117.《ネタバレ》 なんか、ほとんど「手紙」には重きを置いてなくって、硫黄島での戦いを敵・味方それぞれの視点から描きたいがために強引につけられたタイトルみたい。観賞後はがっかりした気分になってしまった。ただ、イーストウッド監督が日本側の視点に立ってこのような作品をつくったことにはものすごい価値があると思う。 【Keicy】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-07-01 23:31:08) |
116.《ネタバレ》 …ひとことでいうなら、「ハリウッド映画ですね」だ。 だってさ、作り手に日本人が一人も入っていないじゃないの。脚本は2世だか3世だか、どうせ味噌汁の味も知らないようなアメリカ人でしょ。で、ハギスだスピルバーグだ。 やはり、よその国の兵隊のことを勝手に描く、ということで、かなり遠慮しいな内容となっているのは仕方ない。「ラストサムライ」よりはなんぼかマシという程度であって、これはれっきとしたメイドインアメリカ。なじみの日本人俳優が出ているからといって、ごまかされてはいけない。 まずもって、二宮演じる西郷の、その振る舞いおよびメンタリティーの有り得なさ。下っ端の日本兵が、こんな生意気なワケがない。これは、まんまアメリカの兄ちゃんの感覚を「若いやつはどこでもだいたいこんなもんやろ」と持って来ただけ。 ケン・ワタナベ。これはもう、見事なまでにハリウッド受けすることだけを考えたそのまんま。大正もしくは明治生まれの日本人将校が、こんなハタから見てわかりやすいかっこよさを発散するワケないじゃないか。ダメ。映画「東京裁判」でも見て、「本物」の振る舞いをちょっとでも勉強してみたのか、ケン・ワタナベよ。それとも国内受けなんてことは、もはや関係なしか。 本物に見えたのは最後まで付き従った「藤田」のみだった。 で、ひとつだけ、イーストウッドが「勝負」に出たな、と驚いたシーンは捕虜虐殺。これを入れるというのは、アメリカ国内の逆風を計算に入れているということだから。 さて、太平洋戦争末期、北方領土のどこかの島で、似たような実話があったという。それは、陸軍中野学校(スパイ養成所として有名)卒業生の士官が指揮をとった最後の戦いで、弾薬も兵力も乏しい中、中野学校得意のゲリラ戦法を駆使して、ソ連軍に対し驚異の粘りを見せた。そして、無駄死にを防ぎ、決して玉砕を許さなかった、という。 私は、「硫黄島」を見ながら、その実話を思い出さずにいられなかった。その防衛戦のことを思うと、栗林の指導者としての優秀さが全く伝わってこないような、盛り上がらない脚本にはがっかりだ。(かといって、〝有終の美〟を追求する所までいってるワケでもなし) …クリントはさあ、「硫黄島」は日本の製作サイドで作ってもらって、対抗作で「星条旗」を当てる、というふうに、なんでできなかったのだろ。クロサワが死んでいるせい? ↓花守湖さん、同感です。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-06-29 01:07:59) (良:3票) |
115.《ネタバレ》 なんでこんなに画面が薄暗いの? なんでこんなに言葉が聞きづらいの? なんで?なんで?の連続でした。 【あずき】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-06-17 21:41:31) |
114.《ネタバレ》 イーストウッドの映画が面白いと思えるかどうかは、結局、そのテーマについての価値判断を彼と共有できるかどうかで極端に変わってしまうようです。・・・・私は、「ミスティック~」も「ミリオンダラー~」も嫌いでした。家族や人生などについての彼のカウボーイ的考えに共感できなかったため、イーストウッド流のドラマトゥルギーで悲劇仕立てに語られてしまうと、嫌悪感が刺激されてしまうからです。・・・・・・硫黄島二作品では、国家や戦争についての、彼の、西部カウボーイ的反国家主義に基づく考え方に共感できる部分があります。そうなると、彼の悲劇的ドラマトゥルギーは、非常に素晴らしいものに感じられます。・・・・だんだんと洞窟の中の兵士達にシンパサイズし始め、戦争の息苦しさ、恐怖が実感できるようです。・・・・獅童(=悪)を、生き残らせるのは、善なるもの(二宮)だけが生き残るのでは、不合理なこの世の姿とかけ離れてしまうからでしょう。