29.《ネタバレ》 至極当たり前の事だが、「ノーランはノーランで有って、決してスピルバーグでは無い」のだと感じた。 私にとっての戦争映画No.1は、スピルバーグの「プライベート・ライアン」。 ここまで書けばお判りかと思うが、本作は私には物足りなかった。 「一風変わった描き方の戦争映画」と言う個性は充分に感じられたし、 鑑賞して損をしたなどとは微塵も思っていない。 しかしながら、私にとってはあっさりし過ぎていた。 「戦争映画」と言うジャンルに何を求めるのか? これにより本作の評価は大きく変わるだろう。 極個人的な意見だが、ノーラン監督には史実の映画化では無くもっとフィクションを撮って頂きたい。 「ダークナイト・ライジング」「インターステラー」のラストシーンで感じた「これぞカタルシス!」と言う思いを、 別の作品で是非もう一度味わってみたいのだ。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 6点(2017-09-22 12:46:19) |
28.《ネタバレ》 この映画には、括弧付きのリアリティと偽りの体験しか存在しない。 執拗に水面に置かれたカメラ、兵士の顔を映すクローズアップや主観的視点。緩急もなく、ひたすら意味ありげに鳴り続ける重低音と音が大きければ迫力があると言いたげな音響。CGに頼らない映像。ヒーローになる事はない名もなき兵士達。 あらゆるものが”リアリティ”という言葉を盾に、これ見よがしに主張し合う。 しかしそのどれもが、映画の画面から飛び出して来る事はない、表面的で小手先のリアリティ。 そもそも、少なすぎる戦闘機の数、観客のカタルシスを満たすが為に示し合わせたように一斉に集う小型船、エンジン停止した戦闘機が不時着する間に寸前までいた砂浜の兵士達がいきなり全員いなくなる、戦場なのにゴア表現が一切ないなど、映画内のリアリティラインすら滅茶苦茶。 体験という視点においてカメラは水面に水中に銃撃戦に度々置かれる。しかし、いざ人が溺れる瞬間、撃たれる瞬間、カットは変わり”カメラ=観客の視点”は直ぐにその場から逃げる。観客は痛さも苦しさも味わう事はない。観客は第三者として、特権的な立場を保ったまま、決して当事者になる事はない。 観客は陸海空を何にも縛られもせず、時制をも超越して自由に動き回る事ができる。そこにはリアリティも究極の体験(あるのは必ず安全圏が確保されている、アトラクションのような体験)も決してない。映画の最後まで、スクリーンと観客の距離が縮まる事はない。 そして、驚くようなショットも表現もない。 インターステラーを観た時も思ったが、この監督は、決められた映画という枠の中で、深く見られがちな主題の皮を被り、メロドラマを軸として、驚きも色気も危うさもない演出と映像で真面目な映画を作る監督なんだろうと思った。 余談だが、ボルトン中佐が怪訝な顔をして空を仰ぐ→カットが変わって敵機が迫り来るという度々繰り返される演出は、鈍重でしかない。 空戦の場面もカットを細かく割り、クローズアップ、主観、引きのショット、別場面を織り交ぜるので緊迫感に欠け、構図が分かりにくい。 【ちゃじじ】さん [映画館(字幕)] 5点(2017-09-22 12:17:02) (良:2票) |
27.《ネタバレ》 初めてMX4Dなるもので観た。いちいち水しぶきを顔に吹きかけ息ができなくなったり、銃撃時には背中を突かれて、何だオレ撃たれてるの?って感じたり。なかなか面白い体験感だが、(当たり前だが)映画なので視点が突然変わっったりするので感覚が突然切り替わるのが不思議。 などと言いながらも、取り残された浜から祖国へ帰り生き延びる事のみを徹底して描いたこの映画には、ふさわしい体験型鑑賞だったのかもしれない。 物語的な部分では、徴用された民間の小型船の親子の話が、ちょっと感動的でよい。どちらかというと、そっちの大勢の船乗りたちの物語をもっと見たかったとも思う。それと、最後一機になるまで戦った戦闘機乗りの話。 なんだ?結局作戦を遂行した人たちの活躍が見たかったのじゃないか。製作者側の意図とは真っ向から反するかもしれないけど。 【Tolbie】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-09-21 10:48:08) |
