37.《ネタバレ》 ★僕は満員電車に乗る機会はほぼないため(渋滞地獄にははまってる)、状況的に今まであまり興味がわかず見逃していましたが、面白かったです。正直絵的には大画面で観るまでもないなと思いましたが、話としては2時間超の長さを感じさせません。 ★冒頭の、「ホントの痴漢事件の隣室で、誤認逮捕されてわけもわからずにいる主人公」みたいな登場の仕方、留置場の細かな描写、裁判の戦い方など、ディティール描写がうまく、なんとなく伊丹十三を思い出しました。あと裁判が始まるまでは、主人公に身内以外一人の味方もおらず(弁護士さえ示談を勧めたり、痴漢事件そのものに乗り気でない)、身が震えるような不安感を覚えました。 ★後半は同じような裁判所シーンが続くため少しダレますが、これはテレビ放映のためつまらんCMで緊張が中断されたせいも。ちゃんとDVDで観た方がよかった。 ★それにしても冤罪事件ってのは難しい。特に痴漢犯罪なんてのは、現行犯逮捕と言っても物的証拠は乏しく、当事者の証言のみが頼り?しかも犯罪の卑劣性、被害者の弱い立場などを考慮してどうしても「疑わしきを罰す」傾向になってしまう。加えて映画のように「やる気もなく、偏見を持った警察」や「世間知らずな癖に自分の面子ばかり気にしているかのような裁判官」が相手では・・・。 ★最後の主人公のモノローグ、「裁判とは真実を明らかにする場所ではなく、出された証拠を吟味して、<とりあえず>白黒を付けるだけの場所だ」、重たいですね。 ★さて来るべき裁判員制度、ホントにどうなるんでしょうか。最初の取り調べで主人公は「交通違反と同じ、さっさと認めれば罰金だけで返してやる」と言われてます。穏便に済ますチャンスはいくつもあったのに、敢えてことごとく反抗し、貴重な金と時間を使って勝ち目のない裁判に挑む。僕だったらそれこそやってないって証拠じゃん、と「感情で」思っちゃうかなあ。ああ難しい。 【wagasi】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 11:34:14) |
36.丁寧に作ってあって、完成度が高い作品だと思います。内容のことを言えば、裁判官や検察官をちょっと悪者っぽく描きすぎでしょうか。彼らの立場を想像すれば、この映画の中で語られていること(証拠や証言)から、あの結論は仕方なかったように思います。観客は事実を知らされているから、奇妙な結論のように見えてしまうのも理解できますけど。映画の中で「無罪にしておいて後で引っくり返ると左遷」みたいな背景が説明されているけど、逆もまたしかりで、「有罪」にしておいて後で引っくり返って「無罪」になったって、今度は第3者やメディアに叩かれるのだから、裁判官が「無罪」にしたがらないという説明も、ちょっと一方的だったと思います。結局、犯罪を公平に裁くためにはそれなりの証拠が必要だという、ギリギリの方法が「裁判」なのだということでしょうか。 【かねたたき】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 02:49:10) (良:1票) |
35.被告側の視点に立った話だと理解はしているが、体の中が震えるてくるほど腹の立つ作品でした。駅員に押し込まれるほどの満員電車に乗ったことのある人(大勢いるでしょうが)なら判ると思いますが、故意にしろ過失にしろ何が起きても不思議ではないあの空間は、本当に異常です。もう随分前ですが、ある日の車内で僕の後ろにいたOL風の女性が突然、「いつまでさわっとんじゃ!ボケ!!」と大声でまくし立てたことがありました。当の女性はそれだけ言うと素知らぬ振りをしていたのですが、その女性を取囲む男性陣(6~7人)は僕も含め穏やかではありません。離れている乗客たちは、(どいつやどいつや)という風にこちらを興味深げに覗っています。そして次の瞬間、僕ら男性陣の下ろしていた手がもぞもぞとゆっくり上げらてゆく光景は、緊張感の中の変な可笑しさと(あ~みんな考えるのは同じなんだな)という妙な連帯感を感じた忘れられない体験でした。そんなこともあり、ちょうどTVなどで騒がれていた痴漢犯罪の問題は予備知識としてもっていたので、一方的とはいえこの作品の進め方に異論はありませんし、警察の体質や裁判の在り方に問題があるとは思いますが、裁かれるべきは何が起きてもおかしくないあの通勤ラッシュの殺人的混雑に元凶があるような気がしました。そんな特殊な空間での難しい犯罪だけど、改めてこういうことが起こっていると今一度“傑作”として仕上げ、世に送り出した本作の功績と静かで熱い演技をした役者たちには素直に拍手を送りたいものです。最後に一言いわせて下さい。日本アカデミー賞のバカヤロ~! 【カリプソ】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 01:42:19) (良:1票) |
34.《ネタバレ》 日本の法廷物としてとてもよくできていると思う。法廷物は冗長がちに なるけど緊張感が続いて時間が短く感じられたのは見事。 官側が脚色されているように思わされるのが、逆に残念。 こんな検察ないだろうと思えるけど、もしかしたら本当にリアルに演出されている のかもしれないけど。 満員電車だけは絶対に避けよう思った。日本アカデミーには十分相当してると 思う。 【タッチッチ】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 00:08:25) |
