1.「ロード・オブ・ザ・リング」三部作の前日譚となる「ホビット 思いがけない冒険」を鑑賞したばかりだったので、この第一作目の“スペシャル・エクステンデッド・エディション”を久しぶりに鑑賞。
オリジナル版でも178分もあるのに、このバージョンに至っては劇場未公開の重要シーンが追加され上映時間は208分。長いことは確かだが、その時間を注ぐに相応しいエンターテイメントとしてのボリュームは備わっている。
劇場公開時の初見では、この映画世界のファンタジー感に今ひとつのめり込めなかったが、第二作目の「二つの塔」を観賞後にこのバージョンを観た時には、ストーリーのドラマ性が増し「やはり凄い映画だったんだ」と改めたことを思い出す。
そして、最新作の「思いがけない冒険」を観賞後に今作を再度観直してみると、更にこの物語の深みと面白味を堪能出来た。
ガンダルフやビルボの台詞を中心に、かつての冒険譚を踏まえた描写は数多く、そういったシーンが登場する度に「あのことか!」とアガる。
それは、前三部作も含めてこの稀代のファンタジー映画シリーズが、世界観の構築から人物描写に至るまで、骨太な物語の上に成り立っているということの証明だと思う。
「思いがけない冒険」については、初見では正直盛り上がりきれなかった部分もあったが、今作を鑑賞し直してみて、すべてのシリーズ作が一本の道で通じているということを感じることが出来たので、次作「スマウグの荒らし場」の期待は一転高まった。
一年後の公開までには、「ロード・オブ・ザ・リング」の残り二作の“スペシャル・エクステンデッド・エディション”も観ておきたい。