335.さすがは日本映画界の最高峰だけあって、本当に凄い映画でした。本物にしか見えないオープンセットと俳優達の迫力、アクションのみならず男の友情・ラブストーリー・コメディに階級闘争までがパンパンに詰め込まれた異常なまでの情報量と、それらをひとつの物語にまとめてみせた脚本の素晴らしさ。映画のあらゆる要素が網羅された奇跡的な作品であり、傑作の中の傑作であることは間違いないと思います。 ただし、本作のようなマスターピースは後世にて徹底的に研究され、模倣され尽くしているために、鮮度はめちゃくちゃに落ちています。特にスピルバーグは『ジョーズ』や『プライベート・ライアン』など「チームを結成してミッションを遂行する」という本作のアップグレード版を多数制作していることから、それらの後発作品を見てしまうと、どうしても本作のインパクトは落ちてしまいます。 また、七人という人数が集団アクションにおいては適正な数字とは思えなかったことも、ちょっと気になりました。二つのグループの橋渡し役とコメディリリーフは通常一本化されるし、リーダーの女房役と参謀役も一本化されることが多いのですが、本作ではそれぞれを別のキャラクターにしていることから、菊千代と平八、五郎兵衛と七郎次のポジションが重複しているように感じました。 さらに、敵である野武士の描写がスッパリと切り捨てられており、思考も感情もなくただ飛び込んでくるだけの存在になってしまっている点も、てんこ盛りにされた他の構成要素と比較すると味気なく感じられました。村に一騎ずつ誘い込んで徐々に兵力を切り崩していくという主人公側の作戦に引っ掛かり続ける様などは、もうちょっと何とかならなかったのでしょうか。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-11-15 23:56:59) |
334.村での雨の中、馬を使っての決戦シーンは迫力! 菊千代が、決戦のときに、刀を数本地面に刺すところはお気に入り。 三船敏郎が、用心棒、椿三十郎とは違う、ひょうきんなキャラクターだったが、 相変わらずかっこいい! 【へまち】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-08-20 02:08:00) |
333.セリフが聞き取りにくかったけどデジタルリマスターではなかったのか。浪人や農民たちの喜怒哀楽はそれなりに伝わってくるけど、それぞれ役を演じるというより演じさせられているような印象。惹かれあう若侍と百姓娘の姿も深みがない。60年以上も前の大作でストーリーはすごく面白いけど、響くものがあまりないので物足りない。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-04-28 22:20:45) |
332.《ネタバレ》 7人各々に個性はあったが、描き方が中途半端だったかな。7人はちょっと多い。5人ぐらいでじっくり個性を描いた方がよかったかも。あとは村人も多数登場するので、苦手な群像劇みたいになってしまって思ったほどではなかった。ちょっと期待しすぎたか。勘兵衛には貫禄と安定感があってよかったが、菊千代は苦手なタイプでイマイチ好きになれなかった。あとは、あんだけ狭い村で勝四郎と志乃がデキてる事を知らないってのもねえ。攻める野武士の方も頭悪いというかもうちょっと考えろよって気もするし。いろいろと粗ははある。ただし、歴史的視点としては戦国時代の野武士・落ち武者・浪人と侍との関係というのは気にした事がなかったし、全国アチコチで似たような事があったのかなと想像するにはよかったかも。 |
331.何度も見たくなるこの歴史的傑作を、今回初めて映画館で鑑賞した。野上照代女史をして「これ黒澤さんに見せたかったな。」と言わしめた4kリマスター。平日の朝だと言うのに映画館は混んでいた。長尺映画には珍しく、後半よりも前半の方が短く感じる作品。未熟な自分には未だに消化しきれていない部分があるが、今後自身の成長とともに真に理解できる時が来る事を期待しつつ、きっとまた観るだろう。それにしても三船敏郎が美しすぎる。 |