33.《ネタバレ》 周防監督の魂が乗り移った作品。監督の言いたいことは十二分に伝わるわかりやすい作品。途中の展開とタイトルから有罪になるのはわかってしまったが、やはり憤りを感じずにいられなかった。残念だが、これが日本の現実で、もはや伝統と化しているのだろう。自分がこんな目に合うなんて考えてもいないが、いざこうなったら自分の性格柄この映画の主人公と同じようなことになってそうでそれも怖い。これだけ観客に伝われば十分だと思うが、映画という観点から考えると、ドラマがない。それほど長さを感じなかったのだが、頑なに否認を続ける主人公の心理と、したくないと断っていた仕事を引き受けた女性弁護士の心理がごっそり抜けている。そこがなくてもある程度主人公に感情移入できるようにはなっているが、その辺りの描写があればもっと深い作品になったと思う。 【TOSHI】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 00:02:52) |
32.《ネタバレ》 類似する作品がないことからも存在意義ありあり。着眼点がすごいですね。観ている間イライラして仕方ありませんでした。いけしゃあしゃあとデタラメをいう被害者の女子中学生を鼻の骨が折れるほどぶん殴りたくなりました。法廷に入ってきたときにぐずぐず泣いているのにも神経を逆撫でされます。「てめぇのせいでこっちはどんな目にあったと思ってんだよ?」って感じです。 否認した場合、訴訟費用や保釈費、拘留中の賃金ロスを考えたら600万円くらいの損失だと思われ、勝つ確率が97%なら期待値はマイナス582万円。やっていなくても認めた場合、罰金5万円と示談金が10万円くらいで期待値はマイナス15万円。普通に数学ができれば、不条理であっても認めることになると思うけど、「やってないのになんで認めるのか」の一点張りの主人公も結構イタイ。 【承太郎】さん [DVD(吹替)] 8点(2008-02-28 00:37:17) |
31.映画館で観なくてよかったよ。コレって、映画ちゃうやーん。ドキュメンタリーってやつに近いな。裁判のこと知らない方は是非1度、ちゃんと観ておいて損はないヘビーな作品。この作品が名作か?と言うと、そうとも言えない。だってほぼドキュメンタリーなんですもん。教材ですよ、コレは。 【Keicy】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-03 02:34:35) |
30.現在の裁判の矛盾点が理解できた。不公平な裁判官の態度はショックだった。 【ホットチョコレート】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-01-03 19:18:44) |
29.若干消化不良の感もあるがさまざまなエピソードをよくここまで纏めたもんだなと思う。ハリウッドもどきのスペクタクル大作などという邦画ジャンルには合わないスペクタクソ作品を乱発するよりもこういう映画にこそ邦画の存在意義と生き残る道があるんだと思う。シドニー・ルメットを最後にハリウッドでは途絶えて久しいエンターテイメント性を排除した社会派映画。こういうものの告発という役割も映画にはあったはずだ 【Arufu】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-12-13 12:28:28) |
28.《ネタバレ》 題名からしてこれは有罪になるんだろうな~とおもっていたが、最後の砦、目撃者の女性が現れた時はもしや、形成逆転か!とも思ったが、結局最初から、有罪が確定していたがごとく主文を読み上げる裁判官がなぜか滑稽に思えた。「あなたは間違いを犯した。」そう裁判官は主人公の人生を目茶苦茶にするような判決を言い渡しているにも関わらず彼は罰せられない。『疑わしきは罰してはならない』などとうい言葉など無に等しく、『無罪を主張するには確定的な証拠が無ければならない』のである。いくら証人がいても人の記憶など当てにならないのだ!それなら、証拠など先ず出てくる訳がない痴漢など女性はいくらでも男性をはめる事が出来るではないか! ん?待てよ、男性が女性の手を掴んで、「この人僕のお尻触りました。」と訴えたらどうなるんだろ?女性が痴漢をしないという証拠も無い訳だし。う~んいろいろ考えさせられた映画だった。←考えがズレとる。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-13 15:41:13) (笑:1票) |
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27.「裁判所ってのはこんなものなのか!」と憤りを感じさせつつも、主人公側としの主張だけでなく、「本当にやってないのか?」と考えさせられる、いい映画でした。 【きままな狐】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-11-12 19:34:44) |
26.約143分と長めの映画だけれど、つまらない場面は一つもなかった。 日本の痴漢裁判に対する問題点が凝縮されていて目が離せない。 役者の演技も良く、特に主人公はノンフィクションを見ているようなリアリティがあった。 ただ、「タメになる」タイプの面白さなので何度も繰り返し楽しめないようにも思った。 【邦画好き】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-10-17 18:50:45) |
