17.《ネタバレ》 ラストが良くない。役所さん正親さん吾郎ちゃんの最後のシーン、侍の魂を賭けた凄まじくも切ない名シーンの後、何で野人が生き返って来ちゃうんだろう。もう、台無し!三池監督の遊び心なのか。あれが無ければ監督は一つ上のステージに行けたんじゃないかと思うのだが、普通に終われないのは相当の天邪鬼なのか。そこが良いというファンがいる事は分かるのだが、私はあそこで山田孝之にすがすがしく微笑まれても、伊勢谷友介に意表を突かれても、ただ残念な終わり方としか思えなかった。男たちの熱い思いも吾郎ちゃんの迫真の敵役も全てかき消してしまうような、煙に巻いてしまうような、そんなオチはいらない。 【ちゃか】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-10-18 17:25:56) |
16.《ネタバレ》 役所さん、松方さん、市村さんの演技が秀逸で見応えがありました。特に役所さんと市村さんの最後の一騎打ちは、さすが舞台俳優さんだなぁって思いました。ただ戦のシーンが長過ぎですね。感情移入しすぎてしまい、とっても疲れました。個人的には岸部さんのあー!のシーンが楽しかったです。私一人で大爆笑してたようですが・・(相方から「お前の笑い声だけが響き渡ってたぞ」と言われましたwww)土曜日のレイトショーだからなのか公開から3週間も経ってるのに、お客さんがいっぱいいてびっくりしました。 【ゆみっきぃ♪】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-10-18 01:10:09) |
15.三池監督作品である事を知らずに観てしまったので、随所にある軽いと言うかチープな演出・CGでひいてしまった。「命、使い捨てにいたす!」って台詞がカッコよかったので、サバサバして重厚感あるのを期待してたけど、思いのほか感傷的だったかな。あと敵が当初の見積もりより多く感じたけど気のせい?(笑)。とはいえよくある少数vs大軍のエンターテイメントとしては手堅くおもしろかった。あと何となく松方弘樹の無双っぷりがうれしかったり。 【Cobblepot】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-10-16 22:07:41) (良:1票) |
14.《ネタバレ》 単純にアクション映画として面白かったです。最近の映画にありがちな複雑な設定や、伏線なども無く、時代劇のド定番な物語を豪華にして描いています。 「ラスト50分」って言う表現はどうなのか疑問ですが、お家芸のチャンバラは迫力もあり満足です。残り170人。一人当たり13人倒せばって思うと、あの無双ぶりなら何とかなりそうな気がしてしまいましたが・・・。松方弘樹の殺陣はさすがですね。切れ味が違うというか、迫力が違うというか、やっぱり本職です。他の役者とは格が違うのがはっきりわかり、素直に格好良かったです。ああいう魅せる殺陣ができる役者さんは若手にはそういないですね。グロいとの評判だったので、ある程度覚悟していましたが、私は特にそうは思いませんでした。もっとキル・ビルのように腕やら足やら首やらが飛びまくりかと思っていたので、この程度の表現はある意味本気でチャンバラを描こうとすれば必然というか普通でしょう。若手の件と合わせて将来の時代劇が心配でもあります。稲垣吾郎も感情をなくした演技で、狂ったボンボンの雰囲気に違和感は無かったです。最後に伊勢谷友介の役は要らなかったですね。ほかの十二人の刺客たちは少なくとも武士道に基づく忠義と民のためという犠牲心で新左衛門に命を預け、絶望的な戦いに身を投じている。いわばこれが十二人の結束でもあるのだが、それを「忠義だの、武士道だのめんどくさい」と言い放ってしまう自由人が仲間になってしまっては、彼らの結束は揺らいでしまうのではないだろうか?また、それがこの役が他の役とまったく浮いてしまっている原因なのではないだろうか。緊迫した内容の箸休め程度の役にしとけばよかったものを、準主役級にすえてしまったところにセンスの無さを感じてしまいます。奇をてらわず、最後まで愚直で男くさい直球勝負の内容でも良かったのではと思います。惜しいです。 あと、音楽が八ッ墓村に似てて、多治見要蔵でも出てくるのでは?と思ってしまいました(笑) 【おなや】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-10-16 22:06:03) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 最近疲れてたのでスカッとした。 ただ、武士道というのだろうか、命を賭して護りたいものとか、そして命を惜しまず戦いに挑む姿とか、どうしても納得することができなかった。その生きざまがかっこいいことは分かるんだけども、稲垣のように死ぬ時は、痛い!死ぬのが怖い!と嘆くものなのではないか。 切腹ってのも俺の感覚としてどうも納得できない。無理だろ、あんなこと自分でやるなんて。できるもんなの?やるやつばかじゃないの? |
