2018-04-08 10:34:42) |
42.《ネタバレ》 歴史に翻弄される人々っていうことで、人間ドラマの方はそれほど濃くない。とはいえ、主人公が医者というところがミソで、そのおかげか長時間でも飽きずに見ることができました。ドラマ性が薄いとどうしても男女関係に頼らざるを得ず、本作でも後半は単なるメロドラマになってしまったのは残念でした。そこに至るまでの人物たちの関係はなかなか面白かったです。個人的には、ジバゴとラーラの関係よりも、トーニャと息子が結局どうなったのかということが気になりました。パリに逃げても、このあと第二次世界大戦が始まるわけですし……。一応ロシア革命批判などもあるようですが、革命そのものよりも、主義にかかわらず人間性を否定する社会機構そのものに対する批判というものが感じられました。そもそも人民といってもいろいろな主義主張があるわけで、それを十把一絡げにして語るあたり、個人というものを無視したうさん臭さが感じられます。 【アングロファイル】さん [映画館(字幕)] 7点(2016-07-24 16:28:04) |
41.《ネタバレ》 日本では考えられないような大きな革命が起きたロシアを背景にした壮大な映画。莫大な費用と手間をかけた超ビッグスケールさは観る者を圧倒します。この監督さんが撮るとこうなっちゃうのかな。で、なんだけど、舞台はロシアだけど英語で話してる、というのが違和感あり、ですね。まぁ名だたる俳優さんたちにロシアの言葉をしゃべってもうことなんて無理なんだけどと言ってしまえばそれまでなんだけどね。だから、当然ロシアの人はほぼ全く出ていないのに(エキストラさんは除く)しっかりロシアな雰囲気がでてるというのが名監督のなせる技。オマー・シャリフはエジプトの人だよ、すごいよね。で、オマー・シャリフ扮するユーリという人物もまた詩人といいながらそんな場面は無いし(どこかあった?)奥さんいるけど愛人のところにベッドから抜け出して行っちゃうような人なんだから全くもう、といったところ。奥さん役はあのチャップリンの娘さんなんだけど、あんまり役に合って無いような? 。ラーラを演じたジュリー・クリスティ はとても美しい。こんな美人さん久々遭遇したかも。撮影の仕方も彼女がきれーいに映るようにされている気がする。しかし彼女が銃でコマロフスキーを撃つシーンがあるけど、あの距離で外すとは普通あり得ないね・・・まぁそこらへんも彼女への配慮かな? 。あっけないラストは若干物足りない感あるけど、十二分におなかいっぱい感ありな本作、たまたま初雪が降った日に鑑賞したのも寒い雰囲気が大事なこの映画に合っていたのはラッキーでした。 【Kaname】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-12-19 08:56:01) |
40.《ネタバレ》 現実主義で俗物の弁護士と、理想主義の革命家、そして医師としての職業倫理は高いが色に溺れて右往左往してしまうノンポリの不倫詩人。まあ、3者3様の生き様にはどれも共感できませんが、非難もできません。激動の時代に翻弄されながらも各々の生き方を貫き、そして人間は生きたようにしか死ねないという事を痛感させられました。結局「俺たちはみんな汚れてるんだ!」という叫びにつきるのかと。それでも生きていく人間の逞しさは伝わってきました。 |
39.《ネタバレ》 画面いっぱいに広がる異国の広大な風景。その圧倒的な空間の広がりは映画ならでは。加えて男女のままならぬ悲恋、歴史の動乱、と長編作の必須事項をきっちり押さえた200分。さすがにおなかいっぱいになったけれど、第一次大戦から革命に至るまでのロシアの市井はとても興味深かった。初めて知ったこともたくさん。 赤だ白だバルチザンだ、と国内大荒れだ。登場人物らがやや情勢に流されっぱなしの感はあっても、致し方の無いことなのかもだ。何しろ前線から帰宅してみれば共産の名の下に自宅が他人でいっぱい(!!)だ。うわうわ。怖気づくのはそれだけではない。苛酷な鉄道の旅。扉を開けたらもう一枚壁がある。氷壁なのだった。それをばーん、と割って汚物を捨てる。この描写の容赦の無いこと。ロシアの大地がどういうものか、身にしみて分かろうというものだ。 しかもD・リーンは、絵画のような繊細なシーンも不意打ちのように入れてくる。陰影に満ちた室内に黄色いひまわり、エルサの城もかくやと思わせる、氷漬けの邸宅。その銀の輝き。 映像監督の手練が全編にわたって発揮され、画の力が恋バナの弱さを補って余りある。ロシア国内での撮影でないとは驚愕だ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-08-02 00:17:58) |
38.映画好きの友人の熱烈なお勧めで視聴したものの、残念ながらそこまでは感情を動かされなかった。一言で言えばロシア革命を軸に歴史と運命に翻弄される男女の悲恋ストーリーで、プロットはしっかりしていて映画としての見応えはばっちり、それだけに重厚で長い長いストーリーが続くのも退屈はしなかった。が、主人公二人はいずれも自ら運命を切り拓くというより、ひたすら時代に翻弄されまくる受け身の人生に終始しており、出会うも別れるも辛酸を嘗めるも為す術もなく嘆き耐えるばかりの姿に、観ているこちらも淡々と受け止めるしか無く、感情移入しにくかった。またそれぞれの人生の幕引きも存外あっけなく、ラストには完全に肩透かしを食らった気分に。背景も素晴らしく壮大なスケールで描かれた作品だけに、映画館で観ればまた感想も違ったことだろうと、それだけは残念。 【lady wolf】さん [DVD(字幕)] 5点(2015-06-16 18:55:06) |
