ジョゼと虎と魚たち(2003)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。2ページ目

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ジョゼと虎と魚たち(2003)

[ジョゼトトラトサカナタチ]
2003年上映時間:116分
平均点:7.14 / 10(Review 195人) (点数分布表示)
公開開始日(2003-12-13)
ドラマラブストーリー青春ものロマンス小説の映画化
新規登録(2004-01-15)【こじ老】さん
タイトル情報更新(2021-01-04)【イニシャルK】さん
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監督犬童一心
キャスト妻夫木聡(男優)恒夫
池脇千鶴(女優)ジョゼ(くみ子)
上野樹里(女優)香苗
新井浩文(男優)幸治
新屋英子(女優)ジョゼ(くみ子)の祖母
江口徳子(女優)ノリコ
真理アンヌ(女優)麻雀屋客(中年女)
SABU(男優)麻雀屋客(中年男)
大倉孝二(男優)麻雀屋客(若い男)
中村靖日(男優)麻雀屋客(恒夫に代打ちを頼む男)
荒川良々(男優)本屋店員
板尾創路(男優)現場主任
森下能幸(男優)近所の中年男
佐藤佐吉(男優)先輩の社員
菅野莉央(女優)少女時代のジョゼ(くみ子)
原作田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」(角川文庫)
脚本渡辺あや
音楽くるり
ビクターエンタテインメント(オリジナルサウンドトラック)
編曲くるり「ハイウェイ」
主題歌くるり「ハイウェイ」(演奏・歌唱)
撮影蔦井孝洋
製作アスミック・エース(「ジョゼと虎と魚たち」フィルムパートナーズ)
博報堂(「ジョゼと虎と魚たち」フィルムパートナーズ)
関西テレビ(「ジョゼと虎と魚たち」フィルムパートナーズ)
鎌田賢一(製作担当)
プロデューサー小川真司〔プロデューサー〕
井上文雄(共同プロデューサー)
椎名保(エグゼクティブ・プロデューサー)
配給アスミック・エース
特撮浅野秀二(ビジュアルエフェクト)
衣装伊賀大介(スタイリスト)
編集上野聡一
録音志満順一
照明疋田ヨシタケ
その他原田大三郎(スチール)
IMAGICA(現像)
フランソワーズ・サガン(「一年ののち」/「すばらしい雲」)
あらすじ
大学生の恒夫がバイトしている麻雀屋の話題は、近頃出没する乳母車を押した婆さんのこと。ある日、恒夫が犬の散歩をしていると、坂道を転がってきた乳母車と遭遇。婆さんに言われて乳母車の中をのぞくと、そこには包丁を振り回す少女がいた。それが、ジョゼとの出会いだった・・・。婆さんは脚が不自由な孫のくみ子を乳母車に乗せて散歩させていたのだ。くみ子はフランソワーズ・サガンの小説から取ったジョゼという名前を自分に付けて、恒夫にそう呼ばせる不思議な女の子だった。恒夫はそんなジョゼに次第に惹かれていく・・・。
ネタバレは禁止していませんので
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175.《ネタバレ》 そんじょそこらのホラー映画やサスペンス映画に負けないくらい、私にとってはものすごく怖い話だった。彼氏がいなくなったからと「種を撒く」一見清純派美少女(という設定であるらしいことはわかるが…しかし、上野樹里は化けたなあ。ホントに)、その美少女を高みから揶揄するクールな女、軽く恋しちゃう大学生ノリの延長線で重くなるであろう恋に走り、案の定、その重みに逃げ出す男…本当にこの世は魑魅魍魎の住処だなあ。不気味なばあちゃんや凶暴な幼馴染み、変態おじちゃんのほうがよほど私には好ましく思えたが、こういった人々のほうが異端扱いされるのが世の常。普通の人間って怖い。悪意がないから余計怖い。ジョゼとツネオの恋についての感想は人それぞれなんだろうけど、心溶かすような恋が永遠でなく一瞬だと分かっているならば、知ってしまうより、いっそ何も知らないままで海の底の何もない暗闇に延々漂っているほうが幸せなんじゃないかと私なら思う。離れていくツネオの心を眺めているジョゼの、物分りよく諦めの境地に立っているふりをしながら、懸命に「そんなもんだよ」と自分に言い聞かせているであろう心情を思うと、哀しくて哀しくてどうしようもなかった。この映画を前向きとか希望とかいう風に語れる人はきっと大人なんだろう。思い出に生きることもまた幸せだろうなんて、今の私には到底思えない。ただ、これから先、恋をしたら、もう一度観たい映画ではある。いつかは私にもこの味が分かるようになるといいのだが…しかしそれにはあと数年はかかるだろう。なにしろこの強烈な恋愛への恐怖心はしばらく私を支配するだろうから。でも結局はそのくらい、素晴らしい映画だった。
