469.ブラックなコミカルさは嫌いじゃないけど、まあ品の欠片も無い。 アメリカ社会の家庭問題を描いているというけれどマリファナ、銃殺、不倫、ロリコン、ゲイ等。 大げさだとしてもこんなものが身近なの?映画では見慣れていても少々恐ろしい。ケビンスペイシーはさすがの名演技。 |
468.《ネタバレ》 ごく平凡に見えるアメリカ中流階級の人々が徐々に虚飾を剥がされ、崩壊していく様。 言ってしまえば目新しいテーマではありませんが、それを真正面から、特定の時代のせいにすることもなく、しかも軽快なテンポで描いてみせた傑作だと思います。 死んだような思いで毎日を送っていた主人公が娘の友人に恋し(恋したと錯覚し)、殆ど自暴自棄で意気揚々と仕事を辞め、冷えた人間関係を痛烈に罵倒する。 束の間、彼は(やがて訪れるであろう)破滅と引き替えに、生まれ変わったように見えますが、結局「甘美な破滅」なんてものはやってきません。 暴走する手を止め、我に帰り、隣人をなだめ、幸せだった家族の写真に見入った直後に死が訪れる。 ドラマチックさも甘美さもない、幾つかのくだらない虚飾と誤解が絡み合っただけの呆気なく虚しい最期。 それだけに、主人公が抱いていたささやかな希望、愛情と夢がヒシヒシと胸に迫ります。 冒頭とラストに死後の主人公のナレーションが入る構成。ビデオカメラ越しに世界を見る青年の視点。 常に客観的で醒めた視点が逆に哀しく、印象的でした。 【i-loop】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-04-14 01:52:51) (良:1票) |
467.幸せな中流家庭の崩壊。。ならばジャパニーズ・ビューティーが真珠夫人 【くまさん】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-10-09 09:28:41) (笑:1票) |
466.《ネタバレ》 【男】本来の自分を見失い、強い脱力感。中年の性に目覚め、昔の青春を取り戻したいと願う。筋トレとジョギングで鍛え、いやな仕事を辞めバイト生活。妄想と麻薬でハイ。あこがれていた車と無線カーを購入。家族に本音を話す。心の解放に成功したがその報酬は高くついた。娘と妻から憎まれ、挙句に死。 【妻】娘時代貧乏だったので、人一倍物質的豊かさにあこがれる。心の潤いをなくしセックスレス。常に成功のイメージを持つ。浮気を経験。家庭を壊す夫を殺そうとする。 【娘】会話のない家庭に嫌気。両親を憎む。自分を変えたいと思っている。思春期の情緒不安定、混乱。豊胸手術のお金を貯めている。自分を変えてくれる誰かを欲している。 【娘の恋人】ジャンキーでヤクの売人。ビデオマニア。死に美を感じる。死は神に近づく瞬間だから。父には従順。家を出る決意をする。娘の孤独さに魅かれる。 【大佐】DV親爺。ナチ崇拝者。ゲイを嫌うが、それは自分の中にゲイの素質があるのを抑圧しているため。息子をしごき育てようとする。 【大佐の妻】夫に従順なだけの生活で、生きる屍。 【娘の友】平凡が大嫌い。特別な自分でありたい。モデルを目指す。遊び人を気取っていた少女が実は処女だった。あるいは処女のふりをした。 【感想】死者が語る物語。死後は美のあふれた世界などと死の礼讃ともとれる。ゲイ、不倫、銃、麻薬、酒、暴力、セックスなどの混沌とした世の中、死だけが荘厳で美しく見えるのかもしれない。高度に発達した文明社会への批判。誰が主人公の男を殺すかというサスペンス仕立てにもなっている。冒頭の「父を殺して」と語る娘のビデオがミスリード。DV親爺による勘違い殺人のオチは納得いかない。播いた種は刈らねばならない方式でないと深みがない。アメリカン・ビューティは虚飾の象徴で、妻が庭に植え、食卓に飾ってあるもの。風に舞うビニール袋は自由な魂の象徴。人は失って初めて自分の持っていたものの価値に気づく。男は自分を「既に生きてない」「人生の敗残者」と思っていたが、自分の家庭、自分の人生は幸福なものであったと悟る。妻は夫を失って号泣。娘の友は処女を失いそうになり、初めて等身大の自分に戻る。娘はヤク中の男と家を去るだろうが、一緒になっても幸福にはなれない。大佐は刑務所行き。計算された映像や脚本はよく出来ていると思いますが、病的な部分が多いので好きになれません。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-06-09 23:31:28) (良:1票) |
465.心の闇にかかえる人たちの集まり。序盤はどう話をまわすのかと懸念したけど、ラストでちゃんと辻褄があって、ホーッなるほどという気分。ケヴィンスペイシーの心の闇には感じ入ること大。ラストの絶命間際のケビンの幸せそうな笑顔は素晴しい。ビューティーと言う題が皮肉が効いていい。ダークだものね。個人的にはケビンには頭の切れる役がいいな。 【タッチッチ】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-06-01 18:21:29) (良:1票) |
【eureka】さん [地上波(吹替)] 6点(2008-03-20 20:57:48) (良:1票) |
