1.《ネタバレ》 港町・守加護(すかご)。ボスの愛人に手を出してしまった手下の備後は、命を助けてもらう代償に、伝説の殺し屋デラ富樫を5日間で探し出すことを約束させられる。だが期日迫るも見つからず、取った苦肉の策とは、無名の俳優を殺し屋に仕立てあげることだった・・という話。
「ラヂオの時間」「みんなのいえ」「THE 有頂天ホテル」に続く三谷幸喜の作品はマフィアもの。といってもコメディ路線は外しませんw
スタジオいっぱいにややメルヘンともシュールとも言えるようなセットを組んで、舞台劇風な絵と物語。妻夫木くんがマフィアの一員てゆーのはややムリな設定かと思うけど、真の主人公は佐藤浩市演じる無名の俳優です。
最初は妻夫木演じる備後が間男として逃げるシーンから。半ば強引な展開で無名な役者を騙し連れ出しマフィアのボスに面会させる。ここからが真の笑いの始まり。あのシリアス路線の佐藤浩市が今までのイメージを壊し大変身、いい意味で違う側面を見せてくれる。コメディ俳優でもイケるのでは?という弾けぶりですw 何といっても、ナイフ舐めと顔剥がし・・涙こぼれ出ました^^
ただ発端となっている殺し屋のエピソードは最後に締めてくれるわけですが、既にどーでもいい話になっており、佐藤浩市が役に成りきる可笑しさを円の中心にして、その他のシーンはややテンション低く、脇役がより以上に脇役な印象が拭えませんでしたね^^; とはいえ、いつものようにチョイ役レベルにも著名俳優が多数出演、古きに郷愁帯びるような劇中白黒映画、往年の俳優を出したり、映画制作の裏方・裏側を随所に見せてくれるようなシーンなど、なかなか見所は多いです。
今や舞台挨拶がテンプレートな宣伝文句を並べるだけで、生顔を並べれば満足でしょ?みたいなイベントに成り下がっている中、三谷監督は佐藤浩市と共に“Wコーちゃん”と称し、漫才並みの掛け合いやテーマ曲の生演奏など、マルチなタレントぶりを見せてくれる。実に貴重な映画人ですね^^