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それでもボクはやってない

[ソレデモボクハヤッテナイ]
I Just Didn't Do It
2007年上映時間:143分
平均点:7.61 / 10(Review 227人) (点数分布表示)
公開開始日(2007-01-20)
ドラマ法廷もの犯罪もの
新規登録(2006-09-18)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2024-09-28)【イニシャルK】さん
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監督周防正行
助監督片島章三
キャスト加瀬亮(男優)金子徹平
瀬戸朝香(女優)後藤莉子
役所広司(男優)荒川正義
山本耕史(男優)斉藤達雄
もたいまさこ(女優)金子豊子
田中哲司(男優)浜田明
光石研(男優)佐田満
尾美としのり(男優)新崎孝三
小日向文世(男優)室山省吾
大森南朋(男優)山田好二
鈴木蘭々(女優)土井陽子
唯野未歩子(女優)市村美津子
柳生みゆ(女優)古川俊子
田口浩正(男優)月田一郎
山本浩司(俳優)(男優)北尾哲
徳井優(男優)西村青児
清水美砂(女優)佐田清子
本田博太郎(男優)三井秀男
竹中直人(男優)青木富夫
益岡徹(男優)田村精一郎
北見敏之(男優)宮本孝
菅原大吉(男優)
大和田伸也(男優)広安敏夫
矢島健一(男優)
本田大輔(男優)
田山涼成(男優)和田精二
高橋長英(男優)板谷得治
中村靖日(男優)司法修習生
正名僕蔵(男優)大森光明
大谷亮介(男優)
野間口徹(男優)小倉繁
宇野祥平(男優)
坂田聡(男優)
鈴木浩介〔俳優〕(男優)
井上肇(男優)
脚本周防正行
音楽周防義和
作曲周防義和「静けさの中で」
編曲周防義和「静けさの中で」
撮影栢野直樹
製作亀山千広
東宝
フジテレビ
アルタミラピクチャーズ
企画清水賢治
島谷能成
プロデューサー関口大輔
配給東宝
美術部谷京子
鈴村高正(装飾)
赤松陽構造(タイトルデザイン)
編集菊池純一
録音郡弘道(整音)
照明長田達也
その他吉川威史(キャスティング)
藤原正道(「それでもボクはやってない」アソシエイツ)
IMAGICA(協力)
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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187.この映画を観て僕は、「今後の人生、絶対に痴漢と間違われないように気をつけて生きていこう…!」と猛烈に心に誓ったので、そういう意味でこれは、僕の人生に確実に影響を及ぼした作品です。
コダマさん [映画館(字幕)] 5点(2007-04-09 02:49:19)(笑:1票)
186.周防正行監督の新作は社会のある一断面を描いた問題作である。ブランクというものをまったく感じさせない彼の手腕は、やはり本物である事をいみじくも証明した、実に力のこもった作品であり、待たされただけの甲斐はあったと言うものだ。描かれる内容は、日常生活に於いて普段我々が関知しないと思っている、裁判制度の現実と冤罪の怖さを否応無く思い知らされるものである。一般の民間人がある日突然、犯罪者として扱われ、罪に問われるべく裁判に持込まれた挙句、限りなく100%に近い確率で有罪とされてしまう司法の在り方とその不条理さ。映画は裁判が言い渡されるまでのプロセスを、実に肌理細やかに解り易く描き、訴訟制度に於ける組織が個を潰していくという構図を、由々しき現実的な問題として、我々ひとりひとりに訴えかけてくる。余りにも映画的に面白く創られている為か、深刻さを然程感じさせないのは、殺人といった重い犯罪ではなく、あくまでも微罪である事が考えられるが、だからこそ、いつ自分の身に降りかかるか分らない、より身近なものとしての怖さと理不尽さを感じさせる。この映画でとくに興味を引いたのは、対照的な二人の裁判官の存在である。片や人情肌で、一方は冷静沈着といった、良くも悪くも人間性というものが真実味をもって巧みに演じ分けられ、そのイメージだけでは判断しかねる程、現実の裁判官とはこういう人たちで成り立っているのだと実感でき、実に説得力がある。