125.《ネタバレ》 テレビ塔でゴジラに襲われるまで実況中継をする見上げた職業魂に感動。芹沢博士はあの研究をどんなふうに平和利用出来ると考えていたんだろう。どう見ても兵器としか考えられない発明なのだが・・・ところでゴジラって肺呼吸、それともエラ呼吸?爬虫類っぽいところをみると肺呼吸だと思うが、その割には長い時間潜ってられるなあ・・・音楽は名曲。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-08-09 23:39:40) |
124.《ネタバレ》 日本映画界に燦然と君臨する金字塔的本作だが、あまり良くできた作品とはいえない。全体にメリハリの無いいきあたりばったりのストーリー展開。特に芹沢の“科学者としての良心”という最大の葛藤はゴジラがゴジラであることと直接関係無いのは致命的欠陥だ。折角ゴジラという魅力的なキャラクターを創造しておきながら、肝心のドラマがそれを生かしきっていないのだ。あれでは芹沢が特攻に追い込まれる要因を作るのがたまたまゴジラだっただけで、強大な敵なら米軍でもムー帝国人でもなんでも代替え可能ではないか。ほとんど意味のない三角関係を持ち出すところにもそこらへんの見識の無さが現れている(個人的には山根博士の心情「ゴジラを殺したくない」にテーマを絞ってドラマ作りをすれば良かったのではないかと思う)。他にもドラマパートの凡庸なカメラワーク、及び宝田氏と河内嬢のあまりにも一本調子な演技には閉口してしまう。たしかに特撮シーンは素晴らしい。その点は多くの論者によって語り尽くされているとおり。しかしこの手の作品に期待させるカタルシスが、ドラマの練り込み不足とタメのないぬら~っとした構成のせいで台無しになっている。古い作品ということは言い訳ににならない。なんと言っても1954年には「七人の侍」が公開されているのだ。それでもゴジラが世界的名声を勝ち得たのは、ひとえにそのキャラクター性の強さによるものだ。そしてそのキャラクター性に決定的な貢献をしているのは、あの咆吼を設計した音楽の伊福部昭氏の独創性だと思う。あれこそがこそがゴジラをこの世ならざる、生物を超えた存在と感じさせる最大の要因ではないか。海外で作られた怪物映画の声の凡庸さをみるにつけ、伊福部氏の存在の大きさを感じないわけにはいかない。 【皮マン】さん [地上波(邦画)] 5点(2009-12-10 00:51:35) (良:2票)(笑:1票) |
123.ゴジラ映画は何作もあるけど、この作品と他の作品は明らかに違っている印象を受ける。おそらく、第2作目からこの作品の手段であったものが、目的になってしまったことが大きな要因なんだろうな。つまり、架空の怪獣を登場させることで表現しようとした、戦争による悲惨な過去の反省と核兵器の拡大による不安な未来への警告が、他の作品にはない重々しい雰囲気を出しているんだけど、手段であった架空の怪獣のリアルな表現が2作目からは目的になってしまったんだな。そこが決定的に違っている。ハリウッド作のものも例外ではない。特殊技術が優れていたことが災いしたのかもしれない。ところで、顔のごつごつが似ているというので松井をゴジラと言っているが、かわいそうだろう。顔は本人ではどうしようもない。どっちかと言ったら親の責任か。まあ、でも似ているな、確かに。 【もがみとくない】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-11-18 23:29:59) |
《改行表示》122.《ネタバレ》 ゴジラのDVDが980円で買えるなんて夢のようです! 某社さま、特撮映画DVDコレクションを発売していただき、ありがとうございます。 ゴジラ、いまさら見ました。ゴジラ初体験の初心者です。 しかしなんだか、「本物」を見てしまった気分です。 オープニングの音楽から迫ってくるような迫力が感じられます。 このゴジラのテーマ音楽は有名すぎて、大したことのない適当なCMとか番組で使われ過ぎているので、この素晴らしい名曲の印象を下げてしまっているような気がします。 でもオリジナルで聴くと、迫力や説得力が違います。 怪獣ゴジラが迫力あるばかりでなく、物語も面白いです。 重いメッセージ性のようなものも感じられて良いです。 「ゴジラ=子供向け」とかいう認識は僕の間違ったものでした。 この作品などのゴジラは恐怖感があり、ホラー色も少々感じられます。 しかしそれが新しくなるにつれて恐怖感が蔑ろにされているのかもしれません。 僕の「ゴジラ=子供向け」という印象はその為だと思います。 勝手な印象を抱いてしまいすみません。 乙女達の合唱がヘコむなぁ。 今回ゴジラを見て、ゴジラという怪獣の「本物の恐怖」を見てしまったその強烈な印象に、今までの甘い認識を改めました。 いや、ゴジラ初心者の自分がいきなり大口叩いてると、ここの皆様からボカボカ叩かれて「出て行け!」とサイトから追い出されそうですね。 まだまだゴジラ初心者なんですが、この某社発行の週刊「東宝特撮映画DVDコレクション」を買って少しずつ勉強していきたいと考えております。 マタンゴも発売されるんですかね? 【ゴシックヘッド】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-10-23 02:52:14) |
