45.以前見た時は、前半の刑務所に入るまでのシーンが長くて退屈だったのだけれど、いま改めてみると、あの前半(+マルコムの子ども時代の回想シーン)があるから、後半の活動家となってからのマルコムの主張にリアリティが生じたのだと思う。凡百の伝記モノにありがちな、めぼしいエピソードを並べただけのものではなく、マルコムの心理的な変遷がしっかりと描かれていて好印象。少々残念だったのは、メッカにいるときのマルコムXが、なんかはじめて海外旅行した時、やたらフレンドリーに接してくる現地の方々に感動しちゃった、単なるビギナー観光客にみえてしょうがなかったこと。ピラミッドとかスフィンクスとか見たいとか言ってるし・・・。ぼくもはじめて海外旅行した後は、周りの人にそのときの体験をやたら語りたがったものだったなあと、どうでもいいことを思い出した。それまでの重々しい人生観を180度転換させる事件にしては、ちょっと軽い感じがしたかなあ。それだけ、アメリカで黒人として生きるということは厳しいのだということなのかもしれませんが・・・。ラスト、ネルソン・マンデラ氏(ですよね?)まで登場させて、これでもかと突きつけられるメッセージは、スパイク・リーらしい「やりすぎ感」があって個人的には好きです。 【ころりさん】さん 8点(2005-02-24 10:11:45) |
44.一方を肯定することは一方を否定することという、 あらゆる差別に潜在する根本的な、それゆえ安易な主張を見せられた。 【michell】さん 6点(2005-01-18 14:53:47) |
43.《ネタバレ》 私はこの映画を、ある特定の目的があって見た訳だけど、予想以上の収穫がありましたね。というのも、私はこれを見るに際して「人種差別」よりは「宗教」という視点でセレクトしたのですが、今の情勢を考えるとこの2つは双子の関係のようにリンクしていることを実感しました。信教の自由がありながら、事実上キリスト教国になっているアメリカで、同じキリストを敬いながら同じクリスチャンに罵られ、襲撃され、牧師であった父親を奪われた。さらに白人に生まれてレイプされた母。教会に飾られるキリストは白人であり、白人牧師が教えをたれて冗談でありながらも黒人を「サタン」と呼ぶ。キリストの愛を説く白人が一方で非道な仕打ちを行い、あらゆる場面でそれが降りかかってきたマルコムの半生を思うと、独房で牧師にうそぶいた「おれのケツでもなめやがれ!」というセリフがすごく重く響いてきます。晩年訪れたメッカでイスラムの真実を知り、博愛思想に目覚めてから暗殺されたのも皮肉だと思いますが、清教徒によって生まれたアメリカは今ではなくその頃から、いやそれ以前からイスラムを苦々しく思っていたのでしょうか。時間が経てばまた、私自身の中からいろいろな言葉が生まれてきそうです。 |
42.俺はマルコムXのことをよく知らないし、デンゼルが出てるって事だけで観たんだけど、長すぎだろ、これって感じ。もちろん色々考えさせられたけどさ。 【銀次郎】さん 4点(2004-11-07 02:25:30) |
41.星条旗が燃やされるオープニングからファンキーな前半はかなり面白い。グイグイ惹きこまれました。しかしですねえ、宗教に目覚めたあたりからカリスマへとなっていく後半はちょっとねえ。カルト教団のそれみたいになっちゃうし、ラストは北朝鮮のプロパガンダフィルムみたいになっちゃったわね。あのラストはまったくいらない、蛇足です。あれを最後に見せられた時、スパイク・リーに持っていたイメージがガラガラと崩れていく音がしたようだった。前半がいいだけにとっても惜しいです。 【envy】さん 6点(2004-09-15 09:32:33) |
40.この長い映画を観た時より「知ってるつもり!?」のマルコムXを見た時の方が衝撃的だった。彼の言葉『俺はいままで刑務所の中にいた。だがお前たちだって刑務所の中にいるんだぜ。アメリカという名の刑務所にな!』は僕の中で超名言集のうちの一つです。 |
【カフェ俺!】さん 4点(2004-09-08 16:20:42) |
38.私も正直このマルコムXなる者やキング牧師等は知らない。でも機会があったらアレックスヘイリー著のマルコムX等の書物を読んでみたいと思った。アメリカ人じゃなく日本人だから分からないという意見も分かるし私もそのままの答えです。ただ観た後に何かに興味を持ったり自分の脳波がぴくりと揺れ動いただけでも私の中では充分です。この作品も映画という枠にとらわれずに多くの方に観ていただきたいですね。そういう事があってそういう人がいたんだなぁぐらいで結構だと思います。観たことには変わりはないから。 【tetsu78】さん 9点(2004-06-28 01:22:00) |
37.ここはあえて白人の言い方を借りれば日本人はもちろんのこと(日本人がどちらに該当するかは興味がないが)”マジョリティー”も”マイノリティー”も一度は見ておくべき作品!アレックスヘイリーの「ルーツ」、「遠い夜明け」、「ガンジー」、比較的最近では「ハリケーン」など、この手の映画は真実を追究することに重点をおくべきであって娯楽性は重要視してほしくない。白人社会そのものを根底から覆そうとするマルコムX。キング牧師はすばらしいが、黒人が白人に先祖代代から根本から否定されつづけてきた事実を考えるとマルコムは決して狂人ではない。アメリカの白人と黒人の関係は現代の世界情勢も含めて世界史の暗黙の部分を凝縮して表面化した物のように見えた・・・見てない方はテレビシリーズの「ルーツ」を見てからこの作品を見ることをお勧めします! 【スーシホ】さん 9点(2004-06-26 13:27:33) |