途中から何故か交代してしまう事や、彼等自身の評価基準の裏話、或いはどこまでも事務的に物事を進めていく姿勢などを随所に散りばめる事によって、彼等も所詮公務員である事を再認識させられる。このキモである裁判官を演じる小日向文世と正名僕蔵の、冷静な熱演が作品を引締めている。多くの民間人が訴訟中であることの現状や、当事者にならないと解らない心情などの様々なエピソードも、長きに渡る綿密な取材に裏打ちされたものだからこそ、真実味が生み出せているのである。本作の印象はやはり周防監督らしく、社会派と言うよりも硬派なエンターテインメント と言うべきかも知れない。
ドラえもんさん [映画館(邦画)] 10点(2007-02-25 18:22:02)(良:1票)
185.《ネタバレ》 画としては何の面白みもない(ハッキリ言ってつまらん画だ)、音もあなたが通う映画館の自慢の音響システムも出番はない。演出も映画としての飾り付けもなけりゃ、仕掛もなし。
音声なしでみたらこれほどつまらん映画はない(それこそ、伝説の「死霊の盆踊り」や「デビルマン」などの方が100倍面白いでしょう…見てませんがw)。
でも、ものの数分で入り込んでしまいました。それだけ脚本に力がある。そして、完全に自分はスクリーンの中の主人公になっていた…判決の瞬間の衝撃は凄かった。見ている私が突き落とされた。…なんなんだコレ。
いままでの自分なら猶予ありの3ヶ月なんてどうってことないじゃん。って鼻で笑っていたと思う。いや~重い!有罪と無罪はこれほど掛け離れたものだったとは。判決の瞬間の緊張や判決後の無力感、そんなものをリアルに主観的に体験することができるでしょう。現代の日本の裁判とはどういうものなのかをリアルに体験できるアトラクションとも言える。百聞は一見に…って意味で見る価値あり!
まあ、DVDでも問題ない映画ではありますが。ただ、上映前に予告編として流れた他の映画(プルトニウム?とか爆破シーン多様等のハリウッドを模造したようなくだらん映画)を見るのであればこの映画を見た方がいいと思う。
いい映画とか好きな映画とかそういうものじゃなく、見る価値はある映画というわけで8点!
アップルマークさん [映画館(邦画)] 8点(2007-02-23 07:36:45)(良:1票)
184.後味は良くないが、嫌いではない。ただ、万人とはやや解釈が違うかもしれない。日本の裁判制度における問題点が描かれていて、観た人は冤罪に対して、「ひどい」とか「そんなのおかしい」と思うかもしれない。でも実情は映画そのままであるべきであると自分は思った。主人公の目線からのみ本作を見れば、ひどいと思うだろう。おかしいと思うだろう。でも、客観的に観たらどうか?裁判官が主人公なら?被害者が主人公なら?法廷の中だけで立証されたことだけが全てなのである。加えて自分はそんな裁判制度にだけ焦点を充てた脚本に心動かされはしない。メスを入れるだけでなく、人間の心を揺さぶりたいのであれば、(裁判制度を問う映画であり、監督がそうしたいと思わなかったのかもしれないが)ラストで主人公が「ホントはオレ、やったんだけどね」と嘲笑でもしてほしかった。そのへんが良くも悪くも「日本映画」なんだろう・・・。もちろんそんな期待をする自分はひねくれているのかもしれない。ただ、映画として飽きさせない展開であり、強大なメッセージ性も持っているので、及第点。でも、重ね重ね、ラストにドンデン返しがあったら鳥肌モンだったのにナァ・・・。 趣旨が変わっちゃうかもしれないけど、ドキュメンタリー番組が観たいんじゃないし、映画ってそういうものなんじゃ?これじゃマジメすぎる!
Andrejさん [映画館(邦画)] 7点(2007-02-15 22:00:48)(良:1票)
183.《ネタバレ》 10年待たせた割には、真面目に作り過ぎですよ~周防監督!
テレビでは、社会問題を告発するドキュメンタリー特集などが深夜によく放送されていますよね。結構、共感したり涙ぐんだり、憤ったりするのですが、この映画もその延長線上です。ドキュメンタリーとしては秀逸ですが、シネマの大画面で観る意味はないような気がします。
