36.初めて観た時は、主人公2人の逃避行ばかりに目が行っていました。久々に観てみると、周りの人たちの人間ドラマにも目が行くようになりましたね。独りよがりで保身ばかりの奴も入れば、「あんたたちの気持ちはよう分かる」と言いつつも密告する奴もいる。自分の都合のいいように事実をねじ曲げ地位を得ようとする奴もいる。茂兵衛と父親とのエピソードは一番好きです。映画の中では登場しない母親は???などと想像もしてしまいます。いろんな登場人物がいるけれど、彼らは彼らで当時の社会の中でなんとか生きていこうとしてたんだろうな。だからこそ2人のラブストーリーが引き立つんでしょうね。下手なラブストーリーだと、主人公2人だけで盛り上がって、脇役は主人公を邪魔するだけ、みたいな作品もあるしね。そんな簡単にも割り切れられない、群像劇としても面白い映画です。 【ゆうろう】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-02-06 17:35:24) |
35.《ネタバレ》 こう言うのも何ですが、日本にもシェイクスピアに比肩するような悲劇があったことは欣快。ちょっとした間違いから、坂を転がるように事態が悪くなっていくさまは、悲劇の王道です。ただ、通常の悲劇は前提として恋愛があって始まるのですが、これは話の進行とともに愛が結ばれていくのが珍しい。まあ、お玉の茂兵衛への想いとかもあるわけですが。後半のおさん茂兵衛には、抑えていたものが一気にあふれ出す激しさがあります。大経師の悪役ぶりと、凋落する展開もすばらしい。構図がどうこうとかいう難しいことはわかりませんし、特に美しいとも思わなかったのですが、不要なものをそぎ落としたかのようなシンプルな画面はよかったと思います。 ラスト、馬上のおさんがほほえんでいたように見えたのですが、見間違いではないですよね?…… 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-08-07 20:37:02) |
34.宮川一夫のモノクロが素晴らしいです。 湖に船でこぎ出すシーンや、竹やぶの中などとても美しいです。 テーマはメロドラマ、今なら不義密通ではりつけになっていたら毎日誰かがどこかでですね。^ ^ 【KINKIN】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-02-18 15:58:48) |
33.《ネタバレ》 上下の隔てのある不義密通。命で償わねばならぬ時代に自分の心に正直に生きた二人。手を繋いだ二人の面持から本懐を遂げた喜びを汲み取れる一世一代の晴れ姿が、覚悟の死地への行進であるラストシーンのこれ以上ない非情さ。その背中にかける言葉がありません。合掌するのみでした。 |
32.《ネタバレ》 うわー、どうしよう。ワタシには、それほどの名作とは思えません。たしかに、様式美というべき美しいシーンもありましたけど、あえていうなら、大映のカレンダーのスチール写真のよう。つまり、綺麗なだけなんです。忠義者が、間の悪い偶然に翻弄され、破滅に追い詰められる物語。あるいは、身分を越えた悲恋の物語。それを、こんなにも、どストレートな話運びでやられてしまっては、2011年を生きるワタシには、そうですか、としか言いようがありません。往時ならまだしも、今はもっと見るべき映画があるはずです。ようするに、やっぱこれは古いよ。【追記】評価できなかったのは、おそらく、香川京子さん演じるおさんに、魅力を感じられなかったことが理由と思っています。そんなおさんに茂兵衛が恋心持ってたなんて、それが吐露されたシーンでは、「マジ」って思ってしまいました。なんか、唐突な感じもしましたし。事態を飲み込めないまま、寂しく店を去るけなげなお玉ちゃんの方が魅力的でした。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 3点(2011-10-27 21:20:30) |
31.メロドラマのひと言では片づけられない、情緒溢れる作品。 その奥ゆかしさと清らかさに、思わず心を打たれてしまう。演出や映像に関しては、 溝口作品の中では及第点といった印象を受けたものの、キャスティングが抜群によかった。 進藤英太郎と小沢栄のバイプレイヤーぶりも光っていたが、 やはり長谷川一夫演じる茂兵衛の誠実なキャラが、とても印象に残っている。 皮肉めいた結末ながらも、爽やかとさえ思わせるラストのカットもいい。お薦めの逸品。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-09-09 07:53:25) |
30.舟で漕ぎ出すシーンの美しいこと。心を奪われるとはこういう画のことを言うのでしょう。日本人に生まれてよかった。 【ジャクリーン】さん [DVD(邦画)] 10点(2011-07-17 15:00:45) |
29.《ネタバレ》 最高傑作! 見終わってしばらくは何も言葉が出なかった。 二人は、事件が起こるまでは、御真造さんと手代という関係しかなかったはずである。それが周囲の者たちの身勝手な行動によりどんどん追いつめられ、それがますます二人の絆を深めていく。 主従の関係と男尊女卑、現代感覚では到底考えも及ばないことが、その昔は当然のこととして考えられていた。その封建社会の業を余すことなく表している。 この映画はおさん茂兵衛の悲しい物語、一時は心中を考えながらも、二人がそろって暮らせる土地を探し求めていくが、果たせず捕らえられてしまう。しかし、それは彼らにとっては二人そろって死ねることへの安堵の喜びであったのだろうか。 さすが溝口健二監督、ひとえに感謝。そして香川さんも大女優の地位を確立。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 10点(2011-06-22 21:25:54) |
28.この作品を見た時、昔見たドラマの台詞を思い出した。「並々の恋は離れれば炎は消えてしまうが、並々ならぬ恋は離れれば離れるほど激しく燃え上がる。それは、風が吹くとロウソクの火は消えてしまうが、火事は燃え広がってしまうように・・・」許されぬ愛の逃避行は今では珍しくもないかもしれないが、時代劇で見ると凄まじいインパクトとなる。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-08-17 22:38:14) |
