69.《ネタバレ》 ダンケルクの撤退劇を、複数の視点から並列に描く、つまり複数の物語が同時に進む構成になっているのですが、あちらのエピソードが昼だったかと思うと場面変わってこちらのエピソードは夜の場面、だったりするもんだから、それぞれのエピソードは時間進行もバラバラなんだ、ってのはイヤでもわかるんですね。 で、時間軸の異なる各エピソードは、クライマックスにおいてきっと一点に交わるんだろうなーってのも、期待としては持っちゃう訳です。実際、そういう構成なんですが・・・ 普通、こうやって場面を切り替え切り替え、複数の場面を並列に描くってのは、盛り上げるためにやるもんなんでしょうけれど、本作の場合、方法論が先にあるためなのか、意図して感情移入させないようにしているのか、あまりに機械的に場面切り替えをやりすぎて、正直、わずらわしくなってきます。 また、この手法(異なる時間軸が一点に焦点を結ぶ)を取ると、どうしても、クライマックスが近づくにつれて時刻が小刻みに前後することになって、不自然さが目立っちゃう、ってのはタイムチャートを書いてみるとすぐにわかると思うんですけれども(作り手もわかってるんでしょうけれども)。こういう点も、少々、違和感が。収束すべき焦点もボケてしまいますわなあ。 しかしそれでも、その最後に、あの見事な海岸への不時着シーンをもってきたのはさすが。これはシビレました。もちろん映画中盤の、陸(海岸)、海、空でのさまざまな「戦い」が、さまざまに描かれるのも(時に仰ぎ見る形で、時に見下ろす形で描かれ、また時には姿の見えない敵からの攻撃という形でも描かれ)、見どころになっているのですが、これらの「陸・海・空」が、あの最後の不時着シーンで一点収束した感があって。ヘンな時間的細工より、よほどイイなあ、と。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-09-17 21:28:09) |
68.賛否あったので心配でしたがあっという間に終わってしまいました。私はそんなに詳しいほうではなかったのですが、かじり程度の知識でも十分に楽しめました。しかしやはりこの映画は時代背景と戦闘機への理解度の深さで評価が大きく変わりそうな気はします。それからやはり大画面で見るべき映画だとも感じました。(TVの小画面で見たら評価下がりまくりでしょうねきっと) 一週間、一日、一時間の三部構成になっていますが、これがなかなかわかり辛いです。普通に一週間前から時間軸通りにストーリーをもってきてくれたほうが良かったような気がします。時間軸がバラバラなこと、セリフの少なさと兵隊さんの顔が皆同じに見えることで、、もうほとんど訳ワカメ。(いや途中途中で交錯する部分が多いので何となく判ったような気になったりしつつ・・) そう何度も見たいとは思いませんでしたが、なかなか重厚で生々しく、映画通の大人が見られる丁寧な仕上がりだったと思います。どこかの評論で「絵画のような味わい」と評されていますが、まさにそんな感じす。ただ、そんな評価に反してスピットファイアがやたらカッコいい。劇中でも語られますが、エンジン音が素晴らしいし海をバックにその姿が現れただけで優雅に見えるのが不思議です。 結局はディスクを買ってしまうかもしれません。。やはりノーランマジックの作品だと感じます。なかなか味わい深い映画です。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-08-20 17:56:49) |
67.《ネタバレ》 見る前は、「ノーランなのに110分切り?」(これってもしかしてデビュー作の「フォロウィング」以来?)「ノーランなのにわざわざ史実もの?」と不思議だったのです。しかし、冒頭10分、あっさり海岸に着いてしまって、しかもそこでのひたすら続く海面と砂浜(そしてその中に距離感をもって表現される船、飛行機、人)の描写を見て、ああそういうことか、と。つまりノーランは、どこまでも海と空、そして船や飛行機の美しさを撮りたかったのであって、史実としてダンケルクでどうこうということは、割とどうでもよかったのではないか。映画というよりも、絵画と詩篇を鑑賞しているような感じです。そして、もしかするともしかすると、特に「バットマン・ビギンズ」以降、はったりと大風呂敷を広げまくってきたノーランにとって、この作品は、久々に初期に立ち返ったシンプル・メイキングをやりたかったものなのかもしれません。 【Olias】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-07-03 00:52:48) |
