460.《ネタバレ》 色彩には、それぞれが喚起するイメージというものがある。中でも、高貴、権力、悪というイメージを喚起するのが、「黒」。この映画はその「黒」に満ちている。登場人物が身につけるスーツやコートはもちろん、高級車、銃器、そして彼らが背負う暗黒。彼らは間違いなく悪なのだが、その闇があまりにも深いために、もはや善悪の境界を超越した威厳すら漂う。 彼らは通常のモラルにおける悪の側にいるというよりは、通常のモラルとはまったくかけ離れた価値観に従って生きている人間、われわれとはまったく違う世界の住人だ。だからこそ罪を犯しても後ろめたく思うどころか、誇り高い。おそらくは法を遵守しながらも成功を収めるだけの知性を持ちながらも、進んで闇の世界を選ぶ。家族や友を心から愛しながら、敵対する者は容赦なく殺す人々。恐怖によって人を支配しながら、自身はけっして恐怖に囚われることのない人々。不謹慎だとわかっていても、彼らに魅力を感じる人たちは少なくないはずだ。 映画を観ている最中こそファミリーの仲間になったような気分でいられるが、扉が閉じられるラストで彼らが別世界の存在だったことを思い出す。われわれ一般人にはただ恐れ、畏怖することしかできない。 【no one】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-06-13 11:57:07) (良:1票) |
459.《ネタバレ》 一度観ただけじゃ納得がいかず、次の日にもう一度観直してみた。そしたら内容が理解でき一度目よりはよかった。だからいつかもう一度観たら、味がでてきてさらに良いと思えるのかもしれない。二度観た限りでは正直あまりおもしろいと感じなかった。マーロン・ブランド、アル・パチーノ、雰囲気ともによかった。 ドン・ビトーが果物屋で撃たれるとこは「アナライズ・ミー」を思い出し、絶対笑えないとこなのにデ・ニーロの「パパー!!」と重なって吹きだしそうになってしまった。観る順番が逆だった。 【Syuhei】さん 5点(2004-12-19 03:58:54) (笑:1票) |
458.ここ何年かで急に映画を沢山観るようになって、んでレビューもいっぱい書いたけど、普通の人でも題名は知ってる、というような名作・ヒット作を、実はあんまし観てないのです。とゆー事でDVDも最近レンタルされ始めたし、井筒監督も「オトナの映画」として推薦してるしってことで「題名は知ってるけど観たことない」この作品を観てみました。むーなるほど、こーゆーお話だったのね。最初すげー優男(やさおとこ)に見えたマイケルが、運命から逃れられず、「ドン」としての風格を身につけてくさまが凄かったです。ちなみに僕はラストのエンドロールまでマイケルを演じてたのがロバート・デ・ニーロだと思っていたのだけれど(何か声が変だなーとは思っていた)、こんなことがバレてしまったらレビュアーとして恥ずかしいので、内緒ね。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-10-27 19:32:11) (笑:1票) |
457.《ネタバレ》 女がタッチできない世界に押し倒さる私(女性に関わるシーンも気持ちよくすっ飛ばされてるでな)。大事に守って下さるなら一生添え物でかまいませんからおそばに置いて下さい、、と思わず頼ってしまいます(これが一昔前の理想のカタチだったのに、、)。デジタルリマスター版でしたので、2つの結婚式と2つのダンスが非常に美しく、ファミリーの意義をも感じさせてくれました。後部座席のおばさんがパチーノのキスシーンで泣き出しました、なんかよかったぁ。 【かーすけ】さん 10点(2004-10-12 21:31:41) (良:1票) |
