137.《ネタバレ》 初見。前半部分の事件の真相に一歩一歩近づく展開と、今西・吉村、両人の実直な人柄は原作通りで丹波・森田の意外な好演に驚きます。後半部分、重きを置いた親子の苦難の描写に、数年前のハンセン病訴訟控訴断念のニュースの際の原告のお一人が語られた「ようやく人間になれました」が思い浮かびます。 同じ風景でも悲しい時にはとても綺麗に見えます。流浪の親子を包む風景の美しさが残酷でした。 巡査の行為も誤った国策にたった上でのもので息子にとって善意だったのか。息子が隔離されてはならぬとの思いが言わせた「知らん」 陰険な用心深さで目標に突き進む者を肯定出来ませんが、そうさせた背景の人間ドラマが際立っている本作は原作以上の仕上がりでした。 |
136.《ネタバレ》 ◆癩病を発症したら「らい予防法」により療養所に強制収用となる。それがいやなら、妻と子を残し、自分が巡礼の旅に出ればいい。その前に妻はどうして子供を残して出て行ったのか?◆癩病といいながら、その症状がない。◆英良は小学校にも行かず。流れ流れて自転車屋の丁稚奉公。それが大学出て、クラッシックの天才作曲家、ピアニスト、指揮者。絶対無理!◆英良は育ての親なしで、大学まで出たの?◆子供の英良は何故父の元を訪ねなかったのか?療養所はすぐわかる。◆元巡査の三木は英良の子供時代しか知らないのに、成長した英良の写真を見ても何故本人とわかった?◆英良は三木から連絡があったとき、「人違い」と何故言わなかった。◆三木の手紙では、千代吉は子供に会いたい一心で生きてきた。なのに刑事が写真を見せても、知らないふりをするのは何故?殺人事件の容疑者とは知らない筈。◆殺人が無計画すぎ。急に殺意が芽生えたので、石で殺して、礫死にみせかける。殺人は計画的に。◆動機が薄い。父親に電話一本でもかけて事情を説明すればいいものを。◆英良の恋人の理恵子は、刑事が「電車からシャツを捨てた話」を聞きにきただけで、何故逃げたの?「人違い」で済む話。◆理恵子は血染めのシャツを何故電車から捨てた?◆理恵子は英良が人殺しであることを知っていたのか?◆英良のコンサートを聴いて「彼は今父親と会っている」と刑事が言うが、何故そんなことがわかる?◆英良は父が癩病患者であることを世間に知られるのを死ぬほど恐れたため、別人になった。殺人をしてまで秘密を守ろうとした。そこが伝わらない。砂の器のような殺害動機だ。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-10-23 03:48:40) |
135.最後のコンサートが始まるまではよかった。 原作を読んだばかりだったけど、 回想シーンがくどすぎるのがマイナス。 クラッシックにしたのもちょっと無理がある。 うまくまとまっていたが、ちょっと親子の話に ウェイトを置きすぎたのが残念。 それから、なぜナレーションではなく字幕にしたのかわからん。 |
134.古き良き時代の田園風景を巡るロードムービーと言ったらいいのだろうか、失われつつある日本の原風景がとても美しい。それを見るだけでも本作を観る価値があるだろう。 前半部分はサスペンスタッチではあるが、あまりサスペンスらしさが感じられない。 後半部分で印象的なのは、ピアノ協奏曲『宿命』に載せて、作曲者兼指揮者の和具の回想シーンだ。原作の小説では、絶対にできない演出だろう。この点では原作に勝っていると言える。 最近、千葉県知事に就任した森田健作(吉村刑事役)の若い頃を見ることができて、ある意味貴重か? 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-06-14 21:51:59) |
133.前半あれだけ捜査が行き詰っていたのに、後半主役刑事の語りでいつの間にか事件解決になる。展開が若干荒く感じてしまった。 後半のコンサートに合わせての回想シーン、映像と音楽の美しさ、元の題材が良いだけに少しもったいない気がした。 後半の映像はとても悲しく儚い雰囲気が充分に出ていた。 惜しい。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-02-28 06:29:27) |
132.《ネタバレ》 中居君のドラマを見て映画に期待してたんだけど、はっきり言ってドラマの方がずっと良かった。何でお世話になった警察官の人を殺さなければならないのかこの映画ではよくわからない。ハンセン病発覚で放浪の旅ってのもねぇ…いつの間にか有名な音楽家になってるってのもどうなんだろ。ドラマでは一応ピアニカをいつも抱えているという複線があったからね。そもそも父と子の絆の描き方が不充分である。全体的に雑な展開だと思った。 【イサオマン】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-01-07 20:49:39) |
131.なんとも重厚な刑事ドラマ。ロードムービー的土地画が上質。訴えかけるものはあるんだが、若干くどくて長いかと。中年丹波がかっこええっす。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-05-23 18:34:59) |
130.《ネタバレ》 後半の病気の描写は映画の中心要素だから仕方ないが、音楽を交えてお涙頂戴チックになっているのはあまり好まない。前半から中盤にかけてのサスペンスだけでも見応えがあったため、音楽シーンが長く、くどく感じた。そして、無駄に字幕が多い。無くてもわかる所は極力廃するべきだった。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-04-15 10:55:11) |
129.あの親子の苦労が、何とも言えない。刑事ものとしても、最高傑作である事は間違いない。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-03-16 22:57:54) |
128.《ネタバレ》 始まって約2時間、あまりに地味な捜査の積み重ねに、2回レンタルし、最後まで見れずに挫折、3回目にして、ついにこの映画を名作足らしめているであろう、コンサートシーンにたどり着いた。日本映画史に残る所以もうなずけました。ストーリーと音がこれだけシンクロしている映画は当時、画期的な挑戦であったろうと思います。映画的表現というものを堪能しました。脚本、編集、作曲をすりあわせる苦労は並大抵ではなかったでしょう。日本映画の先達たちに敬意を表してこの点数です。それにしても過酷な運命です。 【どっぐす】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-03-15 23:11:14) |