12.《ネタバレ》 効果音といい画といい、エグいシーンが。。。皆様のレビューを読んで、そーゆーものだと知ったけど、ショックには変わりないわ。でもその後、メンズのカッコよさ、キャラクターの味、ストーリーの分かりやすさ、戦闘シーンの迫力などによって点数上昇。最後に、半兵衛が裏切ってバカ殿を斬れば、満点でしたのに。 【●えすかるご●】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-10-12 00:36:16) |
11.《ネタバレ》 単純にカッコ良く面白いと思いました。三池監督のセンスって苦手で、この映画にしても三池ブランドの刻印のような映像が頻出する点はイヤな感じとしか言い様がないのですが、男達が命を賭して悪を叩く物語はシンプルにしてエキサイティング。まあ、十三人のうち、半分くらいは印象薄くてドラマもそんなに背負っていないので、絶命シーンに悲壮感がイマイチ生まれない感じはありましたけど、カッコ良く戦って、カッコ良く散る、それだけで充分な映画のように思えます。あまりウェットに走らず、飄々としながらアツい男達、その頂点に君臨する役所広司はさすがのハマリ具合。松方弘樹は刀を振り下ろすだけで待ってました!のスゴ味、そしてゴローちゃんのそこまでやるか?なぶっ飛んだ悪役っぷり。オシャレな映像にJーPOPが流れちゃうようなスイーツ時代劇とは一線を画する、泥と血に汚れてゴツゴツした、男の時代劇を堪能させて頂きました。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-10-06 19:58:36) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 オリジナルは未見。役所は命を預けるに相応しい存在感があったし、伊原は剣豪浪人って雰囲気が抜群だった。そんな中でも松方弘樹は張りのある声と滑舌の良さ、鬼気迫るずば抜けた殺陣の切れをしていて凄かったなぁ。いまだ健在ですね。 観る人を選ぶ三池得意のグロ演出ですが、将軍の弟である松平斉韶の残忍で鬼畜な暴君ぶりを増幅させるのに大きく貢献しましたね。行いを諫める訴状を出し切腹した臣下の残された家族を縛り上げ弓で射殺すわ、藩士の息子の嫁を手篭めにし嫁の目の前で息子を惨殺し何度も刀を振り下ろして首を切断し、「山猿の骨は硬いのう。」と言い放つ、その後に嫁も自害。とどめに親兄弟を皆殺しにされ、舌を抜かれ四肢を切り落とされ弄ばれた娘。その娘が口惜しそうに血の涙を浮かべ筆を咥えて書いた「みなごろし」は物凄くインパクトがあった。ここまで悪行の限りを尽くし嫌悪させる殿様も、病的で封建的な社会で生まれ好き放題の毎日で感覚が麻痺し、ある意味では被害者であったのかもしれないし、史実ではもっと残酷な行いをしていた人もいる。が、「こいつは生かしては置けん」と、完全に憎悪の対象としか見れなくなったな。その殿様をスマップ稲垣が感情が死んでいるかのような演技で好演しているが、トップアイドルと殿様で通ずるものがあったのかもな。完全に狂っていると理解しながらも、武士として忠義を重んじ主君を守るべく奔走する半兵衛を演じた市村も良かった。 どうでもいいけど、封建的で絶対だった身分制度は今の世の中じゃ考えられないが、「キレる」「逆ギレ」などと誰かれ構わず簡単にしてしまう今時の人がいたら島流し、市中引き廻しの上磔獄門、お家取り潰しなど各種を食らうだろうな。今もしちゃえば良いのに。 狂った殿様を世のために暗殺するという密命を帯びた男たち。残虐非道な斉韶に弄ばれた民の仇討ちでもあったが、太平の世に死にきれぬ思いをしていた侍に相応しい場所だった。斉韶に宣戦布告し、四肢を切られた娘の書いた「みなごろし」を見せつけ、「斬って斬って、斬りまくれ~っ!」は心が震える思いがしましたね。男気というか日本男児の壮絶な武士道、侍魂を見せて頂きました。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-10-06 00:57:50) (良:1票) |