25.《ネタバレ》 実話に基づいているので少なからず内容はわかっていましたが、現状に打ちのめされた感じでした。誰が悪いとか、良いとか言えないジレンマがあるのに、淡々と進んでしまう裁判・・・。痴漢は犯罪、しかし冤罪はあってはならない。でも見極めるのは非常に難しい(-_-;)それでも泣き寝入りは嫌だ。観ていて色んな考えが交差しました。俳優陣も好演で見応えのある作品になっていたと思います。多いに考えさせられる1本です。 【うさぎ大福】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-10-16 12:41:53) |
24.《ネタバレ》 冤罪をテーマに扱っていて、ラストに有罪となるところで、下手なエンターテインメントにはすまいという監督の意気込みを感じました。マジメに真っ向から冤罪に取り組んでいる印象を受けました。加瀬亮演じる主人公が、少しずつ狂気していく様はなかなか見応えがありました。そしてなんと言っても、役所広司が全体をキュッと引き締めていて、妙に説得力があるというか、それだけでもこの映画を観る価値はあると思います。 【kaneko】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-09-12 21:36:25) |
23.自分だったらどうするかということを考えながら見ていたら終わりまであっという間だった。とりあえず、なるべく満員電車には乗らないようにしよう、乗らないですむような職場を選ぼうと思った。実際のところ、裁判官が法廷で出会う人たちは、本当に罪を犯した人たちが多いのだろうが、その中に少数いるやってない人たちを公正な目で見抜く力を持ち続けることはきっと難しいのだろうと感じた。 【HK】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-09-08 15:25:22) |
22.《ネタバレ》 映画のように本当にあそこまで犯人と決め付けた対応を皆が皆するのだろうか。私はそうとは思えない。しかし私の考えが甘くこれが現実だとしたらどうだろう。メディアが注目しない我々庶民はあそこまで闘えるだろうか。恐らく示談金で罪を買い自由を得ようとしてしまうだろう。裁判で闘うほうが示談で済ますよりもお金がかかることが痴漢冤罪の一番の温床となっているように思う。司法について興味を抱く作品であった。 【あるまーぬ】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-09-07 04:43:56) |
21.《ネタバレ》 今まで観た裁判モノの映画ではある意味一番怖かった。男として痴漢に間違われないように気をつけながら満員電車に乗ることは多々あるが、実際に間違われたら「やってません」の一言では片付かない大変なことだとまでは認識していないのが普通だろう。一貫して否認すること=反省していないと裁判で捉えられてしまうのにどうしても納得できない。冤罪を言い渡した裁判官には実刑を処するくらいの仕組みがないと裁判官も人生をかけて裁判に臨むことは到底無理なのでは。被告人の関係者たちは(弁護士を除き)それくらいの気持ちでいるのに、警察や検察・裁判官は他の業務も忙しい感のやっつけ仕事的な温度差があって憤りを感じてしまった。しかしながら本当に許せないのは実際に痴漢する人間や、その上「やってない」と言い逃れようとする輩がいるということ。痴漢という卑劣で情けない行為をする人間があまりにも多くいるからこそ、痴漢冤罪や女性専用車両などという本来なくて当たり前のことが存在してしまう。証拠として提出した検事に言いたい。あなたはアダルトDVDを観た事はないのですか?・・と。 【タママにとうへい】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-06 01:08:24) |
20.《ネタバレ》 143分をまったく感じさせないほど見入ってしまいました。 「自分は無罪だから裁判官もわかってくれる」って私も心のどこかで思っていました。 淡々と進んでいく裁判の怖さを感じました。 【osamurai】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-08-26 16:57:41) |
19.まず電車に乗る可能性のあるすべての男性はこの作品を見ておくべきだろう。 もしかしたら、女性も被害者側の立場から見ておくべきかも知れない。 あと、自分自身は電車に乗らないとしても、親類や知人に乗る可能性のある人が居る場合も見ておいた方がいい。 面白いといった作品ではないけど、痴漢という犯罪について色々と考えさせられる作品だと思う。 たぶんこの作品が世間に広まったとしても、日本の司法制度やそれに携わる人々の意識が大きく変わることはないだろう。 でも、この作品を見た人なら電車の乗り方に注意するようになるだろうとは思う。 それにしても、この作品はよく出来ていて、僕が逮捕されたわけでもないのに物凄くドキドキさせられた。 有罪になったらどうしようとか、いっそのこと認めちゃった方がいいかなとか、エッチなビデオや雑誌は早めに処分しておくべきかなとか、その日が来ても慌てないように色々と心構えしておかないといけないようです。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-08-20 11:51:34) |
18.見終わった感想は「しゃれにならないなぁ」という感じでした。 こんな事あったらたまらないですね。 映画が楽しかったというより、考えさせられる映画でした。 |