66.《ネタバレ》 スピルバーグの「1941」を面白いと思えるまでにかなり時間(年)がかかりました。
あれも2回目を観るまでは理解不能で記憶から消していた作品・・
これも今回が2度目で1度目は全く理解不能でした。
今回なぜか観たくなったのも時期があったからでしょう。
感性で観る難解な作品ということで、
最近「オープン・ユア・アイズ」にはまり、
「バーディ」「キューブ」といった
ああいうたぐいの答えのない作品に慣れて、
そういえば「未来世紀ブラジル」を前に観たことを思い出したのです。
自分からこの作品を観たくなったのです。
テリー・ギリアムのファンなわりにこの作品の世界は理解できなかった・・
今回も完璧に理解できたわけではないのです。
前回観たときのラストの暗さ怖さは今回もありましたが、
なんとその怖いシリアスさのあと感動までしてしまいました。
なぜこの作品で感動したのか??
オープン・ユア・アイズのような夢の世界もちりばめられ、
しかもデ・ジャヴか夢かもわからない後半・・
主人公に感情移入してしまいました。
全編に流れる♪ブラジルという明るい曲は、
音楽でもあり登場人物が口ずさむ理想郷です。
未来のいつかはわからない設定ですが、
なんというレトロさとの融合。
「宇宙戦争」のようなレトロさ。
「華氏451」のようなレトロ未来感のほうが近いかな・・
管理社会で融通がきかないことは、
今の社会よりもシビアです。
テロという題材もこの監督には楽しく破壊する反体制の娯楽でしかありません。
キューブリックの生き残りというよりも、
わかりにくいスピルバーグといったほうがいいかも。
もうすみずみまでお金かけてるなぁといつも思うのです。
あいかわらず中だるみの感があるところもいつものこと・・
それ以上にラストが秀悦なのです。
破壊し放題で夢でごっちゃにして、
実はそれが理想郷が夢の中でしかなかったという、
もしかしたら近い将来なのではないかとさえ思うのです。
コメディも面白いとよく見たら笑えます。