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9.黒澤明になりたいのか、タランティーノに化けたいのか、はっきりしてほしい。 「スキヤキ~」のハチャメチャぶりが懐かしい。 【つむじ風】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-10-05 01:07:49) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 しょっぱなからイヤーな予感はしてました。「広島・長崎の100年前」ってなんでわざわざ原爆だしてくんのよ?と訝ってたら案の定ですよ。狂人とも呼べる“権力者”それに従う“官僚的な”老中、立ち向かう“一介の”武士たち…極悪の権力者vs善良な市民という対立構造をあっという間につくりあげちゃった。さすがプロデューサーにテレビ朝日が入ってることはありますな。まあこれは原作によるところが大きいので、左翼思想誘導映画だとバッサリ切ることはできないんだけれども、台詞の細かいところにテレビ朝日の指示がちょこまか入ってるように見受けられました。しかしながら、東映の原作で東映のスタジオを使い、東宝が制作にかかわり、松竹の映画館(ピカデリー)で上映ということは、日本映画がこれまで培ってきたチャンバラ映画のノウハウを惜しみなくつぎ込んだ、ということでもありましょう。チャンバラ映画は世界で日本しかつくれないオリジナルなものなので、これをしっかりと継承していくことは映画界にとってプラスにこそなれ、マイナスにはならないことだと思います。チャンバラの存在意義と、役所広司・市村正親の芝居に6点献上。(高岡蒼甫は死ぬ直前まで出てることに気づかなかったぞ) 【ケルタ】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-10-04 12:31:37) |
7.《ネタバレ》 作品の出来としては6点。引くぐらい見事な悪である殿様を暗殺すべく立ち上がる13人の漢。状況説明や準備と合戦との尺のバランスが丁度良く、肝心の合戦内容も笑っちゃうような仕掛けや13VS200と言う戦力差を覆す無双パワーテンコ盛りで最後まで飽きずに見れました。 ラスト、首と胴を切られても『山育ちで治りが早い』と言う理由で復活した伊勢谷さんは、ラストの『この作品はフィクションです』のメッセージと相まって、純粋なエンタメ作品として見てほしい監督なりのメッセージと取れ、その潔さには好印象。 そして+2点の理由。はっきり言って私はCGや銃撃戦、ワイヤーを使った格闘等を入れた日本のアクション映画はアメリカの足元にも及ばないと思っている(勝負できそうなのはGOEMON位)。そこで本作はその土俵で勝負せず『殺陣』や『侍』『武士道』等アメリカには真似できない(できても似非モノ)日本独自の要素で勝負しているので非常に新鮮に感じた(印象としては武版座頭市や7人の侍のアクション部分を強調した感じ)。確かに『殺陣が単調』『敵に魅力的なキャラが少ない』『13人全員のキャラ立てが出来ていない』『みんな負け方が一緒』等改善点はあるが、それを差し引いても『ジャパニーズ・エンタメ・アクション』の1つの可能性を示した本作の存在意義は大きいと思う。 【ムラン】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-10-02 01:39:14) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 面白いけど、原作を見たわけでもないのに、強い既視感のある面白さだった。 見所は沢山そろっていた。新左衛門が暴君・松平斉韶を討ち取る決意をする場面、木賀小弥太が道場で新左衛門に決意を述べる場面、落合宿で敵が懐に飛び込んでくるのをじっと待つ場面、などなど。 でも、時代活劇の面白さを感じる反面、「コレどこかで見たことあるな」という感覚に始終とらわれて仕方がなかった。 新しい創造をしろと言いたい訳じゃない。幕の内弁当は食べ飽きた、という感じ。 後、出てくる女性がどれも色気が無く、怪談の幽霊みたいで気味が悪くて閉口したなあ。 しかし、俳優の良さは十分出てた。特に、役所広司、伊勢谷友介のキャラの味わいが十分楽しめた。そこが見所かな。 【ながもん】さん [映画館(邦画)] 5点(2010-10-01 20:27:46) (良:1票) |
