18.《ネタバレ》 基本的には「ツイスター」「デイ・アフター・トゥモロー」のような
ディザスター・パニック・ムービー。
ただしシャマラン監督という事で普通の災害映画とはやや毛色が違います。
とにかく、冒頭から目をそむけたくなるほどのショッキングな自殺シーンのオンパレード。
群衆が一様に立ち止まり、後ろ歩きを始め、次々に命を絶っていく様は
さながらレミングの集団自殺のよう(←都市伝説ですが)。
その狂気と絶望と悲壮感に満ちた光景は
見る者に一種の破滅的カタルシスを感じさせてしまう程です。
もちろん衝撃的な映像だけが見所ではなく
主人公達の心の葛藤や人間ドラマなどもちゃんと描いており
最後まで飽きることなく見ることができます。
「連絡管を使って話すシーン」
「人工の観葉植物に話しかけるシーン」
「数学教師らしい方法で女性を鎮めようとするシーン」
などは、好きなタイプの演出です。
不満もあり「見えない物の恐怖」と「自然の人間への逆襲」を同時に描こうとして
結果として映画としての鋭さを失ってしまったように感じられました。
特に気になった部分は
●「攻撃」自体が見えなくても「敵」の正体がおぼろげながら
分かってしまった=未知でなくなった時点で、以降の恐怖が大幅に緩和されてしまった点
●物語中盤でただの農場主が行った推理が、結局そのまま真相だったという点
●全てを「自然の事は完全には分からない」=「”ハプニング”だから」で丸投げしている点
…などです。
極めつけはあの「ミセス・ジョーンズ」の存在であり、あまりに強烈な彼女のサイコっぷりは
「真に恐ろしく理不尽なるは、幽霊でも災害でもなく、人間そのもの」という
監督が表現したいものとはまったく違う印象を我々に与えてしまっている所でしょう。
さらに言うなら、ラストシーンのあまりに「優等生」的な作り方は、らしくない。
ホラーやスプラッターによくある定番の”オチ”を付けるのではなく
「シックスセンス」や「ヴィレッジ」のような”大どんでん返し”をして欲しかったです。
ま、自分は「作品の意味」「説得力ある筋書き」等はあまり気にしないタチなので
事前に見たレビューサイトの酷評に反して、結構楽しめちゃったんですけどね。
「宇宙戦争」とよく比べられる本作ですが
家族愛がしつこすぎない点と、ズーイー・ デシャネルがエロカワイイのでこっちに軍配!