189.《ネタバレ》 ホラーの要素も入っていますので、
少したいくつしたときにいかがでしょうか。
はまる人ははまるという特定なファン向けの種類の作品を、
ここまで一般受けするように演出したのは成功。
ところでこの作品の見所は、
一番観やすいのがインタビュー役のスレーターの目で観る。
彼が観客役をしてもいるのでわかりやすいのです。
そして次がクルーズの役の目。
こちらは演技のしがいもあるおいしい役でもあり、
征服欲を下地にとにかくブラピに対する愛(きもいけど)で観ればいい。
・・最初この図式が受け付けなかったのですが、
ここを理解すれば同性愛を超えて哲学的な人間の生死まで考えられる。
次に理解したいのがダンストの目で観ること。
理解しやすそうに見えて実はややこしい。
私は久々に観てやっとわかりましたから。
命を奪ったのはブラピでさらに仲間に引き入れたのがトム・・
ところがダンストはブラピを憎めない。
なぜなんだろうか。
彼に人間を感じたことと彼女の血にはトムの血も入っている。
つまりはそこを考えるとかなりヤバイ映画になってしまう。
自分の中に嫌いな男がいてその血は誰を愛しているのか怖い(難解)
さてバンデラスの目といえば出番は少ないけれど、
こういう背景のルーツと未来がそこにあるので重要。
バンテラスを理解できれば一番難解なブラピの役も理解できる。
人間として命を終えたかったブラピは永遠の命を与えられる。
欲しくないのに与えられた永遠の命という矛盾は、
まさに悩める人間の苦悩とダンストとブラピの役は一致します。
バンデラスは時代を謳歌しながらも人間性を保ちたかった。
確率的に時代に流されながらも人間を捨てられないブラピは稀でした。
取りように見ればかなり難解な(どうにもならないことが)テーマを、
娯楽だけに走らず映画化できた作品だと思いました。