66.《ネタバレ》 監督十八番の映像表現によるダンケルクの戦いを描いた本作。立っているだけのケネス・プラナーを始めとして33万人救出の感動が何一つとして湧き上がらなかった。凝った絵柄(+1点)のニュース映像であって映画としての面白味が皆無の作品。 |
65.《ネタバレ》 事実に基づいた戦争映画ではありますが、戦争の悲惨さとかはあまり伝わってきませんでした。作品を観た人に何を感じ取って欲しいのか、ということがくみ取れませんでした。それは私が日本人だからなのかもしれません。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2019-01-14 17:56:50) |
64.戦争映画にしては映像が綺麗すぎる。それゆえにリアルさが無い。 感情移入できるキャラクターがいないのはともかく、ただでさえ説明の少ない映画で陸海空を交互に見せていくのがあまり構成として活きていない気がしました。 ハンス・ジマーの音楽も観客を煽る演出には一役買っているもののサスペンスチックでミスマッチかつワンパターンに感じる部分も多々あり少々不満。 ノーランというだけで私も見る前に勝手にハードル上げている部分あって悪いですが、どうせ戦争映画を撮るならもっと人間くさくて血なまぐさいシチュエーションを切り取ってほしかったかなと思いました。 唯一リアルだった水に溺れかけるシーンは息苦しかった。 |
63.個々のエピソードが淡々としているしキャラクターも薄い気がする 映像も綺麗といえばそうだけど見せ場となるような印象的なシーンも少なかった 美談なんだろうけど史実だからかドラマ性が薄い ノーランファンとしてもこれはイマイチ 【Nig】さん [ブルーレイ(字幕)] 3点(2018-09-04 04:44:32) |
62.《ネタバレ》 良かったのは船に隠れているシーンの緊張感。それ以外に大きな山場を感じなかった。 また3人の主人公に分けた理由もあまり理解できず。もっとこういうことか!という感動を味わいたかった。 ノーラン映画なのに個人的に残念。 【とむ】さん [地上波(吹替)] 3点(2018-07-09 02:17:03) |
61.いきなり小銃を投げ出して、そのあと何度も他の人の小銃を拾う機会があったのに無視。飛行機の空中戦以外、銃撃シーンのほとんどない映画でした。その分、「逃げる」ということに関する緊迫感は嫌なほど感じさせられました。音楽も重なってずーっとハラハラの連続でした。ただ、面白いかといわれると?でも、こういうのもありだと思います。 【木村一号】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-30 22:45:00) |
60.《ネタバレ》 第二次大戦初期にフランスのダンケルク地方で起こった攻防戦を緊迫感溢れる映像で描いた戦争映画。大好きなクリストファー・ノーラン監督の最新作ということでけっこう期待して鑑賞してみました。なんですけど、うーん、僕はなんかいまいち嵌まらなかったですね、これ。時間軸をバラバラにしたタイムリミットが最後、一つに収斂するというノーランお得意の演出がそれほどうまく機能しているとは思えませんでした。映像は相変わらずシャープで迫力があったんですけどね。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2018-05-29 20:57:08) |
