399.《ネタバレ》 この映画は、シュピルマンが一度はナチスドイツによって奪われたピアニストというアイデンティティを取り戻す物語であると思う。終盤にシュピルマンがドイツ人将校の前でピアノを演奏するシーンでは、まるで魂が吹き返したように激しく動く彼の手に涙が止まらなかった。映画の中とはいえ、これほど心に訴える演奏はかつて聴いたことがなかった。劇中ではあまり多くを語らないシュピルマンだったが、最期のコンサートホールでのピアノの演奏は、鑑賞者を納得させてしまうような力強さと悲しさを感じさせた。 【プライドだらけ】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-02-16 16:41:06) |
398.《ネタバレ》 映画の中では、主として「迫害する側」は「Germans」と呼称されている。 つまり一般的ドイツ人を指す。ポーランド・ユダヤからすれば、恐怖の対象はナチズムに同化していた「ドイツ国民の大半」及び非ユダヤ系ポーランド人であり、つまり被迫害体験者たる主人公らにとっては「ナチス」も「国防軍」も同じ穴のムジナということだ。 終盤で灰緑のコートを着た主人公が「ドイツ人」として憎悪されポーランド兵に誤射されそうになるのをみれば一目瞭然だろう。 「ナチス=悪」、「国防軍=良識的軍隊」といった安易な二分法は大戦後の東西冷戦構造の中で西側がドイツを取り込み、再軍備する必要上から生まれた認識であり、「ナチス」のみをスケープゴートとすることで旧ドイツ国防軍を免罪し名誉回復させる、いわゆる「冷戦トリック」というべきものだ。 当時のいわゆる西側プロパガンダ映画の数々がこの認識を補強するために機能している。この単純な二元化の危険性は、個々の人間を無視し、組織・集団で人間を括り、その罪を集団責任化してしまうことにある。それは映画にあっては、個々の人間を観ないことを意味する。 本作の中で、ドイツ軍将校は「国防軍」だったから主人公を助けた訳ではない。帰属する組織に関わらず、ウィルム・ホーゼンフェルト大尉個人の良識に基づき、助けたのである。 実体験者たる原作者も、監督も当然そのように「人間」を描いている。 フィクションであれ、ドキュメンタリーであれ、画面の細部に浮かび上がる真実の断片は疎かに出来ない。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-02-10 15:33:35) |
397.ナチスの非道さと戦争の悲惨さは伝わった。しかしどうにも、こういうストーリーに起伏のない、重苦しい画面が延々と続く映画は苦手だ。多分名作だと思う。だが苦手は苦手だ。 【佐吉】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-02-06 00:46:06) |
396.《ネタバレ》 途中の惨殺シーンとひたすら逃げ続ける主人公の生き様はつらく、見終わった後でさえ緊張がなかなか解けなかった。他人に助けてもらえる主人公=ピアニストが生き残ったのは、芸術ほど心を動かすものはないのだと理解しました(人が生み出した宝だからこそ、いずれ訪れる平和な未来=ラストのコンサートシーンのために)。色を無くすことで戦時中を表し、最後の平凡な村の緑と夕日、ピアノに照る太陽、暖かいホールの茶色など色のある世界で平和を表した画もよかった。国中に名前が知られていて生き残った主人公と名前に意味がない将校(単なる階級)から、名前も顔も関係ないのが戦争で、名前と顔が一致するのが人の輪っていうのは考えすぎ?シーンが細かいのは、生きることがどれだけ大変だったかを表したかったのだろうけど、長い感があるので-1点。 【ハラミ定食】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-01-27 05:19:09) |
395.ピアノに感動しました。けど、あとは逃げ回ってる印象しかなくて。 良い映画なんだろうけど、この手の映画は数が多くて、強い印象は残らなかった。 【コスッタルイ】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-10-25 12:42:00) |
394.なかなか良い作品だとは思いますが、何故か深く心に染み入るものはありませんでした。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-13 10:30:48) |
393.実話を基にしましたと言われると、 しょうがないとなってしまう部分もあって、困ってしまいます。 実に評価がつけづらい。 この映画においては実話を基にし過ぎていて、(よくは知りませんが。) まぁごく世間一般の人が映画に望むものは得られないんじゃないかなと。 とにかくハードです。 監督の意図したところではありますが、淡々と、迫力なく進むので、 余計にハードに仕上がっています。 それで自分は、と言うと、 見たときの年齢が若かったと言うことも手伝って、 正直、すごく良い映画だったとはとても思えませんでした。 ですが、単純にこんな映画もなければならないと思わせる力はあったと思います。 |
392.戦争の悲惨さに愕然とさせられ、平和なだけの現代日本の有り難さが身に沁みた。また、ユダヤ人を射殺するシーンがリアルで直視に耐えられなかった。 【クロ】さん [地上波(吹替)] 6点(2007-09-30 11:06:34) |
