3.メロメロのメロドラマ風ストーリーに、青春モノっぽいストレートな音楽、何ちゅう甘っちょろい映画だ、うはははは・・・・とは笑えなかった私。いや、良かったですよ。確かに正直言って、そんなによくできた映画というわけではないかもしれません。不必要に音楽が多いのがどうも安っぽい印象を招いており、ストーリーも飛び飛びの回想シーンが中心で、人物関係があまり深くは描かれない。でもね、この壮絶なビルの炎上シーン、そして職業として命がけの危険に赴く消防士たちの姿を見ると、やっぱりタマラン気持ちになっちゃうんだな。『タワーリング・インフェルノ』などでも、何度観ても、最初の方で消防士が瓦礫の下敷きになるシーンで泣けてしまう。なぜ、他人の起こした火災のために彼ら消防士は危険に身を曝し、時にはその犠牲とならねばならぬのか? 本作はより日常に直結した話である分、特にそういう思いを強くさせられます。過去の有名な火災映画、『タワーリング・インフェルノ』『シティ・オン・ファイア』『バックドラフト』にはストーリー上の憎まれ役がいましたが、本作にはそのような人はいません。ただ、命がけの仕事を職業に選んだ人々の姿だけがそこにあります。時には思わぬ事故で仲間が犠牲になり、時には危機に陥ったところを仲間に救われる。もう無条件で感動してしまいます。まあ要するに私、災厄に立ち向かう人々の姿に弱いんですな。だからその辺は差っぴいといてください(ちょっと誉めすぎたかもしれない・・・)。あと最後に、主役のホアキン・フェニックスも魅力的でしたが、何と言ってもジョン・トラヴォルタ、入魂の演技という感じで、とにかくシビレました。