127.《ネタバレ》 今後、生きていく為にも観ておくべき(役に立つ?)映画だと思います。2時間超の映画ですが、長さは感じませんでした。主人公は「やってない」としても真犯人が今更、見つかるわけでもないから被害者救済と自分の立場(この映画によると無罪が多い裁判官は国家権力に逆らってるということで左遷させられるらしいので)を優先すればおのずと有罪という判決になってしまうのでしょう・・・。その昔、おニャン子クラブが「おっとCHIKAN!」という「満員電車の中で女子高生がオタクっぽい男子をイタズラで痴漢にしたてて騒ぎストレス解消~!」って怖ろしいシングルを出していたのを思い出しました・・・。(映画評と関係ない話でスイマセン)次の周防作品が早くも楽しみですが(一体今度は何年後?)今度は明るいテーマでお願いしたいです。 【より】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-03-09 02:52:52) (良:1票) |
126.そもそも論であるが、公平な裁判制度が実施されている社会であればこの様な映画は創られずに済んだのである。何故我々が当事者の身になって考え、電車に乗る度に思い出し、冤罪になった場合を恐れながら生きていかなくてはならないのであろうか。大体裁判官に一般常識が無いのが多すぎるから、裁判員制度が創られる訳だし、いい加減にしろと言いたい。役人は正義に反しても罰にも問われない、という仕組みが問題である。映画自体は出来が良く、世間に知らしめた功績は大きい。しかし、結局どうしたらいいのか全く出口が見えてこない。我々がもしそういう立場に陥った場合、一番気に掛かるのは裁判費用など金銭についてではないだろうか。勝った場合・負けた場合を含めもう少し分かりやすく示して欲しかった。役所以下出演者の言葉は実に重く心に響いた。今回の場合、元凶は鉄道会社であるが、告訴を取下げなかった被害者の女性にも問題がある。絶対の確証が無ければ彼女自身も一生悩む事になる訳だし、反対に訴えられる事もあり得る。主役の疑われた時の対応が悪すぎるとしか言いようがないが。そして、絵に描いたような悪者役人の登場であるが、私なら先ず「おい、言葉使いどうにかならんか」から始まり、後は理攻めで捲し立てるだろう。実際、もっと酷い警察のでっち上げによる冤罪のニュースを最近良く聞く。とりあえずトップの「冤罪」という言葉の意味も知らない”友達の友達はアルカイダ”だけは即刻どうにかして欲しいものである。 【まさサイトー】さん [地上波(吹替)] 8点(2008-03-08 18:05:45) |
125.《ネタバレ》 『世の中とは理不尽なもの。ひとつ大人になって、理不尽を受け入れよう…』って発想が実は一番青臭いと僕は思う。 【フッと猿死体】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-03-08 13:31:21) |
124.《ネタバレ》 社会問題にもなった痴漢冤罪事件について扱った社会派映画だけあって、非常にシリアス。冤罪であることを前提で物語が進むので、取調べや裁判の理不尽さに苛立ちさえ覚えました。被害者や真の加害者についてはほとんどスポットを当てない点もにくい。おかげで一方的にやられ、救いも少ない主人公に感情移入しやすかったですね。でも、見終わった後に違和感を感じてしまいました。それはすっきりしないラストであったこともありますが、あまりに制作側の意図に乗せられすぎだなと言う点。見ている側は「やってない」ことを「知っている」わけです。だからこそ感情移入できた。でも「やってない」ことを「知らない」なら、この主人公の行動は怪しいし、疑われても仕方ない点は多々あると思います。逆の視点から描き、逆の結末になったら、「本当にそれで無罪になるの?」と思うでしょう。同じように満員電車に乗る男としては、このような冤罪事件に警笛を鳴らしてくれるのは嬉しいことですが、それなら「やってない」ことを知らない人から見ても明らかに潔白なのにそれでも有罪になるのか、それともすっきりと無罪にしてくれるラストの方がよかったかなとも感じました。 【智】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-03-07 23:58:31) |