《改行表示》121.「あの頃の俺は凄かった、俺の登場で世界中が恐怖でおののいたんだ。 高圧電線もミサイルも放射能の苦しみに比べれば蚊に刺されたようなものだ、この苦しみを与えた人間どもの復讐に燃え、ひたすら街を破壊続けたんだ。どんなに女子供が命乞いしようがおかまいなしに踏みつぶした。 しかし、まさか数年後に赤塚不二夫先生のシェーをしたり、命がけで人間たちを守り、その上緑色の可愛い縫いぐるみにされようとは・・・・・。 あの時国会議事堂を壊したのに、キャラメルのネオン看板はスポンサーだから壊せなかったと噂があるがそんな事はない、キャラメルは歯にくっ付いて取れなくなるから嫌いだ。 最後になるが河内桃子の初めて俺を見た時の悲鳴は萠たぜ」 【ゴジラ談】 もしよければ僕の描いたイラストを見て下さい。http://www016.upp.so-net.ne.jp/konekoneko-dou/image278.jpg 【こねこねこ】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-10-17 10:11:54) |
《改行表示》120.《ネタバレ》 某990円のDVDを買い視聴(数年前に一見済)。 あらためてそのおもしろさに脱帽です。 山の頂のむこうからあらわれる巨体の迫力。 手前に逃げる群衆、その向こうでは街を破壊しつつ迫り来るゴジラの脅威。 あるいは足元を逃げ惑う人々を写しその大きさと恐怖を演出、 1作目にしてここまで描くのはさすがといえます。 そして何人か書かれている方がいますが、なにより怖いのがその目線。 ゴジラが人間を襲っているということです。 またガイガーカウンターに反応する幼子の描写などは端的な表現ながら、 ゴジラが放射能から生まれた怪物であることがうかがい知れるインパクトのあるシーンでした。 芹沢博士はその風貌からずっとマッドサイエンテイストだと思ってました。 しかし水爆以上の脅威となりかねない発明オキシジェン・デストロイヤーの使用を決めたとき、 悪用を恐れ研究書類を処分、のみならず自らもゴジラとともに消滅させていきました。 その潔く高潔な姿に目がうるうると…見た目だけで人のことはわからないなあと思った瞬間でした。 テレビ塔の撮影班の愚かで勇気あるプロ根性には(心の中で)笑わせてもらいました。 予備知識もなく見れた人は幸せだろうなあと思える作品です。 【映かったー】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-10-07 07:41:23) |
119.《ネタバレ》 芹沢博士のキャラクター設定に疑問。世の中に対して諦観、屈託のあるニヒリスト。元恋人らに説得されるわけではなく、自らの意志で最終兵器の使用を決断する。研究の痕跡は、誰にいうでもなく抹消する。あらかじめ自死するようなことを匂わせず、事故であったかのように、ゴジラとともに海に身を沈める。のちに、彼の研究室に残された遺書から、彼の脳内の設計図を消すための行為であったことを周囲の者は知る。 【なたね】さん [ビデオ(邦画)] 4点(2009-09-22 00:18:12) |
《改行表示》118.《ネタバレ》 ゴジラVSビオランテとかを見た流れで、大元のゴジラも見てみようかなっと軽い気持ちで見たけど、凄い映画だった。 モノクロ映像がキツイかと思ったが、逆に細部が見えないのがリアルで恐怖心をあおる。 ゴジラ公開当時の日本は、終戦直後でまだ戦争の記憶も新しい。 アメリカからの原爆をリアルタイムに受けた人物が込めた反戦メッセージだけに説得力が強い。 モンスターパニック物のエンターテイメント映画に、ここまで強烈にメッセージ性が乗せる物なのかと脱帽。 本編中、科学者の芹沢が科学技術を戦争で使われないようにする為、自らも命を絶つという 流れは、昨今の映画の流れからすると考えなくい物だが、この映画が生まれた経緯を考えると 納得がいく。 映画にメッセージ性を込めるとは、キャラクターの決断に信念があり その行動の意味を考える、という事なんだと実感。 【六爺】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-08-01 23:56:05) |