27.今作に触れて、【 「肉欲」 という、即物的で衝動的な側面 】 と 【 「支配体制」 に統制される 「個」 】 という 近松門左衛門作品を鑑賞してゆく上での、2つの新たな鑑賞側面を発見することができた、極上の映画体験となりました。 制限文字数で語りきれず、完成版はこちらまで ネタバレ注意 → http://ouiaojg8.blog56.fc2.com/blog-entry-51.html 【マーク・レスター】さん [DVD(邦画)] 10点(2010-08-08 11:29:37) |
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26.古いけど新しい。 最近の日本人監督も見習ってほしい。 【がみがみ】さん [DVD(邦画)] 10点(2010-07-18 19:23:07) |
25.《ネタバレ》 古典の映画化として全くケチのつけどころのない完璧な世界観と構図。物語は乱暴に言ってしまえば、ただの不倫&逃避行。人の迷惑を顧みず、自分勝手で、人前でもイチャイチャする姿はまったく腹立たしいというか、羨ましいというか…。 恋をしてるやつらってのは全くおめでたいもんだ、と現代の話なら鼻で笑っちゃうようなものですが時代が時代だけに命掛けで大袈裟な話となっているのですね。そんな二人の恋情が屁に思えるほど、親父の海より深い愛情にやられました。 俺なら、お玉ちゃんを選ぶ。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-05-23 17:38:03) (良:1票) |
24.《ネタバレ》 いわゆる王道の悲恋モノなのだが、全く泣けなかった。泣くとかいう次元ではなくて、完全に圧倒されてしまった。特に構図が美しすぎて、もう何とも言えない。以春の二階、船で漕ぎ出すシーン、おさんが山中で茂兵衛を追いかけるシーン等々、まさに一幅の絵のようで、言葉を失う。日本の映画ってこんなに凄い(凄かった?)んだと改めて感じた。 キャストの演技力にもしびれる。特に船中のシーンでの香川京子の演技は鬼気迫るエロティシズムを感じて、ぞくぞくした。「死にとうない!生きていたい!」と叫ぶ彼女の顔には、妖艶を通り越して一種の恐怖すら覚える。あと、個人的には、茂兵衛役の長谷川一夫は顔が甘すぎて、ちょっといただけないと感じた。 鑑賞後、何点にしようか迷ったが、率直につけると7点止まりになってしまう。凄いものを観たというのは分かるのだが、なぜか彼らに感情移入できなかった。映画として、あまりにも完璧である故なのかもしれない。気持ちの面で、消化不良のまま、置いていかれた感じがする。認めたくは無いが、洋画に毒されているのかもしれない。たまには日本のものを観かえして、感受性を養っておこうと思った。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-02-01 18:36:06) |
23.火と恋の不始末は後から手がつけられない。花火は外から見るもんだな。 【michell】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-01-13 15:53:59) |
22. つまらない映画ばかり続いたときは、古典映画に切り替えるに限る! いつの時代も悪人ばかりがはびこる世の中。自分の衝動を抑えることができなくなった主人公に観客としてストレスを感じるが、結局はその結末に共感せざるおえない。そんな作品を数多く作り続けた近松門左衛門は改めて凄い劇作家だと思う。この人、世界的にはどれだけ知られた存在なんだろう? 【クロエ】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-12-26 08:03:46) |
21.《ネタバレ》 死が二人を分かつまで。こんな死語みたいな言葉がぴったりの恋愛物語。二人の行く末がわかっていても、もっともっとこの二人の燃え上がる姿を見ていたかった。ラブシーンはこれといってないんだけど官能的。足首を舐めるシーンはおいといても、抱き合うシーンなんかは普通じゃなく、もうあなたの体に入ってしまいたい、文字通り一緒になりたいという感じで、見ているこっちも熱くなる。そして一瞬で物語のすべてをもっていったラストの二人の表情が最高に素晴らしい。怖いものはもう何もない。しっかりと手を握り合う二人を、誰ひとり引き裂く事は出来ない。 【オニール大佐】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-09-12 20:28:01) |
20.《ネタバレ》 邦画史上もっとも美しいラブストーリー わたくしもおさん(香川京子)の御足を洗いとうございます。。 【norainu】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-09-06 02:03:31) (良:1票) |
19.邦画にこれ程情熱的な恋愛映画があったなんて衝撃的でした。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-08-31 23:41:03) |
18.《ネタバレ》 構図だとかカメラワークだとか、かのコンビなんだから言うまでもないし、モノクロの画面は終始美しいことは美しいのだけど、どのシーンがってんじゃなく全部が当たり前のように美しいのでかえって画としての印象が弱かったりする。むしろこの作品は画よりも女優・香川京子の凄まじさに圧倒される。もちろんその凄まじさは溝口の演出なんだけど。香川はこれまで明るい娘役ばかりだったのが、この作品でいきなり女の色気を爆発させている。抱き合う姿は抱きしめるというよりも、何が何でも離れまいとしていると言ったほうがいいほどにその必死さと苦しさが漲っている。誰かが迷惑してようが構わない。離されることが耐えられない。苦渋の表情と叫びと嗚咽。二度と離されることのないという満足顔のラスト。愛に狂った女の色気。ここまで色っぽい香川京子はそうは見れない。 【R&A】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-04-17 16:50:59) (良:1票) |
17.香川京子の魅力が満載。 特に香川京子の“かかと”に惚れた!(危) 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-09-13 10:53:11) (良:2票) |