456.《ネタバレ》 現時点で16歳。高校1年で映画歴もまだまだ浅い俺がこんなことを言うのはどうかと思うが、今まで観てきた中で最高の映画に出会えた気がする。本格的に映画を観始めてずっと気になり、観たい観たいと思い続けた本作を今回、DVDがレンタルされたことで初めて鑑賞に至りました。冒頭の圧倒的な演出で繰り広げられる結婚式。そこで明らかにこれまで観てきた映画とは雰囲気が違い、静かに淡々とした空気が流れ俺は一瞬でこの映画に魅せられました。3時間と言う長尺ながらも全く飽きさせない流れで印象に強く残るシーンも数多くある。ビトーが果物屋で狙撃される衝撃的なシーン、警察とグルになった敵のマフィアの襲撃計画をかわす見事な病院でのシーン。有料道路の料金所でソニーがマシンガンで蜂の巣にされるシーン。マイケルが対抗マフィアのボスと仲間の刑事を射殺するまでの緊迫感溢れるくだり、ラストの洗礼・・・など挙げたらキリが無いほど思い浮かぶ。マーロン・ブランドも話さなくても十分貫禄が感じられる凄まじい存在感。アル・パチーノの前半の一般人から後半のマフィアの冷酷なドンに変わる素晴らしいまでの演技力。ジェームズ・カーンも短気な兄貴で存在感を十二分に出していた。この映画の魅力はこの先、鑑賞を続けていけばまだまだ見つかると思う。これからも俺は何度も繰り返し鑑賞し、この名作の醍醐味を深く強く感じ続けていきたいと思う。もちろんPARTⅡ、Ⅲも鑑賞しゴッドファーザーの世界観によりハマっていきたい。この映画をリアルタイムで、尚且つ劇場で観たかった・・・そこだけが本当に残念です。 次のリバイバルはいつになるのやら(泣) |
455.今朝、マーロン・ブランドの訃報が。合掌。さて昔から何度も観てきたお気に入りの本作、今更何を語ればよいのやらとまどうのですが、先日デジタルリマスター版とやらを見てきた事もあり。デジタルリマスターによって何が変わったのかというと、大して変わってないのですが、ニュープリントによって画質が改善した他、音声がデジタル処理でクリアに。細かい音もよく聞こえるようになり、滑舌の悪かったマーロン・ブランドのセリフ回しもスラスラ聞き取りやすく・・・は、さすがになってないな(当たり前だ)。で感想ですが、この映画、やや説明不足の感が否めません。ほぼ破局状態だったカルロとコニーの関係は途中ほとんど語られなくなるし、当時コニーのお腹にいた赤ちゃんはいつ生まれたのやら、気がついたら二人目(らしき)の赤ちゃんの洗礼式やってるし。マイケルにもいつのまに息子が?家族関係の描写ってこの映画では重要に思われるのに、結構省略されちゃってます。各シーンの間の年月も判りにくく、想像で補わねばならない。さらにはクライマックスの大虐殺、いささか性急なもんで誰が殺されてるのやら少々わかりにくい(モー・グリーンのシーンはスバラシイ!)。でもね、やっぱりこのシーン好きなんです。「見せる」ことへのこだわり、『知りすぎていた男』の劇場シーンなんか思い出すじゃないですか。それに、先ほど「説明不足」とは言いましたが、別に説明の下手な映画ではなくて正反対、冒頭の結婚式のシーンなど、このシーンの流れだけで、人物設定や背景を端的に伝えきっており、見事な手腕、このシーン好きなんです。まあ全体的に「説明不足」というよりは「詰め込みすぎ」と言う方が当たっているかも。多少説明を省かなきゃバランスとれないほど、欲張った映画なのです。その一方、随所に挿入されるショックシーンのどぎつい印象もまたこの映画の魅力。脳裏に焼きついたらゼッタイ離れない。そんなわけで、何度でも観たい大好きな映画、この度の劇場での鑑賞もたっぷりと充実感を味わえました。それにしてもマーロン・ブランドは当時40代・・・見えん。 【鱗歌】さん 10点(2004-07-03 17:02:37) (良:1票) |
