79.この作品をそれほど深いテーマ性があるとは思いませんが、単純に先の展開がとても気になるホラー映画としてレベルが高いと思います。音楽もオーソドックスな驚かし方で恐怖を助長しているし、出演者が淡々と演じている部分にもリアルなものを感じました。解釈は色々あるみたいですが、インターネットを介してあちら側の人間がこちらに入ってきてしまうという設定は斬新ですし、「あかずの間の作り方」への流れは少し強引な気もしますが、死んだ場所に出来る黒い影の使い方も面白く、怖がらせ方だけをみれば清水崇監督より上だと思います。ただ終盤の締め方が、説明を投げ出してしまったかのような感じで残念でした。ゴーストタウン化した街並みと色褪せ方が最高だっただけに、それに負けないようなエンディングをもう一ひねり欲しかったです。それでも全体的に見れば非常によくできたホラー映画です。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [地上波(邦画)] 7点(2006-09-18 11:30:42) (良:2票) |
78.《ネタバレ》 頭が混乱してしまったので、自分なりの解釈をして整理します。本作の基本設定は武田真治が述べたこと。霊界はいまや飽和状態。死んだ魂の行き場所が無い。溢れ出る場所は現世しかない。霊界から現世に溢れ出るには“回路”が必要。その回路とは“開かずの間”。(タイトルロゴとガムテープを赤色で統一し、観客に説明。)幽霊(霊界に行き場所がなくなって困っている魂。だから“助けて”と繰り返す。)がインターネットを使い“開かずの間”を人間に作らせようとする。その誘い言葉は「幽霊に合いたいですか」。霊の誘いに乗り開かずの間を作った人、あるいは開かずの間に入った人は死ぬ。それは開かずの間が霊界(の入り口)だから。霊界にいるということは死んでいるということ。(最初は自殺という分かり易い方法で死んだが、次第にただ影を残して消えるという形式になる。これは霊界と現世の区別がだんだん無くなっていきているため?)最初、開かずの間は入り口のひとつでしかなかったが、それが増えると霊界と現世の境界が無くなってしまう。霊界=現世。よって現世は崩壊を迎える。言い方を変えれば、生と死の区別が無くなる。(実際、死者にも実体があった。)伝えたいメッセージはパブロン中毒さんのおっしゃるとおり。ラスト15分前までは、展開上の不合理やアラが目に付き、イマイチと思っていましたが、見終わった感想は“凄い”。ここまで話を大きくされると、かえって気持ちがいいです。個人的にCOCCOが大好きなので「羽根」を聴いて好感指数もアップ。ホラーであってホラーでなし。面白い作品だと思いました。でも自分は、本作の本当の姿を分かっていない気がします。一度観ただけでは厳しい。そのため点数は控えめです。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2006-09-15 18:00:38) (良:1票) |
77.《ネタバレ》 異常というか不条理というか違和感から来る妙な怖さはある。 後半は誰も居なくなった・・日本は死に飲み込まれた、という凄い壮大な展開。 局地的だからこそ、監督の濃密的な怖さの魅せ方が際立つと思うのだが・・・。 人と人との繋がり、得体の知れない何かが侵食する状況等。 コレに霊、彼らが住む世界、その許容量といったルール設定を肉付け。 だが肉が付き過ぎてしまい、くどくなり恐怖も薄まった印象。 無(消失)と死を分けていたが自殺したはずの小雪も黒い染みになったりと謎。 見落としか理解できていないのか、居る者全てが染みとなっているので比較も出来ず。 言いたいことはわかるが、少々無駄が多過ぎたと思う作品。 【HIGEニズム】さん [DVD(字幕)] 4点(2006-09-12 14:58:39) |
76.《ネタバレ》 3回ぐらい見ました、少しはテーマの深さが理解できたかな?人間としての固体は基本的に孤独であり、依存しあうことで自分と言うものを確立していくのだと表現しているのだと感じた。(依存しあってたから、支えがなくなったとき、又は信頼が崩れた時、脆くも負の思考が伝染して次々と向こう側に引っ張られていったように見受けられる)バイト仲間、大学の知人友人というつながりはあっても、全てを理解することは出来ない、その孤独感から自分の殻に閉じこもるったり、居心地のいい場所に逃避する。それがあの赤いテープの部屋だったりするんじゃないかと思う。あの赤いテープの部屋は、象徴的な意味合いもかねてると思うが、あの空間は現在生活している世界と、向こうの世界とをつなぐ面会室のような場所になっていたんだと思う。3次元の世界と4次元の世界か・・・。人間の空間でも孤独で、幽霊の空間でも孤独なら、どちらの世界を選ぶかはその人次第ってことなのかな。救われないね。 【たこら】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-05-16 11:14:30) |
