15.ナチが悪い、戦争が悪いというよりも人間が生きるということの根源を「見せられた」感じ。シュピルマンって何をするわけでもなくて、必然・偶然で生きてるだけで、最初は「えー、これでいいわけ」って思うんだけど、人間ってよく考えるとそんなもん。生きるってそんなもん。生かされてるのよね、私達。その辺が恐いほど良く出ている作品。ナチの将校の前でピアノを弾くシーンはピアニストとしての「性(さが)」に鳥肌。「弾きたい」という願望よりも弾くために生まれてきたシュピルマン、生死なんて関係ない。そこにはシュピルマンとピアノだけの世界…。一歩間違えばつまらない反戦映画になりがちな材料をここまで描いたポランスキーに脱帽。減量とピアノの特訓に耐えたブロディ君に脱帽。 【もっちー・Ⅰ】さん 9点(2003-03-28 04:25:54) |
14.実際にユダヤ人であるロマン・ポランスキーのこの映画にかける思いが物凄く伝わりました。銃殺されるシーンとかも本当に残酷で賛否がありそうですが、彼は戦争の〝真実"というものを伝えたかったのではないでしょうか?だからアレはアレでいいと思いますね。役者の方ではエイドリアン・ブロンディの徹底的なリアルな演技なうえ、シュピルマンの魂が乗り移ったかのような素晴らしいピアノ演奏が圧巻。目を見張るほどである。あと不思議な事が1つ。それは彼が弾く曲はどんなに明るい曲を弾いてても、何か切なさや悲しさを感じてしまうということ。理由は分からない・・・分かるものではないかもしれない。こういう点はジョン・レノンの曲に似てるなあ。ではレヴューは『独裁者』のチャップリンの演説で終ろうと思います・・・・・・「私は独裁者にはなりたくない。支配もしたくない。出来れば援助したい。ユダヤ人も黒人も白人も人類はお互いに助け合うべきである。他人の幸福を念願してこそ生きるべきである。お互いを憎しみあってはいけない。人生は自由で楽しいはずである。貧欲は人類を毒し、憎悪は憎悪をもたらし、悲劇と流血を招く。思想だけがあって感情が無い人間はダメである。知識よりも思いやりが必要である。思いやりがなければ暴力だけが残る。愛を知らぬ者だけが憎しみ合うのだ・・・人生はもっともっと美しいものである。」彼のこの言葉が脳裏から消えることなどないだろう。 【ピルグリム】さん 9点(2003-03-24 22:17:10) |
13.話としては映画なんだから、ある程度は面白い展開になるようには作ってあると思いますが、面白さ云々以前に、この事実を現代に伝えるためにもこの映画は必要だとおオもいます。 【JACK】さん 9点(2003-03-20 23:57:32) |
12.ドイツ兵がユダヤ人を銃殺するシーンは、人の死のあっけなさを感じさせられました。まるでゲームを楽しんでいるかのごとく、ただユダヤ人というだけで・・・。主人公の、自分だけが助かればいいんだ、的な考えには疑問が残り、あの将校を助けてあげて欲しかったという悔いの残る映画になりました。 【洋ちゃん】さん 9点(2003-03-13 01:25:18) |
11.逃げて隠れる期間ってどんなものだったのかな・・。見ているだけでも胸がつまりそうでした。最後のエンドロールのピアノ演奏終わったあと心の中では大きな拍手をしちゃった・・。 【こゆ】さん 9点(2003-03-03 00:13:00) |
10.人間はあんなにも簡単に残酷になれるものなのか。人間を人間として扱わない行為を正視できなかった。主人公が生き延びたのが唯一の救いだった。見ている際中は腹が立って仕方なかったけど、生涯記憶に残る作品となるだろう。 【YYC】さん 9点(2003-03-01 11:37:06) |
9.ちょっと最初の方は見てるのがきつかった。特に車椅子の老人が窓から落とされるシーン。・・・もうアゼンだった。主人公の家族が叫んじゃうのも無理ない・・。他にも見てて辛いシーンが、いくつもあった。でもシュピルマンのピアノの演奏はホントによかった。この話が実話だということがスゴイ。よかったです。 【ふー】さん 9点(2003-02-28 23:40:52) |
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8.ヨーロッパに住んでるので、あのむごさと緊張感は正視できなかった。実際のヨーロッパにも緊張感が残ってるし。実話でなければ、主人公だけが生き残る設定はどうかと思っただろうけど、なまじ住んでるだけに構成がどうとか言える気分じゃなかった。ラストのピアノはほっとした・・・音調にシュピルマンの怒りと悲しみの気持ちが出てた。当時のドイツ人は他民族に感情があることさえ知らなかっただろうから、「いいぞ!やれやれ」と思って見てた。 【げこげこ】さん 9点(2003-02-27 08:40:40) |