330.なかなかよくできた歴史ファンタジー 200マイルも稼げたし、3時間越えの長丁場も少しも退屈に感じなかったのでまあいいでしょう。 時代考証(戦国時代の娘が「傷物にされた」だけは思わず失笑しました、周りの方失礼)、戦術面での適当さについては多くの方が神聖視している作品を、野暮な突っ込みであげつらうのは子供じみていると思うので控えます。最低限の物語世界内の整合性はとれていたと思うし。 津島恵子って随分綺麗な女優さんだったんですね、見とれました。あと久蔵がかっこ良かったな 【rhforever】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-10-09 04:50:57) |
329.《ネタバレ》 「荒野の七人」の基になった作品だがやはりモノクロだしフィルムも雑で見難い・・・内容的には濃いが 如何せん時代が古過ぎで十数年後にカラー版の再編を作っても良かっただろう・・・それと配役が 三船以外はどう見ても侍ではなくて、坊さんや文士、百姓が似合うみたいな連中ばかりで人選ミスの傾向がある 私が監督ならば無名でも侍に合う役者を選択したがね・・・なので私は辛口の3点にしました。 【マロウ】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-11-29 04:49:33) |
328.《ネタバレ》 語るまでもない、邦画史上における最高傑作だが、敢えて不満点を挙げるならば、侍と村娘の恋物語のシーンは不要。 村が助かったら侍に目もくれず~の展開は素晴らしかったが、たかが村娘が侍に恋をした挙げ句に、「いくじなし」などという台詞は吐かんでしょう。 久蔵のイライラも、村娘に現を抜かす不甲斐ない姿に嫌気が刺してのものでしょう。あれは視聴側もイライラがあるので、削って2時間30分にでもしていただきたかった。 史実では侍は総じて同性愛者なのだが、近代映画ではどうしてもタブー視されるので、尚更、村娘に現を抜かしてしまうシーンに違和感が強く残る。 【カムイ】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-11-28 22:14:32) |
327.《ネタバレ》 非の打ち所が全くない脚本には敬服します。シーンの流れや登場人物の言動に全く違和感がない。一つ一つのセリフが重いですよ!観客に「なんだこれ?なんでだろ?」と一切思わせることなく話が進むので、3時間超えの作品とは思えないほど疲れない。どんな映画を観ても鑑賞後には疲労感が残ってしまう軟弱野郎なんですが、本作ではまったく…。すげえな。ヒーリング効果か! 話は侍探し、戦の準備、戦の三幕構成になっていて、それぞれに見せ場がしっかりとある。脇役だと思っていた人物がしっかり仕事をするなど、無駄の無さが目立ちます。なんというか、歴史ゲームの楽しさが詰まっているというか。人材集めに苦労しながらなんとか人数を集めて、百姓の統率を取るのに苦労しながら準備をして、そして大迫力の戦へと繋がる流れは、丁寧にプレーを進める信長の野望そのもの。弱小大名プレーの楽しさを映画で見せられた感じです。それでいて登場人物は全員がキャラ立ちしているからね!ゲームの何倍も面白いんだ。映画と区別がつかないゲームが話題になる昨今、ゲームが「面白さ」の点でどうしても映画を超えられないことを54年の映画が証明していたのです。 俳優の演技もまた素晴らしい!俳優と百姓たちの演技は置いておくとして、虜になったのが津島恵子と島村雪子の顔!島村雪子の出演シーンは1分も無かったと思いますが、3人の侍が覗き見する(観客が映画を通して人の顔を見るのと同じ行為である)時のドキドキの高まり方がケタ違いでした。火事に一瞬驚きを見せるも不敵に笑ってみせる。利吉が目の前に現れて驚き、燃え盛る小屋に戻る時の表情。後に明かされる事実も相まって、非情に印象に残る素晴らしいシーンを作り上げています。津島恵子のセクシーさも…あんな後ろ姿を見せられたら、そりゃ父親も普通じゃいられないよね。男にしてでも奪われたくないと思っても仕方がない。リアリティのある行動ですよ。 もう本当にすごい映画でした。本作より凄い映画に出会うことが果たしてあるかどうか? 【カニばさみ】さん [映画館(邦画)] 10点(2015-06-01 00:00:58) |
