25.《ネタバレ》 コーエン兄弟の作品は、一見不条理に見えて意外に理に落ちてしまうことが多い。本作はその典型例である。しかし、脚本家が避けることのできない創造の苦悩を、夢という媒体を用いて観客にも追体験させていく仕掛けはうまい。これから観る人は理屈を考えずに、コーエン兄弟が生み出すヴィジュアルイメージに身も心も、そして脳もゆだねるのがいいだろう。とはいえ、そこかしこに「論理」が現れてくるので、クローネンバーグの『裸のランチ』ほど世界に酔うことはできないのが難点だが。 というわけで、作家追体験ソフトとして皆さんには、『バートン・フィンク』→『裸のランチ』→『アダプテーション』の3点セットをおすすめしたい。 体験談:今まで凡人だと思ってた私もこれですっかり脚本家になった気分に浸っております。でも、やっぱり脚本家になったらなったで苦しみっぱなしでもう死にたいです……。 恭人さん(仮名) 32歳 【恭人】さん 7点(2004-05-06 16:57:21) |
24.《ネタバレ》 夢を具体的に表現するのにこういう手法があったかと唸った。 ラストシーンがもう少し続いていたら次のようになってたと思う。 海辺の情景がホテルに掛っている絵と同じ構図になる→はっと目覚めて半覚醒状態で壁の絵を眺めていた事に気付く→今までのは夢で自分は蒸し暑いホテルで今だに進まない原稿を書いている…いわゆる「夢オチ」ですが、夢そのものを表現しようとする点が今までの映画と違う。 起きてしまうと内容が中々思い出せない、何か妙に気持ちよかった気がするけど…という「夢」を観客は覚醒したまま味わえる、それがこの映画の醍醐味だと思います。(炎の中驀進するデブさんは夢のフラストレーション解消機能?) 最後のオチまで描かないのは、無論、目覚めてしまうと思い出せないから。エンドロールは夢から覚めようとしているウツツの状態。目覚めるのは劇場の明かりが点いた時です。 …では何処からが夢か?というとそれははっきりしない。とりあえず「壁でろ~ん」が、もう夢に入っている事を暗示するのみ。考えてみれば「目覚める事」とは対照的に「眠りに入る瞬間」を意識できる人はまず居ない。その辺まで計算されているようで、見事だなと思います。 【番茶】さん 8点(2004-04-24 07:47:00) |
23.これは夢オチなのか?観た人によって感想は違うと思うが、自分はあの箱の中身はタトゥーロ本人の頭が入っているもんだと思ってた。グッドマンが書けないで悩む主人公を殺すことでその苦しみから開放させたんではないか…かなり妄想が入っているが。結局、どこから夢又は妄想の世界が始まるんだろうか。いずれにせよ、作家の苦しみがよく分かる作品には仕上がっている。 それにしてもコーエン兄弟の引き出しの多さには恐れ入る。 |
22.何とも言えないじっとりとした空気感とそれに見合ったストーリーには引き込まれたが、終盤はやや消化不良に終わってしまった。冒頭からかなり常軌を逸した映画世界が展開されていただけに、ラストではもっとメチャクチャにしてほしかったように思う。 【鉄腕麗人】さん 5点(2004-01-27 23:52:41) |
21.「Are you in pitchure?」(=君は女優?もしくは絵?)。燃え盛る通路、既にない死体。夢ならば万事辻褄が合わなくてもオッケーなのかな?夢かどうかがわかりづらい結論だったことを考えれば、夢かどうかは問題の主流ではない気がする。妄想だろうと、夢だろうと、現実だろうと、バートンが見た世界そのままが提供される。チャーリーという名のヒール。最初は心気安い隣人も、いずれは、自分のスランプを打破してくれる希望の光に。殺人鬼の救世主というアイロニーすらもここではたいした問題ではない。作家の最大の不幸は「書けない」ことであって、それは殺人や殺人鬼よりも大きな問題。逃避的な外的存在に因る問題打破願望な物語。コーエン兄弟って「あー、ソノ気持ちわかるー。」っていうものを提供してくれるけれど、でもわかった(?)ところで、いまいち哲学的センスを感じない。この作品を見て、常に忙しい同僚が、「今ここに強盗が現れてくれたら全て解決するのにー。」という戯言を思い出した。そんな妄想的逃避性。これだけ評判のいい監督なのに楽しめない自分が残念。 【夢の中】さん 6点(2004-01-12 00:37:09) |
