167.前作にあったパズルを解くような面白さはないが、屋敷で行われるゲームと、ジグソウと警察のやり取りが同時進行に進む展開はスリリング。ラストのどんでん返しもよい。
ジグソウの言う通り2時間話を聞いていれば、親父も息子も無事だったというわけだ。
今回、2回目の鑑賞だが、歳のせいか前回平気だったグロくて痛々しいシーンは見ていられなかった。
今作は舞台が広すぎた。密室だと期待してたら、ドアが開いて、広い家の中をアレコレ動き回れたのは、密室好きの自分としては残念。
首の後ろに数字が書いてあることを気づいた男が、黒人の男を殺し、ついで、少年と女を追い回すのだけが、素直に首の後ろ見せろと言えば済む話だったのではなかろうか。毒物のせいで意識が朦朧としていたから、という言い訳もできなくはないが、少しご都合主義に感じざるを得ない。
しかし、今回改めて視聴して思ったが、ジグソウという奴は、あまりにかっこ悪くないだろうか。
彼のあの一連の行為は、深い信条や理念に基づいているようである。だが実際やってることは、そうした理念とは無関係の、ただの残虐な殺戮行為にしか思えない。
やってることはジェイソンやレザーフェイスと同じレベルのものだ。そのくせに、何かと理屈をこね回して高尚ぶってるのが、ダサい。
やってることも、とにかく、自分勝手だし、支離滅裂だ。
ゲームをしようと言いつつ、その内容は全くフェアではない。自分には何のリスクもなく、相手にだけ生死をかけさせる。こんなものはゲームではない。ただの虐殺である。
またゲーム内容も一見その人間の精神性を試すようでいて、実際は、いかに器用に素早く行動できるかに掛かっているようなものばかりだ(その原因は大抵は時間が短すぎるせいだ)。失敗時に残虐な方法で殺すことも彼の理念を遂行する上で何のメリットがあるのかさっぱりわからない。
また、彼の言う、「無駄に生を生きている」とは思えない人間も意味もなくゲームをさせて殺すのも理不尽極まりない。
このように、彼のやることは常に筋が通っていなくて、理不尽なのだ。
何の思想信条もない(ように見える)ジェイソンが理不尽に人を殺しても違和感はないが、生の意味は~とか理屈こねくり回してるジグソウが理不尽な殺戮をやっちゃイカンだろ。