14.垂れ込めた空気と姉弟の心理が重なり合い、必要最低限のセリフと演技で観客を納得させるミニマリズムの手法は圧巻。また、カメラは必要以上に被写体に近づかず、そしてむやみに表情を映さない。よって映像で心理描写を十分に描きながらもカメラワークが説明的過ぎないという妙技を見せ付けている。本当にこの映像は素晴しいとしか言いようがない。時に使われる非現実的なシーンもストーリーの奥深さを増加させていて効果的。とにかくそういった技術てきな問題に関してこの映画は秀でている。しかし僕個人的にはこの種の映画がそもそもそんなに好きではないし、純粋に映画を楽しめない。なので芸術点10点、ストーリーで-2点!!計8点とさせていただきます。 【ジャザガダ~ン】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-10 12:50:44) |
13.いい映画だとは思う。でもちょっと重すぎる。なんとなく入り込めない部分があったので-2点です。 【トナカイ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-07 23:32:42) |
12.下の方の意見で「全体として、ただひたすら苦しい映画でした。、、、、、」とありますが、私の感想もまさにそれでした。他の方と違っているのは、この映画を傑作と思えるかどうか、繰り返しみたいと思えるかどうかの部分ですが、私はどちらも否定的です。この映画に高い芸術性は感じますが、傑作だとはどうしても思えません。というより、これほどつらいロードムービーは見たくないと。希望も情けもあったもんじゃありませんと。つらいのは現実世界だけで十分だと。そんな気持ちになりました。 【mhiro】さん [ビデオ(字幕)] 3点(2006-03-01 18:47:35) |
11.どんよりと垂れ込めた霧の中、主人公の姉と弟の心も、そして私の心もまた晴れない。 オープニングから突き放すような映像、しかし、そこから目を離すことは出来ない。 くすんだ色使いの画面は、ひとつひとつが絵画のように印象的。 映された風景と人物がとが、あたかもキャンパスに切り取られたように感じられる。 その芸術性の高さ、奥深さで私を魅了する。 アンゲロプロス監督の完璧ともいえる感性と才能には、ただ感心するばかりです。 観終わった今、私自身がこの作品について完全に消化しきれていないもどかしさがあります。 理解しなければならないのか、感性を研ぎ澄まさなければならないのか・・ 迷う心と、私の観たそのままで良いと思う心とが、交錯しています。 力(ちから)のある作品に出会えて嬉しい。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-09-08 21:34:25) |
10.立ちこめる霧の中にそびえ立つ1本の木・・。絵画にして部屋に飾っておきたい・・。 【STYX21】さん 6点(2004-07-28 23:14:18) |
9.主人公の姉弟は、まだ見ぬ父を探し求めドイツに向け旅に出る。まるで幸福の“青い鳥”を見つけに旅に出る幼い子供たちのようだ。押し寄せる資本主義に飲み込まれる若者達、旅芸人一座の時代の終焉、大人のモラルの崩壊などなど…寒々とした映像も手伝い、まるでギリシャという国そのものが暗黒の時代に差しかかっているかのような印象をも受ける。主人公の姉弟も私生児だ。ラスト近く、海底から一本指の欠けた巨大な手の彫像が現われるシーンがある。現実と非現実が入り混ざり、不思議だが怖い。これは何らかのメッセージがあるのだろうか。それともアンゲロプロスのシュールな心象風景なのか。どちらにしても鮮烈な印象を放ち、脳裡に焼き付くシーンだ。《ネタバレ》ラストでは、暗闇の中、一発の銃声が響きわたる。そして絵本のようなシーンで幕が下りる。やはりこの映画、現代の寓話なのかもしれない。(かなり辛口だが) ギリシャといえばギリシャ神話やオリンピアに代表されるよう、数々の芸術や文化を生み出した歴史のある国。遠い他国ということもあり、当時の政治的、経済的背景が今ひとつ分かりかね作り手の意図するものが掴みづらい。しかしこのアンゲロプロスの独特な映像とリズムを通じ、繰り返し観たくなる傑作であることは間違いない。 【光りやまねこ】さん 10点(2004-07-24 11:02:54) |
8.美しくて哀しい映画。賛辞は他のレビューに任せる。お姉さんが、レ○プされた(んだよね?あれって)後、手に着いた血をトラックの幌にこすりつけるシーンが衝撃的。我が目を疑った。 【マックロウ】さん 9点(2004-06-09 11:19:10) |
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7.無防備な状態で見て真剣に傷ついてしまった・・・3人が心の着地するところを求めているように思えます。はっとするシーンがたくさん。 【ジマイマ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2004-04-11 00:02:14) |
6.ヘリコプターが飛ぶシーン以外、全て曇天ですね。劇団と出会う場面の木がとても美しいです。 【藤村】さん 9点(2004-02-26 04:52:07) |
5.苦難の末のラストはエデンの園なのだろうか?見る側にすべてを預けるアンゲロプロスの作風は、深く重く静かに心に響く。 【mimi】さん 9点(2004-02-08 20:13:32) |
4.抽象画のような映像に思い切り酔ってしまいます。少し生々しいところが気になって-1です。痛々しいだけで生々しくしなくても、いいのにと思ってしまいました。 【omut】さん 9点(2003-06-03 03:29:20) |
3.テオ・アンゲロプロス監督が、これほどまでに万人(?)に愛される映画を撮ったことに、公開当時ガクゼンとしたことを覚えています。ああ、ぼくだけのものでいてほしかったのにぃ~! って…。主人公の姉弟のうち、幼い弟の手紙がときどきナレーションとして挿入されるんだけど、そのナイーヴで詩的な野にも、心震えっぱなし。翻訳した池澤夏樹にも感謝の花束を。とにかく、本当に美しい、まさに詩のような逸品だとぼくも思います。 【やましんの巻】さん 10点(2003-05-21 19:06:08) |
2.路面の、窓の、線路の、海の、湿った冷たい灰色が忘れられない。こんなに美しく痛ましい映画は他にはない。あの幼い姉弟の可憐さはどうだろうか! にび色のギリシア。雪・霧・闇。忘れられない風景だ。 【弓木暁火】さん 10点(2003-04-22 01:14:02) |
1.冒頭の汽車を待つ姉弟、雪が降るシーンで時間が止まったように、動かない人達など多数の印象深いシーンがある。また、手の石像をヘリコプターで引き上げるシーンは話の展開上なんら意味を持たないが、なぜか悲しく、とても必要なシーンに思えてくる。そこら辺が映像美学の奥深さだろう。それでも監督が映像に込めたメッセージをすべて理解することは到底出来ない。だが、この映像に触れれば、何かしらの感動を憶え、いにしえぬ力を肌に感じることだろう。悲しくも残酷な運命をたどった姉弟は、映像が心の言葉を代弁しているように語りかけている。 【ゆたKING】さん 10点(2003-02-24 19:58:00) |