75.《ネタバレ》 インターネットに絡む都市伝説がエスカレートして行き、現実世界を侵食してしまうというような内容か。 残念ながら「CURE」に比べるとテーマが分かりづらい。 次第に崩壊していく日常の雰囲気は最高に好みだが、ストーリー展開は全体的に淡々としていて退屈。「ゾンビ」などに共通する「例え世界が滅んでも、人は人として生きていかなくてはならない」という悲壮さはよく出ている。 【FSS】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-05-11 03:10:15) (良:1票) |
74.《ネタバレ》 なんだか他の方のレビューをずっと見ていくと、とても同じ映画のことを言っているとは思えなかったりして、なかなかオツですね。ここまで観る人によって感想が違う作品もめずらしいですね。「CURE」のあとに見て、「まことに分からない」と思って投げていましたが、もういちど見てみようかという気にもなりました。→再鑑賞後。前よりわかった。「孤独」と「コミュニケーション」について、くどくどくどくど言ってる話だったのですね。べつに幽霊出さなくたって「孤独」と「コミュニケーション」は表現できるけど、あまりにも「説教くさー」で「ベタ」なものを作るのは趣味じゃないわけね。こいつはホラーではないわな。幽霊出してるけど、やっぱり説教くさい。それと、皆さんがあまり書いてないことをひとつ。「春江」→家族との関係も冷え冷えでもともと孤独な女 「川島」→なんとなく行きがかり上人を助けてしまう男 「ミチ」→いつも他人を助けることばっか熱心な女、の順で「人を助ける熱心度」が上昇していくわけです。そして、死んでゆく順番も同じなのです。川島は、春江を助けようとしていたときは無事だったけど、死なれてショックで撃沈。ミチは常に他人の心配ばっかりしているから無事だけど、川島が去った後はその対象がなくなり、役所に思い入れを抱ければ今後も無事かもしれんが、死んでいく川島を「最後の友達」と言っているところを見るとそうでもなさそうだ。役所はミチらを助けたばかりでなく、「南米に生きてるやつがいたら船に乗せる」なんて言ってるから、やっぱり人助けが大好きで、無事なのであろう。幽霊はひたすら「助けて助けて」としつこいが、結局彼らを孤独から救う方法は無いので、代わりに生きてる人間を助けることで、生き延びることになっているみたいです。私なんて間違いなく秒殺だ。ラストで役所が割舌もはっきりと「君たちのしたことは正しかった」なんて言うけど、「たとえ助けられなくても、助けようとしたことが重要だ。」てか。なんだなんだ。この説教くささは。しかしまあ、「孤独」と「コミュニケーション」の答えは「生きてる人間は助け合え」だってよ。ありがちなテーマをよくもここまでひねくれたやり方で見せるものだ。黒沢は屈折しすぎている。 【パブロン中毒】さん [ビデオ(吹替)] 7点(2006-01-18 00:20:56) (良:1票) |
73.昔、初めて観たときは、正直おもしろいとは思わなかった。意味がわからん所が沢山あったし、リアルに感じなかったし、淡々としたリズムが肌にあわへんかったし。なんで?って考えてるうちにダラダラして終わった感じ。ただ、女の幽霊の異様な動きと飛び降りの所はさすがに、コワッって思った。それが最初の印象。ところが、年月を経て、観てみたら、これが異常におもしろいと感じるようになってた。映画をおもしろいと思う感覚が昔と違ってた。黒沢清の映画が肌に会う体質なってる。昔、嫌いやった豆腐が急に好きなった時の驚きに似てる。んなわけで、この映画、どこがそんなにおもしろいと感じるようになってたのかとゆうと、まず設定、終末を描く映画で、ゾンビとはまた違った恐怖感を味わえたところ。そして黒沢清の映画の場合、今まで自分が追求してたリアルさとは違ったリアルさがあるところに気づき、その感覚が好きになってところ。主役の二人以外の人間の生命感が最初から薄いところも、孤独感をあおられて緊張感を持続できた。意味がわからん所も色々自分なりに解釈を考えられて、しかもこの映画の場合その作業が嫌じゃない。多分、淡々とした静かだけど狂気的なリズムがその原因かも。最後の展開なんて、鳥肌もんだった。ストーリーおおまかに覚えてるにもかかわらず。この監督さんの映画はかなり癖がある。この映画でつまらんとおもしろいと両方の感覚を味わえたとゆう所からも、万人向けの映画ではない気がする。単なるホラー映画ではないので、ホラーを期待する人にはつまんないと思う。 【なにわ君】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-01-12 15:09:00) (良:2票) |
