39.長時間だったけど十分堪能できた。それでも、原作自体がボリューム十分なんで、浅くなぞった感も伴う。テレビドラマ2クールくらいの時間が欲しかったかなあ。主演の渡辺の演技力も作品の評価をあげる。三浦は少しいい人オーラが潜在的にあるんで、少し食い足りなかったか。邦画としては十分合格点には達している。 【タッチッチ】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-12-10 23:34:02) |
38.フィクションだろうけど、現実の事件や団体などと合致してまるでドキュメンタリーのようで面白かった。俳優陣も豪華です。ただ、飛行機の映るシーンは合成写真のようで安っぽくてちょっと残念。ラストもちょっと尻すぼみ気味。それでも、十分3時間楽しめたので観て損はないかと思います。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-10 22:13:13) |
37.《ネタバレ》 原作未読。この映画にJALさんは随分お怒りだったようで、そういう意味で、どこまでが真実なのかは分からないけど、それにしても勉強になった気分。政府出資のフラッグ・キャリアが労組のリーダーを不当に海外に飛ばした上、「詫びを入れれば日本に戻してやる」と卑怯なやり方でいじめるなんて嘘であってほしいが、本当だとしたらよく辞めずに耐え抜いたと思う、家族を犠牲にした面はあるが、妻は夫を支え続け、息子も大人になって理解を示してくれたってことで、まあ良かったんじゃないかな。3時間超でもあまり長いと感じさせなかったのは渡辺謙の力によるところが大きいと思うし、三浦友和も国内映画賞の助演男優賞を多数受賞したのが妥当だと分かった。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-12-07 18:30:58) |
36.文庫本で2000ページを越える作品を200分に良くまとめたなぁ。 とは言え、原作ストーリーを上っ面だけなぞっている感じが否めない。原作ファンとしては、少し残念だ。 JALは2010年1月に会社更生法の申請をして事実上倒産したが、組織構造上の欠陥が昔からあったのだろうね。構造改革が上手くいっていたら会社更生法申請はなかったかもね。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-11-20 23:40:14) |
35.日航機墜落事故死をこのような娯楽映画で、感動、感傷用スパイスとして安易に扱うことにはまだ少し早いような気がします。あと100年位待ったほうがいいかも。 【紫電】さん [DVD(邦画)] 1点(2010-10-17 21:29:32) |
34.あまり後味が良い映画ではありませんでした。最後までじっくり見れましたが、3時間超の映画として考えれば、主人公への感情移入が深くできるぐらいまで掘り下げておられず、それぞれの出演者の演技力は流石なのですが、中途半端な感じを受けます。後、この点は仕方無いのかもしれませんが、CGが粗雑すぎる。予算の関係もあるとは思いますが、もう少し丁寧に作ってほしかった。考えされらる映画です。 【はりねずみ】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-10-10 16:21:13) |
33.原作未読。採点し辛い映画でした。好きなジャンルでもあるし、渡辺謙さんを筆頭とした役者さんたちもハイレベルな演技をみせてくれる。でもイマイチ心に内容が残らないなぁ。思い浮かぶのは名優たちの迫真の演技のみ。ここまで長くするのであれば、思い切って3部作にして欲しかった。原作に興味が湧いたので、機会があれば読んでみようと思う。 【あるまーぬ】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-10-04 20:35:48) |