454.マフィアものながら常に納得して見ているから面白いのだと思う。マフィアの世界うんぬんとか殺しがどうとかと言うよりも映画としての出来が良いので血なまぐさかろうが重かろうが長かろうが苦にならないのだろう。飽きがきそうなところでの話が上手く切り替わるところやゆったりとした音楽など作り手の上手さに脱帽せざる得ない。そして、この映画で忘れていけないのが俳優人の卓越した演技力だろう。随所に見られる名言に決して言葉負けしていないし、その場その場での状況にあった表情、眼力、緊張感などを見事に演出している。どんなに素晴らしい脚本でも演技する方が駄目なら駄目な映画であり、その逆もまた駄目な映画であるのに対しこの映画は両方ともで最高点だからこそ面白いのである。 【taron】さん 10点(2004-06-26 22:37:10) (良:1票) |
453.東劇でデジタルリマスター版を観ました、古臭さは全くなし、非常に満足。 登場人物は多いけどキャラクターにそれぞれ特徴があるし、すんなりと頭に入る混乱もしない演出と脚本は見事。 冒頭とラストシーンだけでも震えるほどの感触。 劇中でのドンの存在感ははっきり言って神がかっていた、オーラがある、死に方も意外と好き。 血で血を洗う抗争と憎しみの連鎖。 愛するものを失ったドンとマイケルの対比が良かった。 息子を失ったドンは戦う意欲を無くし、本当に愛していた妻を無くしたマイケルは感情を失くし逆に復讐の鬼、冷酷な殺人マシーンとなる。 妻にも躊躇はしながらも嘘をつき、最後は少しは開かれていたはずのマイケルの心の扉が完全に閉まった所でのラスト、本当に素晴らしい。 運命というか、マフィアの家に産まれついた宿命によってマイケルの翻弄されていく生き様が何とも言えない。 【六本木ソルジャー】さん 10点(2004-06-22 21:57:45) (良:1票) |
452.マフィアもの映画?、いやこの映画は、息の詰まる気迫を感じさせる壮烈な家族愛の物語である。現代人には希薄になった、何かが、この映画にはあります。父と子、兄弟と家族、同胞と敵、信頼と裏切りが、人間と人間の間に見え隠れするのです。重厚な中に、マーロン・ブランド、アル・パチーノの迫真の演技、音楽も俊逸。しばし酔える映画です。 【杜子春】さん 10点(2004-06-09 08:31:50) (良:1票) |
451.内容・映像・美術・音楽・キャスト全てが超一流。マフィア映画だからといって敬遠しないで是非見て欲しいと素直に思える。素晴らしい作品です。 【PAD】さん 10点(2004-06-02 01:26:57) (良:1票) |
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450.《ネタバレ》 音楽、脚本、ストーリー、俳優と何を取っても超一流の最高傑作。 とにかく重厚で重みがある。マーロン・ブランドは最高の存在感を放っている。ジェームズ・カーンの切れっぷりとあの壮絶な最後も見事だし、マイケルことアル・パチーノの最初はなんだか弱弱しくて優等生タイプだったのが、ビトが襲撃されてラストにいたるまで降りかかってくる苦労の連続で冷徹なマフィアへと変貌を遂げていく様子は圧巻。それでいてこのシリーズを見て思うのは家族って本当に難しいなと感じる。マフィアの業に翻弄されていく家族の苦悩がこの作品の最大のテーマだと感じる。 |
449.一回観ただけで終わってしまうにはあまりにも勿体ない。観れば観るほど「ゴッドファーザー」に引き込まれていってしまいます。人生においてこれを観なければ損するとさえ思ってしまう。 【アルテマ温泉】さん 10点(2004-03-17 22:59:17) (良:1票) |
448.内容、映像、音楽、すべてにおいて重厚感をたたえた名作。復讐が復讐をよぶ無間地獄の世界で切なさがたまりません。堅気のマイケルが結局継ぐことになるという皮肉。初めのほうは普通の青年という印象だったのに父の暗殺未遂をすぎたころから徐々に風格を漂わせ始めるアルパチーノの存在感もすごい。ただの娯楽作品ではなく時の流れと人生の流転を含めていたため現代も受け継がれる名作足りえたのでしょう。 【バチケン】さん 10点(2004-02-29 12:11:22) (良:1票) |