・・・・・渡辺謙が、サムライとして死ぬ特権も剥奪される最後も劇的ですね。・・・・ただ謙さんの演技は最近どうも平板に感じられてしまいます。本当に理知的な軍人だったら、最後に万歳アタックなんかせず、部下には投降を促すのではないかなぁ。栗林さんの駄目な部分も、ジョニクロ飲んでるだけじゃなくて、表情、雰囲気で出して貰わないと、と思うのでした。・・・・・とはいえ、この二作品が戦争映画の不朽の名作になるだろうことは疑いを得ないと思いました。 【王の七つの森】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-06-16 12:00:56) |
113.なぜ硫黄島があれだけの激戦になったかというとB29の前線基地になるから。陥落によってB29が日本上空を自在に飛び廻れるようになり、可愛い奥さんや子供の頭上に爆弾が降り注ぐ事になったわけで、冒頭の「こんな島くれてやればいいんだよ」にまず違和感が。また、浜辺の塹壕掘りに根をあげてるのに、岩山刳り貫いた迷路が一夜にして出来てしまうのも変。まるでチンピラ集団のような日本軍も変だし、ナチス政権化のポーランドのような日本本土の描写も変。余力がある時点でやたら玉砕したがるのも変。…という感じで、監督に悪意が無いのは解りますが、やっぱりこういう映画は日本人の手で作らないと。 「ラストサムライ」は「日本近代化の膨大な要素を抽出する為のフィクション」として、監督が語っているように端から史実を描こうとはしていない。だけどこの映画は「史実」として描こうとしているわけで、こういった誤りはやはり気になります。 しかし「トラ!トラ!トラ!」の頃のような日米が完全に互角に組んだ映画作りは、今の邦画界の実力では無理かな…という所に思いが行ってしまいました。 【番茶】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-06-16 01:05:28) |
112.《ネタバレ》 期待していた以上にいい作品でした。戦時下の日本人達がこんな風に戦っていたことは本当に誇りに思います。同時に、彼らのおかげで今の自分があると思うと心が痛みます。これをイーストウッドが撮ったなんてすごいです。 ただ、二宮くんがもっと演技上手かったらなぁ。清水役の加瀬くんはよかった。あと中村獅童の役はいらないと思う。 【pani】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-06-11 14:02:09) |
111.戦争の狂気を描きたかったのか、日本人の魂を伝えるつもりなのか、焦点がぼやけて 見えた。 大きな一本の筋があるのかないのかよくわからない。 どこかで見た何かの映画のダイジェストのようでこの程度なら硫黄島でなくともよかったのではないのか? しかしながら、自分が実際に前線から帰ってきた人たちから伝え聞く第二次世界大戦末期の話がまさにこの映画だとは思えたのが、せめてもの救い。 【Jane.Y】さん [DVD(邦画)] 4点(2007-06-10 12:08:09) |
110.《ネタバレ》 狂っている。集団心理とは恐ろしい。全ては国のため、天皇のため。周り全てがそう思っていると、それが正しいことであると信じ込んでしまう。逆に正常な状態だと普通の言動・行動が間違いに感じてしまう。西中佐がアメリカ兵を助ける。清水が犬を助ける。こういった当たり前の行動が観ている我々でさえ「そんなことしていいのか?」と思えてしまうのだから、実際にそういう時代に生まれていたら正気を保つことは難しかったのかもしれない。戦争とは、いかに無意味で残酷なものか。アクションや戦闘シーンを多用せず、心理的な部分の描写が多いのも意義深い。気になった点は、セリフが聞き取りにくいこと。これはどうにかならなかったのか。そして、もう一点、二宮のしゃべり方。どうも現代っ子っぽいしゃべり方が耳につき、違和感を感じる。栗林中将と話している時はそうでもないのだが、一人でしゃべっている時や同位の者と話している時がなんとも…。実際、その時代で生きていたわけではないが、「~しやがった」とか「はぁ!?」など言い回しが気になった。演技自体は悪くないと感じたので、もったいないかと。で、ちなみに伊藤中尉は何がしたかったのか。結局、一番の死ぬのが怖かったのは、西郷でも清水でもなく彼だったのかもしれない…。 【グングニル】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-06-09 18:59:42) |