5.期待通り面白かったです。そう、期待通りの作品なんですが…残念ながらそれ以上でもそれ以下でも無いので微妙に薄味の作品となってしまいました。真面目な人たちが真面目に作ったんだろうな~、という感じで脚本にしろ演出にしろ「おお、そうきたか!」と感心する場面もなく、「おい!いくらなんでもそれはないだろう」などと理不尽さにツッコミを入れる場面もなく、ただただ淡々と話が進んでチャンバラやって…みたいな。私は映画というコンテンツに対して善しにつけ悪しきにつけ観た以上はそこから何かしらのインパクトを感じたいのですよ。設定は面白い。キャストは頑張っている。演出だって脚本だって決して悪いわけではない。なのにイマイチ物足りないと感じてしまうこのジレンマ…。もしかしたらこの映画は話のスケールの大きさの割りに、全てが綺麗に纏まりすぎているのかも知れませんね。もうちょっと、あとほんの少しで凄く面白い映画に化けた気がするんだよなぁ。勿体無いなぁ… 【taxyun】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-09-28 17:14:12) |
4.《ネタバレ》 昭和38年に公開された東映映画のリニューアルとはいえ、久々の時代劇大作でした。美しい山並み、CGとは思えない堂々たる大名行列、乱戦・混戦の斬り合い、体中にこびり付いた血糊、暗い室内等々、これぞ時代劇と感心いたしました。しかし、幾つかの気になった点を挙げます。▼冒頭の間宮図書に切腹の作法が通常とは異なっていたような?小生が知っている作法とは、腹を一文字あるいは十字に切った後、喉を突くか右首の頚動脈を 切るかして絶命させる、といったものです。「日本の最も長い日」で阿南大将は腹を一文字に切った後、右頚動脈を切っていました。▼松方弘樹のようなベテラン俳優が出ていたおかげで、殺陣が引き立ったのは認めますが、武士同士の話し合いの場で、あの江戸っ子言葉は、妙に映画軽くしてしまっていました。▼獣のような野人はまったく重厚な雰囲気を一気に壊してしまいました。名主のオOOを掘るなどというジョークにもならない、どうしょうもない場面を挿入するとは??左頚部に小刃をつき立てられていながら、生き残ってしまったとは?唖然としました。さらに、訳のわからない台詞を何度も何度もはいて、意味のない役だと感じました。▼原作には、その野人も出ず、最後の対決時もあんなにだらだらと言い合いをしておらず、そのほうが武士同士の対決らしいと感じました。 ▼挙句の果てに、最後に「23年後に明治となった」などと理解に苦しむ文章が出てきたのには、今までの緊張感が一気に崩れ落ちてしまいました。それやこれやで、緊張感を削ぐ設定等が多く減点が大きくなりました。▼最後の吹石一恵さんの素敵な笑顔でそれらが一掃されましたが・・・。 【亜酒藍】さん [映画館(邦画)] 5点(2010-09-27 16:12:23) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 アクションが長すぎる。途中で飽きた。血みどろで凄惨なアクションを撮りたいのは分かった。でも、やっぱりその長さには限度があると思う。十三人も人がいて、それぞれの死に様を描こうとするから無理が生じている。しかも皆死に様は大して変わらない。多数に取り囲まれて、切り刻まれて、泥の中を這いずり回って死ぬだけだ。正直言って退屈である。更には、「七人の侍」の菊千代とかぶる伊勢谷友介に至っては死んだはずなのに生きていたりするから、尚更違和感が生じる。 そもそもこの映画がチャンバラの様式美を追求しているのかリアリティを追求しているのかが全くわからなかった。同じ刀で何人も切れるかと思えば、多くの刀を使いながら人を切っていく場面もある。どっちかに統一していないから、描写が中途半端になっている。 また、伊勢谷友介扮する山男が出てくる必要性もわからない。話の焦点があいまいになっただけという印象だ。劇場ではけっこう笑いが取れていたので、コメディ担当としては一定の役割を演じられていたのかもしれないが、そもそもこの映画にそれが必要だったとは思えない。「万民のため」vs「主君のため」の二元論の戦いに一石を投じるのは悪くないが、そもそもの彼のポリシーがはっきりしない(単なる陳腐な「アンチ武士」「しがらみからの自由さ」だけでは存在の必要性が弱すぎる)ので、いまいち彼に共感することができなかった。 前半は決して悪くなかった。特に役所広司が両腕両脚を切り落とされた女を前に笑うシーンなどは出色だと感じた。怒り、もしくはそこから来る何かしらの衝動に駆られて笑うという体験は僕もよくある。彼の演技が本作で最も優れていたと思う。松方弘樹の円熟した台詞回し、太刀捌きにも惚れた。しかし、総合して観ると「七人の侍」をはじめとした「従来の」時代劇の価値観から一歩も踏み出せていない本作には特に製作される意義が見つからない。個人的には、襲撃が失敗に終わり、最後に半兵衛が斉韶を斬るという筋立てが理想ではなかったかと思う。 いくらチャンバラを凄惨に描こうとも、それだけでは時代劇に新しい視座を導入したことにはならないであろう。「駅馬車」から「荒野の用心棒」、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」更に「ブロークバック・マウンテン」に到達したアメリカ西部劇に対して日本の時代劇はこれでいいのか。むしろ昔の時代劇のほうが殺陣の迫力は伝わる。 【枕流】さん [映画館(邦画)] 4点(2010-09-26 22:17:47) (良:6票) |