391.《ネタバレ》 個人的に、戦争映画で一番好きなのがこれ。2位は「ほたるの墓(漢字が難しい)」。2時間半の上映時間中、主人公はひたすら逃げ回っているが、その姿に、まるで自分が戦場に放り出されたような気がしてくる。生きるか死ぬかはまさに時と場合と運と勘に左右される状況。個人に出来る事は限られている。建物に隠れ、死体の振りをし、すぐ銃で人を殺すSSからは出来るだけ離れるくらいだ。まさに悪夢である。真っ暗で何も見えない廃墟になった街。人も物も全て失われた世界で一人彷徨う事が、自分の人生に起こるなんて、誰が想像できるだろうか。しかもこの暗黒の世界は風の谷のナウシカや日本沈没のような似非的な近未来シミュレーションではない。現実に一人の人間に起こった話なのだ。 【ヤブラシ・ガイカン】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-09-18 01:14:23) |
390.《ネタバレ》 怪我した脚では、ピアノのペダルを、ちゃんと踏めないでしょ?細部の手抜かりがリアリティの欠如を生む。 【Snowbug】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-09-15 00:53:11) |
|
389.これを観るのは2回目になるのですが、やっぱりユダヤ人の迫害というのはきちんと知っておかなければならないことだと感じました。この状況下においても人間らしく生きた人がいるという事実に感動しました。 【垢抜け戦隊】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-08-01 16:48:13) |
【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 9点(2007-07-26 22:15:38) |
387.《ネタバレ》 簡潔に言うと、奇跡的に逃げて逃げて逃げ続けたピアニストが、最後ドイツ兵に見つかるけど、ピアノを弾いたら助かったって話です。2時間半もやる必要ないね。てか実話だったんだ!ラストシーンで初めて知りました。 |
386.リアルな描写で描かれているため重く後味は悪いけど内容は深い。人間として考える事が多くある。 見ていると怖くもなりあるときは激しい怒りで攻撃的な憎しみを感じた 恐怖と怒りと憎悪の産物が戦争であるのかもしれない。 【甘口おすぎ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-03-24 22:38:42) |
385.《ネタバレ》 描写がリアルすぎて、憂鬱になる作品でした。楽観的なのが見たいときには絶対に向きません。ある男がおばあさんのスープをわざとこぼさせて、おばーさんが泣いている傍で、その落ちたスープを飲んでたり、ある母親が自分の子供の泣き声を注意され、口をふさいでいたら子供が死んでしまい、私は子供を殺してしまった、みたいなコトをずっと叫んでいたり、見ててとても気分が沈みました。主人公が死ななかったのが唯一の救いです。 【SAKURA】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-02-24 07:43:50) |
384.《ネタバレ》 この作品を観る前にシンドラーのリストを見たというのもあるが、その仕打ちの悲惨さというかユダヤ人が味わった恐怖というのを映像でどう演出するかという製作スタッフの気迫があってひしひしと伝わってくる。 えげつない描写が多いが、痛覚・感覚について鈍いと言われている現代の中・高校生に観てもらいたい映画である。無論、それを学校で上映するのか否かという賛否両論があるであるだろうが。 【湘爆特攻隊長】さん [DVD(吹替)] 8点(2007-02-09 00:23:09) |
383.何もここまでリアルに描かなくても、と言いたくなるような映画でした。ただ「シンドラーのリスト」と描写がかぶる部分があったりもして、両作品ともありのままを描いた結果そうなってしまったのならしょうがないとも思いましたが、「戦場のピアニスト」には後発としてもう少し工夫があったら手放しに評価できそうな気もしました。あとは一個のキャラメルを家族みんなで分けていたシーンがやけにあっさりと次の画面に切り替わってしまったりと、大事なシーンが尻切れトンボ状態で編集されているような場面が数箇所あったのが目につき残念でした。あとはピアニストが題材だけにもう少し音楽にこだわってもよかったような気がします。その他はエイドリアン含め文句なしです。 【Thankyou】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-01-11 23:43:10) |
382.《ネタバレ》 やるせなさ、憤り、恐怖感でいっぱいでしたが、その分最後の将校とのシーンで大きな感動を受けました。映画としての演出を感じたのはそのシーンだけで、それまではドキュメンタリーを観ているようでした。自分の場合はこの映画を観て数日間は様々なことが気持ちに残りました。映像も美しかったですね。 【ROONEY】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-08 22:24:15) |
381.《ネタバレ》 なかなか良かったです。助けてくれた将校の顛末が哀れだった。でも、主人公にピアノの腕がなければ生き残れなかったわけで、そう考えると才能のある者だけが生き残るようで少し複雑な気分にもなった。 【こまごま】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-01-07 12:36:13) |
380.《ネタバレ》 明日、休みでよかったぁ・・・重いけど良い映画。エンディングのクレジットでの演奏シーンは本当に最高ですね。 【Junker】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-03 22:12:15) |