76.《ネタバレ》 凡百の日本の時代劇とは一線を画する哲学的なストーリーと、それを彩る陰鬱とした映像美はさすがに見事としか言いようがない。後の傑作「乱」を髣髴とさせるダークな世界観と、ラストそれを切り裂くかのように画面狭しと降り注ぐ矢の雨あられ。本当にその独特の幽玄の世界はとても良い余韻となっていまも心に残っている。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-08-16 17:19:14) |
75.《ネタバレ》 霧がたちこめ鬱蒼としたした感じ、最後の森が動くシーン、白黒ながらも 血の色や緑色を感じてしまいました。 ミステリアスなところがお気に入りです 【KINKIN】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-05-20 20:47:56) |
74.矢が飛んでくるシーンは思わず声が出た。CGがない時代によくやるよなぁ、、三船敏郎が「俺を殺す気か!」と怒鳴るのもしょうがない。そんな命がけの三船さんには悪いが、蜘蛛巣城は山田五十鈴の映画なのかなと思う。「俺の心には何も無い」と言う武時に「それは嘘です」と返す浅茅。ここにこの女優の凄さが凝縮されている。「取れやしない・・・ 嫌な血だね~」 怖や。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-05-01 12:19:21) |
73.《ネタバレ》 ■これから見る人は字幕を付けた方がいいかと思います。それくらい聞き取りにくい。実際どういう陰謀が起きてて、誰が誰と対立してるのかも一回見てもよくわからなかった。 ■最初は人柄のいい人だった鷲津が段々転落していく。しかし肝はあの奥さんでしょう。奥さんがそそのかして悪い方へと転がっていく。手を汚す身と、それにくっついていればいい身とでは判断も変わるのだろうか。こういう展開は他の映画にも多い。しかしああいう女は本当に怖い。。。 ■ラストの矢が降り注ぐシーンは圧巻。冷静にみるとあんなに近くにまとめて射ていながら全部そろって少し右とかではずれるというのはもはやコメディだが。 【θ】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-03-10 00:28:44) |
72.セットや映像は素晴らしいが、所々テンポが悪い。音声の状態が悪いので字幕は必須。 【eureka】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-19 15:55:31) (良:2票) |
71.《ネタバレ》 黒澤映画としては最も重厚な作品。全編を貫く陰惨で怪異で重苦しい雰囲気。鷲津は権勢欲の虜となり主殺しと裏切りの罪を犯した。森の物の怪が未来を予言し、妻が謀反をそそのかしたということがあるが、根底には人間不信がある。戦闘と裏切りと死を繰り返す戦国の修羅の世に生きる武者にとって、人間性を失わずにいるのは難しい。人を信じることが出来ないで過ごす人生は、心が休まることがなく、灼熱に焼かれるような苦しみの連続だろう。物の怪の予言は戦死した武者の亡霊が復讐を企てたもの。鷲津が特別野心が大きく、心が弱かったわけではない。たまたま欲望の陥穽に落ち、魂が悲運の蜘蛛の巣に絡み取られてしまったのだ。 ◆原作では主人公は華々しく戦闘に討つて出て戦死するが、本映画では裏切りにより、刀を抜く間もなく惨めに射殺される。より惨めな死に様を提示することにより、道を踏み外した人間の愚かさ、因果応報の恐ろしさを見せつける。原作の洞窟の三人の魔女を糸車の老婆と武将の亡霊に改変したのも成功している。日本人にしっくりくるのだ。 ◆次の場面が省略されている。①北の館の前主が謀反に失敗し、自決して、部屋が血染めになる場面。②鷲津が眠っている主を槍で殺害する。③鷲津の使いの暗殺者が僚友三木を襲って殺す。④鷲津の妻の死産と狂ってゆく様子。最後にどうなるのか。⑤最終戦闘場面。何れも死を描く場面。考えて見れば、死が直接描かれるのは鷲津の矢だるま場面だけ。それでもいたたまれないほどの陰惨な印象が残るのは映像の力によるものだろう。白黒なのに血が夢に見るほど怖ろしく見える。凄惨な場面をあえて排除したのは監督の観客への配慮だろうが、どこか物足りなさを感じる。鑑賞後。どこかぶつ切り感が残るのだ。想像させるのは重要なこどだが、バランスが難しい。 ◆独特の映像美には讃嘆するしかない。それだけで十分鑑賞の価値あり。もし監督がホラー映画を撮ったら、とてつもなく怖いものが出来上がっただろう。 ◆違和感を覚えたのは、鷲津と三木の二人だけで森を抜けて城に向かう場面。いくら戦闘が終了したとはいえ、準戦闘状態にある中で大将が単騎で行動するはずがない。しかも別々の場所を守る二武将が揃って登城などありえない。二人だけ本隊とはぐれたなどの設定にすればよかった。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-01-24 22:03:36) |
70.《ネタバレ》 このところ、黒澤映画に出始めた頃の三船敏郎を何作か見ていたけど、現代劇より時代劇の方が世界観の中にしっくりと納まる。基本的に、武士という空気を纏っている人だったことが良く分かる。実は奥方が物の怪かと思っていたんだけど、後半は出てこなくなり、いつの間にかノイローゼになっていて残念でした。その欲深い奥方にそそのかされるところが面白かったくらいで、自分にとって他には特に観るところなし。真面目で忠勤に励んでいた武士が権勢欲に囚われ道を踏み外すような描かれ方だけど、戦国の世には普通にあることで特別とは思わない。いわゆる芝居がかったというか、歌舞伎の舞台でも観ているかのような間の取り方とか葛藤の見せ方にはちょっと辟易しました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-01-02 12:29:10) (良:1票) |
69.《ネタバレ》 セットのスケールの大きさや、土の匂い、泥臭さは黒澤監督そのものなのだが、アップショット、静寂、間を多用して、まるで舞台劇を見てるかのような展開は、他の時代劇とはかなり異質に感じてしまう。 シェークスピアの舞台劇マクベスが原作で、原作の持つメッセージ性や雰囲気をそのままに、黒澤流の日本時代劇に仕立て上げましたという名作。 映像表現はさすがの一言で、監督の見せたい表現したいものが、ダイレクトに伝わってくる。 「映画」としては文句無く一級品なのだが、最初から最後まで、重い、暗いで、私好みの映画ではなかった。 やっぱ他の黒澤監督(とその仲間達)のオリジナルの脚本のほうがいいな。 【nobo7】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-11-23 19:05:29) |