登場人物すべての感情表現が薄く(あえてそういう演技指導なのでしょうが)、感情移入できず、色彩・音楽とも心に残るものがありません。ここまで淡々と作られては・・・映画の面白みが・・・
瀬戸朝香を主人公にして、痴漢憎悪の彼女の生い立ち・感情変化・被告との心の触れ合いを通じて司法の壁を描き、最後に「じつはボクはやっていた」というのはいかが?
つむじ風さん [映画館(邦画)] 4点(2007-02-01 02:04:04)(良:1票)
182.《ネタバレ》  電車内での痴漢事件という目線の低いところから始まり、最後は国家的な地平での司法の欠陥について暗たんとさせられる骨太な社会派作品。
 裁判員制度導入を前に、決して他人事ではない厳しい現実を前に、軽いウツになることは間違いありません。
 テーマは重いですが、観れば一気に引き込まれる演出脚本が見事です。
 チカンの映画だと敬遠される方もいると思いますが、時間を作って観るだけの価値は充分にあり、法制度が現実的にどのように運営されるのかもよく分かります。
 小日向文世さんの裁判長が本当に怖いですが、彼は悪役ではなく、彼の書いた判決は、目線を違えれば納得のいく内容だと思います。
 問題は、警察、検察の証拠収集が万全とは言えないまま、起訴になったことです。
迷子亭さん [映画館(邦画)] 10点(2007-01-31 14:34:48)(良:1票)
181.《ネタバレ》 非常に面白かったです。日本の裁判制度に不信感を通り越して怒りを抱きました。見た人にこのような気持ちを抱かせることができれば、この映画は成功だと思います。以前、NHKで水俣病の裁判で国の責任を認め、被害者救済の道を開いた裁判官が、その後、地方ばかりを回され不遇であったという内容のドキュメンタリーを放送していました。裁判官も人間です。このような事実があると公正な裁判も出来なくなるのではないでしょうか?最初の裁判官が言っていましたが無実の人が有罪になることが無いような裁判制度になることを期待します。
ポテトさん [映画館(邦画)] 9点(2007-01-26 14:04:06)(良:1票)
180.《ネタバレ》 映画には伝えたいことがあるから撮る映画がある。ホテル・ルワンダの時も感じたが、この映画もまさしく伝えたいことがあるために、監督が撮ったものだとわかった。そして、その類の映画でも群を抜いてよい映画だと思う。僕には、監督が問うているのは、痴漢に関して有罪か無罪かの話ではない。日本の民主主義の話をしていると思う。そう、日本の民主主義が変だと言っているのだ。僕も同感である。3権分立の1つが司法である。その裁判所で、無罪の人が一番大変な思いをする。日本もフランス革命などのように血を流して民主主義を勝ち取ってきた歴史を持っていればいいのだが、そうではない。どちらかというと与えられてきた民主主義なのだ。選挙の時に、最高裁判官の信認投票をしたことがあると思う。誰が何をした人かさっぱりわからない。また、○も×もかかずに出すと○となる。詐欺のような話だ。しかも、ほとんどの国民は政権党がその裁判官をも左右していることをしらない。この国は、民主主義のようだが、ちょっと違うのではないか?と警告されているように感じた。こんな映画にはなかなか出会えない。たぶん、今年中の映画でもないだろう。確かこの映画も2年以上かけていると聞いている。昔、黒沢監督の「生きる」の中で住民が役所(俳優ではない)でたらい回しされるのを思い出した。
matanさん [映画館(邦画)] 10点(2007-01-23 01:53:04)(良:1票)
179.当時のホットな社会問題をあつかった
コレは社会に対する問題提起という価値はあるが、
映画という芸術作品として見て価値があるかというと
映画でなく本でも良かったよね、と思う。
afoijwさん [DVD(邦画)] 6点(2023-03-17 13:11:15)
178.《ネタバレ》 周防監督で高評価の映画だったので見てみたんですが、期待していたものとは違いましたね。
考えさせられるテーマではあるのですが、エンターテインメントとしては成立してないと思います。
勉強にはなったんですけどね。
一方的に問題を押し付けられた気分になって、それが自分の中でも映画の中でも解消しませんから、何とも言い難い映画だなという印象です。
