1.《ネタバレ》 『モテキ』『バクマン。』に続いて、またまた編集部が拠点となる群像劇って事で、この監督の引き出しはソレだけなのかいな?
前半は快調です。ベテランのフリーカメラマンに無理矢理押し付けられた新人記者。まるでかみ合わない二人が夜の東京を舞台に繰り広げるドタバタ劇はスピーディで笑いもあって。
ところが中盤以降、徐々にテンポダウンしてきて、何やら小さなところでまとまりそうな感じもして、その程度の映画なのかなぁ、と思っていると更に続いて、この映画は一体いつになったら終わるの?というとりとめのなさを見せ始め。
そして唐突な展開によって映画のカラーそのものが変わるのがクライマックス。ここはサスペンスという事になるのでしょうが、どうにも緊張感に欠ける、ダラダラした画が連なっていて、登場人物それぞれの行動にまるで共感も納得もできず、その上で立てまくっていたフラグを当たり前に回収するという。カルいモノを撮るのは得意だけれど、シリアスな展開になるとボロが出る、みたいな感じですかねぇ。
更にその事が起きて以降がまた長くて、体感3時間、みたいな映画になっちゃってました。
大体、バディものとしてベテランがルーキーに夢を託し、その成長を描くのはいいとして、ロバート・キャパの精神を写真週刊誌のカメラマンに重ねるセンス、その写真を記事にするあたりのセンスを理解しろというのはかなり無理なハナシで。キャパの「崩れ落ちる兵士」の真贋騒動や、写真週刊誌のあり様(最初に最悪な仕事だと言わせつつ、最後には見ているこちらを置いてけぼりにする美化っぷり)を皮肉った上でそうしているのかいな?と考えたりもするのですが、じゃあ福山雅治の役はただの道化だったのか?って事になっちゃいますしねぇ。ドラマ上、福山雅治がそうなる事の必然性が薄い気がしました。
ラストの編集部一同の酔いっぷりも自己満足、自己完結っぷりがハンパなく、ずいぶんとスクリーンとこちらの距離が離れた映画だねぇ、って感じでした。妙に悟っちゃったような二階堂ふみや吉田羊はともかく、あの娘さんの物語上のフォローはしておいて欲しかったなぁ。