20.何とも不可思議な作品。ジャンル的にはサスペンスになるのかな?日常と非日常、現実と幻覚が混沌としていく。序盤と中盤で作品の雰囲気がかなり変わったりと、見ている方も何とも言いようのない不安感や幻惑感に捕らわれる。結局、ラストがいまいち意味不明のまま終わってしまうのが、この手の作品としてはありがちな「逃げ」に思えた。まあ、その微妙なところを楽しむべき映画なのでしょう。 【FSS】さん 7点(2003-11-21 15:40:29) |
19.コーエン兄弟って嫌いじゃないんですが、微妙に理解できないです。作家の日常の中にあるコミカルさと狂気や恐怖なのかなあ。 【亜流派 十五郎】さん 6点(2003-10-29 15:08:24) |
18.あの暑さの中・・・女の死体が臭って来そうでキモかった!最後までジリジリ、イライラだった。で、何が言いたかったんだ?この映画。 【桃子】さん 4点(2003-10-01 18:22:14) |
17.イライラさせられるイメージの連続で、ヤな感じを味わわせてくれます。が、暑い暑いと言うんならもっと暑さをうまく実感させるような演出って無いのかなー、とは思いました。これはストーリー上も重要な点ですからねえ。まあとりあえず、ラストはカッコいいよ。 【鱗歌】さん 7点(2003-07-12 22:17:54) |
16.蚊が血を吸っているシーンとか部分部分のカットの印象が強く残りました。 【るみ】さん 6点(2003-06-11 20:56:40) |
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15.じっとりとした暑さの表現や主人公のイラつきなど映画の雰囲気には引き込まれるものがあったけど、ストーリーにいまひとつ魅力がなかった。ラストにもっと破錠した展開を期待してしまった。 【スマイル・ペコ】さん 5点(2003-06-08 01:37:04) |
14.独特の雰囲気があっていいですね。内容はあまり好きではないです。 【たりー】さん 6点(2003-01-14 10:47:06) |
13.かなりストイックな作品群が並ぶ美術館に入った感じ。こりゃかなりイってる。そして最後に炎の廊下をジョン・グッドマンが叫びながら走ってくる。鳥肌がたった。「イレイザーヘッド」を観た時の衝撃と似ている。 【カエル】さん 10点(2002-11-05 22:51:05) |
12.焦点がはっきり絞られているのが好き、という人にはお勧めしない。面白いかどうかはともかく、個性的なので見る価値はある。 【ひかりごけ】さん 5点(2002-11-02 14:21:41) |
11.何処か歯切れの悪い展開が却って印象を強くした。最後の火事は遣り過ぎだと思う。 【本郷の文豪】さん 5点(2002-02-28 04:10:40) |
10.実は「バートン・フィンク」の脚本は初めから書かれてなくて、その場の雰囲気でOK出したもの(アドリブ)をうまく編集したら完成しちゃったらしい、ってな事ある訳が...(んっ、コ、コーエン兄弟!!)あるかも。 【眼力王】さん 6点(2002-02-13 23:47:17) |
9.「ファーゴ」とか好きだし、カンヌ受賞作ということで結構期待してたんだけど、ちょっといまいちかな。最後火事のあたりからバタバタしてストーリーについてけなくなった。 【RY】さん 6点(2002-02-09 22:28:07) |
8.本当に退屈でつまらない映画ではないけれど、見終わってなんなんだ?と思ってしまう。途中までは期待させる内容だけに残念。 【チャベス】さん 4点(2001-10-05 20:11:13) |
7.壁紙が徐々にドロドロと捲れてくるというだけで何故か恐怖感を煽られるという、実に不思議な感覚を持った、全く新しいタイプのスリラーだ。全体の雰囲気はいかにもコーエン兄弟らしくひたすら陰鬱でスタイリッシュだし、その何とも不条理でアブノーマルな作品世界は斬新で独創性に満ちている。過去のどの作品とも違うオリジナリティを感じるし、ストーリーよりも映像で語る種類の作品だと思う。 【ドラえもん】さん 9点(2001-08-25 23:43:39) |
6.別に悪い映画ではないけど。これ見た後でロマン・ポランスキーのリパルジョンみたらまんまパクってたのでずっこけた。 【ダイ】さん 7点(2001-07-03 00:35:29) |