よーちーさん [DVD(邦画)] 8点(2009-11-06 22:54:57)(良:1票)
174.《ネタバレ》 足が不自由なジョゼは一人で歩くことすらままならない。けれど映画はジョゼをいわゆる身体障害者としては描かない。恒夫をはじめとした登場人物たちも彼女を特別視するようなことはなく、同情も美化もなく描かれる彼女は、単なる変わり者でわがままな一個の人間として、当たり前に存在する。そこがいい。乳母車に乗ったジョゼの頬を平手で打つ恋敵の少女は、敢えて乳母車の前に顔を差し出し公平にその頬を打ち返させる。恋を前にした彼女たちはあくまで対等だ。そんな中、ジョゼの祖母だけがジョゼを「特別」に扱い、彼女を「こわれもの」として部屋に閉じ込める。囚われて生きるジョゼが世界にふれられるのは、祖母の曳く乳母車に乗せられ散歩するわずかな時間だけだ。その乳母車が祖母の手をうっかりはなれたことによりジョゼと恒夫が出会う序盤は、おとぎ話の始まりに実にふさわしい。まだ見ぬ世界を恒夫と共に進むジョゼ。恋人の心強さを盾に獰猛な虎を見ることは、愛する人といっしょになら世界に潜む不安を乗り越えられるということだ。それは閉じ込められた部屋の中で日々、彼女が切実に思い描いた夢であったかもしれない。彼女のそんな幼い願いを一つ一つ叶えてくれる王子さまが、けれどやがて直面し思い知るのは、お姫さまをお城に閉じ込め続けた悪い魔女の手が、か弱いこのお姫様をいかに盤石に守り支えていたかということだ。そのことの困難さ、その重み。彼女を守り抜くには王子さまはあまりに弱く、弱い彼に夢中でしがみつくお姫さまはあまりに幼い。そしておとぎ話は終わる。祖母の手も、ついには恒夫の背中も失ったジョゼ。それでも彼女に一人生きる力を与えるのは、全身全霊で彼を愛した記憶だろう。恒夫の抑えきれぬ嗚咽もまた、どうしようもなく失った彼女の存在のその計り知れない大きさを止めどなく物語る。守ることも守られることも失った彼らはようやく対等だ。共に弱く、そして強い。冒頭のモノローグ、恒夫の声は穏やかで、ほほえんでいるようにやさしい。あるいは台所の床に尻もちで着地するジョゼ。ズシンと響く音。ぶかっこうでいとおしいその音は、彼女が日々を生きる音だ。二人は虎も魚も住むこの世界を勇敢に、今度はそれぞれに、進んで行く。一生忘れることのないおとぎ話を、かけがえのないその血肉として。
BOWWOWさん [映画館(邦画)] 9点(2009-10-31 23:50:13)(良:1票)
173.《ネタバレ》 見終わって最初に思ったのは「意外と普通の恋愛映画だったな」ということ。悪い意味じゃないです。妻夫木演じるツネオはジョゼのことを好きになったわけだし、ジョゼも好きだった。障害者ということも含めて、一つの個性として好きになったんだと思う。しつこいほどのラブシーンはそれの表現じゃないかな? ただ最後にツネオは逃げた。さめたって程ではないけど…やはり「逃げた」が正しい表現だと思います。個性だった障害が重荷になったんだろうなぁ。実家に連れて行く、といいつつ「ひるんだ?」と弟に言われて無言で電話を切ったシーンがそれを象徴してるんじゃないかなと思います。確実にひるんでます。最後に元カノとヨリ戻している描写もあるし、ツネオを最低な男だなーって非難するのは出来るかもしれないけど、恋愛はさめちゃうこともあるんだなっていうこと。でも実際ツネオは最低だと思います(笑)
 ただそういういろんなことを自分で理解してるからこそ、最後彼は号泣するんだろう。あの涙は上手い。いろんな感情を爆発的に表現しています。