37.ロシア人の耐寒性に対する強さと共産主義の原点が感じられる映画です。長い大作ですがストーリーも面白く主人公を始めとする男女間の心情にも共感できます。退屈することなく最後までしっかり観賞できました。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-16 23:42:47) |
36.ロシアの冬は厳しいんだな。家がすごいことになってた。 【ホットチョコレート】さん [地上波(字幕)] 6点(2015-01-08 06:49:25) |
35.壮大な物語、映像のスケールも大きいしそれなりに引き込まれる。 でも...感動するシーンがほとんど無く、淡々と過ぎていく。革命や冬のロシアや、いろいろと思うことはあるが冷たく寒い物語だな、と思う。 【simple】さん [地上波(字幕)] 6点(2015-01-04 16:44:23) |
|
34.ぜひ映画館で見てほしい、TVでは伝わらないものがある。「ゴットファーザー」「風と共に去りぬ」と並ぶ、映画の中の映画。 【cogito】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-08-02 10:00:02) |
33.《ネタバレ》 昔、学生の頃。頭痛と鼻水悪寒喉の痛み的な基本セットが自分の身に降りかかっている事には朝から気がついては居たけど、あと一時間で始まってしまう厳しい授業に出席しなければならない現実と向き合うには風邪薬が必要と考えて、服用した。 通常より多めに飲んだ風邪薬のおかげで症状はだいぶ緩和された代わりに、目的の駅を何度も寝過ごしてやっとの思いでホームに降りる事が出来た。駅からキャンパスに向かう道の上で歩きながら寝てしまう勢いでギリギリの意識を保っていたのを思い出す。 もちろん講義に出たは良いが、座った瞬間眠ったあげく自分の意識では頭を持ち上げられない位に混濁した記憶しか無い。はっきり覚えているのは次の講義の顔も知らない教官に 「君大丈夫か?医務室行くか?救急車呼んだ方が良いか?」と起こされたことだ。 後でこの教官にお礼を言いに行くと、最初意地悪で起こさなかったが、授業が終わっても起きないので様子を見に来ると呼吸の音がおかしいような気がしたのでうろたえてしまったという。逆に謝られてしまった。 と、いうのをジバゴで思いだした。土曜日の昼間、たっぷり睡眠を取った上で見始めた録画にこりゃあ一発で寝ちまうな、なんて考えていた。 しかし意外にも眠れない。ストーリーに起伏は無く、ジバゴはなにをするでも無く、戦争だけは進んで、勝手に人間関係がバラバラになっていく。眠くなる要素が満載なのに、いけなかった。たっぷり睡眠を取り過ぎたためだ。その上ラーラが阿婆擦れである。アバズレ。漢字で書くと字面がもの凄い。ATOK様の腕力に頼ってもう一度、阿婆擦れ。 私の目はラーラに釘付けだった。というかそれくらいしか面白くなかったのかもしれない。 でも見終わった時、色々心に残るシーンはラーラ以外にも多かったのに気付く。そして脈絡も無くあの講義の事とか、フラフラのまま学食で笑い話をしてたらいきなり視界が真っ暗になって大騒ぎになった事とかを思い出す。 よく分からないんだけど、あの時学食でドクトル・ジバゴの話題が出ていた事に記憶の糸が結びつくと靄が解けて残った塊が腑に落ちていく。 「その状態でドクトル・ジバゴを観たら間違いなく二度と目が覚めないだろうな」 とかみんなで笑ってたのだった。そうだあの時皆が言っていた「どくとるじばご」とはこの映画だった。 でもそこまでつまらなくは無いぞ。 【黒猫クック】さん [地上波(字幕)] 5点(2012-12-18 18:06:02) |
32.ロシア革命を背景にパステルナークが書いた小説をデヴィッド・リーンが映画化。 スケールが大きく時間も長く「風共」と同じくらいの大作。 リーンは何でも大規模になってしまうのですが、これも製作費がかかっていそう。 ジュリー・クリスティは美しくジェラルディン・チャップリンは可憐、ロシア人風のヘアメイクのオマー・シャリフも魅力(ちょっとヘンだけど…)なのですが、後半はメロドラマと言われても仕方ない部分も。 映画として見応えはあっても愛着が薄いのは、プロットやキャラに興味が少ないせいかと思います。 作者が自身をモデルにした原作は絶版なこともあり未読ですが、映画は不倫カラーを薄めるため後半トーニャの存在を意識的に消し、傲慢なコマロフスキーにも情が湧くよう手心が加えられているような気がするのですけど。 ロシアで撮らずにあの国の雰囲気を再現したのはすごいし、雪の平原を走る列車の旅やパーシャの変貌、「ラーラのテーマ」は印象的。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-05 07:00:02) |