117.すごくまじめな映画だ。日本映画史にのこる作品といわれるだけのことはある。特撮はチャチだが、脚本、カメラアングルなど、完全に大人向けの映画。演技、台詞回しなどにやや時代は感じるが、当時の映画は名作でもこんな感じだろう。特撮部分以外の自衛隊の映像に本物を使ってる部分もあるし、海上保安庁の協力も得ているし、災害の恐怖を真っ向から描いてるし、と、ドラマとして大作を作ろうという製作者の熱意が感じられる。この初代ゴジラを見る限り、怪獣=娯楽、B級という図式では決してない。 【nobo7】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-07-23 01:38:11) |
【Michael.K】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2009-03-08 22:35:48) |
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115.《ネタバレ》 ただ単純に怪獣が首都圏を暴れまくるだけなんですが、そこで苦悩する人間描写が良い映画です。セットは古臭いけどそれ以上にリアリティを感じます。ヒロインの山根恵美子が、実は一番鬼畜だと思いました。人間のエゴというのは、恵美子さんのように簡単に美化することが可能なんですね。 【VNTS】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-02-17 18:32:09) |
《改行表示》114.特撮映画は、子供向け映画という印象を持っていたので、超有名な作品ながら、今回やっと観る運びとなった。 ところがところが、スタッフからして超一流ではないか! 超一流のスタッフたちが、大人の真剣味を見せて創り上げた力作だった。 ただし、恐竜が口からジェット噴射するってのは、苦笑いさせられた。 あれはないだろう・・・ それにしてもいいネ! “オキシデン(ト)・デストロイヤー”。 水中の酸素を壊滅させ、全ての生物を骨と化してしまう最終兵器“オキシデン・デストロイヤー”! 音楽も突出して素晴らしいのは言うまでもないが、この最終兵器のネーミングセンスが良い。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-02-15 08:18:26) |
113.《ネタバレ》 賞賛の言葉はキリが無いので、あえて気になる点から。 主役の尾形は登場場面は多いが、そのほとんどが傍観者としてであり、自ら物語に絡むのが芹沢博士と揉み合って怪我をするシ-ンのみなので、自分は感情移入することが出来なかった。 むしろ物語を動かしているのは恵美子なので、こちらを主人公にした方がよかったのでは? そのほうが芹沢博士の心情が際立つ気がする。 と、愚痴ってしまったが、円谷特撮には見るたびに鳥肌が立つ。 ゴジラ上陸までのプロセスもうまい。 それに...(キリが無い!!) 【KAZY】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-02-11 15:25:19) |
《改行表示》112.この映画の中で戦争があまりにも身近だったことに驚きました。公開年を考えれば当然なのかもしれませんが、それでも近年の戦争映画よりも戦争の匂いが漂っていたように思います(もちろん私は戦争を経験してないのであくまで想像ですが)。リアルタイムで観てみたかったです。 それから私、子供のころから特撮や怪獣映画をほとんど観なかったせいか、ゴジラが高熱ガス?を吹くシーンに年甲斐も無く「かっけぇ~!」と鳥肌立てちゃいました。 【Trunk】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-01-11 13:44:57) |
111.《ネタバレ》 大傑作です。とにかくゴジラが怖い。特撮も白黒が功を奏し迫力満点。運良く、劇場で見ることができました。80年代前半だったと思います。どういうわけか武田鉄矢主演「ヨーロッパ特急」との併映でした。60年代以後のファミリー向け「ゴジラ」しか知らなかった僕は、突然予備知識なく本作品を見てかなりびびりました。怪獣というより、原爆を題材にした映画。終わった後、重苦しい気分になりました。その後のシリーズとは完全に別物として考えたほうが良いですね。ちなみにその後に続いたファミリー向け路線も好きです。 【いさいさ】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-12-20 16:37:52) |