326.《ネタバレ》 オープニング、音楽、モノクローム、「クロサワ」の世界観がどっぷり浸かれる。 今更だが世界の映画監督が影響を受るのはわかるし、重量感ありました。 しかし、七人の侍の死が報われない感たっぷりなのは私だけ? |
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325.《ネタバレ》 DVDをレンタルして鑑賞したのですが、百姓のセリフが何も聞き取れません。 音質が非常に悪いうえに、方言なのかな?さっぱり聞き取れないです。 それと、刀を刺す(というか体にくっつけた)だけで、パタッと死ぬのが非常に安っぽい印象。 しかも、死ぬときは全員苦しまずに同じように、パタッて倒れるだけ。 しかしながら、個性あふれる侍に良質なストーリーと、十分楽しめる内容でした。 久蔵は、かっこ良いですね。憧れます。 聞き取れる音質で、もう一度観てみたいです。 |
324.《ネタバレ》 様々な映画の要素を真っ暗な部屋にある鍋の中にドバドバッと放り込み、ぐつぐつ長時間煮込んで電気を点けたら凄いのが出来ていました、という作品ではないと思います。 3人の凄腕の料理人がレシピを書き、その中の1人の天才が最高のシェフを集め、最高の厨房で最高の食材と最高の調理器具を使い、たっぷり時間を掛けて完成させた最高の大衆料理の様な作品だと思います。 時は戦国時代です。槍一本、己の武勲で素浪人から一国一城の主にも成れるようなジャパニーズサムライドリームの真っ只中で「ゴハン奢るから、野武士やっつけて」って言われても断られるのは当然です。ハイリスクウルトラローリターンです。 しかし、何時の世にも実利を選ばない奇異な人は居ます。20億円以上のオファーを蹴って4億円の年俸に応えるプロ野球のピッチャーのように…。 難航する侍集めをおざなりにせずに、時間を掛けて描くことにより、当時の世相や百姓が侍を雇うことが如何に無謀な事であるかを理解させてくれますし、それぞれの侍のキャラクターの説明や、彼等の個々の行動の説得力にも繋がります。 また、後半の怒涛の乱戦での決して大団円といかない結末に対する濃厚な前フリとも言える巧妙なプロットになっているとも思えますし、これらをサラッと描いていたら底の浅い作品になっていたと思います。 私にとって最高の作品のひとつですが、完璧なそれでは有りません。粗はあります。古さも感じます。しかし、それらを軽く凌駕する高揚感だったり、突き抜けたカッコ良さや、感情をジャイアントスイングされるようなダイナミックさがあります。 要因として特筆すべきは三船敏郎さんの演技力です(勿論、他にも沢山の要因は有りますが、書いていたらきりが無いので…)。 まさに水を得た魚のようにフレームの中を縦横無尽に動きまわり、台詞も何を言っているか聞き取れないほど吠えまくります。 また、彼が劇中で見せる豊かな表情や子供達を相手にしての演技などは、彼自身の人間的魅力とも感じさせられます。 しかし、彼がどんなに全力で演技をしても、決して画面からは窮屈さは感じません。三船敏郎さんの激情を伴った演技を、勢いそのままに映画に昇華させる黒澤監督の懐の深さは、孫悟空とお釈迦様の関係のように感じました。 本作のスタッフやキャストの方々へ、「七人の侍」を作って頂きありがとうございました。 【しってるねこのち】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-04-12 12:35:53) |
