【pillows】さん [DVD(邦画)] 10点(2014-03-29 14:43:42) |
81.兄嫁の楓の方に籠絡されるのが早すぎますね。兄を殺す、父を追放する、女房を殺そうとする、そういった部分の葛藤は描かれずに、狂った父とピエロのシーンが長すぎるように感じました。黒沢映画の中では珍しく低い評価になりました。 【東京ロッキー】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-10-29 20:18:04) |
80.もっと三兄弟の確執なり策謀なりを見たかった気もするが、この三兄弟は、期待された割にみんな凡人だったというところがいいのかも。全体の流れにほとんど救いがなく、ほぼ一直線に破滅に向かって進んでいるのが強烈です。大型時代劇のくせに、胸晴れるすかっとする場面が全然ありません。そして、その変なドロドロした世界を決定づけているピーターのキャスティングが絶妙です。 【Olias】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-10-23 01:04:00) |
79.《ネタバレ》 PCのモニターを1920x1080の23インチ・グレア液晶に買い換えた最初に、「乱」を観てみようと考えたのは、あの八幡原の決戦開始前のショットの美しさが、どのように再現されるのかを確認したかった為でした。しかし、始めのショットから、画面の美しさに驚嘆してしまいました。黒澤監督の最初のカラー作品である「影武者」は、画面は綺麗ではあったのですが、まだカラー映画に慣れきっていない不確か性みたいなものを感じていました。「乱」では、それらが全て浄化され、純粋に美しいとしか表現し得ない美しさでした。どのショットをみても練り込まれ洗練された日本の美を感じました。これでは世界の人々が賞賛するのは当然であると感じたのは、やや遅きに逸したと悔やまれました。唯々、圧倒されてしまい、他の映画をみるファイトもかなり失せてしまった今日この頃です。 【亜酒藍】さん [DVD(邦画)] 10点(2013-06-28 18:02:55) |
78.凄い!文句なしに10点です!黒澤監督のカラー作品では最高傑作ですね。前作の影武者で戦闘シーンが少なすぎると批判を受けたらしく、今作では戦闘描写てんこ盛りとなっております。個人的には影武者も大好きですが乱の圧倒的なスケールと美しさにはやられました。後皆さん仰る程ピーターの演技は酷いと思いませんでした、素人っぽさがまたリアルで素晴らしかったです。 【キリン】さん [DVD(字幕)] 10点(2013-04-25 01:45:17) |
77.《ネタバレ》 黒澤明監督が最後に撮った時代劇だけに、その終幕を飾るにふさわしい傑作。ある戦国武将一族の栄光と没落を重厚に描き出す。その丹念に描かれた絵画のように美しい映像(特に主人公が見る悪夢のシーンが素晴らしい)と、哲学的な深いストーリーはとても魅力的なパワーに溢れている。そして、最後に盲目の青年が崖の淵を頼りなげに歩く姿は日本的もののあはれを見事に表現している。何度も観るには体力がいるが、何年かに一度観返したい映画。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-04-03 10:34:02) |
76.《ネタバレ》 一文字家当主の老将秀虎は家督を長男一郎に譲る。その際諫言した廉で三郎を追放。余生を楽しむ思料だったが、長男に煙たがられ、次男に背かれ、やむなく三郎の去った城に入るも一郎、次郎軍に攻められ全滅。秀虎は狂って荒野を彷徨う。一郎は二郎家臣の謀計により戦死。次郎が当主となるが、一郎の正室楓に謀計を暴かれ、正室にすることを約束させられる。ここまでが騎虎の勢いで申し分なし。畳み掛ける展開は痛快で、鬼気迫る攻城場面めは日本映画史上屈指。この後が緩む。特に狂阿彌と秀虎の間に取り交わされる箴言、諧謔、教訓めいた言葉のら列がくどい。「此の世は地獄だ」「神も仏もないのか」等は映像で述べるべき。言葉で説明する必要はない。後半は楓中心に展開。楓は家族を殺した一文字家を憎み、復讐を企てている。それはよいのだが、次郎をあまりに簡単に籠絡できてしまうのは得心できない。弱みを握られているとはいえ、自分を殺そうとした義姉を妻に迎える男がいるだろうか。楓が次郎の正室末殺害に執着するのも理解できない。楓は復讐心で一杯で嫉妬はない筈である。