38.《ネタバレ》 魅惑のワルツという音楽が実によくかかるのですが、
それを演奏しているバンドの入れ方がコミカルでもあるのでひつこく感じない。
G・クーパー演じる富豪はどこへ行くにも楽団をつれてゆきますが、
公園のボートからサウナまでバックグランドミュージックのごとく、
お供しますので楽しいのです。
いつも同じところで泣ける(まあ私の悪い癖かも)と言うあの有名な列車のシーン。
そこでもこの音楽は効果的に使われこういう演出には弱いなぁ・・
あと気に入ってるのがヘップバーンが妬かせるためにレコーダーに恋愛遍歴を録音。
それをクーパーが何度も何度も聞きながらお酒を浴びるほど飲むシーン。
そこでも楽団のおかしく効果的な演出・・
音楽もこういう品のいいかわいらしい使われ方をするという見本。
B・ワイルダーの他の作品は今のところ「アパートの鍵貸します」くらいなので、
もっと見てみようかなぁと思っています。
鏡の使い方が上手ですね。
ちょっと使いすぎかもしれないけれどこの範囲ならおしゃれかも。
奥行きがあって上品に感じました。
ヘップバーンは実は私は苦手なのですが、
この映画は初めてヘップバーンにめぐり合えた作品です。
これは何から何までかわいいです。
ファッションも私が大好きな感じでまるでお人形さんのようです。
特に好きなのがパンツスタイルにおさげ、10代に見えるくらい。
なかなか30前でこのスタイルが似合う女優さんはいないでしょう。
この役柄も私は好きですね。
一目ぼれしたプレイボーイの富豪と同等のように振舞う背伸びした少女。
多分こういう時期って誰にでもあると思うんですよ。
そして富豪も親子くらい年が離れたクーパーを見て、
共感を覚える中年男性もいらっしゃるかもしれません。
ヘップバーンの父に共感を覚える人も・・
つまりはどの年齢の人が観ても誰かに共感しやすい映画なのです。
監督の演出がステレオタイプなのかもしれませんが、
特に後半になると恋愛ドラマだけでなく、
色々な感動がゆっくりと味わえる映画だとも思います。
そういった恋愛コメディ映画はほとんどが熟年なのに、
この作品は珍しいキャスティングで微笑ましくもかわいらしく切ない。
恋愛々していないのが好きですが題名が品がないのが残念。