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59.《ネタバレ》 本作はアート的傑作である。 とある海外評の中に、本作を「印象派の傑作」とした批評があったが、まさに正鵠を射ていて、本作は、まるで絵画作品のように登場人物たちの語りが極端に少なく、ましてや映画的カルタシスは排されており、観客が映し出された絵と、僅かに語られる内容から、そのバックグラウンドを想像することが必要な映画であるのだ。 この映画を退屈に感じた人はぜひこのバックグラウンド(撤退に至るまでの歴史的背景、登場人物の背景など)に意識して観てほしい。すると、語らぬ人物たちによるこの語らぬ物語がどれほど雄弁で感情に満ちているかが、見えてくるはずだ。 絵画は、絵画そのものが語らぬ、絵画に込められた様々な意図に観る側が思いを馳せた瞬間、その魅力が全開になる。この映画もまさしくそうした絵画的な要素がある。考えてみれば、映画草創期の頃の作品は皆そうであった。技術的制約で語りが少ない分、映像から様々な想像を巡らせることが必要だった。 今の時代に敢えてサイレント的要素を盛り込む、古典回帰的な演出をしたノーラン監督には頭が下がる。 確かに従来の戦争映画に較べカルタシスが排されており、鑑賞後には、様々なものを削りに削ったゴリゴリと武骨な作品だったという印象を抱いたのは事実である。 そういう意味では本来8点くらいなのだが、現代に敢えて客の想像力に訴えかける映画を作ったノーラン監督への賞賛を送りたい。 よって8点から2点追加で10点とした。 ≪追記・補足≫ 日本と海外では本作の評価にかなり差があると感じた。 歴史的背景が日本人には馴染みがないものだから、ということだろうか。 本作を楽しむには、⓵歴史的背景の理解(せめてナチスのフランス侵攻は知っておかないと…)、②古典映画的演出への慣れ(西部戦線異状なし、恐怖の報酬、エイリアンは観ておくと◎)がもしかすると必要かと思う。 知識もなしに楽しめる映画も存在すれば、知識があってぐんと面白くなる映画も存在する。 本作は後者だろう。 【nakashi】さん [映画館(字幕)] 10点(2018-05-08 07:45:16) |
58.ダンケルクの戦いと謳ってるわりに戦いが少なくあんまり盛り上がらない。3つの主人公が敵にやられるか助けが来るかを待ってるだけのような感じで期待しなければいいと思うが・・・ 【ラスウェル】さん [DVD(字幕)] 5点(2018-05-08 01:17:14) |
57.《ネタバレ》 第二次世界大戦初期フランス北部のダンケルクで実際にあった撤退戦の話。 ドイツ軍に包囲されダンケルク海岸で撤退するための船を待つ陸軍パート、 大型船だとドイツ軍に沈められるため民間の船が救助へ向かう海パート、 救助船をドイツ軍戦闘機から守るため赴く空軍パートの3つの視点から描かれる。 会話は最小限でストーリー的描写もなく淡々と状況のみが映し出される実験的作品。 ダレる部分があるものの戦闘描写はさすがで緊張感がすごい。 後で調べてみると実際にあったエピソードを元に構成されており イギリスやフランスの人たちからしたら有名な話なんだろうと推察される。 とはいえ映画として良かったかというと微妙な感じではある。 【Dry-man】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-05-05 16:05:58) |
56.映像もきれいで、しっかり脚本もつくっているんだけど テーマとなる史実の時代背景も重要さも理解できていないので 残念ながらおもしろくなかった。 |
55.《ネタバレ》 一週間・一日・一時間という登場人物三人の時間軸をラストに集約させるという戦争映画では観たことがないストーリーテリングが、いかにもクリストファー・ノーランらしくて斬新でもあります。空や海上の天気は晴れているのにダンケルク海岸は悪天候気味なのは可笑しいなんて、ピント外れのツッコミを入れていた自分でした。ダンケルク撤退の映画というと、自分にはどうしてもジャン=ポール・ベルモンドの『ダンケルク』が刷り込まれているんです。ノーラン版『ダンケルク』のファースト・シーン、ドイツ軍が撒いたビラを拾うところは、完全に1964年版のファースト・シーンへのオマージュになっています。あの映画はフランス軍側の視点で描かれ厭戦感に満ちていました。