109.決して悪い意味ではないのですが、思った以上に抑揚がない印象でした。ところで、わざわざジャニーズに出演させる意味はないのでは?もっとちゃんとした(失礼)俳優を起用した方が良かったのではないかと思いました。戦争の悲惨さは映画以上なのでしょうね。 【きたくん】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-05-23 18:44:39) |
108.《ネタバレ》 スタッフはアメリカ人、メインキャストは全て日本人という不思議な映画ですね。 概ね「硫黄島の戦い」を正確に描いていると思われ評価できる。『パ○ル・ハーバー』のスタッフに、本作のスタッフの爪の垢を煎じて飲ませたいw 西郷君が生き残ってはまずいだろう。栗林中将(ホントは大将に昇格しているが)は、どのように戦死したのか判っていないのだから。渡辺謙の演技はすばらしいです。 話は変わるが、戦争における狂気を前面に押し出しても良かったように思う。 本作(『父親たちの星条旗』かもしれないが)が公開されたとき、鹿児島の硫黄島に問い合わせが殺到したようだが、硫黄島が東京都にあるのを知らない人が多いんですね。もっとも、硫黄島(東京都)には一般の人達の立ち入りはできないですが・・・ また、「硫黄島の戦い」自体が沖縄戦などに隠れてしまっており、日本ではマイナーだったのかもしれないが・・・ 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-05-21 00:06:34) |
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107.「父親たちの~」とセットで観る場合、こちらを後から観るべきだったかもしれない。。。 映画としての点数は辛いですが、こういう映画が作られた事、こういう作られ方がされた事には大いに意義があると思います。 【GUSUTAV03】さん [映画館(字幕)] 4点(2007-05-18 02:38:32) |
106.細かい部分は違うんだけれども、純粋に面白かったので十点。あえてメッセージ性を排しているので、意見は人それぞれなんだけど、これで「硫黄島」について知ってくれれば、それでいいと思う。今まで歴史の教科書の片隅(うちの学校では教科書ではなく、歴史の資料集の片隅に、小さな写真とわずかな文だけのっていました。南京虐殺や三光作戦の方が記述は多かったです)に、一行か二行ほどの文章でしか書かれていなかった史実を、多くの人に知ってもらうことに意味があると思います。できれば、栗林中将が書いた家族への手紙(ウィキペディアにありますが)なんかも、見てもらえたらいいと思います。映画よりもその手紙の方に感動してしまいました。「戦争の責任」、「戦争を忘れない」、「歴史を反省」とかよく声高に叫ばれ、教科書にもそんな言葉が踊っていますが、それならなぜ「硫黄島」は教科書の隅の隅に埋もれているのでしょうか? 日本軍の非行が三ページ近く面積をとっているのに、「硫黄島」は一ページすらページを振り当ててもらえないのか? 不思議で仕方ありません。 【ローリング@ストーン】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-05-11 19:37:34) (良:1票) |
105.こりゃわかんねーなあ。本当に。 米国の観客に、イラクと重ねて観る事を強要してるとしか思えなかった。とりあえずは『星条旗』と同じ点数。でも、DVDで見直してもっと下がるかもしれない。 ナチ側だけから見た『パリは燃えているか?』みたいな感じもするし、何度も広瀬正の『マイナス・ゼロ』を思い浮かべた。戦前文化の最後のともし火というか、そんなものは感じる。 でもこれ、イラクと重ねる以外にどういう観方があるの? …と問いたくなる。 【エスねこ】さん [映画館(字幕)] 3点(2007-05-10 22:33:36) (良:1票) |
