3.《ネタバレ》 かなり期待をしていたが、意外と平凡で物足りなかったのが正直な感想。
自分の体調が悪かったのか、集中力が途切れたのか、期待があまりにも高すぎのかが分からないが、それほど楽しむことはできなかった。
ロバート・ダウニーJr.のヒーローらしからぬヒーロー像、美しく緻密なデザイン・フォルム、スーツを流れるように身に纏う描き方、掌からの光線をぶっ放すシーンなど、確かにカッコいいと感じられるシーンは随所に見られたが、既存のアメコミヒーローモノに比べて、それほど評価すべきポイントが見当たらなかった。
ユーモアかつクールな仕上がりともなっているが、この点においても“好み”というわけではなかった。
スタン・リー作品の「インクレディブル・ハルク」が全く面白いと感じなかったこともあり、この手のアメコミヒーローモノはそれほど“好み”ではないかもしれない。
ラストの“アイアンモンガー”とのバトル以外の見所は、ほとんど予告編で嫌というほど見てしまったためか、目新しさがほとんど感じられなかったのも面白いと感じられなかった原因かもしれない。
また、トニー・スタークの内面の部分があまり深く描かれているとは思えなかった(ヒーローの苦悩があれば、良い作品というわけではないが)。
序盤の能天気なプレイボーイ武器商人の姿から、拉致られて武器根絶という決意を固める姿への変化がそれほど著しいわけでもなく、決意を固めた後に自分の信念を貫き一人孤独に戦う姿が描かれているわけでもない。
何度も命を救われたペッパーとの関係や絆についても、深そうでそれほど深くは描かれていない部分もあると感じた。
完全には恋愛関係にならない微妙な関係というのは面白いが、その微妙な関係の描き方に物足りなさを覚える。
「失いたくないからもう仕事を手伝わない」といった趣旨のセリフはあったが、表には出せない信頼感や愛情をもっと伝えて欲しかったところだ。
ラストのバトルについても見応え十分というわけでもなく、意外とあっさりとしたものとなっている。外見的にはボロボロになっているものの、追い込まれているようで大して追い込まれているという状況でもなく、ハラハラ感など微塵も感じなかった。
ボロボロになっても立ち上がり続けるという感傷的なラストではなく、アメコミらしい大味なラストだったと思う。