8.妻が好き夫が好き子供が好き母が好き父が好き兄が好き妹が好き同僚が好き絵が好き人間が好き・・・孤独の連帯があり、絶望に希望がある。ひとはひとを大切に想う。「そうしなければならない」からではなく、「好き」だから。これから何人のひとを好きになれるのだろう。カナオや翔子のようになれるだろうか。 |
7.悲しくて、悲しくて、その瞬間には見えなくても、自分を見守り続けてくれる人が確かにいる。そんな存在のいる翔子をうらやましくも思い、変わらずそんな存在であり続けるカナオのようにもなりたいと思いました。 淡々と続いていくストーリーが、カナオと翔子の人物像を逆に浮き立たせていたと思います。心に響きました。 【abbey】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-01-01 00:28:59) |
6.最初は長回しも多くちょっとダレ気味に感じましたが、出産を間近に控え幸せそうだった二人の人生が一転(ここのシーンの編集の仕方凄ぇ…)するあたりから急に面白くなってきました。嵐の夜にカナオが翔子に告白したことは、きっと第三者(法廷画家)として他人の人生を見つめ続けた結果に得たひとつの答えだったのだと思います。久々にずっしりくるいい映画でしたけど、裁判のシーンの一部があまりに生々しいため(特に最後のヤツ)、二度は観たくないです。 【とかげ12号】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-10-26 17:54:21) |
5.《ネタバレ》 鬱病に掛かっている人が知り合いであった事があるので、個人的には非常に刺激的な一本でした。リリー・フランキーの嫁を演じる木村多恵の演技が素晴らしかったです。子どもが流れてしまってからの情緒不安定な演技には「この人ホントに鬱病に掛かってるんじゃないか?」と思ってしまうほどでした。ふとした時にみせる目の泳ぎとかが凄くリアル。それがあるから序盤で不器用ながらも仲睦まじい夫婦を見た後に訪れる不幸の様子は観ていて非常に心が痛みました。まあだからこそ終盤の幸せが素晴らしいものと感じる訳ですが。 無口な画家を演じるリリー・フランキーも好演していたと思います。彼の持つ何処かフワフワした空気が役にピッタリでした。 この物語は正直言って誰にでも訪れる不幸を描いているので、私たち観客に直に苦しみが伝わってくる。しかしその不幸の時に自分の愛する相手とどう向き合うのか、その相手もどうやってその不幸を乗り越えるのか教えてくれる。すごく優しさに満ちた映画だと思います。そういう悩みを抱えている人にこそ是非観てほしいです。 序盤や終盤に時々入る不必要(と言うと怒られそうですが……)なカットが無ければもっと評価が上がったかも。でも時々入る不必要な会話はとても面白かった。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-03 01:14:31) |
4.《ネタバレ》 映画は救いだと、ある監督が言いました。この作品はまさに救いであり、希望だと思います。何事にも真面目に取り組む頑張り屋の翔子とだらしなく見える法廷画家のカナオ。皆そうなんだろうけど、頑張りすぎるとネジが外れて、崩れてしまいます。苦しいときに苦しいと言えず、悲しいときに悲しいと言えない、そのあまりにも急過ぎる時間の流れの中で、翔子はまるで溺れないようにもがいているように見えました。そんな疲労や苦痛が積もりに積もってしまった翔子は、崩れてしまったのだと思いました。だけど、そんな中でも、翔子のそばにいたカナオはどんな時も目を逸らさず、逃げず、抱きしめ、受け入れようとしているように見えました。現代社会には、人それぞれ異なった人生を歩み、それぞれの事情を背負っているのが当たり前なのに、その抱えているものも見ようともせずに頭ごなしに否定する人々や結果だけ見て、全てを判断してしまう人々、そして生きることは答え合わせではないはずなのに、間違いを恐れ、思い込みに捕らわれ、頭でっかちで凝り固まった考えしかできない人々など、それはもうたくさんの人がいます。それらの常識と呼ばれる凝り固まった考えに橋口監督は「二十才の微熱」の頃から疑問符を投げかけ続けているように思います。その橋口監督の考え方は、簡単に言えば他者への感心や尊重だと思います。ラストのカナオの台詞にも「人、人、人」とありますが、社会は人の集まりなのでそこから逃れることも目を逸らすこともできないのですが、それでも社会は他者への興味、関心、尊重が薄く感じられます。そんな世界で、橋口監督が描いたカナオという人物の、まわりの人間に関心と尊重をしっかり持つ姿勢にはすごく感動しました。法廷であろうと、妻に対してであろうと、ご近所さんであろうと、道を歩くあかの他人にであろうと、彼は関心を持ち、他人を尊重していたように思います。それは理想でしかないのかもしれませんが、僕はあのカナオの姿を目指したいと思えました。 【ボビー】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-08-13 19:12:47) (良:3票) |
3.はっきりとしたストーリーがあるわけでなく、フワッとしたりズシっとしたり、なんと評していいか判らない掴みどころのない映画です。140分と長尺でワンシーンワンシーンが長まわしで穏やかなのに、ちっとも退屈だと思わされないのは、ボーっとしてるようで包み込むような優しさを持つリリーさんと、独特な存在感を持つ木村多江の二人から発される自然で重みのある言葉と雰囲気に魅了されていたからかもしれません。 主演二人の絡みは中盤極端に少なくなり、心情や状況もはっきりと説明されずもやもやしながら、二人の会話のシーンを心待ちにしてしまいました。 理解できないのが人間なのだ、というセリフとしっかりと整合されている作り方に感心しました。なんか凄いと思うんです、この映画。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-06-27 11:49:59) |
2.《ネタバレ》 長い映画だった。長回しが長すぎて、リリー・フランキーの飄々さがマイナスに働いてダレた感がする。被告人のゲスト的な役者陣は楽しかったが、あんなに法廷シーンが必要だろうか?一々入るテロップも、監督がこの映画(主役)を時事に合わせて観せたいのかな?とも思ったが、いらないだろう。名古屋城で名古屋ってのもちょっと・・・。ヒロイン役の方が個人的に生理的に合わなかったのもあるけれど、もっと二人に的を絞ったコンパクトな映画であってほしかったな、と感じました。 【じふぶき】さん [映画館(邦画)] 5点(2008-06-25 18:07:21) |
1.《ネタバレ》 細々と靴修理を仕事としている夫・カナオと小さな出版社で働く妻・翔子。二人は美術学校で知り合って結婚した夫婦。あるとき、カナオは法廷画家の仕事を紹介され仕事を変え、翔子は妊娠するも中絶し・・という話。 特段、幸せもなく訪れもしない夫婦のごく日常的な生活。実際にありがちな夫婦と周辺事情を見せる話なのですが、紹介された法廷画家という仕事はかなりに特殊。。各テレビ局専属の法廷画家がいて、法廷での実在事件をパロディにしたような裁判判決シーンのいくつの中で被告人の絵を描いていく。詰め所では法廷画家同士の奇妙なコミュニティがある。そういう裏事情には興味深いものがありましたが、そのほかのシチュエーションはあまり見所はなかったですね。 あさうさう、翔子がカナオを半強制的に床に入るよう説得するシーンは笑えましたけどね^^; 【尻軽娘♪】さん [映画館(邦画)] 3点(2008-05-17 22:47:43) |