7.胸が痛い・・・。戦争をありのままに描いているからか、「ここが泣ける!」というシーンが特にないので観たあとしばらくは消化不良な感じでした。シュピルマンがやっと手に入れた缶を開けるシーンは、「あ~もう!下に置いてから開けれぃ!」と思ってしまいました。 【どーもちゃん】さん 9点(2003-02-27 00:21:45) |
6.今の自分がとてもとても情けなくなる。ユダヤ人の方に対してもドイツ人の方にもこの映画の主人公にも。自分のこの先を前向きに考えさせてくれる映画でした。でも、日本のみなさん、杉原千畝さんが行った事も今後の日本を支えてくれる若者の為にみんなに知らせてあげないとあきませんね。 【ぽちょむきん】さん 9点(2003-02-25 04:00:00) |
5.同じナチのユダヤ人虐殺をテーマにした「シンドラーのリスト」は、もっと暗く、凄惨であったがこの映画は、家族、友人、抵抗組織により重点を置き、その視点からのナチとユダヤ人問題を取り上げました。その分わかりやすかったし、この問題の恐ろしさがより一層身近に感じられた。ピアノという芸術を味付けにして、見る映画としても面白くしていたと思います。テレビCMでおすぎが、感動しました、感動しましたとわめいているので、そういうのに限って、案外つまらないものだったりしますが、この映画に限ってはそんなことはありませんでした。 【野ばら】さん 9点(2003-02-24 12:07:18) |
4.素晴らしい映画だった。同じ人間でありながら、戦時においては、こんなにも残虐、非情になれるのかとショックを受けた。見終わった後は気が重かったが、心に残る1本になった。 【DNBT】さん 9点(2003-02-23 13:06:11) |
3. 平和で幸福な日常生活がある日突然失われてしまう事の恐怖をひしひしと感じました。住む国と家があり食べ物にも着る物にも不自由せず、愛する家族や友人が元気に生活している。当たり前でごく普通の生活だと思っていたけどそれがいかに尊い物であるかを実感出来ました。 派手なアクションや高度なCGで映画の中で描かれる戦争がエンターテイメント化されつつあるイメージがありますが、実際の戦争はこんなにも苛酷な物なんだと考えさせられます。 ストーリー後半からナチスの手を逃れつつも食料探しに奔走する主人公の姿が印象的でした。 【t2r】さん 9点(2003-02-20 17:58:26) |
2.ただ悲しいだけでなく、とてもリアルに描かれていていろんな思いが伝わってきた。 【みゆき】さん 9点(2003-02-19 17:03:54) |
1.好き嫌いは、分かれる。特に、若い人には、嫌いという意見が多く出るかもしれない。主人公は、ナチスの迫害に果敢に立ち向かうわけでもないし、地下運動で地道な抵抗を続けるわけでもなく、収容所での過酷な労働に耐え忍ぶわけでもない。彼の才能を知る人々によって、窮地を脱し、自身の無力に涙し、飢えと虚無感に絶望しながら、ただひたすら、息を殺し、食料を漁り、逃げ惑い、隠れ住むだけである。ただ、それが、痛い。痛ましいまでに、人間の、生きることへの自我を曝け出していて、痛い。そして、彼の自我を支えていたのは、ピアノを弾くこと。廃墟になった病院の中、朦朧とした意識の中でも、あるはずのないピアノを弾いていた姿は、胸に迫る。そんな一方で、生きることへの自我を支えていたはずのピアノを前にしても、缶詰を離そうとしない姿、ドイツ将校の差し入れた食料を泣きながら食べる姿は、哀れなまでの極限を描いている。「神に感謝をすればいい」。その才能によって人々に助けられ、生き延びた彼に出来ることは、ピアノを弾くことだけ。本作を観ながら、やはり戦争は嫌だなぁと、思う。被害者になることよりも、自分や自分の家族の為に、もしかしたら自分こそが無意識に弱者を踏み躙る加害者になるかもしれない可能性が、嫌だ。好き嫌いは、分かれると思う。それでも、大掛かりな仕掛けもなく撮られた本作は、当時のポーランドを扱った映画としては渾身の一作であり、エイドリアン・ブロディの演技は、秀逸である。ただ、一人の視点から描いた作品だけに、もうひと押しという部分は、ある。 【由布】さん 9点(2003-02-18 22:27:55) |