59.《ネタバレ》 小説が発表された頃から宣伝などで存在は知っていましたが、自虐的、露悪的内容であることが分かっていたので敢えて避けて来ましたが、今回テレビで視聴させてもらいました。政治家、官僚に食い物にされ、幹部の私利私欲に翻弄された国策会社の実情を見せられるのは正直楽しいものではありませんでしたが、作品としてはそれなりの評価は出来ると思いました。それにしても恩地さんは、社内的には正義を通したヒーローなのかもしれませんが、所詮彼自身が親方日の丸の1社員でしかないなあ、というのが率直なところです。カラチやテヘランがまるで流刑地のように描かれていましたが、あれでは、今でも企業の駐在員事務所で必死に働いている人たちが救われませんね私自身海外駐在歴7年半、中近東などにも長期出張しましたし、同僚で現地の紛争などに巻き込まれた人間も多くいます。でも赴任した土地でがんばって働いていたんですよね。 【キムリン】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2011-02-17 17:56:31) |
58.久々の長編小説の映画化であり力作であるが、正直に言って原作者の主張が十分発揮された作品であるとは言い難い。 たしかに原作をなぞってはいる。しかし、あれもこれもという形だから散漫になっているし、時代背景や組合活動、それに親方日の丸と揶揄される会社組織の実態を知らないと上っ面だけを見てしまう結果になる。 高度成長期の頃は利益を上げることが優先されすぎて、飛行機の安全点検や労働環境改善などは軽視されていた。また国が後ろ盾になることで放漫経営が発生し、閉鎖性によって内部組織は腐敗していた。これは国民航空だけでなく、三公社五現業と言われる団体は似たり寄ったりであった。 原作者はこれにメスを入れることで、どうあるべきかを社会に問うているのである。 飛行機事故は一度起これば常に大惨事を招く。そうならぬよう、常に99.99%以上の安全性を図らねばならないということを強く印象づける映画であってほしかった。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 7点(2011-02-14 22:45:35) |
57.《ネタバレ》 冒頭のジャンボ機墜落シーンはさすがにインパクトがあったが、国航労組の「期末手当4.2カ月分」との要求には高度経済成長時代のこととはいえ少し引いたし、恩地が仲間のためとか安全のためとか熱く語っても、その点についてはあまり共感できなかった。 それにしても、チョイ役に至るまで有名な俳優を起用しており、海外ロケも含めて相当金かけてる感ありますけど、ヘボなCGも含めて効果が薄い。 さらに、CM入りのテレビ放映はこの手の作品にはマイナス効果しかない。 原作は未読だが、破綻した某航空会社の必然的な腐敗とそれに翻弄されたサラリーマンおよびその家族を描いた映画としては、いささか冗長すぎた感が否めなかった。 ただ「アウトレイジ」にもつながる三浦友和のシブい演技は見所だった。 【田吾作】さん [地上波(邦画)] 5点(2011-02-14 10:45:21) |
56.《ネタバレ》 可もなく不可もなく。 日本の航空会社みたいに、杜撰で高給という分かりやすいものを真っ正面に持ってきてるが、杜撰で高給という基本的な現実がフィクションで隠しきれない。好況時にすら組織を維持する事のできない企業の一従業員を、いったいどうやってイイモノにするんだ?、と興味津々だったがやっぱり無理な物は無理だろうと思う。 結局給与水準やよく分からない信念を骨子に持ってきてる時点で時代錯誤著しく、これが成立するような感覚麻痺が受け手に無いと失笑されたり非難されたりって事にもなるんじゃないだろうか。20年くらい前のバブルの時代でもない限りこういうトリックは通用しないと思う。そのせいもあってか、渡辺謙の演じる主人公の愚直さはこの物語の中で造られた箱庭の中だけで成立する愚直さであって現実の愚直ではない。悪の定義も箱庭と演出で造られた現実とはまるで違うし、現実でなくても他作品とくらべても異質に感じるほどの人工物だった。 これを褒めなきゃいけない雰囲気があるとしたら、なんとなくその場所は良くない場所だと思う。そういう基準にはなりそうな映画だ。 【黒猫クック】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2011-02-14 01:34:05) |
55.《ネタバレ》 不屈の男よりもやはり家族の苦悩の方を思ってしまいました。 【osamurai】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-02-13 20:30:08) |
54.《ネタバレ》 日本航空というナショナルフラッグが何故沈んでしまったのかが良くわかる作品でした。 官僚主義がはびこる大企業、政・官・財が癒着して一部の人間が甘い汁を吸う社会構造・・・・昭和の日本社会の暗部がこれでもかと映し出されています。会社員をやっているものからすれば、やや主人公をヒーローとして描きすぎな印象を受けました。自分は優秀なのだからそれに見合うキャリアを進ませるべきだ、それなのに腐敗した幹部が私怨で邪魔をしているというような思い上がりとも思える本音がどうも鼻につくんですよね。ただ、善悪をはっきりと分けているので非常に物語としては面白く、3時間を超す上映時間も苦になりませんでした。 日航機墜落をモデルにしたと思われる、墜落事故とその後の様子は非常に興味深かったです。 【TM】さん [地上波(邦画)] 7点(2011-02-13 16:37:34) |