最後のクライマックス、次郎と三郎が一戦を交え、城に引いた次郎軍が他国軍に攻め落される場面だが、前半の攻城に較べ、迫力に欠けるは否めない。鉄砲に右往左往する騎馬の場面の連続で単調。火縄銃は弾込めに30秒、撃つのに3秒だが、弾込め場面がない。落城の場面は戦闘そのものが省略されている。戦乱の阿鼻叫喚をこれでもかと見せてほしかった。次郎は討ち死に。三郎は漸く父と和解できた暁に狙撃死。それを見て秀虎はショック死。救いようのない一文字家滅亡の物語。副主題は戦乱の女。楓と末、共に居城と家族を秀虎に奪われ、秀虎の息子の正室となった身。楓は復讐の炎で身を焦がし、末は仏にすがって秀虎を許す。対極的は二人だが、二人とも救われることはなかった。これはやり過ぎではないだろうか?「神や仏は泣いている。殺し会わねば生きてゆけぬ人間に愚かさに」と丹後に歎かせるより、末を生かして希望を見せた方が余韻が残った。暗闇を見せるのに一条の光が必要だ。総て黒澤流を貫く潔さは良し。様式美に則って撮影しているのは分るが、顔のアップが少な過ぎる。秀虎がすえを見て「顔を見せてくれ、いつ見ても悲しい顔じゃの」、丹後が秀虎に「御覧なされい、このような涙は偽りでは流せませぬぞ」という場面でもアップなし。音楽、鶴丸の笛は絶品。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-07-13 10:08:32) |
75.《ネタバレ》 「影武者」はもう一回観ようとは未だに思えないが、「乱」は観たくなった。そういう訳で二度目の鑑賞。やはり良くできているんじゃないか、というのが率直な感想。モノクロのイメージが強い黒澤監督だけど、カラーならカラーで色鮮やかに撮る。大自然の緑や衣装、旗の色、夕焼けなど、とても印象的。俳優陣は仲代達矢はもちろん、三兄弟(寺尾聰、根津甚八、隆大介)、「蜘蛛巣城」で言えば山田五十鈴のポジションに近い原田美枝子など、皆好演していると思う。そしてストーリーは憎しみの連鎖、戦争の虚しさなどを描いたもの。黒澤監督、最後の大作であり「人類への遺言」と位置付けた作品。かなり見応えがある。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-05-01 12:18:26) |
74.《ネタバレ》 ○黒沢フルカラー作品初鑑賞。鮮明な色調で、モノクロ時代から表現がより豊かになったように思う。壮大な撮影も素晴らしい。○展開としては面白いのは中盤までかな。テーマも新鮮味があまりない。○他の方も指摘があるが、ピーターだけ異質。難しい役どころだろうが、ミスキャストかな。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 5点(2012-01-07 21:59:45) |
73.《ネタバレ》 公開当時に観ていたら違う意見だったのかもしれないが、面白いと思わなかったです。戦国武将の因果応報を描いた内容ですが、テーマとしては新鮮味がなく、絵の作り込みが大仰なだけにアンバランスな印象でした。終始引いたところから望遠で登場人物を追うカメラワークはこの監督のセオリーですが、本作に関しては対岸の火事を観ているような気分でした。もう少し寄ってくれないと登場人物の心情が響いてこない。モノクロ時代の作品には感動もしたのになぁ、って感じです。最後にテーマらしきことを台詞に出して言ってしまうのはどうなんでしょう。結局は「影武者」で騎馬が鉄砲に撃たれるシーンを一切描写しなかったことをこれでリカバーしたかったのかと…。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-12-17 14:55:10) |
|
72.《ネタバレ》 まさか乱がボケ老人介護の問題の話だとは思いませんでした ピーターさんは重要な役で素人なりに頑張っていたとは思いますがミスキャストですね 落馬が凄いですが大丈夫だったんでしょうか?命懸け? 【マーガレット81】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-10-10 16:36:06) |
71.絵を見るような映画でした。 夢のような映像と音楽と、役者の演技。演劇を見ているような気も時々しました。1シーンごとの絵が素晴らしく、見終わったとも忘れられない絵として残りました。時々見返したい映画の一つになりました。 【しゃっくり】さん [地上波(邦画)] 9点(2011-01-01 21:04:57) |