123.裁判員制度が施行される前ですから、こういう裁判を扱った映画の価値は高いと思います。有罪率が99.9%という数字が結構ショックでした。これをきっかけにちょっと裁判について知りたいと思いました。 あと被害女性が嘘をつく動機に関しては「示談金目当て」というのが有力だと思うのですが、全くその言及がなかったのは意外でした。この映画の事例では被害女性の勘違いであったというのでもいいと思いますが、「高い有罪率→高い示談率」を利用して、金目当てで虚偽被害報告をする女性がいるのも事実です。 法廷外のシーンで取り上げることがあっても良かったと思います。 【くろゆり】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-07 15:51:23) |
122.それが全てではないだろうけれど、裁判の恐ろしさや正義とは何かとかいろいろと考えさせられました。 【frhun】さん [地上波(吹替)] 8点(2008-03-06 14:49:17) |
121.《ネタバレ》 いい映画だと思う。映画というのはそもそも主観的で恣意的なもの。中立である必要性は全くないし、そうあるべき意味もない。 この作品を一方的な見方で糾弾することは簡単だけど、これってそんな簡単な作品なのかな? ものごとを単純化してしまうと本来そこにあるはずの多様性を感じることができないと思う。中立であるべきなのは僕らであって、必ずしも作品の方ではない。 僕は多少首をかしげるところもあったけど、概ね作品の流れには感心した。主人公は痴漢をしたのか、していないのか、それを真実と言うのならば、結局のところそれは主人公以外に分からない、ということが最後に分かったのである。判決はあくまで有罪であり、それが事実の結果なのだから。ラストの宙吊り感は作品に深みを与えていると思う。 【onomichi】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-03-06 02:02:39) (良:2票) |
120.なるほど、秀作だと思う。数多ある冤罪の中で、あえて「痴漢冤罪」を選んだ意図も理解できる。そして、日本の刑事裁判の問題点を浮き彫りにした点も良いと思う。が、しかし、この全体を通してのあまりにもワンサイドな恣意的な作りはいただけない。「冤罪」の不条理性を訴えたいのであれば、なおのこと、監督は細心の注意を払って中立の視点で描かねばならないはず。主人公が本当に「やってない」のかどうか、それは見ている者には分からない。「やってない」と猛烈に主張する主人公の視点で全てが描かれているので、見ている者は「やってないに違いない」と思い込まされているだけである。警察の怒鳴り散らしながらの取り調べの見せ方、被害女子中学生の法廷への登場のさせ方、裁判官の交代による後任裁判官の登場のさせ方、これら全て、見る者に先入観を与える描写であり、ならば、同じバランスで「もしかして主人公はやっているかも」と思わせる描写も必要ではないのか。決定的に欠落しているのは「裁く側の視点」。主人公がどの程度「疑わしく」あるいは「潔白」に見え、有罪あるいは無罪に値する点が主人公の言動のどこに見られるのかをもっと明確に描くべきである、と思う。ものごとを「やっていない」ことの証明は、アリバイが存在しない限り「やった」ことの証明よりはるかに難しいだけでなく、そもそも裁判とは人が人を裁くものである以上、そこにはほぼ間違いなく主観が入る余地があり、完璧なる公正さはありえない。である以上、「冤罪」は未来永劫なくならないだろう。せめて「痴漢冤罪」をなくすためなら、たった1~2両の「女性専用車両」でなく、ラッシュ時は全ての車両を「男性用」と「女性用」に完全分離すればよいことだと思う。映画公開前に、「痴漢冤罪をなくすにはどうすればよいと考えるか」という問いに、この監督は「通勤ラッシュをなくすしかない」という、あまりにも非現実的かつ陳腐な答えをしており、それだけでも、私は十分失望した。最後に、痴漢は「微罪」とされるが、強姦などの性犯罪と比較して、被害者の受ける精神的ダメージは軽いと客観的に断言できるものではない以上、もっと「痴漢被害」を深刻に受け止めるべきであり、その意味で、この映画中で、被害女子中学生をあたかも「加害者」のような描き方をしたことには、強く抗議したい。「痴漢被害」に遭った人々に対し、その点は、この監督は猛省すべきと考える。 【すねこすり】さん [地上波(邦画)] 4点(2008-03-05 14:31:33) (良:2票) |
119.《ネタバレ》 これだけ頑張っても無罪を立証できないんだ・・・ 【juju】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-04 21:57:41) |
118.冒頭の逮捕されてから警察でのやり取りがやけにオーバーに見えたのですが、わざとなんでしょうか?それとも実際もこんな感じなのか・・? 痴漢や冤罪、裁判の現状など、実話に基づいているだけに、いろいろ考えさせられます。 【かすお】さん [地上波(邦画)] 6点(2008-03-04 11:30:54) |