72.ジャパニーズホラーといえばやっぱり「幽霊」。しかも幽霊なのか違うのか、やきもきさせる展開ではなく、バーンと「幽霊」できた!そして世界の終末に繋げるのが黒沢流。終末へ向かうホラーとして、らくだのシアンツさんも『リング』に触れられていますが、なんてったってインターネットで広がっていくぶん終末へ向かうスピードが違う。だからより終末感が漂う。そして恐怖の対象が「幽霊」ではなく「孤独」というのが新しい。幽霊が直接、あるいは怨念とやらで人を攻撃するのではなく、幽霊の存在が人の漠然と抱く「死」に対する概念の崩壊を招く。孤独からの解放が永遠に訪れないことを目の当たりにした人々が次々と自ら死んでゆく。黒沢清のホラーにはビックリが無いので安心して画面に集中できるし、集中させる力がある。中盤の加藤と小雪の恋愛がらみのエピソードが助長ぎみに感じたけど、それを補って余りある画の迫力にじゅうぶん満足させていただきました。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-15 16:16:47) (良:1票) |
71.《ネタバレ》 前半は結構良かったのに最後はダメダメ。ゾンビ映画は別として、そもそもホラーって「当事者たちにはガンガンに迫ってくるけど、ほかの誰に話しても信じてくれない」というような閉鎖的なところが恐怖感を増すのに、日本全土?にまで拡がってしまったらもうただの「災害」でしょ?。何でこんな風にしちゃったのかわかりません。 【長毛】さん [DVD(字幕)] 3点(2005-11-08 01:15:51) (良:1票) |
70.支離滅裂。話しが進めば進むほど、内容の無さが露呈して痛々しい。それを挽回せんと、インターネット、赤いテープ、研究室のモニターの白点などなど、次から次へと思わせぶりな小道具が意味無く登場するが、それら全てがストーリーの中で噛み合っていないのでバカバカしい。この程度だったらテレビの深夜番組30分枠で十分。 【lafish】さん [ビデオ(字幕)] 1点(2005-09-14 15:25:02) |
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69.相変わらず画面が暗い。よく見えない。雰囲気に頼りすぎ。 キャラクターが物語を進める上でのコマとしてしか機能していない。もっと人を描くべき。 【カタログ】さん [ビデオ(吹替)] 3点(2005-06-30 02:53:00) (良:1票) |
68.序盤はまずまずだったかな。でも内容がイマイチわからなかった。 【チャコ】さん [映画館(字幕)] 3点(2005-06-02 00:52:27) |
【腸炎】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-05-21 17:05:19) |
66.ホラー映画のオチは、たいてい不遇の死を遂げた人間の怨念が原因となっている。怨念は閉じられた場所でそれに関わった人間や時には全く関係のない者に危害を与え、用が済めば消えるか、あるいはその場にとどまり続ける。これが起こっている世界はそれゆえ非常に狭い。何というか都市伝説的だ。と、確信するほどにホラー関係に詳しいわけではないのだが、これが世界の崩壊に導くほどの範囲を描いたものに「リング」がある。伝染という発想がこれを可能にした。ただ、「リング」ははっきり言って発想だけ。映画として(小説でも)世界の崩壊を描けたかというとはなはだ疑問で、それは多分主人公達が恐怖の発信源に近すぎるからなのだと思う。で、黒沢の「回路」。ここまでホラーの話で引っ張ってみたが「回路」はホラー映画ではないかもしれない。ただ恐怖という原点は同じなので強引に進めると、この映画は個人の怨念に恐怖のもとはない。「死」というルール(法則)そのものからあの映像を具現化させている。