53.山崎作品に共通する、職場で筋を貫き通す男とそれに振り回される妻子。本作では鈴木京香演ずる妻の静かな強靭さが一家を支えているように見えました。会社更生法を申請するに到る事を作者は予見していたのかと思わせる私欲に塗れた幹部と政治家、官僚達。こういう連中が淘汰されて再建を果たせれば正直に真面目に働いてこられた方々が報われるのに、と思いました。原作の第三巻以降は未読なせいもあるのかラストに唐突さを感じました。ただ、恩地に自身の辛苦を「取るに足りないもの」と語らせるご遺族の胸中を思うと生ある有難味を感じさせられます。 |
52.実話に忠実なんだろうが、盛場が弱く、終り方もあやふやで、時間が長いことが目立った。 【たこちゅう】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-02-13 09:59:30) |
51.原作が長いから映画が長くなるのは仕方ないのかもしれないが、もし映画館でずっと見続けたとしたら苦痛を感じたかもしれない。ビデオに録画して途中何度か中断しながら観ていたから最後まで鑑賞できた。 社内での権力闘争は「白い巨塔」を彷彿とさせる。そう感じた人も多いのではないだろうか。しかし、描かれる時代が頻繁に前後し、登場人物が多く、さまざまなエピソードが満載されるために、一貫した何かが伝わらず冗長散漫な印象が強くなってしまった。宇津井健、木村多江エピソードは個人的にぐっとくるものがあったが、女性の後について歩く渡辺謙がスマートフォンに見えてしまって仕方なかった(苦笑)。 【オオカミ】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-02-12 23:30:03) |
【アフロ】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-02-12 14:20:40) |
|
49.テレビにてノーカット版を鑑賞。原作に惚れ込んだ渡辺謙が原作者である山崎豊子氏に手紙を書いて恩地役を演じさせてほしいと頼んだそうだが、まぁ、誰が見ても「この人いい人!こんなふうに生きられたら人としてかっこいいよなぁ!」という理想的な役柄だもんね~。とにかくこの作品に対する熱意は感じるんだけども、こういうエピソードを知るとなんだか主演・渡辺謙の自慰映画のようにも思えたりなんかして。なんかひたすら恩地元が"理想的な社会人"という人物像で描かれていて、実際彼みたいな人間が理想だけども、現実的には会社の中で彼みたいに信念を貫いて生きていくって難しいよなぁ~という、そんな思いが残った。CMもあるので休みながらの鑑賞だけども、自分には尺が長いように感じたし、映画としては楽しめず、最後までのめりこめなかった。ごめんなさい。 【☆Tiffany☆】さん [地上波(邦画)] 4点(2011-02-12 04:37:02) |
48.200分を超える重厚な作品で決して派手さがある作品ではないですが、その長さが全く気にならなかった。会社とは、仕事とは一体何なのか?会社と遺族と、守るべき家族の間で苦悩しながらも良心や己の信念を貫く恩地という一人の実直な男の生き様には考えさせられることが多い作品でした。労組の委員長としては組合員の生活を守るという立場もあるが、その頃もその後も一貫して彼の心は常に乗客の安全にあり常に遺族のためにあった。実際にあの会社にモデルとなった方がおられたのでしょうか?会社から不当な扱いを受けようとも己の信念を曲げない(これは会社勤めの人間には本当に難しく辛い生き方です。)一人の男の誇りと生き様を演じた渡辺謙の素晴らしい演技を堪能しました。一方で恩地と同期であり労組でも同じ釜の飯を食ったがその後は対極の道を歩んだ男を演じた三浦友和の感情を押し殺したような演技もまた素晴らしかったです。同じ会社勤めの人間として、恩地の生き様にはいい勉強をさせてもらったと感じています。 【とらや】さん [地上波(邦画)] 7点(2011-02-12 01:15:39) (良:1票) |
47.《ネタバレ》 3時間を飽きさせない壮大な映画。原作が素晴らしいのでしょう。日本人として決して忘れてはならない航空機事故を正面から捕らえた真摯な映画です。邦画の底力を感じました。 【カボキ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-08 02:34:37) |
46.《ネタバレ》 原作が、相当な大作だから、それを脚本にして映画化することは大変であったろうと思うし、鑑賞していても全体としてその苦労が見え隠れするので、言うならば力作だなと思う。他人のために尽くす、いわば正義の側と、己の懐しか考えていない、言わば悪党の側。渡辺謙扮する恩地と、三浦友和扮する行天は、言ってみれば陽と陰なので、わかりやすく楽しめるのだが、全体として「生真面目過ぎ」で、善くも悪くも無難すぎる。もっと突き抜けた感情ほとばしる描写や、ドロドロした感じが出ていてもいいのではと個人的には思う。実際に事故を元にした話なので、なかなか難しいのかもしれないが。 【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-01-04 23:22:03) (良:1票) |