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117.正直驚きました。裁判で勝利を勝ち取ることがこれほどまでに困難なことだとは。巷にはたくさんの裁判ドラマや映画がありますが、これほど考えさせられた映画はありません。おそらく観た人全員が日本の裁判制度に対して不信感を持つことでしょう。でもこれが現実なんですね。被害者の女の子が悪いわけでもないので、なんだか救いようがない… とにかくガッカリ感だけだ募る。 そういや、お金目当てで罪もないサラリーマンに対して「この人痴漢しました!」なんてことを平気でやってる女子高生がいるらしいので、女子高とかだったら学校でこの映画見せた方がいいね! 【ライトニングボルト】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-03 19:03:39) |
116.もう怖くて満員電車には乗れません。無実でも逮捕、送検されればほぼ有罪になってしまうなんて・・・。刑事裁判って本当に怖いですね。また、裁判官が無罪判決を出すと左遷されたり、不利益を被るという件には改めて衝撃を受けました。 【クロ】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-03 16:16:51) |
115.《ネタバレ》 まるで加害者のように描かれる被害にあった女性と、無罪なのに有罪になる被害者の主人公。裁判官とか刑事は自分の職務を全うしているだけなので、加害者側のように描かれているものの被害者ではない。結局、一番最悪なのは二人を不幸にした、実際に痴漢した人間。 田口浩正がチョイ役ながら出てきているのがメッセージなのか?(違うかな?)。 【やぶ】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-03 07:36:37) |
114.《ネタバレ》 いい映画でした。ただ、見ていて幸せな気分になる映画ではありません。どちらかというとつらくなる。でも、細部にまで神経が行き届いていて、よくできています。それぞれの役者の芝居も、やりすぎず、ツボをおさえていてすばらしいです。一番最後の、主人公のモノローグと画面に出るメッセージが、余計です。あれでちょっと安っぽくなっちゃった。映画自体が完璧なだけに、残念です。 【コウモリ】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-03 00:45:55) |
113.周防正行監督の新作は社会のある一断面を描いた問題作である。ブランクというものをまったく感じさせない彼の手腕は、やはり本物である事をいみじくも証明した、実に力のこもった作品であり、待たされただけの甲斐はあったと言うものだ。描かれる内容は、日常生活に於いて普段我々が関知しないと思っている、裁判制度の現実と冤罪の怖さを否応無く思い知らされるものである。一般の民間人がある日突然、犯罪者として扱われ、罪に問われるべく裁判に持込まれた挙句、限りなく100%に近い確率で有罪とされてしまう司法の在り方とその不条理さ。映画は裁判が言い渡されるまでのプロセスを、実に肌理細やかに解り易く描き、訴訟制度に於ける組織が個を潰していくという構図を、由々しき現実的な問題として、我々ひとりひとりに訴えかけてくる。余りにも映画的に面白く創られている為か、深刻さを然程感じさせないのは、殺人といった重い犯罪ではなく、あくまでも微罪である事が考えられるが、だからこそ、いつ自分の身に降りかかるか分らない、より身近なものとしての怖さと理不尽さを感じさせる。この映画でとくに興味を引いたのは、対照的な二人の裁判官の存在である。片や人情肌で、一方は冷静沈着といった、良くも悪くも人間性というものが真実味をもって巧みに演じ分けられ、そのイメージだけでは判断しかねる程、現実の裁判官とはこういう人たちで成り立っているのだと実感でき、実に説得力がある。途中から何故か交代してしまう事や、彼等自身の評価基準の裏話、或いはどこまでも事務的に物事を進めていく姿勢などを随所に散りばめる事によって、彼等も所詮公務員である事を再認識させられる。このキモである裁判官を演じる小日向文世と正名僕蔵の、冷静な熱演が作品を引締めている。多くの民間人が訴訟中であることの現状や、当事者にならないと解らない心情などの様々なエピソードも、長きに渡る綿密な取材に裏打ちされたものだからこそ、真実味が生み出せているのである。本作の印象はやはり周防監督らしく、社会派と言うよりも硬派なエンターテインメント と言うべきかも知れない。 【ドラえもん】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-03-02 23:20:56) (良:1票) |