104.やっぱり日本人なので訴えてくる部分はありました。でも栗林さんがどういう戦略で戦ったのかが??だし、兵士に飢えとか暑さとかの極限状態がまったく感じられないのも??でした。これは多くの人が疑問に思うところだと思うし、ハリウッド映画の限界なのかもしれません。それでも作品として最後までひきつける力強さはあったと思います。 【たかちゃん】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-05-08 20:11:27) |
103.久々に戦争映画を観たためか緊迫感をもって最後まで観ることが出来た。ただ、どういう戦術の戦闘なのか理解出来ず、ただ戦争してるって感じで観ることしか出来ずちょっと残念。主役の二宮くんはいかにも現代っ子て感じでリアリティがないのも気になった。父親たちの星条旗に期待しよう。 【ぽじっこ】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-05-08 16:32:36) |
102.《ネタバレ》 戦争に行かれた方に敬意の念を抱いているし、硫黄島などについて考える機会を与えてくれたので一定の評価はするが、映画自体の出来だけを見た場合はっきり言って期待外れ。先ず、ハリウッド製作なのだから「プライベート・ライアン」の様な壮絶な戦闘シーンがあるものだと予想していた。それがどうだ、終始爆撃の音が鳴るだけで終始ダラダラという感じ、シーン毎に戦いはあるのだが、全く地形に関しての説明が無いため戦術など全く分からない。よって自害のシーンも無駄に写るのである。最も過酷な戦地の一つと言われた戦闘がどうであったか、何故予想を反して持ち応えられたのか此れを観ても全く分からない。次に、駄目邦画を思わせる脚本、シーン毎にお涙頂戴はあるのだが全体としての繋がりが無いため盛り上がりに欠ける。そして、登場人物達の性格・行動がどうしても現代的に見えるのである。最近の映画に必ずいる”憎まれ役”の存在などこの映画には必要ないだろう。渡辺謙も正義感が溢れすぎているというか、当時の将校のイメージとは違う。最悪は主役のひねたガキ、いきなりの現代語連発の不平不満の数々でこの映画の質は決まった。実際何日経った設定か知らないが、疲労感・絶望感も特に感じられず、常に冷めて観てしまう。ジャニタレがとうとうハリウッドにまで足を踏み入れてきたが、はっきり言って「いい加減にしてくれ」という気持ちである。 【まさサイトー】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-05-08 06:12:33) |
101.《ネタバレ》 一人一人の背景がしっかり描けていないくせに、終始淡々と進むので全く感情移入ができなかった。二宮の演技も酷い・・・よくこの程度で話題になったものだ。他の俳優陣もボソボソ声で何言ってるのかはっきり理解できない。総じて言うと、何も伝わってこない退屈な映画だった。期待損。 【はりねずみ】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-05-06 01:00:43) |
100.ストーリー、音楽共に終始淡々と進むイーストウッドらしい作品ですね。特に音楽に関しては1つの音楽に徹するところなんてイーストウッドのこだわりが感じられますね。 【ゆきむら】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-05 17:18:57) |
99.硫黄島に行ってた兵士さん全員主役ですね。日本のお国のためにここまでアメリカを相手に食いしばって抵抗していたのが、伝わってきました。 イーストウッド監督ってすごいやーー。 【こゆ】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-01 23:59:12) |
98.《ネタバレ》 戦争映画を観て共通で思うのは、人々は争いなんて誰も起こしたくないし、死ぬ瞬間に頭に浮かぶのは愛すべき家族であり仲間である事は間違いないんだなって事です。あとアメリカ軍というより、己の絶望感や、冷静さを失っていく自軍での潰し合いが1番怖いなあと痛感しました。あとイーストウッドはわざと感傷的に作らなかったのだと思いますが、誰か1人を主役にせず、硫黄島で戦った日本兵全体をスポットにした事でその考えが成功していると思います。腕が吹っ飛ぶシーンと手榴弾で自決するシーンはさすがに切なかったですが、何より切ないのは、このエピソードを監督したのが日本人ではない事かもしれません。脚本や演出もですが主演陣、特に二宮君の演技が素晴らしかったです。 |