 「結婚なんてあり得ない」とか言っていたジョゼ。「いつかは別れる時がくる」と思いながら、一時のデートを思う存分楽しんでいるジョゼ。覚悟を決めながら恋愛してたんだなぁと思うと悲しくなります。海で写真撮るシーンもどことなく顔が悲しそうだったのは、別れを予感したからかもしれません。「いつかあんたがおらんようになったら、迷子の貝殻みたいにひとりぼっちで海の底をコロコロコロコロ転がり続けることになるんやろ。」ってのもラブホで言ってたし、彼女の哀しいけれどそう考えなければ生きていけない人生観がにじみ出ていました。でも最後のシーンでは何となく希望が見えます。一つの恋愛を通して成長していく、という一種普遍的なテーマを変わった角度から眺めた良作です。
Balrogさん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-12 18:42:08)(良:1票)
172.きたないものや、目を背けたくなるものを、隠すわけでもなく、美化するでもなく、そのまんま描いている作品。すごく日本的なのだけれど、ヨーロッパ発のミニシアター系にあるような雰囲気を帯びていて、素晴らしい作品だと思う。こういった映画が日本で作られたことはすごいなと思うし、池脇千鶴も妻夫木聡も、自然な演技でちゃんと上手で、ああいい俳優だなと思う。
ともともさん [DVD(邦画)] 9点(2009-04-05 20:35:49)(良:1票)
171.《ネタバレ》 障害者=いい人の根本を打ち砕いてくれた作品。あの終わり方はものすごいリアルだった。ジョゼは恒夫を失ったけど、「外の世界」を手に入れた。最後のジョゼのダイブと一人でも颯爽と買い物に行く姿は見ててすがすがしかった。
物事に100%はないんだろうな。
恒夫の最後の号泣には胸が痛くなった。あれはどのような涙だったのだろう?想像しかできないのがちょっと悔しい。
関係ないけどツマブキ君、普通のどこにでもいる調子のいいダメ男の役うまいよね。ヘタレ役がすごいよね、ツマブキ君。またあんな役してほしいな。
それと、上野樹里はこの頃から演技うまいですな。
Shioriさん [DVD(邦画)] 9点(2008-05-26 22:03:38)(良:1票)
170.《ネタバレ》 池脇千鶴の演技があって成り立つ映画。ネイティブな関西弁は去ることながら、あの年齢で陰の演技ができるところがすごい。ストーリー自身も、女性の強さ、弱さを淡々と、しかし鮮明に描いていて、芯の通った映画だった。”帰れ、帰れって言われて帰るような奴は帰れ!!”
この道を行けばどうなるものかさん [DVD(邦画)] 9点(2007-05-13 23:09:14)(良:1票)
169.『妻夫木の映画は糞映画』
これは僕が信じて疑わないありがたい格言だったんですけど、
まんまと格言が覆されることとなりました。
この作品は久し振りにガツンと来る良質な恋愛映画でした。
冒頭、朝食のシーンでの玉子焼きがほんとに美味しそうで、
庶民派の僕としては、これだけで充分に満足な感じだったのだけど、
ここに池脇千鶴が被せてきた台詞が圧巻だった。
『サルモネラや』
この時点で僕の格言が音を立てて崩れていくのを感じた。
後はもう名台詞のオンパレードで、
このセンスはどこからやってくるんだろうと脱帽するしかなかった。
しかも、これに対抗する上野樹里がまたいい女で、
顔と体で池脇千鶴を圧倒しているのは一目瞭然だが、
若いのに福祉に興味があるなんて性格美人の側面を併せ持つ完璧超人と来たもんだ。
これはもう勝ち目が無いはずなんだけど、そこは映画の魔法である。
見事に勝者と敗者の入れ替わるファンタジー。
現実には絶対にあり得ないけど、
もしかしたらあるかも知れないと思わせるペテンの巧さ。
ここまでやったら最後まで妄想物語を貫いて欲しかったけど、
最後には現実に突き落とす残酷さがまた良かった。
それでも、涙脆いこの僕が泣かなかったのは、
何か希望のようなものを感じるラストだったからかも知れない。
もとやさん [DVD(邦画)] 9点(2007-02-02 12:46:06)(良:1票)
168.《ネタバレ》 久しぶりに邦画でガツーンと来た。主人公の奔放すぎるセックスライフには「なんだなんだ?イマドキの大学生はみんなあぁなのか?」と腹立たしさと戸惑いを感じつつも、『障害者と健常者の恋愛』じゃなくて普通の恋愛映画を観たという感じ。面倒な恋愛から逃げる気持ちもそういう自分を許せない気持ちもよく理解できた。相手の親が厳しすぎたり、相手の気持ちが重すぎたり、家が遠すぎたり・・・「障害者」もそういう面倒の中の一つに過ぎなかったんじゃなかろうか。でも愛する人がいつか離れていくことを肌で感じ、諦観しながら一緒にいるのは切ない。「これからのジョゼの幸せ」ってなんだろうか?それをずっと考えながらこの世界の余韻にひたりたい。
りんすさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-12-21 20:16:38)(良:1票)
167.《ネタバレ》 恒夫の「別れた(一番の)理由は、自分が逃げたからだ」というのは正直な気持ちなのだろうと思う(シチュエーションは違うが、若き頃の自分にも思い当たる節あり)。弟の「怯んだ?」という一言に結構凝縮されているように感じた。人生をリアルに生きているといろいろな局面で損得勘定をするものだ。恒夫のソロバンはああいう結論を出したが、ジョゼには思い出が残った。本当につらいのは別れではなく、何の思い出も存在しないことではなかろうか。思い出す記憶があることは或る意味それだけで幸せなことだ。ラストの淡々としたその後のジョゼの日常描写が胸を打つ。大抵の悲恋物のドラマは別れで終わるが、実は当事者にとってはその後もずっと日々の生活は続く。あの演出は淡々とした中にその重さを表現していたように思う。ちなみに原作にはラストの別れの部分はない(別れを予感させつつも二人が暮らしているところで終わっている)。
kainyさん [地上波(邦画)] 7点(2006-01-02 00:42:07)(良:1票)
166.《ネタバレ》 恒夫が香苗に乗り換えたのは確かにズルイけれど、責められない。ジョゼも恒夫も、自分たちの関係が永遠じゃないことに気が付いていた様だから、別れは必然だったのでしょう。特にジョゼは、早くから気持ちの準備をしていたし。ジョゼの涙で終わったら、とても後味が悪いのだけれど、そうじゃないラストなので救われます。でも辛かっただろうな、「いつか別れる日が来る」って思いながら好きな男と暮らすなんて。
サカナカナさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2005-12-23 00:49:13)(良:1票)
165.妻夫木聡の前で池脇千鶴が微乳を露出し、二人が互いの舌を貪り合う様子を逃げずに描写することで、彼らはフィクショナルなキャラクターから生きた人間になった。そしてジョゼがスツール(?)からドスンと床に下りる様に、フワフワしたファンタジーとして始まった物語を、しっかり現実に着地させて映画は終わる。また、本作で犬堂一心は「人に観せる」ことを念頭に置いて演出していた様にも感じられ(これまでと比べれば予算にも多少の余裕があったのかも?)、非常に好感が持てました。私はこれを、監督自身が少し大人になったのだと受け取りました。同じ脚本でもこれまでの演出では、こうまで「広い支持」を集められなかっただろうと思います。本作は、日本に於ける「普通の」障害者映画としても価値がありますよ、7点献上。
sayzinさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-10 00:16:32)(良:1票)
164.妻夫木聡や池脇千鶴の2人の独特な演技、味のある脇役陣(特に板尾!ホンコンがいなくてもやってけるよ!!)、原作に忠実なストーリーの流れ。これらは良いんですが、全体的に見るとイマイチな点なかりでした。1つ1つのエピソードに魅力が感じられないため、映画の世界に引き込まれない。それに説明不足な箇所が多い。経過が判ればもう少し良かったかも?セックスシーンを強調しすぎる所もあんまし良くないし、池脇の小ぶりのおっぱいも綺麗だけど明らかにいらないでしょ。目の保養としては十分満足だが(笑)、ちょいとショック!でもまあ外国の女優に比べて日本の女優はラブシーンでも脱ぎそうで脱がない人ばかりだから、彼女は偉い!でも脱いだからワンランク上にいったわけではないのでご了承くださいませ(笑)。ちなみにもう1回見るか?と言われたら、見ません・・・いや見るかも。でも、おっぱいシーン以外は高速早送りだな。
ピルグリムさん [DVD(字幕)] 3点(2005-09-11 19:42:54)(笑:1票)
163.《ネタバレ》 最後の恒夫の号泣。「どうにかしてあげたい」と思う気持ちの中には同情や愛情の他に、憐憫、自己満足など、多くの感情が混在している。その発露としての涙。あの涙にこそ、どうにかしてあげたいと思いながら、どうにも出来ない自分の無力さ、身勝手さ、卑怯さ、傲慢さ、純粋さなど、すべての思いが込められている。