112.2時間を超える長さを感じさせない映画でした。痴漢事件に限らず、普段法廷とか無縁の生活を送っている私なんかがある日突然事件になんか巻き込まれたら無力であるということを改めて感じてしまいました。 【TINTIN】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-03-02 22:50:10) |
111.自分の意志・感情・思惑と関係なく、淡々と進行していく裁判。それぞれの人間がそれぞれの勝利のためだけに発する言動・行動。一人の人間として、裁判というものに関わらずに一生を全うしたい、と素直に思った。 【ハラミ定食】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 18:25:51) |
110.6000万人超の全男性諸君は、電車内での行動を常に気をつけないといけないと警鐘を鳴らしてくれただけでも十分存在意義のある作品になったと思う。正しい証言をしても再現ビデオで立ち位置等を立証しても、目撃者に証言してもらっても「男性の痴漢容疑=原則クロ」という風潮があるので、奇跡でも起きない限りは無罪放免にならない。勿論その裏には本当に卑劣な犯罪を起こしてる男性、その被害に遭われて辛い思いをされた女性も多くいると思う。 内容が内容なだけに、女性の方の中には不快に思われた方もいると思う。しかし「男女平等、法の下の平等」という側面で考えた時、少なくとも現在痴漢犯罪は、被害者女性の証言が圧倒的に有利であり、それは必ずしも法の下で平等では無く執り行われているという現実を見せたという意味で、周防監督の10年ぶりの本作は、裁判制度、検察の姿勢、警察の取調べ方、裁判官、被害者容疑者の存在、そしてなにより世間の風潮に何かを問いかけるきっかけを作ってくれたと思う。 勿論痴漢は許されない。しかし無罪の人間が誤って処罰される事も決して許されてはならない。主役を演じた加瀬亮さんが、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞クラスの素晴らしい演技をしているのも見所だと思う。 |
109.《ネタバレ》 素晴らしい。『シャル・ウィ・ダンス』などの甘ったるい予定調和は好きになれなかったが、この映画は全く別の次元。実に硬派で見応えのある素晴らしい作品。実は先日、自分も、非常に理不尽な職質を受けて「話を聞かせてくれ」と警察署に連れ込まれ、ちゃんと話せば分かってくれるだろうと同行したところ、向こうには端から話など聞く気は無く、あれよあれよと言う間に書類を作成されて送検されてしまった経験がある。軽犯罪法違反だかなんだかで拘留などは無く、お巡りの態度も映画のように傲岸では無かったが、それでもこちらの言い分などは全く聞き入れず、強引に自分で話を作りながら調書を作成して行く様子を目の当たりにした。3時間ほど拘束され、コトが終わった時の自分の感想は、警察など2度と信用しない。この世に正義など無い。といったものだった。TVでのインタヴューに監督が答えていたのだが、この映画はかなり綿密な下調べに基づいていると言う。つまりこの映画は、今の日本の司法の現実を描き出している。被疑者の敵は国家権力なのだ。国家権力としては、立件した以上無罪は敗北であり、なんとしても有罪にしようと画策する。捜査上の手落ちはスッ惚けて隠し、出せと言われた証拠は不見当と言い逃れてそれが通ってしまう。対する被疑者側は、検証ビデオを作り、証人を探し……、しかしあそこまでやってもダメなのか。判決では、屁理屈としか言いようのない理由で証拠が否定されていく。役者では、正名僕蔵演じる証拠を吟味して先入観を持つことなく判決を下そうとする裁判官と、彼から変わった小日向文世が良い味を出している。小日向は最初から被疑者を疑い、上から見下ろすような眼で偏見に満ちた口調で質問をする。司法モノと言うと、大岡裁きではないが人情味溢れた正義の味方的な裁判官が描かれることが多いが、そんなものは夢物語なのだろう。この映画は、司法の問題点を見せつけ、何らかの自衛の必要性を考えさせる傑作だ。 【TERRA】さん [地上波(邦画)] 9点(2008-03-02 13:39:27) (良:2票) |
108. 電車に乗るのが怖くなりましたが、よく考えてみると電車だけじゃないですもんね。うーん、大丈夫なんでしょうか、この国は。 【海牛大夫】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 12:46:09) |