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127.『飢餓海峡』にも通じる一大戦後叙事詩といったところでしょうか。サスペンスという観点から見れば、犯人をたどっていく推理の部分が丁寧でよくできていた分、個人的には『飢餓海峡』よりこちらに軍配。なかでも演奏会と真相解明のそれぞれのシーンが同時進行していくラストの怒濤の展開には圧倒されました。回想シーンが若干くどい気もしますが、特に大きな減点要因にはならず、結果この点数。 【とかげ12号】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-03-15 20:27:31) |
126.何故、一般的に本作の評価が高いのか最後までわからなかった。 野村芳太郎自体との相性も悪いかも。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 4点(2007-10-13 00:21:03) |
125.今回初めての鑑賞。原作は数年前に読み、ドラマ版は見ていません。 演技は素晴らしく、キャストも豪華なんだけど、やはり原作には劣ると感じました。 やはり、映像は原作には勝てないのか? 【T橋.COM】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-08-07 01:21:58) |
124.ドラマを見た後に本を読み映画館で見ました。 ドラマと映画はやはり違うが同じなのは ないように劣らずにあの音楽『宿命』も素晴らしいということ。 【甘口おすぎ】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-04-08 20:28:24) |
123.公開当時、私は8歳。母に連れられて(一人で留守番させられないという理由だけだろうけど。)見に行きました。当時の私には映画の内容などわかるはずありませんが、となりの母が、鼻水が滝のように流れても気にとめず、大声で嗚咽していた姿があまりにも強烈、恐怖すら覚えるほどだったことをよく覚えています。30年以上経って、私も年だけはとりました。この映画もあらためて見直しました。当時の母のように恐ろしい形相で泣くほどでもありませんが、加藤嘉氏の「わしゃぁ知らん!」は一生忘れられない名場面。ちょっとだけ泣きました。 |
122.《ネタバレ》 あれほど辛い別れをして会いたいと思っているのかなと思いきや、殺人を犯してまで会うことを拒むのは過去との決別、新しい人生という事以外にハンセン氏病のせいもあるのだろうか?ハンセン氏病の知識があればもっとよかったかも。 【srprayer】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-02-26 06:56:26) |
121.最後の15分にすべてがつまっている。音楽と親子の映像。やはり、父と子は引き離されてはいけなかったのだな。みんながいい演技をしている。前半と後半の雰囲気の変わり方が、フロムダスクティルドーン並みに違う。観て良かったと思える映画。 【Michael.K】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-02-25 15:04:10) |
120.《ネタバレ》 日本人であれば見ておくべき作品です。 前半のサスペンスもなかなか面白く仕上がっており、それだけでも一本の映画に出来そうなのにあの後半はすごい。ほとんどサイレントの回想シーン。僕は泣きはしなかったが心に来るものは確実にあった。 ただ、もうちょっと後半を長めにしたほうが良かったんじゃないかな。そっちがメッセージの主体だし。まあこれ以上ストレートに描くと発禁だったんだろうけど、当時は。 ってか、パッケージの隅に書いてある「一部不適切な表現が~」って、この映画見て不適切と思う人はいるのかねぇ。こういうのを表面だけの言葉狩りというのだろうな。 【θ】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-01-29 23:34:20) |
119.《ネタバレ》 泣ければいいってもんでもないでしょうが、さすがにこれは泣きました。加藤嘉のあの腹の底から搾り出すような慟哭シーンには胸を揺さぶられます。一件の地味な殺人事件から人の抱える業、日本社会の暗部が浮き上がってくるプロットは見事の一言。終盤の音楽とともに犯人の過去、刑事たちの捜査をつなげてみせる演出もほんとうに上手かった。久しぶりにとても見応えのある、重厚な人間ドラマを観た気がします。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-22 23:24:25) |
118.わたしは男性の俳優さんが、台詞の無い役でここまで人を泣かせてくれた映画を他にたった1本しか知らないんですけど、この映画で加藤嘉が見せてくれたこの芝居を超えられる人が何人いるか、ああ日本の演劇界って馬鹿にしたものじゃないんだなという気が本当にしました。後半出ずっぱりですがほとんど台詞ないんですよね。74年というとハリウッドは大作ブームで、日本映画はダメだダメだと言われていて、黒澤だけが大作を撮ってたみたいなイメージがありますが、決して天才肌とは言えない野村芳太郎だからこそ、松本清張の言っても言っても言い足りない部分が汲み取れてしまうというのか、このキャストにこのスタッフでなければ出来ない日本人ならではの粘り強い映画になったと思います。泣いて泣いて、加藤嘉という俳優が日本映画に残してくれたものに感謝しましょう。こんな凄い俳優の、こんな凄い演技が見られる映画はたぶん一生のうち何本も無いです。「ショーシャンクの空に」なんかで泣いてる場合ではないと思います。なんかどさくさにまぎれて、森田健作と並べて見て改めて丹波哲郎の凄さもわかりました。そういう意味では、森田健作の起用も無駄ではなかったかも知れません。 【anemone】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-12-28 03:46:52) |