26.《ネタバレ》 IMAXにて鑑賞。IMAX撮影されたノーラン作品は、IMAXで鑑賞するのが正しい見方ですね。 戦争映画は群像劇と結びつきやすい素材である上に、監督は幾重にも重なる物語を描き続けてきたクリストファー・ノーランだけに、現場や司令部を横断的に描く重厚な作品になるのかと思いきや、なんと話らしい話がないという意表を突いた作風となっています。本作はノーラン版『マッドマックス/怒りのデスロード』とでも言うべき内容なのですが、「ある地点からある地点へ移動する」という単純なストーリーに見せ場をてんこ盛りにした『怒りのデスロード』と同様に、本作も「救助を待つ兵士」「救助に向かう船」「敵を排除する戦闘機」という極めて単純な図式にまで各構成要素を落とし込んだ上で、冒頭からエンドクレジットまで絶え間なく見せ場が続くという男っとこ前な作風となっています。 しかしそこはノーラン、ただ単純な物語を描くのではなく、陸での1週間・海での1日・空での1時間を交互に見せ、ラストですべてのタイムラインを合流させるという恐ろしく難しいことをやっており、相変わらずその構成力には驚かされます。さらには、タランティーノ辺りみたいに「どうどう、凄いでしょ?」というこれ見よがしな見せ方ではなく、こういう難しい芸当をサラっとやってのけてみせるんですね。この余裕に巨匠の貫禄を見ました。 また、戦場での友情とか、個々の兵士の物語や、生きて帰らねばならない背景といった、戦争映画にありがちなドラマ要素がほぼ排除されているという点も、本作の特色となっているのですが、かといって感動的な要素がないというわけでもなく、目の前の描写の積み重ねのみできちっと感情的な山場を作れています。チャーチルの演説が引用されるラストはさすがに甘々すぎやしないかと思いましたが、それでも「良い映画を見たなぁ」という余韻を残してくれます。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-09-20 10:50:02) (良:3票) |
25.《ネタバレ》 先日IMAXにて2度目の鑑賞を決行。 1回目の鑑賞後は只々音響と映像に圧倒された。 一週間、一日間、一時間と異なる時間枠を平行に並べるコンセプトは面白いが、 一回の鑑賞ではどうにも見落としてしまう部分が多くあった。 でもこの映画にはそれを吹き飛ばすエキサイト的要素と映像美があった。 2度目の鑑賞ではストーリーもぜんぶ把握でき、 尚且つIMAXの環境でこの映画の最大限のポテンシャルを経験することが出来た。 その一方で気になったのが、ストーリーのシンプルさだ。 今までノーランは絶妙に難解なストーリーを組み立ててきた。 今回も上記のような時間のトリックを活用しているが、 大枠のストーリーはあまりにもシンプルで 2回目の鑑賞ではどうにも味っけなく感じてしまった。 ノーランの次回作に期待だ。 1回目鑑賞10点→2回目鑑賞6点 総評8点 なんだかジェットコースターのような映画だった。 二回目の搭乗ではどこで落ちるか、どこでカーブするかわかっており、 残念ながらこのアトラクションの楽しさは半減した。 【鈴木】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-09-19 21:56:11) |
24.《ネタバレ》 ドンパチするだけが戦争じゃないと感じさせられる作品。ただ期待値が高かっただけに肩透かしをくらった感があるが、それでも面白い。 【ぷるとっぷ】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-09-18 16:20:29) |
23.一人一人が故郷を思い、お互いを想い、戦争を生き抜く。それだけです。丁寧につくられた良作です。 戦争映画なのに、派手な戦闘シーンも血なまぐさいシーンも、ありません。 戦争の大局は描かれていないですが、この作品はそれを伝えたかったわけではないと私は思っています。 CGもなく、淡々と流れるストーリーなのに、疲れるほどの緊迫感を演出できるのはさすがと言えるでしょう。頭を殴られるような、胃が痛くなるような衝撃はありませんが、心の奥から、ジワジワとくる感情の揺れがあります。名前も出自もよくわからない登場人物の想いに、目頭が熱くなります。 新しい戦争映画の描き方を見せてくれた監督に敬意を評します。 【うらわっこ】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-09-18 14:09:08) |
