2.《ネタバレ》 この重たいテーマを映画化しようとした真摯な姿勢は素晴らしいと思う。ただ、う~ん、ドキュメンタリーならいざ知らず、「映画」化には無理があったのではないかという印象を持った。映画化の場合、どうしてもエンタテイン性とストーリー性が皆無では成り立たず、それを強引に?作り上げるがため、脚本が稚拙になった。「訴えたいこと」があり、またそれぞれの登場人物に弱さや問題を秘めているという視点はよく分かるように思うのですが、それがまるでパッチワークのようにつぎはぎの感があって、結果的に心揺さぶられない。特に最後の15分位は展開に無理がある。ここで思いめぐらせることは人間の罪の問題であり、新聞記者の個人的なエピソードが最後に残ってしまうと問題を特別なものにしてしまいかねない。オープニング(闇に浮かぶ光の星)が良かっただけに残念。日本人スタッフの演技もとても自然体とは思えないのは、脚本のせいでもあると思う。頑張りすぎる宮崎あおいは逆に一番合っていたかも。タイの子供たちは、演技を超え、目で訴えるものがあって素晴らしいと思うが、いま一つ映画の<素材>となっていて、本当に生かし切れていないと思った。普段映画館にそれほど足を運ばないだろうと思われる中高年の人たちも多く、問題提起という点では価値がある。