32.《ネタバレ》 ずいぶん久しぶりに邦画で労働組合を目にした。かつての社会派映画では、よく赤旗がひるがえっていたものだ。もっともこれでは第一組合と第二組合の話になっていって、分解に至る。ほぼ半世紀前の映画、勅使河原宏の『おとし穴』(脚本安部公房)も、炭鉱の第一第二組合の抗争がテーマだった。けっこうもっと中心に持ってこられるモチーフだが、でも現在は「派遣労働者」という使い捨てできる魔法のカードを企業は手にし、もう組合を気にせずに運営できて、そもそも組合の組織率も下がっているのだろう。そのせいかここで回顧的に描かれる労働運動も、どこか「作られた切迫」に見え、たとえば現在の「派遣」の苛酷な状況につながっていくものは感じ取れなかった。それと相変わらずのアフリカの描かれ方、まず日本から見た「僻地」として登場し、最後は「癒し」の大自然となる。最初に飛ばされたのはパキスタンで、これまた往年の邦画『乱れ雲』で飛ばされた地が、まだ「僻地」として登場する。過去を舞台にした作品だから仕方ないのかも知れないが、現在作られた映画なのだから、そこに潜む地域感覚への批評的な態度がちょっと欲しい。つまり、「過去」という題材に閉じ籠もりすぎているのではないか。善と悪がきれいに分かれた世界・人物造形の単純さ、は山崎小説のポイントで、その単純な人たちによって複雑な社会の動きをはっきりさせているところに面白さがあり、一概に否定すべきものではない。ただやはり同時代性を感じさせる視点が欲しい。これだと同時代性は「今もあるあの会社はひどいな」という感想レベルにとどまってしまう。山崎豊子は大企業や政権党をしばしば槍玉に挙げるが、彼女が好んで描くのはそういう閉じた人間関係の世界の時代を越えたグロテスクさなのであって、「仮装集団」という長編では共産党を斬っている。左翼右翼で割り切れる作家ではない。山崎長編の楽しみの一つは後半の粘り気で、この映画でも遺族会の名簿を入手しようと画策するあたりから、ちょっとそれらしくなった。ただあまり粘り切らない。それと忘れたころに登場人物が再登場するとこ。香川照之がよかった。やたら過剰に気合いの入った人たちの中で、そのウツロさが光る。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-09-16 09:58:21) |
31.山崎作品に共通する、職場で筋を貫き通す男とそれに振り回される妻子。本作では鈴木京香演ずる妻の静かな強靭さが一家を支えているように見えました。会社更生法を申請するに到る事を作者は予見していたのかと思わせる私欲に塗れた幹部と政治家、官僚達。こういう連中が淘汰されて再建を果たせれば正直に真面目に働いてこられた方々が報われるのに、と思いました。原作の第三巻以降は未読なせいもあるのかラストに唐突さを感じました。ただ、恩地に自身の辛苦を「取るに足りないもの」と語らせるご遺族の胸中を思うと生ある有難味を感じさせられます。 |
30.ザーボンさん、ドドリアさん、渡辺謙さん 日本映画ファンなら誰しも感じる事ではあると思いますが、 渡辺謙の眉間のしわの深さはドラゴンボール級です。 本作「沈まぬ太陽」は3時間以上に渡り そんな渡辺謙の眉間のしわを観続ければならない映画でした。 ありえない左遷、海外赴任、金、裏切り、汚い汚い大人の世界。 そんな逆流の中で渡辺謙演じる恩地は己の大義を貫きます。 本当に繰り返し観たらハゲるシーンの連続。 渡辺謙の顔も険しくなるのも当然です。 なので私は本作を鑑賞中、終始スクリーンの中に飛び込んで 渡辺謙演じる恩地に何度もこの言葉を言いたくて仕方がありませんでした。 「転職しろ!リ○ナビNEXTに登録しろ!」 しかしどんなに酷い人事を強いられても自らの会社に報いる恩地の姿に 改めて働く事、そして生きる事の意義を考えさせられます。 私は普段は社員数十人の小さな企業で働いています。 もちろん皆自分の生活がかかっている。そこではもちろん利益確保が一番大切。 そんな日々の業務に追われ忘れかけていた私に「働く」という事の意義を本作は問いかけてくれたような気がします。 スケールは随分と違いますがw 【吉祥寺駅54号】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-07-28 21:51:42) |
|
29.前半で主人公がどういう人物なのか丁寧に描いているので、後半の台詞ひとつに重みを感じる。世の中の理不尽な仕組みに辟易もするが、起きた事件よりも最後まで自分を貫き通す主人公の生き方に焦点を当てているので、その姿に好感が持てました。 【ホースケ2号】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-06-19 19:09:19) |
28.一本の映画にするのはちょっと厳しいかな。駆け足と言うよりダッシュに近いな。 原作読んでなかったら、もうちょっと点数あげてもよかったかも。 【まんせる】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-06-16 20:48:41) |
27.商売の論理の前には人命さえも・・・。実話に基づくフィクションとはいえ、後味悪いですねえ。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-06-02 02:32:07) |