68.最後の矢のシーンが印象的なだけで、よくわからない話だった。 【doctor T】さん [ブルーレイ(邦画)] 5点(2010-11-16 07:49:37) |
67.山田五十鈴、とてもとても恐いです。富士山腹のセット、とてもとてもすごいです。昔の森の姿、とてもとても深いです。お侍の世界、いまの勤め人とまったくまったく同じです。人がものすごく手に入れたいもの、すべてすべて、とてもはかないです。 【きのう来た人】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-08-05 06:11:27) |
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66.内容は黒澤ならではの脚色はあるものの、基本原作「マクベス」とほぼ同じ。 映像の迫力、不穏な音楽が醸し出す不気味な雰囲気は良かったが、ラストシーンまで読めてしまう展開のさせ方が少し残念。もう少し驚きが欲しかった。 三船の壮絶な演技はまさに「マクベス」そのもの。素晴らしい。 山田五十鈴の演技も素晴らしいですね。 同じシェイクスピアを題材にした黒澤映画なら個人的には「乱」の方が断然好みです。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-07-27 14:19:31) |
65.《ネタバレ》 弓矢、馬、森、妖怪…。もう、戦国時代を象徴するかのようなシチュエーションのオンパレードで、それだけで全く飽きることがありません。そこに印象的なSE、音楽がぴたりぴたりと嵌ってくる。お話よりも寧ろ、勢いだけで観せられてしまったという部分は、個人的に羅生門と似た印象。しかし、音声の聴き取り難いこと難いこと…。DVDで観てください 【j-hitch】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-03-04 01:47:16) |
64.《ネタバレ》 この映画を最初に観たときの感想は、「弓矢怖い」でした。 あの、テグスを使った弓矢の技法は、「七人の侍」で開発され、他の映画でも よく使われるので、珍しくないのですが、これは怖い。城門前で矢が遠方からヒュンと飛ぶあたりから始まって、最期の恐怖の場面へと続くわけです。 カメラが視点を変えると、小屋や亡霊が消えるあたりのテクニックも面白かったです。 この作品は、黒澤作品の中でも音声が聴き取りにくい一本。最近「羅生門」を修復しましたが、次はこちらをお願いしたい。 原作の『マクベス』もおすすめです。 【みみ】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2009-02-08 18:15:07) |
63.《ネタバレ》 メッセージ性は十分伝わるのだが、間延びした感は否めない。オカルトシーンもそこまで大したことはない。ただ、山田五十鈴の存在感は素晴らしかった。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-01-02 09:50:01) (良:1票) |
62.《ネタバレ》 山田五十鈴の演技は鳥肌が立つくらいのものでしたし、矢がささるシーンも迫力があったと思います(繰り返しはくどい)。 ただ森が動くシーンやおどろおどろしい描写には斬新さがなく、特に「森が動く」時というのは一番の見せ所でもあり、期待していた部分だけにちょっと残念です。 「血がとれないぃ!」の山田五十鈴だけで5点分くらいあげたいです。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-12-08 00:12:06) |
61.うーん、、期待していたほどじゃなかった。 そもそも、黒澤明と相性が悪い私は、黒澤作品に期待をしても無駄なのか、とさえ思った。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-15 19:37:03) |
60.同監督の同じシェイクスピア翻案物なら、「乱」の方がずっと良いと思う。こちらは中途半端に定型的な時代劇の枠内に収まってしまっている。オカルティックな部分の描写も、今日では幾多の後続作品に抜かれている感じ。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-09-07 02:04:34) |
59.《ネタバレ》 仕方ないかもしれないが所々で台詞が聞き取りにくい場面があり、これだけはマイナス点でした(字幕が欲しかった)。ただ、黒澤監督のダイナミックな映像はモノクロ映像と言うことを忘れさせるような迫力で。森を駆け回る馬のシーン一つにしたって撮り方が上手く素晴らしいし、富士山に実際に組んだと言う蜘蛛巣城、無数の矢が飛んでくるラストにしたってCGでは決して出せない本物にこだわった黒澤監督ならでは。特に無数に降り注ぐ矢のシーンでは至近距離から矢を射っていたと言うし、今では決して実現しないことでしょう(それを引き受けた三船さんも凄いが)。しかし、この時代にシェークスピアの「マクベス」をアレンジするという大胆な試みをやったことも凄いが、それを見事に日本のおとぎ話のように作りかえたのも凄い。やはり時代を超えても残る映画を数多く撮っている黒澤監督ってやっぱり凄いなと改めて感じさせられる作品でした。 【taka-104】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-09-03 01:15:05) |
【なますて】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-07-17 23:07:20) |
57.黒澤映画は好きですが、この作品は特に、セリフが聞き取りずらく話がイマイチわかりにくかったです。テンポも良くないし、オカルト部分なども好きになれませんし、楽しみどころがどうにも分らなかったです。字幕つきで再見すべきでしょうか・・・。 【すべから】さん [地上波(邦画)] 3点(2008-03-31 14:26:22) |