Keytusさん [インターネット(邦画)] 5点(2019-08-03 00:31:28)
177.これは娯楽作品というものではなく、問題提起の映画ということには間違いない。
教育的な観点が強いが、とても分かりやすく、つまりは違和感が無いという展開だ。そして、こういった制度に大いに問題があるということも明確。
「裁判官は神ではない。事実を知っている自分のみががこの場では裁判官を裁ける(...というようなこと)」が印象的。
simpleさん [インターネット(邦画)] 6点(2018-10-13 19:46:12)
176.《ネタバレ》 日本映画の(悪い意味での)独特の癖の塊のような演技ではなく、好演だったと思います。評価が高い日本映画について実際に観てみると自分の好みには合わないという事がしばしばありましたが、この映画は見入ってしまいました。終わり方もああいう終わり方でしたが、だからこそ色々と見終わった後に考えさせる余地を残しているのだと思います。
珈琲時間さん [インターネット(邦画)] 8点(2018-09-09 09:25:14)
175.まじめに撮られた良い映画とは思うが、物足りなさが残る。
無罪を主張しても、97%は有罪。ほとんどが計画的に嘘の無罪主張が裁判で繰り返される中、
本当の無罪が埋もれてしまうと言うことも一因かな。
cogitoさん [DVD(邦画)] 6点(2018-06-21 23:02:47)
174.面白いというか、心臓を締め付けるような緊迫感を覚える。
ただ身柄が解放されてからは待遇がよくなるので、そこからは映画というよりドキュメンタリー風になる。
2時間半という長さをあまり感じさせないものの、もっとテンポを高めてくれるとよかった。
最後に希望を残してくれたのと、丁寧な取材に基づいたであろう裁判もろもろの描写がよかった。
「もし最初の(被告人に理解のある)裁判官が続いてくれたら」と思わせる作りがよい。
身近に起こりうる問題なので、ある意味日本人男性にとっては他人事ではないスリラーではないかと思った。
Donatelloさん [レーザーディスク(邦画)] 7点(2017-07-25 11:34:51)
173.《ネタバレ》 まさに、最後の主人公の言葉が結論ですよね。有罪か無罪か本当に知り得るのは本人しかいないわけで、裁判官が100%正しい判断を下せるわけではない。すごく勉強になるし興味深い作品ではあるけど、私は映画というのはどんなジャンルであれ、エンターテイメントであるべきだと思っています。なので、私はこの映画を作品として評価することはできません・・・。私がお金を払ってまで映画を観るのは、決して勉強をしたいからではなく、その作品を楽しみたいからです。もしもこれが教材用の作品なら高く評価しますが、映画としては0点だと思います。
たけたんさん [CS・衛星(邦画)] 0点(2017-01-08 02:55:12)
172.《ネタバレ》 電車で痴漢として捕まった男が冤罪を主張し裁判で戦う話。
主人公が本当に痴漢をしていないのか明らかにはされないが
主演の加瀬亮の頼りない弱気な感じでつい信じたくなる。
実話を元に作られた作品で日本の司法の問題点を指摘している。
つまり痴漢など検察から起訴されるような刑事事件の場合
それを無罪にすることは検察の意見に反対することとなり
多忙な裁判官は有罪の証明より無罪の証明ができないことを重視する。
また疑わしきは罰せずで行くとなぜか地方に飛ばされるw
チカンはイカンということですね。
Dry-manさん [DVD(邦画)] 7点(2016-11-13 12:48:06)
171.満員電車、怖いね。私も毎日通勤で満員電車乗ってるけど、こんなの観たら思わず女性を避けてしまいますよね。だって、こんなカン違いは普通にあり得るし、それで濡れ衣着せられて、人生の信用パーやもんね。どうしても触れられたくない女性は、女性専用車両に乗って欲しいものです。
しかし、主演の加瀬亮、抜群に上手いね。
SUPISUTAさん [ビデオ(字幕)] 8点(2016-05-06 20:22:09)
170.《ネタバレ》 「シコふんじゃった。」や「Shall we ダンス?」みたいな痛快な映画と比べると、この映画はそういった楽しさが徹底的に削がれてしまった印象を受ける。