45.《ネタバレ》 「正義」のために、損な生き方を選ぶ主人公なのだが、今三その正義が掴みづらかった。正直、航空会社って一般企業の中でかなり高水準の給与レベルなこと分かってるし、 賞与なんて全く無縁の労働者(私もその一人)がごろごろしてる現在の目から見れば、 賞与の額が抑えられる→労働条件が悪化→飛行機の安全水準が低下→国民の命が危険に って論理、全く共感の余地がありませんでした。 むしろ利潤を生むための経費削減→整備の手抜き、劣化→大事故という流れをストーリーの中心に持って来たほうが話が分かりやすかったのでは。 正義がこんな風だから、悪の方も賞与を上げようとしなかったのが悪なのか、組合の委員長を海外に飛ばしたのが悪なのか、遺族に誠意が無いのが悪なのか、為替差益やホテルの建築費で不正を働いているのが悪なのか……もうあからさまに悪党として描かれるわりには、分かりづらい、分かりづらい。 山崎豊子原作の映画で、こんなにテーマがぼやけた作品も初めてです。 【rhforever】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-12-18 18:50:36) |
44.《ネタバレ》 『行天が何故、権力側に変化したか?』の提示がもっと欲しかった。 行天が裏切り者、悪人として設定されているが、 恩地、国見と同じように国民航空への思いが人一倍あり、 彼なりに理由があって行動している景色、 三浦友和と香川照之の演技をもっともっと見たかった。 渡辺謙が延々と剥製を撃ち続けるの見せられてもねぇ......。 剥製ライオン哀れだし、お隣さん怖がるし、守衛に撃たれても文句言えないデスよ。 あと一言。CGやロゴデザイン等の作り込みが激甘で勿体無い!!!!!!!!!!!!!!! 【reitengo】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-12-13 22:04:03) |
43.《ネタバレ》 日航機123便墜落事故の原因については、どうも解けない謎があるらしいが、このお話はそこにはいっさい触れず、原因は会社が社員の労働環境を改善しなかったところにあった、と暗に限定しているようだ。日航という親方日の丸会社の、政界がらみの、腐れ切った内幕をえんえんと描く。見終わって残る感想は、なんちゅう会社だ、という嫌な気分がほとんどで、「沈まぬ太陽」などという晴れ晴れしたものじゃない。おそらくこれはキツイ皮肉なのだ。「国の基幹会社だから、どうしたってつぶれない」というような。いや、いっそのこと、つぶしてしまえばよかったのだ、という気になるし、主人公はなぜあんな扱われようをされても、それでもやめず、会社のためにせいいっぱい尽くすのか、理解しがたい。労働組合運動の戦いで消えていった「戦友」のため? それとも事故の犠牲者に誠心誠意むくいるため?......どうもわからない。自分ならとうに辞めていると思う。主人公は、ほかにもっとやりがいのある人生をさがすべきだ。というわけで、スタッフが力をあわせて作った映画というのはわかるけれども、すっきりしないし、後味が悪い。それから、画面作りに金はかかってそうだが、カメラの画角が松竹ホームドラマ風で緊張感に欠けるし、音楽が安っぽすぎる。 【goro】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-12-13 05:12:23) |
42.《ネタバレ》 あらすじをさら~と見ている感じ。まあ、でもそれは原作が長編なので、逆に未読の方は原作読んでみたい,と思わせるかも。 個人的に好きな会長室篇がだら~となってるのは惜しいかも。 キャストは確かに豪華なんだけどなんか全員ちょっと力み過ぎな。渡辺謙も。演技が大袈裟(=いつもどうり) 大仰な演技が目立ったのは脇役陣も。下手な人はもっと目立つ(鈴木京香)。小林稔侍はもう本当に酷い。。 個人的には三浦友和が最もインパクトがあったかなー。良かった凄く。 感情の起伏の表現の仕方が本当に巧い。 最後,誠に惜しい音楽。以上。 【Pecco】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-11 23:51:52) |
41.長時間だったけど十分堪能できた。それでも、原作自体がボリューム十分なんで、浅くなぞった感も伴う。テレビドラマ2クールくらいの時間が欲しかったかなあ。主演の渡辺の演技力も作品の評価をあげる。三浦は少しいい人オーラが潜在的にあるんで、少し食い足りなかったか。邦画としては十分合格点には達している。 【タッチッチ】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-12-10 23:35:49) |
40.フィクションだろうけど、現実の事件や団体などと合致してまるでドキュメンタリーのようで面白かった。俳優陣も豪華です。ただ、飛行機の映るシーンは合成写真のようで安っぽくてちょっと残念。ラストもちょっと尻すぼみ気味。それでも、十分3時間楽しめたので観て損はないかと思います。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-10 22:13:13) |