463.《ネタバレ》 タイトルは作中に出てくるバラの品種の名前であり、そして文字通り“アメリカの美点”という両方の意味を備えている。物質的豊かさが顕著になった現代において精神面における不足という新たな問題が生じ、その諸問題に隷属してる主人公がその束縛から解き放たれていく様を見事に描いた秀作である。 追い求めていたものが実は純粋な美しい存在であり、美が実在すると実感するあのシーンは見事な演出だ。 自分の本能のままにありのままに表現していくことの難しさを、現代人の悩める精神的構造をここまで顕著に描いた作品はそうはないだろう。性欲の無限の可能性も感じ取ることができ非常に堪能できた。 アカデミー賞についてはアカデミー賞というものが単に作品の良し悪しで決められてるものではないということ、実に閉鎖的な投票制を用いている事、ユダヤ系の方が多くの投票権を有している事、以上を考えれば、不自然なほど白人を用いアメリカの夢の終焉、否、白人のアメリカの夢の終焉を描いた反白人主義に近い構造をとった本作は納得の受賞、、なのかもしれない。 【きいろのくじら】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-03 23:29:09) (良:1票) |
462.さして面白いわけではないのだけれど、かなりイタい映画。ベッドで隣に横たわる夫がふと気が付けば自慰にふけっているシーンには笑えました。こういう夫婦、洋の東西を問わず結構多いんでしょうね。ケビン・スペイシーより、奥さん役のアネット・ベニングの方が光っていたと思う。ミーナ・スヴァーリも魅力的。でも、感動したわけではないので、いささか低めの点数で。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-07-11 14:47:13) (良:1票) |
461.《ネタバレ》 みんな異常で、それが正常。社会と折り合いを付けて生きている。父はある日、ある少女を見た瞬間に、今までの空ろな自分を捨て、少年に戻る。「空ろな自分」に気付かせてくれる衝撃的な「美」。それは人それぞれにあるピンポイントな美であり、どこにでも普通に存在する。自分にとっての「美」を早く見つけたいものだ。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-03-31 09:44:40) (良:1票) |
460.あくまでコンセプトが「どこにでもありそうな話」ということなので、話自体は何の変哲もないはずなのですが…割と映画を見るわけではない友人の間では異質な映画として受け取られがちですね。でも要はアメリカでの話だとか日本にもあるだとか、そういう話になる時点で結局は普通の話ってことです。問題は描き方であって、こういったテーマを真正面から映画化したこと、また随所にセンスの高い描写や印象的なシーンがあったことを評価したいと思います。舞い上がるビニル袋のセンスには驚かされました。 【Thankyou】さん [ビデオ(字幕)] 2点(2007-02-14 01:46:46) (良:1票) |
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459.ちょっと真剣に考えてみよう。マスターベーションと本当のセックス、一体どちらがより幸福だろうか?自己の内面世界を完全に満足させる可能性があるのは前者かも知れない、しかし他者と共有した経験というのは、それだけでかなり美しいことなのだ。レスターの死に顔、キャサリンの喪失感はその事実に改めて気付いたことの証のような気がする。 【トマシーノ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-04-10 14:34:30) (良:1票) |
458.皆さんのレビューはすべて読まさせていただきました。そのうえで、ただ一言だけ言わせてください。 アカデミー賞にふさわしいか否かという論点でしかレビューできない方、ただ単に笑ったとか下品だったとしか感じなかった方、何のおもしろみも見出せなかった方、あなた方はとても幸せだと思います。いつまでも何も疑うことなく、既存の「幸せ」のなかで暮らしていってください。でも自分にとっては、そういう方があまりに多かったことにかるい絶望を覚えました。だからと言って、ここでくたばってしまうわけにはいかんのですがね。俺はどう生きるのか。どう戦っていくのか。そんなことを考えるのはしんどさの極みですが、もはやここから逃げることはできません。この作品はアメリカだけの話じゃない。俺の話でもあり、あなたの話でもあるんですよ。 あー、とても一言じゃ終わりませんね。とりあえず、いろんな意味で正月早々に見る映画じゃないことだけは確かです。とまぁキリがないので、これにて失礼させていただきます。 【708】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-02 04:53:06) (良:1票) |