ビルを走る一本の電車。その密室では、突然尻をなでてくる者の手が“恐怖”へと変わるし、手を掴んだり密告される瞬間も恐怖と化す。

その恐怖を知る者は、その領域に入った瞬間に両手をあげて命乞いをする。まるで拳銃や刃でも突きつけられている様に。それを知らない者は、出会ったばかりの赤の他人に殺されてしまうのだ。社会的に。

この物語は、そんな社会的に殺されかけた男の孤独な闘いを描いていく。途中挿入されるわずらわしい音楽(最初から無音なんだから最後まで音楽の挿入はして欲しくなかった)も、監督がこの男に同情するが故だろうか。
絶望を語る筈の独房も妙に白いし、照明まで彼を暖かく照らすように明るすぎるのではないだろうか?
「どうしてこうなった」と無言で泣く男の姿だけで充分です。

動く密室の次は、取調室という密室で数人の男に尋問されるという恐怖。常に同じような事件に振り回される男たちの苛立ちは、捕まってしまった人間にブチまけられる。
捕まった人間にとっては「知ったことか」である。誘導尋問、脅し、レッテル貼り、疑心暗鬼、偽善、指紋。
そこに人権とか、偽善がどうとかといった感情は消えていく。あるのはブタ箱にブチこむという“作業”の繰り返し。
何度も何度も何度も「アナタハ痴漢ト疑ワレマシタ。ナノデ逮捕シマス」という具合に延々と同じ言葉を繰り返す。そのしんどさ。二度と見たいと思わない退屈さ。音楽まで似たようなBGMを繰り返しやがる。
あの気の遠くなるような説明は本当に早送りしたくなった。
主人公も感情が消えかけ嫌気が差しているのだから。この辺は社会派映画の悪いクセです。

独房の中で出会う常習犯たちの奇妙さ。それは事件の捜査に疲れて荒んだ警察も、態度をコロッと変える管理人にも、興味本位だけで犯罪を追っかけまわす男たちにも共通する。

痴漢被害に遭ってきた筈の少女の姿にも奇妙さが目立つ。彼女の親は何故裁判所に来ないのだろう。親は既に亡くなってしまったのだろうか。
だとしても、代わりに先生がくるとか、友達が来るとか。そういうのが描かれていないのが不思議だ。
壁に覆われて、主人公やその支持者たちも背中すら見る事が出来ない。主人公も、自分を警察に突き出した女性と一度キリしか会っていない。
そんな奴らに「貴様は犯罪者だ!悪魔だ!」と言われてみなさいよ。誰だって怒りますよ。憎みますよ。ガラスを叩いたり鉛筆を砕きたくもなりますよ。ピーポ君を傘でしばきたくもなりますよ(あのやり取りだけ唯一といってもいいギャグシーン)。
女子高生の視点を知るのは観客だけだ。観客だけがその映像に誘導され、揺さぶられるのである。

それとは対照的に、家族や友人たちはその奇妙さが消え去っていく。真実を知れば知るほど彼らは主人公を支え、一緒に闘うようになっていく。元カノも“信じている”からこそ体を張る。
最初は疑っていたからこそ、それに対する贖罪と共感・共に戦うからこそ得られる頼もしさ。
事件の再現から突破口を開こうとする瞬間、ここで初めて違う音楽が観客の心を洗い流す。様々な人間の視点や感情が真実を探り希望を見出し始めるのである。

それを嘲笑う社会の闇。
小日向文世を殴りたくなったのは初めてだ!素晴らしい演技!予告の躍りかかる主人公のように、あのにやついた顔面をブチのめしてえええっ

裁判のクライマックス。
そこには「それでもボクはやってない」と頑強に戦う覚悟を決めた男の表情だけがある。
主人公が一度挫折し、そこから立ち上がり成長していく姿は「シコふんじゃった。」や「Shall we ダンス?」にも共通している。

怒り裁判所を出て行った友人も、また彼のために戻ってくるのだろう。それでもカレはやっていないと信じているのだから。
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 8点(2015-06-02 20:01:18)
169.同じ男性として同じ毎朝満員電車に揺られる身として非常に考えさせられる映画でした。
冤罪なら俺なら逃げ切るけどねってちょっと思ったけど実際は手を掴まれれば動揺するんだろうな。そのあたりの微妙なリアリティがあった。また、瀬戸朝香が痴漢犯を軽視する弁護から重視する弁護への変化は個人的には見物。
mighty guardさん [地上波(吹替)] 7点(2015-03-16 12:19:18)
168.《ネタバレ》 面白くない。面白くなくてもいいのか?いいんだろうね。

田舎者の私を、「都会の電車に乗ったら両手でつり革に捕まる!絶対!恐怖症」にならしめた作品。これだけで、この映画の意義はすごくあると思う。
たかしろさん [DVD(邦画)] 6点(2015-03-02 16:47:33)
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【点数情報】

Review人数 227人
平均点数 7.61点
020.88%
100.00%
220.88%
341.76%
462.64%
562.64%
6229.69%
74318.94%
87733.92%
94218.50%
102310.13%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.42点 Review26人
2 ストーリー評価 8.48点 Review35人
3 鑑賞後の後味 6.18点 Review32人
4 音楽評価 5.85点 Review21人
5 感泣評価 5.61点 Review21人
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