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322.《ネタバレ》 邦画史上最高レベルの傑作と言っても過言ではないだろう。 黒澤明監督作品の中でも1、2を争う作品であり娯楽映画の頂点で間違いない。 3時間半というかなり長い作品ながらも決して退屈せず、非の打ち所がない作品。 とりあえず見ればわかるが何もかもが素晴らしい。 七人全員が濃いキャラで全員に魅力があり、特に三船敏郎演じる菊千代の立ち位置というか役割があったからこそこの映画をここまで昇華させたように思える。 侍と百姓が団結したかと思えた矢先の百姓の落ち武者狩りの発覚。 六人の侍の視点では落ち武者の境遇を知っているからこそ許せないありえない行為だと見えるであろうが百姓からすればそれは違い、仕方のないことでむしろこの様な事態を引き起こしているのはそっちじゃないかと元百姓である菊千代が代弁する。 ただ野武士を返り討ちにするだけではなくこのようなシーンがあったからこそ感動を生み引きこまれていくんだと思う。 そしてアクションシーンも素晴らしい。 土砂降りの中での野武士との攻防。素晴らしいとしか言えない。 撃退した後官兵衛が呟く言葉でこの作品は完璧なものになった。 とにかく邦画だけではなく洋画合わせてみても最高レベルの出来である。 【こしち】さん [DVD(邦画)] 10点(2014-08-07 21:39:33) |
【cogito】さん [映画館(邦画)] 10点(2014-07-30 19:30:56) |
320.《ネタバレ》 勘兵衛と久蔵のアクション、利吉と菊千代のヒューマン、菊千代と与平のコメディ、志乃と勝四郎のロマンスなど、「ステーキの上にうなぎを乗せ…」くらいでは言い表せない、てんこ盛りの超絶ドラマ。「列に戻れ」と一喝し抜き身を下げて走り寄る勘兵衛、「来やがった来やがった」と平八の「○△た」旗を握って怒鳴り散らす菊千代、「この子は俺だ」と泣き喚く菊千代の後ろで回る火達磨となった水車。これまでスクリーンでこれ以上の迫力あるシーンを見たことがない。これからもないと断言できる。 そうそうDVDで初めて観る方には、日本語字幕での視聴をお勧め。黒澤作品はセリフが聞きづらいのが唯一の弱点のため。 【Q兵衛】さん [映画館(邦画)] 10点(2014-04-11 16:02:56) |
319.《ネタバレ》 普通に面白いけど、そんなに傑作扱いされるのがわからない。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-04-05 23:40:33) |
【pillows】さん [DVD(邦画)] 10点(2014-03-29 14:37:21) |
317.《ネタバレ》 やっと観れました!ずーっと観たかったのですがなかなかご縁に恵まれずネット系DVDレンタルにて鑑賞。もうぉ勝手にハードルが上がってるにもかかわらず大変面白かった!! 皆様仰せの音声が聞き取りにくいこともなく(改善されてたのかな?)黒澤ワールドを堪能致しました。観る前は約3時間半の長丁場、果たして大丈夫か?(自分が耐えれるか)と心配してましたが心配ご無用、全く問題なく一気に観てしまいました。いやーとっても面白いよ、菊千代の弾けっぷりは最高! 黒澤明監督珠玉の一作、さすが名作と呼ばれるだけのものはありますね。約60年前の作品ですが時を超えて我々日本人の何かに訴えかけてくる。。。ご覧になってない方は是非ご覧になって下さい。 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 10点(2014-01-14 08:46:24) |
316.邦画嫌いだったためこの作品を見るのが今更初めてです。 また比較的映画を見てるにもかかわらず三船敏郎の演技を今更初めて拝見しました。 まるで漫画に出てきそうなふてくされた表情が印象的で脳裏に焼き付いてはなれません。 ほんとインパクトが凄い。もっと見てみたいと思います。 内容云々について書き連ねる資格は私にはありません。 こんなレベルの私ですが、今後もレビュー投稿することをお許しください。 【午の若丸】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-12-01 16:20:27) |