3.冒頭から火災シーンのオンパレード(このシーンのなんと長いこと!)で、のべつ幕なしと言おうか、その余りにも節度のなさには呆れてしまう。さらに、本来消防のプロ集団である筈の彼らは、まるで初めて火災現場を体験したシロウト集団のように見えるほど、何かにつけて大仰で不可解な描写が続く。鎮火したばかりの現場で平気で煙草を吸ったり、放火犯と肩を並べる所にいながら取り逃がしたりで、何故かいつも壁を叩いて悔しがる間抜けな主人公。あるいは何の必然性も無く取って付けたような殉職シーン等々。この作品は消防士たちの奮闘や活躍というよりは、彼らの混乱ぶりを描いているのであって、その混乱ぶりがそのままこの作品の混乱でもある。「リベラ・メ=我を救いたまえ」と言いたいのは我々観客のほうだ!