36.確かにアジテーションは感じなくもない。だけどそれほど押し付けがましさは感じませんでした。日本にいるってことで、うまれながらの差別ってものをなかなか実感しづらい。だから、この映画に対して特別な感情を持つまでには至りませんよね。確かにメッカ巡礼あたりから、カリスマ性が強くなって周りとは孤立していきましたね。映画もその辺までは良かったのですが。だけど全体を通してみればバランスのとれたいい映画です。決して軽い映画ではないですが、一度は観ておきたい作品です。 【たかちゃん】さん 8点(2004-05-10 13:58:57) |
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35.デンゼル・ワシントン好演でした。ただ、娯楽性には欠ける映画です。マルコムⅩに興味を持っている人しか見ないだろうし、見てはいけない。マルコムⅩに多少、興味を持っている私でさえも長すぎると思いました。。。やはり、私は映画に娯楽性しか求めていないのでしょうか…? 【T橋.COM】さん 5点(2004-02-08 23:39:27) |
34.所々それ極端すぎないか?と疑問に感じるところはあった。 マルコムの全ての考えに賛同はできないがこの黒人への働きかけは賛同する。後半のイスラム脱退から個人になるまでははっきりとどちらが悪いかは監督の視点になってしまってるのでどうにもいえない。ただ白人全部ではなく怒るべき相手を怒るというのは 抜け出したゆえの思考だろうか。 【とま】さん 7点(2004-01-30 15:08:43) |
33.スパイク・リー入魂の一作。デンゼルは役によってここまで変貌できるんですね。すごいです。 【ロイ・ニアリー】さん 7点(2004-01-17 07:54:13) |
32.《ネタバレ》 デンゼルにショッキングピンクは似合うのか似合わないのか・・・?それはさて置き、マルコムXがイスラム教だったというのもこれを観て始めて知ったほど、彼に対して無知でした。短くて太ーい彼の一生を追った映画ですが、私の場合、メッカ巡礼からの「やっとだわ。観てきてよかった」…感が好きです。確かに黒人差別は私達の想像を絶するほどひどいものだったと思いますが、黒人至上主義な演説もいいかげん辟易で…このまま人類平等の考えに至らずに終わってしまうのかと、途中から不安になりました…。退団してからの自由な発言こそが、マルコムのカリスマ性であり、数々の間違いを犯し、再生した彼だからこそ共感できるという点もあると思います。キング牧師なら知ってるけどマルコムって誰?だったので、彼の事を知る事が出来てよかったと思います。ありがとう、でもってブラボー、スパイク・リー! 【桃子】さん 9点(2004-01-15 15:08:03) |
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30.興味がある人しか観ない類の映画だと思います。私が観たのは高校生の頃。田舎に住んでいたので、友達と一緒に街の映画館まで1時間かけて見に行って、帰りの電車で感想を熱く語り合ったのを覚えています。その後マルコムX関連の本を読み、アメリカの人種差別の歴史を考えるようになりました。歴史的に考えれば建国時の人手不足を補うために奴隷制度ができたことが、アメリカの人種差別をここまで根深い問題にした原因ですが、制度としてではなく差別の発想自体は日本だって他の国だってあると思います。と、止め処ないことを考えさせる貴重な映画です。 |
29.マルコムは言う。「アメリカがある前に我々は黒人だった」と。ブラックパワーが爆発した60年代の中で最も本質を突いた言葉を唱え続けた男、それがマルコムXだった。 今さら"過激だ"なんて言わせない。本当のアメリカを知りたい全ての人に薦める一作。 【J.B.】さん 10点(2003-12-03 02:17:01) (良:1票) |
【BAMBI】さん 7点(2003-11-26 16:02:16) |
27.公開当時、(たいしたものではなかったけど)病気で入院してて、退院して10日くらいで見に行った映画でした。体力的にちょっと不安だったにもかかわらず、まったく長さを感じさせない演出ぶりと訴求力に、脱帽でした。本作はやっぱりリー監督、デンゼルの代表作と言えるのではないかと思います。長さや政治色を想像して、見るのをためらっている人に、彼らの意欲と、実際の完成度の高さをぜひ知ってほしいと思います。楽しい映画、というわけではもちろんないけれど、説得力をともなってグイグイと見せていく、プロの実力満開、という作品です。 【おばちゃん】さん 8点(2003-11-23 21:36:55) (良:1票) |
26.基本的にスパイクリーの映画はファッションが最悪。しかし、この人はひどくその題材で映画を撮りきる事にこだわるので別にいいや、とも思います。興行的に失敗する事を恐れずに、こういう映画をこだわって撮る黒人監督は実質もういなくなってしまいました。寂しいです。 【セクシー】さん 10点(2003-11-08 13:18:09) |