31.大作の多いデヴィッド・リーン監督の映画だが、その中でも最も好きな映画。学生の時見た感動は決して忘れることができない。 何といってもモーリス・ジャールの音楽がすばらしい。「ラーラのテーマ」を聞くといつも涙が出てしまう。戦争と革命によって翻弄された人々、なかでもユーリとラーラが戦争のない世の中で出会っていたらと語り合うシーンは心をうつ。不倫と言うのはあまりにも酷、運命のいたずらと言ってほしいもの。 ロシアの大自然は実に壮大だ。映像も音楽もすべてが美しい。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-09-24 22:52:37) |
30.ロシア革命を舞台背景に、一人の男の数奇な運命を描いた文芸大作。 演出や映像、スケールの大きさなど、映画を観たなという満足感を与えてくれる。 大河ドラマ的な構成で、もちろん見応えはあるんだけど、ストーリー的には今一つ。 鑑賞後は正直、娘のエピソードのほうを観たいと思ったし、 こちらも絡めてドラマとしての厚みをもっと出してほしかった。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-09-04 04:22:51) |
29.ロシア文学って広くて深くて、かつ繊細ですごいなあと思わずにはいられないのですが、それをすばらしい映像にしたのも感動です。ちょっとしたうれしいときの表現なんかも好きですが、あまり登場人物に感情移入はっできませんでした。ただ記憶には残りますね。 【HRM36】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-05-17 10:51:44) |
28.《ネタバレ》 金も時間もたっぷりかけた文芸大作。現在ではほどんと見ることができないタイプの映画。ロケーション、美術、大量のエキストラ、音楽、どれも申し分ない出来栄えで視聴に値する。 ◆戦争、革命、社会変革、価値観の変更。厳しい冬、慢性的な物不足、飢餓と隣り合わせの暮らし。生き延びるだけでも大変な時代。それだからこそ愛に飢えた魂同士は強く結びつき、燃えあがる。共に妻子ある身だが、愛が無ければ生きられない。ラーラの夫が革命家であることもあり、二人は時代に大きく翻弄される。 ◆ジバゴは両親を早くに亡くし、知人に引き取られる。裕福な家庭に育ち、望み通り詩人兼医者になる。政治にはさほど興味がない。義父母の娘と結婚。ラーラは母との慎ましい二人暮らし。母は俗人ビクターの愛人。ビクターに犯され、心の傷を負う。革命家と結婚し娘を授かるが、夫は家庭を顧みない。夫は戦場に行ったきり行方不明に。二人は運命に翻弄されるかのように何度も別れと出会を繰り返す。 ◆ラーラの夫は理想に燃える革命家であったが、後に冷酷な戦争指導者となる。最後は逮捕され自殺。この魅力的なキャラを中途半端にしか描かなかったのはどうしてか?人間性を失った彼と、最後まで失わなかったジバゴ。彼を描くことで好対照であるジバコを際立たせることになるのですが。 ◆ラストは尻切れトンボ。ジバゴの妻子はどうなったのか。ラーラの最後は?ラーラの娘は母とどうやって別れたのか?伝記なのだから、きちんと見せるべき。それに重要なアイテムのバラライカ、持ってるだけで何故誰も弾かないのはどうして? ◆物語として物足りないのは、ジバコが英雄的人物ではないという点。高潔で優しい人物であるが、何かを成し遂げるわけでは無く、思想も持たない。常に受け身である。医者として戦場に送り込まれたり、拉致されたりするが、さほど活躍するわけではない。ラーラとの不倫も偶然的要素が強い。いわば等身大の人間だ。彼の詩が紹介されないので詩人であるという深みが出てない。人間は、戦争や革命といった時代の奔流には逆らえないが、恋愛も同様だと原作者は言いたいのだろうか。歴史的背景を除けばメロドラマだ。ジバコが精一杯生きているは伝わるが、喜怒哀楽をあまり表出しないので共感しづらい。ラーラは憎悪のビクターのお陰で助かり、ジバコと一緒だった死んでいた。ジバコは、ビクターに完敗した感がある。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-12-24 04:07:03) |
【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-05-05 19:13:09) |
26.良い物語だと思います。が、トーニャがちょっとかわいそうかなあ。運命って時に残酷ですね。ラストの唐突感はちょっといただけません。 【noji】さん [地上波(字幕)] 5点(2009-11-09 00:06:48) |
25.《ネタバレ》 結構よかったです。極寒の凍りついたような美しい景色が見ものです。歴史モノかと思いきや不倫モノという大胆な構成が面白いです。前半には出会いそうで出会わないニアミスがあったり、出会ってからもなかなか結ばれない演出にやられました。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-22 18:32:08) |