22.《ネタバレ》 バットマンのクリストファーノーラン監督作品で、前評判が高かったため期待して見に行きました。結果からいうと、ややつまらない映画でした。 良い点 ・音響は素晴らしいと思います。 悪い点 ・兵士たちの時間(1週間)、民間人の時間(1日)、パイロットの時間(1時間)を編集の妙で同時並行で進めていきますが、結構分かりにくいです。結局船が何隻沈められたのか、途中で分からなくなりますし、兵士の顔と名前も覚えきれません。 ・軍の船だけでは足りず民間船が助けに来る、本来であればカタルシスな場面があるのですが、これが映像的にショボいです。とても30万人も運べたようには思えません。 ・ずっと緊迫感のあるBGMが流れていますので、メリハリがなく、気を抜けず疲れます。 感想 ダンケルクの歴史的背景を知らないと、あまり入り込めないかもしれません。 最初の「時間編集」に気が付かないと、何が何だか分からなくなりますので注意が必要です。 【RForest】さん [映画館(字幕)] 5点(2017-09-18 02:46:36) |
21.《ネタバレ》 ストーリーの欠如が映画を単なる映像にしている。スクリーン全体に展開される映像の数々はノーランらしく見入るものがある。しかし、そこに感情移入できる物語はなく、映画の世界に入ることのないまま終わってしまう。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 5点(2017-09-17 19:46:11) |
20.《ネタバレ》 大好きなノーラン監督に期待していただけにがっかりだった。 インセプションやインターステラーのようなエモーショナルな物語を期待していたが、 ストーリーと呼べるだけのものがなかった。 人物ごとに時間の経過を組み替えているのも、わかりずらいだけで、効果をあげているとは思えない。 30万人救出という大きな作戦であったが、そのスケールも感じることができなかった。 CGをできるだけ使わず、実写にこだわったのはノーラン監督らしい。 ※普通のシネコンで見たのだが、スクリーンの上下左右に黒帯(濃いグレー)が表示されており、 せっかく大きいスクリーンで見ようと思ったのに、気になって映画に集中できなかった。 劇場に聞いたところ、IMAX仕様で撮影したものなので、正しいそうだ。 スクリーンマスクをかけるとかズームで上映するとか何とかしてもらいたいものだ。 【puta-pp】さん [映画館(字幕)] 5点(2017-09-17 17:50:53) |
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19.《ネタバレ》 まずはさすがにノーラン、全編にわたる緊張感と迫力はかなりのもの。その手腕で撤退戦全体を描けば壮大な映画になっていたと思うのだが、描かれるのはごくごく一部の人たちだけのなんともスケールの小さな映画。1週間・1日・1時間とストーリごとに時間を区切っているのも、ほぼ何の役にも立たず、むしろ全体が1時間程度の出来事かと錯覚してしまい、スケールの小ささを助長している。生に執着し自分勝手な行動をとる人々を描くのはとても人間臭くてよいのだが、最後の英雄表現との整合性がとれておらず違和感を感じる。思い返すと残念な点ばかりが目立つ、いろいろな演出がことごとく失敗に終わった作品。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 6点(2017-09-17 00:26:49) |
18.《ネタバレ》 CGではなく実機を使ったという海上の空戦シーンは迫力があり、映像的にも綺麗でよかったと思います。また艦船沈没シーンもリアルで、水没の恐怖感もとてもよくでていたと思います。ただし大撤退作戦の海岸は遺棄物資やら何やらでもっとゴシャゴシャじゃないんでしょうか?映っていた兵士数も少なかったですし、資材や車両もいかにも「映画の道具として配置しました」という感じでリアリティに欠けているように感じられました。あと、基本ずーっと撤退作戦の最中の行動を追っており、同じような音楽もなりっぱなしで、個々の場面は凝っていても緩急感やタメがなく、作品全体としてのまとまったインパクトを薄めてしまっていると感じました。 ストーリーは史実の作戦中での陸、海、空3つの現場の人々のエピソードを絡めて描いていますが、台詞も少なく、ドラマとしての凝った筋書きはほとんどありません。結局のところ最後のチャーチルの言葉で〆ているのであれば、パイロットから民間、銃後まで色々な立場の人々がお国のために困難な中で自己犠牲を尽くし、英国の勝利に繋がりました、という話であり、戦勝国ならではの作品だなあと思いましたね。 【クリプトポネ】さん [映画館(字幕)] 4点(2017-09-17 00:18:30) |
