1.面白くない。
序盤あたりまで見た時は、主人公がバンパイアの力を活かして事業で成功し、没落した一族を再興させる、というような展開になるのかと思って、期待して見ていたがそうはならず、物語はどんどんどうでもいい方向へ。
結局、魔女との戦いが主軸の映画。その魔女も主人公に色々しかけてるくるものの、主人公のことが好き、という設定のため、魔女に対して「こいつをこらしめてやりたい!」というような気持ちになれない。よって、非常に単純ではあるが、物語におけるひとつの王道パターン「敵がむかつく→戦う→倒す→スカッと爽快」のような勧善懲悪的な楽しみは全くない。かといって愛憎劇が楽しめるかというとそうでもなく、ドラマ性は希薄で、ただただドタバタやってる感じ。
元々がテレビドラマ作品ということもあって、あまり必要性を感じない登場人物も多く、シナリオにスマートさが欠ける。
ちょっとした笑いを随所に入れていて、笑えなくもないが、及第点にはとどかない。
その笑いも作品の雰囲気がダークなだけに「ブラックジョーク」のように思えるが、案外普通のギャグだらけ。例えば、200年間眠っていた主人公が世相に疎いために生じる齟齬を笑いにしているのが多いが、当然それはブラックジョークじゃない。もちろんブラックジョークが普通の笑いよりいいと言うつもりはない。ただ、それを期待して観に行くとガッカリするかも。あと、1970年代流行の音楽を知らないと意味がわからない笑いもいくつかある。
ジョニーデップがいつものように奇抜なメイクとともに変なキャラを演じているのでジョニーデップ好きなら楽しめるかもしれない(もしくはアリス・クーパー好きも)が、そうでないなら見る価値はあまりない。見終わった後に何も残らない作品。