26.原作を上手に映画化したと感じます。ズシリとした見ごたえの良作。原作の印象では主人公はもっとゴツイ感じをイメージしていましたが渡辺謙さんも良かったです。 【東京ロッキー】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-05-31 21:28:39) |
25.《ネタバレ》 角川映画もやるじゃん。良かったよ、この映画。石坂浩二はこんな役もできるんだね。元々演技がうまいし、安定感のある演技で会長を演じていた。三浦友和も渡辺謙も良かった。特に後半の渡辺謙は良かった。前半はちょっと力みすぎ?だったかな。久しぶりに見応えのある邦画を観れたのがうれしい。こういう社会派は大歓迎だよ。ただ、1点気になったのが、為替の穴埋めに香川照之が空港券を安売りチケットに横流ししてた金をあてたの?この辺がよく分からなかった。為替の問題がどうしてうやむやになったのかを分かりやすく見せて欲しかった。やっぱ原作読んでないからかなあ。でもこの映画で山崎豊子に興味を持ったよ。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-05-23 21:51:20) |
24.原作は未読ですが、登場人物たちに、中東やアフリカをまるで人間が行くべきところじゃないかのように言わせているのはあんまりですよ(私だったら喜んで行っちゃいますけどね)。こういう価値観って、日本人にいまも根強く存在してるんじゃないでしょうか。思わず、ばーか、と言ってしまいました。会社幹部たちのいやらしさ加減も相当なものでしたが、組合を賛美しすぎるのも非常に問題ですね。 【きのう来た人】さん [映画館(邦画)] 1点(2010-03-06 13:15:54) |
23.途中休憩が入る3時間を越える作品だが、よくまとめたと思う。 確かに登場人物は多いし映画で描いている時間軸が長いし、各個人の内面に迫るようなシーンはあまりなかったがそういう説明的な演出がなくても十分に想像で補える。 原作を読んでいなければ先入観無しに勝手に登場人物を解釈できる。 あるいは読んだ上で予備知識を持って観るのもまた良しだと思う。 鑑賞後やり切れぬ思いだけが残る。 日本航空の体質、それに関わる政治家官僚の醜悪さ。 これが日本の本質なのかと思うとどうにも。。 もちろん映画では国民航空という会社名だしエンドクレジットで劇中の会社人物は実在のそれとなんら関わりがないと免責説明をしている。 だがこれが日本航空とそれを取り巻く人間の話であることは明白だし、フィクションではあっても事実を元にしていることも周知のこと。 関西に230人もの未亡人を一気に生んだ。 この台詞はあの墜落事故の大きさ辛さをあらためて再確認させるに足るものだった。 だが有名な「遺書」を映画の中で扱ったシーンはあまりにもお涙頂戴的な安易な演出でまったくいただけない。 最初のシーンは良い、激しく揺れる(ダッチロールという言葉、当時ほとんどの人はこのとき始めて聞いたろう)機内で遺書を書く。 それだけに留めて置けばよかったのだが棺の前でその遺書を息子に読ませるという余計な演出を加えてしまった。 あまりにもわざとらしくて少々しらけた。 そんなことしなくてもあの遺書のことはみんな知っているわけだし十分心に響いているというのに。 それにしてもあれほど会社から、いや出世して会社を牛耳って甘い汁を吸おうとしている連中に虐げられてもなお会社を辞めない主人公というのは私には理解を超えている。 あまりに清廉潔白で人間としてありえないんじゃないか。 とてもよく出来た作品だと思うのだが、CGの質の悪さが作品を貶めているかのようだ。 なんなのあの安っぽい不自然な飛行機のシーンは? 素人が自宅のパソコンででっち上げたかのようだ。 役者の出演料で予算を使い切ってしまったのだろうか。 海外に外注すれば良いのに。 飛行場からの単純な離陸シーンですら不自然極まりない。 せっかくのすばらしい演技が台無しだ。 【称えよ鉄兜】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-12-19 04:53:51) |
