6.映画の中で流れる音楽には、映画内の人物が聞こえる音楽とスクリーンを見つめる観客にしか聞こえない音楽の2通りがあると思う。「めがね」において、前者は光石研や市川実日子が弾くマンドリンとメルシー体操の時に流れるピアノの2つだけだろう多分。マンドリンの方はまあいいとして、どうにも引っかかるのはピアノの音楽である。というのも、体操のシーンでピアノは一度も登場しないし、そのピアノの音楽を流すラジカセ的な機具も、やっぱり登場しないからである。確かにあの海辺に黒々したピアノをドーンと構えるのは勇気の要る事だし、外部からの情報を出力する装置の存在は、いつだってユートピア崩壊の引き金である(携帯もテレビもパソコンも、ここではなんの効力も持ってはいけない)。ユートピアを成立させる為には、その存在自体が矛盾である事を認識しつつ、それでもその存在が確かである事に全身全霊を懸けなければならない。そこまでいかなくとも最低、見かけ上だけでも立派な偽装が必要だろう。ピアノ音の中途半端な使用は、ユートピアの原則に反すると思われた。また、冒頭の空港のシーンであえて空港の名を隠しているのだが、そのあまりに安易な発想による場所の無名性の発露からしてやはり偽装は上手くいってないと思う。でもまあ、市川実日子はやはり才能がありますよ、ツンデレの。 【Qfwfq】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-10-29 22:06:02) |
5.かもめ食堂よりもストーリーは無いので、観る人によっては飽きるかも。私はこういう雰囲気好きなので、「旅する気持ちで」観れました。本当に劇的な展開もなく淡々と進むのですが、なぜかエンディングの大貫さんの歌声で涙がこぼれてしまいました。映画観て泣いたのは久しぶりかも・・・。きっと自分でも理解できていない、自分の心のどこかの部分に響く映画だったのかなぁ。最近は技術の向上とともに、映像化不可能だったシーンがどんどん映像化されちゃって、それはそれでいいんだけれども、観る側に想像をさせる余地がなくて、だからこういう、大して語らない映画は貴重なのかも。 【ラジェンドラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-10-19 20:49:33) |
4.《ネタバレ》 つまり日テレ「すいか」ですよね。光石研をフォローするためだけに観に行きました、あしからず。なお、薬師丸はよかったよ。彼女が主宰してる宗教もどきなら2~3日体験してもいいかな、って気持ちになりました。そうそう、ちょっと長すぎ。劇場なら我慢できるけど、おうちでDVDだと何回PAUSEするかな? 【shintax】さん [映画館(邦画)] 5点(2007-10-05 22:46:35) |
3.私はヨモギこと加瀬亮さんのファンなわけですが、それを加味したとしても、かもめ食堂の方が好きでした。雰囲気が作りこまれすぎているというか…。街中の小奇麗なカフェで、ゆっくり読書を楽しむような、そんなナチュラルを装った人為的なオシャレ感が漂っています。嫌いとまではいわないけれど。やはりはいりさんのような外しアイテムがないとリアリティーないってことかな~。 【よーちー】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-10-03 04:08:19) |
2.残酷な映画でした。何しろ、私は映画館で映画を見る前には決して飲食しないで臨むのですが、朝から飲まず食わずの午後2時過ぎに、あれだけ美味しそうなものをばーくばく食べまくる映画を見せられちゃ・・・。さて、それはともかくやっぱり残酷な映画。だって、この映画の世界はとても安らぐ世界だけれども、ずっとそこに居たいと思うけれども、現実にはどこにも存在しない、し得ない世界。登場人物ひとりひとりがリアリティのカケラも持たずに存分にたそがれられて、だけどこちら側の人間はあんな風にたそがれる事は絶対に無理、って判ってるから、だから残酷。逆説的に、たそがれシステムに組み込まれてるだけなのでは?なんて意地悪な事を考えたりもしますが、ここは物流やら金銭すら見えて来ない世界ですから、心地良く組み込まれますわなぁ。映画館を出て、冷たい雨のハチ公前、人で溢れ停滞する流れの中で、顔面や首に傘をぶち当てられ、無理矢理突進してきたお姉さんに押されながら、これが現実、と苦笑するしかない私ではありました。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-09-30 18:06:42) |
1.映画館でこれほど生唾が出たことはありません(笑)。 【ジマイマ】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-09-27 20:15:56) |