だが、ふたりにとっての出会いと別れは、決して無駄なものにはならないだろう。例え、同情を愛情と混同していたとしても、彼女に対する「優しさ」は決して偽りではないし、間違っている訳でもない。恒夫は自分の心の弱さや欺瞞を知る事で人間として成長し、ジョゼは彼の優しさに触れる事で、他人を受け入れ、前向きに生きる強さを得た。

突飛な導入で作品に引き込みながら、押し付けがましさの無い、前向きな終わり方に持っていく展開が巧い。恋愛ドラマとしては出色の完成度。
FSSさん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-03-09 00:27:54)(良:1票)
162.極めてリアル、だからこそ切ない。正直な演出。田辺聖子のごく短い原作小説をふくらませて、これだけの鋭く鮮烈な物語に仕上げた脚本の渡辺あやも見事。
NINさん 9点(2004-12-13 15:40:03)(良:1票)
161.《ネタバレ》 観賞後、随分長いこと余韻を残してくれた作品です。「帰れと言われて帰るようなやつは帰れ」の台詞がとっても印象的で、素直な感情を表現できないジョゼの切なさが痛いほど伝わってきて、胸がキュッと締め付けられたような気持ちになりました。最後、二人が結ばれないのは残念な結末かもしれないけれど、例えこのような状況下でなくとも別れは誰にでも訪れるもの。恒夫にとってもジョゼにとっても、決して無駄じゃない出会いであったことが最後の方のシーンから窺えるので、切ないながら後味悪くないラストだったと思います。恒夫がジョゼに惹かれていく過程に関しては若干説明不足気味かな?とも感じましたが、「男をおとすには胃袋からだぞ!」と口癖のように言っていたわが父の台詞を思い出し、そんなものかな?と思いました(^^;)。
ぷっきぃさん 9点(2004-11-23 13:13:22)(良:1票)
160.《ネタバレ》 見終わった後に何とも言えない切なさが残るけど、不思議と後味は悪くない。ラスト、電動車いすで風を切って街を行くジョゼの顔をカメラは映さないが、涙を流してはいないのだ。静かに鮭を焼くジョゼの顔はそれまでの童女のような幼さがウソのようになくなった大人の女性の美しさ。恒夫は残酷にジョゼを捨てたが、映画では描かれていないけれど、それは「障害の壁」とかいったステレオタイプな理由ではないのだろう。ただ、「もっと好きな女ができた」だけなのだ。だって、ジョゼを好きになる時も恒夫には彼女の障害に対するためらいなどはなかったのだから。ジョゼと恒夫の間に起きたのは、若い男女の間によくある出会いと別れのエピソードのひとつ。だけど、それでジョゼは人目を気にせずにたくましく生きる強さを、恒夫は人の弱さを思いやる優しさを知った。不器用でも、結果が残酷でも恋愛は人をかようにも変えることができる。単純に設定だけを見ればちょっと前に大ヒットしたフジテレビのドラマに似てるけど、こちらは見て良かったな、と素直に思いました。
しまうまさん 9点(2004-10-01 13:21:20)(良:1票)
159.《ネタバレ》 一年後からラストまでは平凡で現実的なありがちな流れ。だからこそ切なくてやるせなくて… 幸治が自分の車を蹴る件が、この映画の悔しさや、根底のリアリズムを表していると思った。幸治は全てを感覚でわかっていたんだよね。主人公の一人は身障者であるが、それは単なる設定であって、そこにあざとさや臭さがないのでホッとした。若者の恋愛ドラマに留まらなかった力がある。この映画は、観終った直後よりも、後から更にじわじわ滲みてくる筈である。何故なら、特にこの作品なんかは自分の経験とオーバーラップしてやるせなさが倍増するからだ。そして思う。人にとって恋愛とはやはり素晴らしいものなのだと。 この映画に賛辞を送ると共に、この映画と出会えた事を幸せに思う。
じふぶきさん 9点(2004-02-05 09:50:15)(良:1票)
158.熊野で精進料理を作っていると思ったら、滝沢君とラブラブしてたり、今度は乳母車に乗ったけったいな女の子ですか。千鶴様、あんた、「ほんまもん」の女優になりはったな。
佐内氏の写真さながらの浮遊感のある映像、効果音の憎い使い方、くるりの演奏もベストマッチ。ジョゼの後頭部での演技と大根切りの音響が心に残ります。久々に爽やかな邦画にめぐり逢えました。