17.《ネタバレ》 スピットファイヤー三機の働きで、30万の兵士が助けられたり戦争が勝てるなどというほどあまいものではないんだぞ(元ネタわかるかなw) といいたくなるくらい戦局の全体像がわからない映画。 【rhforever】さん [映画館(邦画)] 5点(2017-09-14 18:11:53) |
16.《ネタバレ》 うーん、ノーラン監督は大好きですが、予告編等の内容を観た結果、若干期待できないような形で映画館に足を運びましたがやはりこれはあまり頂けませんでした。インセプションやインターステラーでめっちゃ効果的に使われていた音楽がこの映画では終始流れ続けてむしろ若干物語の邪魔してるくらいに思ってしまうこともありました。また、ノーラン監督のこれまでの映画ではまさに現実離れした設定(1時間が地球の7年とか)やビジュアル(町が折りたたまれるとか)によって、日常生活では味わえない世界をスクリーンを通して体感するという壮大なエンターテインメントという良さがあったのに、この映画からはそれがありませんでした。途中、何度か寝落ちしそうになったぐらいです。。。ただ一点思ったのが、戦争映画ではよく出てくる戦闘機ですが、1機が空を舞うだけで地上にいる人たちにとって如何に恐怖なのかはこの映画を観てよく分かりました。 【珈琲時間】さん [映画館(字幕)] 6点(2017-09-14 08:32:21) (良:1票) |
15.《ネタバレ》 ノーランの新作ということで鑑賞。率直に言うと、面白いとも言えないしつまらない訳でもない、微妙な出来。今回の映画はセリフの少ない「体験型映画」な造りをしている(最初の町中から海岸へ出た時のシーンなんかは、アルフォンソキュアロンの如く観客を映像内の世界へ招き入れる見事な演出!)ので、インセプションやインターステラーのようなものを期待していると肩透かしを食らうと思う。音楽と編集で緊張感のある息苦しいシーンが繰り返し繰り返し展開され、一難去ってまた一難なシチュエーションが単調で退屈。観ていて飽きてくるし、振り返ってみればそんなに音楽で煽りまくるほどの窮地じゃないやん…と思うシーンも多々ある。 見所はCGではなく「本物」を使った迫力のあるリアルな映像や音響と、それぞれの場所を1週間、1日、1時間と時間軸を工夫した編集の妙、それらに面白さを見出だせればいくらか楽しめるのだろうと思う…IMAXでも4DXでもない普通のシネコンで鑑賞したのが良くなかったのかもしれない……。当時はどのような心理的状況で人々が戦争をしていたか、というのが登場人物の言動で読み取れる部分もあるが、何しろ説明不足過ぎたり、各登場人物のミクロな視点(それもイギリス側のみ)の集積でしか情報が得られないため、救出作戦の大規模さが見えず、最後に33万人も救出したとか言われても「えっ!そうなの…へー…」としかならない。 とにかく色んな意味で観ていてしんどい映画だった。 【eureka】さん [映画館(字幕)] 5点(2017-09-14 02:13:11) (良:1票) |
14.《ネタバレ》 キャスティングの際に、監督クリストファー・ノーラン(N)とマーク・ライランス(R)、トム・ハーディ(H)の間にこんな会話があったのではないかと推測。 N「やあ、マーク。今度の私の新作に出てくれないか?君にぜひ演じてもらいたいピッタリの役があるんだ」R「へえ、どんな役だね?」N「国のために命を賭けることを厭わない信念の人さ。自分の使命を果たすためには、たとえ家族が犠牲になろうとも、涙一つ見せない気骨のある親父を演じてもらいたいんだよ」R「・・・なんだか、この前演じたスパイ役と寸分違わないキャラクターに聞こえるんだが・・・」N「だから言ったろ。君にピッタリだって」 N「やあ、トム。また次も私の新作に出てくれよ。君にピッタリの役があるんだ。今度は、ダークナイトとは違って、完全にヒーローの役だよ」H「へえ、どんな役なんだい?」N「窮地に陥った友軍を救うために孤軍奮闘する、英国空軍のエースパイロットさ」H「おお、いいねえ!・・・(脚本を読んで)・・・なんだよ。最初から最後までコクピットで座っているだけかい。おまけにずっとマスクをかぶりっぱなしじゃないか!」N「だから言ったろ。君にピッタリだって。また今度も、眼だけで語ってくれよ。期待してるよ!」 【Northwood】さん [映画館(字幕)] 6点(2017-09-14 00:38:59) |