110.映画館で見ると、あの足音の迫力が違う。タイトルのときに、音楽にかぶせて非同調的にあのズシンズシンという足音と例の叫び声がはいり、この効果がすでに素晴らしい。東京湾の遊覧船が襲われるときもこのズシンは聞こえ、現実の足音というよりも、もっと象徴的な響きなのかもしれない。たとえば空襲のときの爆音の記憶とか(焼夷弾じゃああいう音はしないか)。避難する人たちに空襲の記憶が重なっていたのは間違いなく、ゴジラは戦争の不安の結晶であるが、また科学者の倫理という問題も当時は生々しかったのだろう。とりあえず戦争は過去のものになったが、核兵器の不安は現実のものだった(今だってさらに核が拡散しているのに、不安を感じる能力が現代人からは消えてしまっている)。科学者の責任は、目の前に突きつけられているテーマだったのだ。あと気のついたとこでは、ゴジラは国会議事堂から上野浅草をまわってるんだな。当時はまだあそこら辺のほうが、西側よりも壊しがいのあるメジャーな地域だったのだ。そして今見て際立つのがラストの厳粛さ、暴れ狂う怪獣を叩き伏せるのではなく、水中でやすらっているところを襲う。水面に一度苦悶のあがきが出て滅んでいく。酒で眠らされて退治されたヤマタノオロチのような怨霊性が、こんなところにも出ている。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-11-20 12:18:20) |
109.《ネタバレ》 志村喬が「七人の侍」で勘兵衛を演じた同じ年にこの映画は公開された。その志村喬が「私は見た、確かにジュラ紀の生物だ」と言った直後に山の峰の向かうから顔をのぞかせる異形の怪物。圧倒的なスケールに被さる巨大な咆哮。ゴジラの歴史が始まった瞬間だった。1954年と言えば、終戦から10年足らず。その時代背景を考えるとリアルタイムで観た人にはかなりショッキングな映画だっただろう。ゴジラ上陸によって、芝浦から上野にわたって焼け野原と化した東京湾岸は、戦争体験者には悪夢の繰り返しに映ったはず。さながら野戦病院の様相の混乱の中で、親を失くした子供が泣いているようなシーンはその後のゴジラ映画には無い。人間ドラマのパートもシリーズを通してこの作品が最もしっかり作られていると思う。偶然にも自分が発明してしまった兵器と一緒に命を絶つという発想は、当時の日本だからこそ出来たのではないかと思う。戦争はもとより、核兵器の量産や兵器開発競争への警鐘というテーマが色濃く出た名作。 【アンドレ・タカシ】さん [地上波(邦画)] 9点(2008-11-18 22:17:06) (良:2票) |
108.この映画(1954年)のドラマパートは撮影:玉井正夫、照明:石井長四郎、美術:中古智、録音:下永尚、といった具合に成瀬組の主要スタッフが担当している。『山の音』、『晩菊』、『浮雲』と続く成瀬巳喜男監督の絶頂期と同時期の仕事である。円谷特撮を前面に出した空想SF映画に迫真性を与えた重要な要素の一つが、成瀬組による優れたスタッフワークであるといえるだろう。成瀬作品の特長の一つが緻密な美術セットとロケーションとの自然な融合にあるように、本作ではさらに加えて特撮場面との違和感の無い融合に各部門が大きな貢献をしている。ローキーで統一した照明設計。その中で映える、終盤の救護所に差し込む外光の美しさ。あるいは芹沢博士の洋館の中で不気味に発光する水槽の禍々しさ。美術でいうなら、成瀬作品でもお馴染みの二間続きの日本間、路地、オフィスなどの精緻な生活空間や、大戸島での残骸家屋の見事な造形。録音でいうなら、オフ空間を活かした足音の効果音の見事さ等〃。ドラマ部分の日常空間づくりに貢献した撮影所技術スタッフの優れた仕事があってこそ生まれた迫真の怪獣映画であるといえる。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-10-11 19:10:44) |
107.しょぼいシーンはあるが、これほど大人の映画だとは思っていなかった。少し退屈するシーンもあったが、ゴジラの存在意義を考えるだけでも面白い。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-05-09 23:38:22) |
106.その後人気者になるとは到底考えられないほどゴジラは「怪獣」であり、核の化身であった。この映画は原爆を唯一落とされた国の悲痛なまでの叫びそのものだ。人が死に、街が破壊される描写をもって「反戦映画」とするなんて子供っぽい発想で終わらない。この映画は原爆を作った科学者たちをも許さぬと言っている。特撮もゴジラの造形もゴジラの鳴き声も、そしてゴジラのテーマもとんでもなく素晴らしいから「ゴジラ」がその後一人歩きしてゆくのだが、この第一作は作り手のメッセージというにはあまりに痛切な想いが詰まっていて、たぶんその強烈な思念が画面に漂っていて作品に風格をもたらしている。この異質ともいえる風格は、今後どんなに素晴らしいゴジラ映画が生まれてもけして真似のできない代物である。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-04-28 19:08:01) (良:2票) |