魂というものがあるならば死後の世界にもルールがあるということだ。そのルールの崩壊が同時に世界の終末の始まりとなる。この映画がうまかったのはそういう死の永遠の孤独と、ネットという開かれているようで実は閉じられた世界を違和感なく変換できたことだろう。この変換の媒介となったものこそ「開かずの間」で、それはこの世に一個ではなく個人が一つずつ持っている。つまり中心がない。中心がないということはどこでも起こりうるということでもある。地上からどんどん人が減っていく感覚。黒沢監督はアンゲロプロスのようにロケは曇天にこだわり、時にはデジタル処理を施して崩壊のプロセスを展開した。システムは一度動き出すと、それが複雑であるほど止められなくなる。それはこの映画で見た未来の方向性とどこか似ている。 【Qfwfq】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-15 16:25:03) (良:1票) |
65.《ネタバレ》 むむむ、好きな要素と嫌いな要素がいくつもある映画です。嫌いな要素【第三位】個々のキャラクターの取る行動やリアリティが必要な部分の設定が変。無断欠勤の対応や勝手に人の部屋に入って「あらいたの?」など・・【第二位】フィクション部分の基本設定が変。あの世に許容量があるのはいいとしましょう、でも何故人を消す必要が?あと霊がネットで広がるって、霊ってもっと自由に行動できるんじゃないんですかね?乗り物(ネット)に乗って移動しなきゃいけないのかな?それにそんなに”こっち”に来たがってたのならラストの廃虚と化した東京に霊が大手を振って(って変ですが)いてもよかったような。ひっそりと存在できるなら何も人を消していかなくたって良かったんでは?【第一位】フィクションを構成する上で重要な役者のセリフ(言わば監督に代わり基本設定や理念を説明してるわけですよね)が幼稚なものが多かったこと。・・では好きな要素【第三位】嫌いな~でも触れている部分で矛盾を含みますけど、自殺する人と消える人がいる事。ひょっとしたら霊は選ばせるのかも知れない・・自殺して霊側になるか、消滅=未来永劫孤独で何も変わらない空間に追いやられるか・・(それを示唆する演出はありませんが(笑))でもそう考えたりすると結構面白かったりしました。【第二位】終末感。無人の東京。大風呂敷だなとも思ったけど、雰囲気はあって、しかもそれが物理的な侵略でない点。【第一位】恐怖描写。得に序盤。日常会話しながらの首吊り。女の霊の映像のコマ落とししたようなグニャとした動き。飛び下り。**結果として『あーツボも突いて来るのになんだかおしい・・』そんな気持ちになりました。 【ウメキチ】さん 5点(2005-03-25 17:45:29) |
64.電波系の映画ですな。素人は近づかないのが無難でしょう。 【マックロウ】さん 3点(2005-01-22 12:53:34) |
63.「リング」ヒットしたねぇ、よし!あんな雰囲気で一本作って当てるかー、というような浮ついた気持ちで作った映画に違いない。 【paraben】さん 1点(2005-01-14 00:22:36) |
62.《ネタバレ》 『CURE』は傑作でしたが、これはひどい。どうしてこうも違うのかと不思議になります。監督本人が、映画のテーマを消化できていないのでしょう。「つながっているようでつながっていない」「永遠に生きる(続く)ことへの恐怖」といったテーマは面白いので、そこをつめればよかったと思います。とにかくどちらも中途半端。「幽霊」というアイテムを持ち出す意味は、まったく理解不能。 【コウモリ】さん 0点(2005-01-04 00:54:58) |
61.飛び降り自殺などの気味の悪いシーンが印象的でした。しかし、それだけの作品のような気がします。作り手の独りよがりな思い込みでも良いのですが、ストーリーには少しばかりの合理性が必要ではないでしょうか。この作品には、コレが決定的に欠けています。霊界(?)が満員状態になって、霊が現世溢れてきたとしても、それでなぜ人が消えるのでしょうか。私には理解できませんでした。 【クロ】さん 3点(2005-01-02 17:07:50) |
60.テーマは解りますよ、でもキチンと表現されてないというか、これ、伝わらないんじゃないかなぁ~。もう少し纏まり良く、短く仕上げれば良かったのに。 それとキャスティング。失敗してませんか?台詞の棒読みは確信犯ですか?台詞自体も何か不自然だし。それも計算の上? 勿論、ジャンル的には「ホラー」じゃないですよね? |