457.《ネタバレ》 これって一応コメディ映画だったのですね・・・。ここで高評価のレビューを見てから借りてみたんですが、すっかり社会派一直線の映画だと思ってました。途中爆笑してしまい「あら・・・笑ってよかったのかな?」とひいてしまった。リアルといってもコメディタッチのリアルだから多少誇張されているけど、僕には気持ち悪いと切り捨てることはできず、自分にもある心の闇の部分を垣間見ることができ、それがストーリーとうまく絡み合っていたとは思います。でも、ラストは疑問。あれだけ好き勝手してきた親父が、「処女なの・・・」の一言で真人間に早代わり。その葛藤の薄さといったらないんじゃないでしょうか。自己表現のみを追求することの愚かしさに気付き、家族全員がこれから一生懸命に時間をかけて幸せを築いていこうやってときにバキューン・・・・・。彼は幸せ?一瞬だが最高の幸せって聞こえはいいけど、僕には幸せにはとても見えなかった。衝撃のラストなんて必要ないってば。5点。 |
456.主人公が取り戻そうとしたのは、自身の「青春」である。彼が会社を辞めてフリーターになり、娘の友達に魅せられて肉体を改造し、マリファナを吸ってロックを絶叫するのは、自らの青春への信とその回帰の意志からくるものであろう。この映画は、そんな青春に象徴される精神の自由とか、利己主義とか、社会に対する無責任さなどというものに対する無邪気な信頼を描いたものなのだろうか。 きっかけは、主人公を襲う妄想であった。現代的妄想とは、現実によって侵食された内面からの末期の悲鳴である。そしてそれは現実/世界を超越する意志という失われた原初的思念の新たな発現になり得るのである。 この物語のもう一方の主人公は隣人の若者であろう。彼の存在によって、ケビン・スペイシーの無邪気さは相対化されていると感じた。彼の現実は最初から不透明である。そこには回帰すべき青春への信などというものは既にない。しかし、彼とケビン・スペイシーはまるでコインの裏と表のような存在であるようだ。彼らが同じ世界を生きている以上に共有している思念を感じるのだ。それこそがこの映画のモチーフである「生きていくことへの信」だろう。そのモチーフに繋がる若者の動機が少し弱いかもしれないが、ある意味でそこにこそ「青春」というタームを超えたこの物語の新たな可能性を見たような気がする。 【onomichi】さん 9点(2004-08-27 23:37:02) (良:1票) |
455.《ネタバレ》 娘の友達を見ながらズボンの中で射精するって・・・・ ・・(;´Д`)ハァハァ 結局、ゲイ嫌いの大佐って、自分が ゲイに興味あることを認めることができないで矛盾の人 やったんやねw なんちゅうしょうもない話や^^; 正直なんでこの作品が、アカデミー賞とったのか分かりません。 俺的にはかなりしょうもない作品に感じました。冷え切った 家族をただ描いてるだけで、別にパッとした展開があるわけでも なしwww レスターが筋トレしてるの見て、なんか俺も 最近さぼってる運動やらなきゃなって気がしてきましたよww 【アキト】さん 5点(2004-08-04 00:14:51) |
454.《ネタバレ》 これはおやじ殺しの映画ですね。途中のアンジェラの告白も含め30~40代の男性にはいろんな意味でキます。で、なんといってもケビンのあの顔。恍惚となります。で、やっぱり後に銃口があるんだな。 【馬飼庄蔵】さん 9点(2004-07-05 13:58:33) (良:1票) |
【永遠】さん 6点(2004-06-20 06:47:52) (良:1票) |
452.愛する対象を見れば、ちょっと変態かなとも思うけど、誰も愛せない人間よりはマシじゃない! 愛する気持ちはあっても、行動に出すのが不器用なだけで、妄想に走ってしまう。そのときに舞う赤い花びらは愛=美意識の現れだったんでしょう。隣りのストーカー少年と打ち解けたのもなんやら共通点があったから?この少年も美意識が強く、風に舞うゴミを見てすべてのものの背後には生命と慈愛があるなんて言ってたね。愛することに条件なんて要らないはずなのに、最期は偏見と誤解のかたまりの堅物に撃たれてしまう…皮肉アリアリですね。愛の形に認められない大きな壁があるとすれば、一番幸せだったのは、ランニングしてたゲイの2人でしょうかね。 【ブッチ・ハーモン】さん 6点(2004-06-01 23:36:34) (良:1票) |
451.ひとつの作品としての出来は良いと思う。でも、なんだか好きになれないのだ。起承転結で魅せる話ではなく、割と淡々と日常を映していたと思う。見た目は整っていても、みんな心のどこかがほころんでいる。平凡で単調な現状から、みんなもう一歩飛び出してみたい。不満と焦燥感を胸に必死にバランスを取る人々の姿は、現代のアメリカと言わず日本もかなり近くなってきた感じで少し怖い。物語の進行とともにため息も増えた。何年か前、アメリカで「悩み事を相談する相手は誰?」というアンケートをとったら家族、友人ではなく「セラピスト」が1位だったという。観ながらそんなことを思い出した。 【のはら】さん 5点(2004-05-12 20:50:53) (良:1票) |
450.主人公が変わっていく映画といえば、大抵は幸せをつかむためとか自分らしく生きるとか前向きであることが多い。しかしこの映画はさっぱり前向きではなく、怒りを抱えた後ろ向きな精神から半ば開き直り気味に変わっていく。そこが断然素晴らしい。自分も怒りの感情はしっかり自覚し、たまには表に出そうと思った。 【ラーション】さん 10点(2004-02-07 03:21:30) (良:1票) |