225.《ネタバレ》 ティム・バートンの「バットマン」も面白かったが、ノーランのこの傑作はさらに進化を遂げた傑作だ。
この映画の良いところは、とにかく単純明快である事。物語はシンプルであればあるほど面白い。
正義を自称するバットマンは必ずしも光にはならず、かといって悪の限りを尽くすジョーカーが必ずしも闇にはならない。ぶっちゃけ闇vs闇、または光である筈の警察まで闇の部分を見せる光と闇のカオス。
ファーストシーンのピエロのマスクを被った強盗団。“ジョーカー”という見えない存在に操られ金を奪い、人を殺し、遂には仲間内で金を奪い合う様子はスタンリー・キューブリックの「現金に体を張れ」を思い出す。
本作最大のボスキャラでもある“ジョーカー”の登場の仕方が実に粋だったぜ。
法廷に銃を容易に持ち込ませる=既に裏切り者が混じっている。まるでマフィア映画だ。
自らを“SCARFACE(疵男)”と名乗るジョーカー。ジョーカーの公開殺人にはビビッた。
ジャック・ニコルソンも凄かったが、ヒース・レジャーの全身全霊を賭けた演技は絶賛するしかない。
それにしたってゴードン局長が主人公すぎる。
ウェインとアルフレドの会話が気になる。「共犯?僕は君が黒幕だと言うつもりだよ」
あの秘書め、ヒッチコックみたいな格好しやがって(アルフレッド・ヒッチコック)…「ライジング」は本当にアルフレドが黒幕なんじゃあないかと思っている。だってコイツ何処にいたわけ?
ジョーカーの尋問シーンは、有利に進めていた筈のバットマン側を絶望に叩き落す強烈な場面。尋問しているのか、それとも尋問されているのか。迫られる選択。
つうか捕まえた奴は胃の中まで精密検査しとけよjk・・・。
引き起こされる悲劇、だが物語はココで終わらない。クライマックスの二段構え。
またも迫られる選択、囚人がイケメンすぎる。
うーむ、何だか最終的な“敵”はジョーカーではなく“焚き付けられ犯罪に奔ってしまう人間総て”だったのかも知れん。