22. 休憩のある映画というものは初めてでしたが、比較的早く感じました。大変残念ですが今回この作品を鑑賞して映画化不可能といわれていた理由が分かった気がします。 物語は恩地を中心に進みますが、様々な脇役と共に進んでいきます。でもどの人物も「理由」がない気がします。労働争議の時には腰が引けながらも恩地を支えてきたもののいつの間にかブラックに染まった行天さん。お国のために会長職を引き受けながらお国の解釈を間違えていたためにあっという間に解任された国見さん。労組をやりすぎたため大手町支店で超冷飯ぐらいを耐えていたはずがいつの間にか行天の犬に成り下がった八木さん。どの人間にもそうした精神を持ちうるに至った理由がまったくない気がします。特に八木さんが金庫で何かやっているのを見たときは「会社をつぶす工作でもしているのか!?」とまで思ってしまいました。 そして肝心の恩地にしてもどんな報復人事を受けても屈しない屈強な信念を持つにいたった説明がありません。おそらく労組での働きが大きく影響しているとは思いますが、「安全に飛行機を飛ばしたい→労組委員長として活動し労働状況改善を要求」と行動するにいたった動機が見えてこないのです。できれば恩地が国民航空を志望するにいたった「志望動機」を少しでも描くべきだったと思います。 また、時間を追ってみるとケニアから帰ってきた途端に遺族係にされたように見えどうして遺族のためにそんなに働くのかが分からない部分がたくさんありました。そして最後の太陽の話。ケニアでの生活がそんなに詳しく描かれたわけでもなく、「この太陽は・・・」と遺族に語っても、どうしてもついていけませんでした。 やはり山崎氏の作品は長めの連続ドラマでじっくり見たいと思います。そうすると海外ロケなどにあまり大きな資金はかけにくいとは思いますが、ずっと生きた人間が描けると思えてなりません。 【パンツァー・フォー】さん [映画館(邦画)] 4点(2009-12-05 22:40:34) |
21.《ネタバレ》 まず単純に、労組の問題というものは複雑で難しいものだという印象を受けました。何が難しいって一番に挙がるのは、人間関係。この映画を見て、労働組合をやりながら上司とうまくやっていくっていうのは不可能なんじゃないかと思えたほどです。自分は公務員ということもあり、労組というものに実際に所属したことは無いので鮮明にイメージができるわけではないのですが、こんな状態で仕事なんてできたもんじゃないなと思います(ここまでひどいのはなかなか無いと思いますが)。 話の内容としては、主人公・恩地元(=渡辺謙さん)を中心に、労組での闘いやジャンボの墜落などの出来事を散りばめていき、その時々の彼や彼の周囲の人間の様子を描写していくといった感じ。でも本当に、ここまでの扱いを受けるぐらいなら辞めてしまえばいいのにと観ている側からすれば恩地氏にそうアドバイスしてあげたくなります。愛していた会社からも遠く離れ、家族にも大きな負担を強いて、いったい何になるのかと。しかし、恩地氏自身の気持ちになってみれば、そんな会社に屈することはしたくないと思うだろうし、そんな風に堂々とした態度で生きる自分を家族にも示したいという想いもあったのではないでしょうか。事実、はじめは遠く自分の国を離れることや父との時間を過ごせないことに反発していた子供たちや妻も、時が流れるにつれ恩地氏の不器用ながらも決して筋を曲げない生き方を理解していくようになります。なかなか真似ができるものではありませんが、そんな恩地氏の生き方の10分の1でも自分の生きかたに反映したいという想いを持ちました。素晴らしい映画でした。長い上映時間も全く気にならない、重々しいドラマながらも観た人に鑑賞後ある種の向上心というか、「もっと頑張ろう」と思わせるような余韻を残すような作品でした。 最後に、労組の活動の中で業務時間中にビラ配りをするなどのシーンの描写がありましたが、あれだけが残念でした。日々の業務を粛々とこなし、なおかつ業務時間外で労組として会社の業務の改善を訴えるという姿勢なら、もっと労組に対して感情移入もしやすく、胸を打つ内容になっていたと思うのですが。そこだけは会社の上役たちの反論に「うんうん」と頷いてしまいました。 【TANTO】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-12-03 10:42:10) |
20.《ネタバレ》 40年前に勤めていた会社を思い出しました。労働組合が3つあり2つは御用組合でした。従業員同士が対立するという嫌な雰囲気で、第一組合の委員長は有能でしたが閑職を与えられており、一方、御用組合の役員はつぎつぎと昇格して管理職となっていきました。あの時代では珍しいことではありませんでした。恩地さんが会社を辞めなかったのは理解できます。私の知っている委員長も決して辞めませんでした。正義感とプライドが彼らの支えだったのでしょう。 【くだごんべ】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-12-02 16:01:09) |