5.《ネタバレ》 シリーズ全体から見た場合、ストーリーにあまり進展はありません。
ホフマン対ジルの決着も、次回へ持ち越しになりました。
ジグソウの遺志は、ジルの手で病院に運ばれるところまでで終わりましたが、
何作か後に成長した形で見られるのでしょう。
今作のゲームについて、冒頭の「ヴェニスの商人の天秤ばかり」
とでもいうようなゲームは、一応フェアな形で行われていましたが、
メインのゲームはアンフェアで、かなりひどい設定でした。
当事者が助かるための行動を、自分自身で取れないのです。
この謎が解ければ助かるとか、この試練をクリアすれば生きられるとか、
そういったものが当事者に提示されず、第三者の判断や行動によって、
命運が決められるのです。
自分では何も出来ずに、ただ死んでいく者もいれば、
何も行動していないのに助かる者まで出てくるしまつ。
それどころか、このゲームには観客に対し映画製作者サイドから、
「だまされた?こっちと思ったでしょ?実はこっちでした。」
と言いたいがために、連れて来られたような人物もいました。
作品内で登場人物をだますために行われたトリックではなく、
観客に対してのみ行われるサプライズが描かれていることに、
また失望させられたのでした。
でも、SAWⅢで残された「アマンダへの手紙の謎」が、
今作中で解明されたのは大きな収穫でした。
こういうことがあるので、シリーズ最後まで見続けたいと思うのです。