70.ボク人生ベストの作品です。 初見は黒澤明が亡くなり、衛星第二で追悼放送された時です。 すべてのシーンが美しい一枚の絵画のごとく感じます。 大きな自然を美しく表現するには、ただ悠然な山花を撮るのではなく、 私たち『ヒト』が、ある程度共通に目で見て、耳で音を聞き、広げた見識、 過去の思い出やこれからの希望等を踏まえ、提示する...。 当たり前の話かもしれませんが、(エラそうに語ってすいません) 黒澤明は本作で究極の時限にまで引き上げ、作り上げました。 人と人が殺し合うのも、鳥が虫を殺し食べるのも、 木が育ち林が生まれるのも同じ自然で違いがない。 『空』や『無執着』に繋がる世界観、美しいッス!最高ス!乾杯! 【reitengo】さん [地上波(邦画)] 10点(2010-12-11 20:58:24) |
69.《ネタバレ》 影武者の手法をそのままにもう一本という感じです。それなりに期待して見たものの、黒澤明の陰りをそこかしこに感じざるを得ませんでした。引きの撮影が多く、人物の表情を読み取れないのが難点ですね。宮崎美子の尊顔を拝むことができません。根津甚八のヅラが不格好にでかいのもいただけません。 【ジャッカルの目】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-11-06 22:11:01) |
68.《ネタバレ》 映画館で観た初めての黒澤映画。もの凄く美しかった。プリントが新品だから というのもあったけど、映画が美しいと感じた最初の映画と思う。 崩壊の美学にも酔った。 「神や仏は泣いているのだ!」という場面で、ちょっと目頭が熱くなった。 最近ハイビジョンで見直すと、自然の美しさが本当に大事な要素だったのだと納得。 みんな、ハイビジョンで観るんだ! 公開後25年。ますます評価が上がってる気がする。 【みみ】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-10-10 17:47:46) |
67.シェイクスピアの「リア王」をベースとしたストーリーはさることながら、映像美に心を打たれる。一文字秀虎役の仲代達矢の演技も鬼気迫るものがある。多くの人に好まれていない狂阿彌役のピーターの演技が、実に良いスパイスとなった。異物を放り込まれたことにより、色々な思惑を想像できて楽しくなった。影武者より引き継がれた合戦シーンにおいても白黒作品時に勝るとも劣らない迫力は感じ取ることが出来る。 【円軌道の幅】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-04-21 20:42:50) |
66.《ネタバレ》 映像が綺麗。城の炎上するシーンはすばらしい。 【ホットチョコレート】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2009-07-20 21:11:09) |
65.前期の黒澤映画ファンにはあまり好まれないのも分かる。 が、「リア王」ベースという情報から観た僕にとっては、もの凄い映画だった。 どのシーンを切り取っても、徹底して重厚で美しい映像。 大殿の存在感、炎城シーン、合戦シーン、絡み合う人間ドラマ、ほんとうに凄まじい。 初めは大殿だけが狂っていたのが物語が進むにつれて全てが狂っていく。 特に秀逸なのはラストシーン。破滅的な世を悲しく描き切り、ここしかないというところで物語は終わる。 かなり長尺な映画であるが、観終わった後思わず一人で唸ってしまった。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-03-27 09:02:45) |
【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-03-28 11:19:49) |
63. そうか、リア王だったのか。深いテーマですね。人間の救いようのない愚かさがよく描かれていました。ところで、ピーターの演技は誰か止める人はいないものなのでしょうか。当然、黒沢監督が良しとしたのだと思いますが、現場にいるスタッフの誰も違和感を感じないとは……、不思議です。もし違和感を感じたとしても監督にそういう発言ができないのだとしたら……。一文字秀虎に通じるものがあるような気もします。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-02-09 22:22:57) |