2.《ネタバレ》 オリジナルとはまた違った感じに仕上げていました。個人的には今風の下手な泣かせを入れたような家族描写などは敢えていれずに徹底的に凄惨な出来事として描き切ったのは正解かと思います。語り口も基本、単純です。刺客たちが使命に突き動かされる動機の大事な描写に関しては稲垣吾郎演ずる暴君の狂気の所業をこれでもかと描き、その残酷性に対する客観的怒りが感じれば十分に伝わると思うので、刺客側のダラダラとしたドラマは極力描いてなく、あっさり風味なのもいいです。敵側も暴君以外に市村正規のキャラだけに集中して描かれるので無駄な描写もなくスッキリしてると思いました。そして脇を固める役者陣も万全で多くを語らず、存在感で語る役者なので素晴らしい。そしてクライマックスの戦闘はド派手で凄惨、血みどろになり後半は刺客も相手も疲れきって型もクソもなく無様に這いずり回って殺しまくるという地獄絵図ですが、そこのアクションは見応えがあり見入ってしまいました。特に松方弘樹の殺陣はまさに鬼の如き凄まじさなのに美しい・・彼の殺陣が再び大スクリーンで観れたのは個人的な喜びでした。基本はとても面白く堪能しましたが・・不満は、あの伊勢谷友介が演じる山男、まぁ侍を客観視するキャラとか『七人の侍』の菊千代的な役割なのでしょう・・彼の様々なシーンは完全にこの物語では浮いていますがそれは悪い浮き方と感じました。『三池的』センスの行使キャラでもある訳ですが、そういうシーンも悪い意味で浮きまくり(そこが狙いかもしれませんが)・・とにかく上手い効果が出てるとは思いません。ラストの奴の終わらせ方も『はぁ?』という感じで余韻がおかしなものになってしまいました。あまり嬉しいキャラではなかったです。あと指摘したいのが、作戦はいかに刺客側が周到な計略をし、待ち伏せの場所まで敵を導かせるという面白さもあると思うのですが、今回は計略は基本、博打の運任せで大雑把と感じて、ちょっと頭脳戦的面白さが欠けているのは残念に思いました。それが合わさりクライマックスの大殺陣になったらさらなる痛快さも生まれていたと思い惜しいです。しかしこのご時世にここまで血みどろでド派手な時代劇アクションを大スクリーンで存分に堪能できたのはやっぱり快感でした。 【まりん】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-09-26 19:52:40) (良:3票) |
1.《ネタバレ》 いやー、これは良い! 近年の邦画大作のしょぼさを見ると、これだけのスケールを持ったアクション娯楽大作が見られるとは思えなかった。 序盤は粛々と、しかし緊張感を持ったままストーリーが進むが中盤以降は、もう切って切って切りまくる。もう、その辺にしときんしゃいって思っても斬りまくる。 爆薬もドカーン。罠ドーン。で、迫力満点。 相手側がもっと頼りになる用心棒(中ボス)を数名用意しといてくれればもっと盛り上がったんでないかな。敵は、誰も飛び道具持ってないし、弱すぎる。 13人が強すぎるのかもしれないけど。 13人ものキャラを描き分けろとは言わないけど、それぞれ得意分野で戦い方が違ったりするような工夫があれば、もっと良かったんでないかな。 薄い人もいたけど、キャストの顔つきもギラギラしてて良かった。 だが、やっぱこの作品でもっとも語られる役者は、稲垣吾郎だろう。戦場でただ一人涼しく冷たい顔したり、ヘラヘラしたりする姿は異様で良かった。 というわけでアクションに次ぐアクションと、セットの豪華さ、キャストの本気具合も相まって中々レベルの高い娯楽作となっており、俺は十分に満足した!! 細かい事はどうでもいいんだこういう映画は。 邦画にも娯楽大作を撮る力があったという事を知らしめる作品なのである。 俺はあんまり長いと感じなかったけど、 たぶん乱闘(チャンバラ)がクソ長いので、アクション嫌いな人は見ない方がいいです。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-09-25 23:25:08) (良:2票) |