でも若いと言ってもノーランもやっぱり英国人でして、救助に向かう側の「戦いはこれからが本番だ」というジョンブル魂を前面に押し出しています。考えようによっては、この映画はマイケル・ベイの『パール・ハーバー』みたいな過剰なヒロイズムで撮るという手もあったわけですが、まあ知的なノーランがそんなバカなことする訳もないですけどね。ラスト、やれることはすべてやり尽くして海岸に着陸して捕虜になるトム・ハーディの不屈の面構え、これこそ英国人という感じでした。 戦闘シーンでは、とにかくノーランのスピットファイア愛が凄かったというのが感想です。今までの彼の作風とは違い、CGを使わず実写に拘るという姿勢でしたが、これも良し悪しでしたね。海軍の軍艦になるとさすがに大戦時の実物を撮影に使うのは不可能で、登場する艦艇はもろ現代の軍艦です。せめてこういうところにはCGを使って、第二次大戦の駆逐艦を再現した方が良かったんじゃないでしょうか。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-03-03 22:04:32) (良:1票) |
54.《ネタバレ》 IMAXの大画面でスピットファイアを堪能できたに10点。40万人脱出の大作戦にはとても見えない-1。さすがにエンジンの止まったスピットファイアでスツーカを撃墜出来ないでしょ-1。映画として面白くない-2。 【ピチクン】さん [映画館(字幕)] 6点(2018-02-11 16:49:50) |
53.《ネタバレ》 期待値MAXで見ましたが、正直自分には合いませんでした。 「生」にしがみつく演出は見事でしたし、追い詰められた英仏戦士からは「なんとしてでも生き抜く」という強い意志が感じられ、戦下の緊迫感は伝わってきました。 しかし、実話ベースになっていてリアリティが追求されている余波からか、ストーリーは地味目で退屈。特に、空中でのドッグファイトのシーンも単調で同じような光景の繰り返し。意図的にキャラクターの掘り下げも浅くしたんでしょうけど、登場人物に魅力が感じにくい。 【カジノ愛】さん [映画館(字幕)] 3点(2018-02-10 07:01:32) |
52.《ネタバレ》 約4ヶ月ぶり2度目観賞。1週間・1日・1時間。陸・海・空。時間と空間に仕掛けを施した構成と写実的な映像で観せるクリストファー・ノーラン監督による戦争映画。オンガクはほとんど「ぎちぎちぎち…」「ほぇ~~ん」の繰り返しやな(笑) 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 6点(2018-02-06 19:18:22) |
51.2時間弱、休む間もなく延々と続く緊張感に、映画が終わって大きなため息をつく。長く水中にいて、ようやく水面に顔を出したときのような開放感。まさにダンケルクにいた兵士たちが味わったであろう緊張と安堵を、(もちろん比較にならないだろうが)少なからず感じさせてくれる見事な映像表現と展開力はさすがはクリストファーノーランと言うべきだろう。刻々と時を刻む不気味な音楽は最初から最後まで止まることはなく、終わりのない地獄を垣間見るようなそんな気分にさせてくれる。素晴らしい映画であることに疑いの余地はない。 しかし前回のインターステラーで見せてくれた圧倒的な創造性の前に、物足りなさを感じてしまうのも事実だ。クリストファーノーランならもっとすごいものが撮れるという勝手な期待を含めて、今回は8点としたい。 【ばかぽん】さん [映画館(字幕)] 8点(2018-01-30 06:09:36) (良:1票) |
50.飽きさせない展開、時間軸の組み合わせの面白さ、映像の凄さ、と映画的にはよくできているのだが・・ ストーリーが、クリストファーノーランの今までの映画の中で、一番退屈だと思った。 まあ、戦争映画だし、とりわけ何かが起こるということも難しいのかもしれないが やはり、この監督の映画は、どんでん返しを含めた脚本の面白さなんだと改めて感じた。 ちょっと期待しすぎたためか、物足りないという印象の映画でした。 【シネマファン55号】さん [映画館(字幕)] 6点(2018-01-26 15:03:51) |