447.見終わったあと鳥肌が止まらなかった。すばらしい映画、音楽、絵などを観たあとは気持ちよりも先に鳥肌が立ってしまう。中でもゴッドファーザーは動けなくなるくらいの鳥肌が立ってしまった。ファミリー、マフィアの中でどんどん目覚めていく息子。マフィアの世界ではファミリーは家族以上の強い絆で結ばれる。ファミリー同士の抗争。麻薬、ギャンブル、女、酒。変わっていくマフィアの家族の物語だと私は思っている。どう感想を言って良いのか分からない。まだ二回しか観ていないし、内容を頭の中でしっかり整理できていない。体はものすごく感動しているのにどこに感動したのかよく分からない。あとできちんとしたレビューを書こうと思うが、一つ、最後のシーンでは体が動けなくなってしまった。 マーロンブランドの訃報を聞いて衝撃を受けました。 俳優が死んでこれほど悲しかったのは初めてです。彼なくして今はない映画界。 ご冥福をお祈りいたします。 |
446.今まで避けていたけどそろそろこの映画についてもちょっと。 なんで避けていたかというと、私、この映画全然好きじゃないんですよね。大絶賛されているので点数つけづらいという奴です。 確かにこの映画、映画全体から感じる関係者の気迫といいましょうか、それは十分感じることができて、 なるほど関係者が力を入れて作られた映画なんだなぁ..というのはわかりますが、 逆にこの映画から感じるのはそのオーラくらいなもんで、話や内容にこれといって見るべきものを感じないんですよねぇ。 端的に言うなら映画全体から妙な迫力を感じる尺が長くて血なまぐさい映画ってとこでしょうか。(全体に重厚だからますます尺が長く感じるというか) だいたいこの人達にぜんぜん共感できないしなぁ..多分それがこの映画を好きじゃない最大の原因なんだろうけど。 【あばれて万歳】さん 5点(2003-12-16 18:00:19) (良:1票) |
445.設定に説得力を持たせたブランドの圧倒的な存在感。運命に翻弄され父の後を継ぐことになるパチーノの苦悩漂う演技。カザール、カーンなどのキャラクターも出色。暗黒社会を舞台にしているにも関わらずゴージャスでありながら、感情移入をせざるをえない普遍的な物語。コッポラに感謝。 【恭人】さん 10点(2003-11-26 17:33:37) (良:1票) |
444.10点。まさに全編クライマックス!でも観るときはこっちも気合を入れてみないかんですね。疲れているときは絶対観れません。 【たかちゃん】さん 10点(2003-11-20 00:10:02) (良:1票) |
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442. 大ベストセラーの原作(byマリオ・プーヅォ)を超える評価を受け、コッポラの名声を一躍高めた秀作。過剰演技で作品をスポイルする常習犯だったM・ブランドを逆説的に活用した手腕はお見事!チト長尺過ぎる感はあるが、地味な演技派(当時だよ)で固めたキャストが功を奏して思いの外に退屈させない。殺伐としたマフィアの抗争に終わらず、家族愛まで丹念に描いたのが好結果を生んだ主な要因であろう。ニーノ・ロータもフェリーニお抱え作曲家から脱皮できた会心のスコアを提供。監督賞をボブ・フォシーに浚われたコッポラの無念はPARTⅡで何とか晴らせたが、その後ドツボにハマるとは誰も(本人も)予想だにしなかったのだった…。 【へちょちょ】さん 8点(2003-01-04 00:52:35) (良:1票) |
441.マイケルがレストランで初めてファミリーの為に人を殺すシーンは、何度見てもパチーノに感情移入してドキドキしてしまいます。あの目の動きは凄い。メイキングによればこのシーンを境にパチーノのマイケル役に批判的だった面々が彼を認めたとのこと。マフィアに否定的だったマイケルが徐々に力も持って行き、遂に名実ともにゴットファーザーとしてファミリーのドンに君臨するラストシーンは圧巻です。 【黒猫クロマティ】さん 10点(2002-11-27 16:23:44) (良:1票) |