つむじ風さん 9点(2004-01-24 01:26:40)(良:1票)
157.《ネタバレ》 切ない、本当に切ない恋愛物語。ラブストーリーなんていう甘い言葉は似合わない。きれい事も一切ない。鑑賞後にズシンとのしかかる現実的重さ。だけどなんだろう、とても切なくて、やりきれない気持ちになるのに、二人の未来に希望が見えるエンディングだった。己の弱さを認めて道端で泣き崩れる恒夫、嫌いなはずだった車椅子に身を収めて一人街を行くジョゼ。一見対象的だけど、間違いなく二人は一回り強くなっている。もちろん、このエンディングには恋愛や離別の経験からいろいろな意見がつくだろうが、少なくとも二人にとっては忘れがたい思い出として永遠に脳裏に焼きつき、将来の糧となることを確信する。間違いなく、これまで見てきた邦画の中でもトップクラス。洋画を含めても、下の方も言ってますが、ここ数年の最高傑作。年末、この映画に出会えたのは本当に幸運だった。だけど、見終わった後は二度と見たくなくなる、そこまで切ない映画。こんな映画にしてしまった主演の池脇千鶴、妻夫木聡は、役者魂に火がついたようなハマリ役でさまざまなシーンで僕の鼓動も一緒に高鳴る迫真の演技を見せてくれた。台詞回しだけでなく、表情やしぐさや、果ては後姿でだって演技している。心底ため息が出る。それもそのはずで、脚本は二人の主演を決めてから、二人をイメージして作られている。何から何まで。本当に僕はジョゼのとりこだ。
こじ老さん 10点(2004-01-16 00:45:27)(良:1票)
156.《ネタバレ》 (2005年 テレビ録画視聴時のレビュー)

妻夫木聡と池脇千鶴の、ちょっと変わった恋愛映画。坂道を転がり落ちてきた乳母車を覗き込むと、中からは・・・という予告編がとても印象的でした。

健常者の青年と障害のある女の子との恋、という設定から、ふと熊井啓の「愛する」を思い浮かべました。話の展開も多少似通ったところがあるように思えます。
「愛する」が90年代に作られた割には時代錯誤な古臭さを感じさせたのに比べれば、この作品は多少はマシだったとは思います。
しかし、遠藤周作、田辺聖子といった小説家が一昔前に書いた小説を無理やり現代にあてはめて描いた、という点は一緒。ウソくささがどうしても拭いきれませんでした。

この作品では、青年役の心の機微がとても大事なんじゃないかと思いますが、妻夫木の演技からは、青年の内面を感じさせるものがありませんでした。彼の爽やかな笑顔は、こういう役柄だとただウソ臭いだけにしか感じられません。

健常者と身障者の恋という、重いテーマを扱っているにも関わらず、描き方があまりに軽い。心の動きをサッとなぞっただけのような描き方で、どれだけ葛藤してどれだけ悩んでああいう結末になったのかがまるで見えてきません。
池脇千鶴のヌードも、ファンにはうれしいのかもしれないけど、話題づくりのための安易な演出だとしか思えませんでした。どうせやるなら障害者特有の性の問題を、つっこんで描かなくてはならないんじゃないかな。

もしかしたら、「健常者と身障者の恋」を経験、あるいはそれに近い経験をした人には、私が必要とするような演出は必要なく、この作品の自然体な描き方がグッとくるのかもしれませんけどね。
りょうちさん [地上波(邦画)] 5点(2021-02-06 00:30:50)
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【点数情報】

Review人数 195人
平均点数 7.14点
000.00%
100.00%
200.00%
363.08%
4126.15%
5189.23%
62412.31%
74422.56%
84724.10%
93115.90%
10136.67%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.80点 Review21人
2 ストーリー評価 7.73点 Review30人
3 鑑賞後の後味 7.46点 Review30人
4 音楽評価 7.53点 Review30人
5 感泣評価 6.37点 Review27人
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