122.《ネタバレ》 リアルだと前評判が高かったので楽しみにしておりましたが。
良くも悪くもアニメ原作の無いアニメをそのまま実写でやっただけの印象ですかね。
昔のガイナックスはもとよりサンライズなどによく見られるような
宇宙系のロボット系アニメなどの演出を先の大震災の時の政府の対応を参考に
焼き直ししただけの印象。あまり意味のない説明不要の専門用語の羅列、かつ展開を早くして
見て居る者が理解しているかどうかは関係なく話は進むが、それで話が破綻まで行かないのは
ある意味たいした物で、その辺り過去の作品作りの手法がいかされているとは思う物の
内容的には実写だから評価されたような物で全く同じ内容をアニメでやってたら、
目新しさはなく、たいして見向きされなかった作品になっていた事でしょう。
庵野さんは特撮をやりたかったのでしょうか。新劇場版ヱヴァンゲリヲンQの時も
関連で「巨神兵東京に現わる」なんて特撮をやって特撮展を開くぐらいですから。
しかし、ゴジラに壊された家の内部の動き、車の動き、体当たりした電車の動きが
物理的動きでいうとリアル感がまるでない。逆に映像がリアルになっているだけに違和感がある。
違和感を無くしたければフルCGで作ればいい、特撮と言うジャンルなのだから
多少の違和感があって良いと言う考えもあるのかもしれないが。
特撮マニアではない自分には、その辺のさじ加減や有り難みが良く理解出来ず
少しチープに見えてしまうかな。
内容的にも、この国の仕組みやあり方自体はある意味リアルだったとしても
展開やシナリオにはまるでリアル感は無く。
皆さんに酷評されている石原さとみさんがある意味可哀想に思えてしまう。
またゴジラにそれをやられちゃったら日本や世界が終わると言うような話しがなく
ゴジラの行動に山場がないのでゴジラの行動、展開にまるで緊迫感が足りない。
ゴジラとの戦いと言うよりアメリカに核を使わせない為の話に終わっていて全く面白く無い。
政治的な内容部分を削って全く倒せないゴジラvs人類の知力の話にしてくれた方が
面白そうに思えて残念。凝固剤の投入方法も、都合良く横倒しになったゴジラの口に
ポンプ車で直入れって…よくゴジラ君がおとなしく飲んでくれましたね(笑)
まぁ少し酷評しましたが私は過去のゴジラなども好みではないので、それと比べれば
何倍も面白かったし見やすかった…
しかしそれでも庵野さんにはもっと凄い事をやって欲しかったと言う願望がある。
いつものように期待だけが高まって、いつものように肩すかしを食らう感じですかね(笑)
それでも今までの日本にない物を生み出し続けようと言う姿勢の庵野さんだからこそ、
裏切られてもまた期待してしまうのですが、逆に言うと日本の他のクリエイターは
何をしているのかと問いたい気もする。続編も睨んだ終わり方だったので
今度は政治の話だけでなく緊迫感で手に汗握るような物が見たいなぁ。