13.「インターステラー」の時もそうだったけど、やたら荘厳で重厚な音楽が終始流れ続けている為、何気ない描写、奥から味方と思しき兵士が近づいてくるだけという何気ないカットでも、もしかしてこいつ裏切って銃乱射したりしないよな?っていう不安が常に付き纏い、終始一貫して気の休まる暇がなかった。しかも、うるさすぎて逆に戦闘描写の邪魔だと感じるところなんかもややあったりして、たまには無音でもいいのにと思ったりなんかしました。映像面ではやっぱり迫力があったので、かなりの没入感でした。体験型の戦争映画ですね。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-09-12 23:34:55) (良:1票) |
12.《ネタバレ》 明らかにアンリ・ヴェルヌイユ版のオープニングを踏まえたのだろう ビラの舞い落ちる街を進むトラッキングのショットから、構図は奥行きを意識し、 そこに描写されるのは誤射も飛び交う敵味方不明の銃弾、爆撃の恐怖である。 ビーチに突っ伏した主人公を手前に、画面奥から順々に着弾・爆発していくショットなどはなかなかの緊迫感だ。 が、担架を運び桟橋を渡って船に乗り込もうとするシーンなどで距離感やタイムリミットの提示に難があるのは毎度の事である。 あるいはこの距離感と計時感覚の失調こそがねらいかもしれないが。 三者それぞれの状況を音響などをブリッジさせることでクロスカットさせていくわけだが、 曇天・晴天、日の傾きまで編集で徹底出来ないなかでの時間軸の帳尻合わせは単に無謀である。 シーンの緊張を途切れさせて散漫にしている箇所も数知れない。 また評判の良いハンス・ジマーの劇伴だが、ほぼ全編というのもやり過ぎ。 サスペンスを阻害し、民間船舶集結シーンのヒロイズム煽情も過剰に思える。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2017-09-12 20:42:20) |
11.《ネタバレ》 生きていればいい。 戦争映画というとプライベートライアンのようなドロドロでグチャグチャなイメージで見に行くのもどうも億劫になる。 だけどこの作品は見たことも無い空気を描き出している。 ひと気の無い街から始まり、砂浜に並ぶ人の列、無数の人、水平線上にポツンとある飛行機。戦争という状況下ながら目に映る映像はどこか乾いて空気が流れており、淡々としている。絵画的にも見えるから不思議だ。 そして本作は最近の映画ではありがちな人体破壊描写はおろか、血すら一部を除いてほとんど写らない。しかし本作の溢れ出る迫力、音楽、臨場感は決して劣ることなく、逆に研ぎ澄まされた映像を体験できる。 ストーリーの構成は三つの視点で描かれているが時間の流れが違うので若干わかりにくさがありました。 また一つ一つの話にケレン味のあるドラマはあまり無く、ありのままの事実のような作りが逆に映像と非常にマッチしていたと思います。 戦争映画という僕的にはあまり惹かれないジャンルでしたがノーラン監督は今までの戦争映画にはない新しい世界を見せてくれました。 とにかくIMAXで観て本当に良かったです。 【えすえふ】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-09-12 02:10:25) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 「ダンケルクの戦い」については、なんの予備知識もなく鑑賞。銃弾や爆撃のリアルな描写と終始不穏なBGMのなか最初から最後まで気の抜けない緊張感のある展開で、正直疲れた。。いつものC・ノーラン作品とは一味違った作風。やはり戦争はやっちゃいけない、といった凡庸な感想ですが、実感したところであります。 【kaaaz】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-09-11 19:49:46) |