107.《ネタバレ》 良い題材だと思います。でも問題提議をするに至っていない気もします。原作者さんには悪いが、この映画を見た9割以上の人が無罪と感じていると思うが、そういった一辺倒を見せられると信じ込んでしまうのが日本人であり、人間の危険性を秘めている事を映画で表現して欲しかった。本当に無罪(痴漢行為をやっていない)なのかどうかはこの裁判だけでは分からない。もちろん「疑わしきは罰せず」は必要だと思いますし、取り調べ・裁判に時間がかかるのもいけないですね(短すぎると弁護の準備が出来ないと言う問題もあるが)。ただ法治国家である以上、疑われないように最低限の自己防衛をする必要があります。私自身が満員電車に乗車する時には両手を上に挙げ、女性と向き合う方向では立たない。女性専用車両って効果あるんですかね?もっと増やすなり「男性専用車両」も作って欲しいものですね。 伊丹十三監督に作って欲しい・・・ちょっと違うか?この映画で無罪と思っている人には「12人の優しい日本人」を鑑賞して欲しい。ロス疑惑の行方も気になるところです。真実は本人達しか分からない・・・ 【お好み焼きは広島風】さん [地上波(字幕)] 3点(2008-03-02 12:22:31) |
106.《ネタバレ》 ★僕は満員電車に乗る機会はほぼないため(渋滞地獄にははまってる)、状況的に今まであまり興味がわかず見逃していましたが、面白かったです。正直絵的には大画面で観るまでもないなと思いましたが、話としては2時間超の長さを感じさせません。 ★冒頭の、「ホントの痴漢事件の隣室で、誤認逮捕されてわけもわからずにいる主人公」みたいな登場の仕方、留置場の細かな描写、裁判の戦い方など、ディティール描写がうまく、なんとなく伊丹十三を思い出しました。あと裁判が始まるまでは、主人公に身内以外一人の味方もおらず(弁護士さえ示談を勧めたり、痴漢事件そのものに乗り気でない)、身が震えるような不安感を覚えました。 ★後半は同じような裁判所シーンが続くため少しダレますが、これはテレビ放映のためつまらんCMで緊張が中断されたせいも。ちゃんとDVDで観た方がよかった。 ★それにしても冤罪事件ってのは難しい。特に痴漢犯罪なんてのは、現行犯逮捕と言っても物的証拠は乏しく、当事者の証言のみが頼り?しかも犯罪の卑劣性、被害者の弱い立場などを考慮してどうしても「疑わしきを罰す」傾向になってしまう。加えて映画のように「やる気もなく、偏見を持った警察」や「世間知らずな癖に自分の面子ばかり気にしているかのような裁判官」が相手では・・・。 ★最後の主人公のモノローグ、「裁判とは真実を明らかにする場所ではなく、出された証拠を吟味して、<とりあえず>白黒を付けるだけの場所だ」、重たいですね。 ★さて来るべき裁判員制度、ホントにどうなるんでしょうか。最初の取り調べで主人公は「交通違反と同じ、さっさと認めれば罰金だけで返してやる」と言われてます。穏便に済ますチャンスはいくつもあったのに、敢えてことごとく反抗し、貴重な金と時間を使って勝ち目のない裁判に挑む。僕だったらそれこそやってないって証拠じゃん、と「感情で」思っちゃうかなあ。ああ難しい。 【wagasi】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 11:34:14) |
105.丁寧に作ってあって、完成度が高い作品だと思います。内容のことを言えば、裁判官や検察官をちょっと悪者っぽく描きすぎでしょうか。彼らの立場を想像すれば、この映画の中で語られていること(証拠や証言)から、あの結論は仕方なかったように思います。観客は事実を知らされているから、奇妙な結論のように見えてしまうのも理解できますけど。映画の中で「無罪にしておいて後で引っくり返ると左遷」みたいな背景が説明されているけど、逆もまたしかりで、「有罪」にしておいて後で引っくり返って「無罪」になったって、今度は第3者やメディアに叩かれるのだから、裁判官が「無罪」にしたがらないという説明も、ちょっと一方的だったと思います。結局、犯罪を公平に裁くためにはそれなりの証拠が必要だという、ギリギリの方法が「裁判」なのだということでしょうか。 【かねたたき】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 02:49:10) (良:1票) |
104.《ネタバレ》 なんだか重たかったです。そして腹が立ってしょうがない。 もどかしい。ズルい。 「なんかおかしいんじゃないのか!」と思いましたが、それは監督の狙いなのでしょうか。 「うまくいかない感じ」がとてもよく表れていたように思います。 監督は「伝えたいこと」があってこの作品を作ったんだと思った。 「腐っている」とは酷い言葉ですが、、、これが現状ですか。。。 、、、もう観たくない。(でもリアルなんだよなぁ、、、) でも、なんというか、よくできた作品で、ちゃんと観客を物語の中に引き込ませるし、感じるものがありました。 監督が素晴らしいのだなと思いました。 【ゴシックヘッド】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-03-02 01:51:40) |
103.これは映画なので最初から主人公はやってないということが分かっていまが、現実では容疑者が白か黒かは裁判官には分からないわけであり、わからないのに裁判で判決を出さなくてはいけなくなれば、どうしても裁判官個人の損得が判決の決め手になるというのはよくわかる気がしました。 日頃の自分の行いを振り返り、社会正義と個人の損得を天秤にかけなくてはいけないような時は少しでも社会正義を優先させられるようになろうと、自省する思いを感じました。 【5454】さん [地上波(邦画)] 9点(2008-03-02 01:25:33) |
102.《ネタバレ》 満員電車で通わざるを得ない身としては、真に身に詰まされる話。それぞれの自分の立場で見てしまうからかなり感情的になってしまわざるを得ないこともあるため、いい題材を選んだと思います。 ただ、面白かったかと言うとちょっと微妙です。2時間超の時間もそれほど長く感じなかったのは金子君の運命や如何にという感情移入をしてしまったためでした。 嫌なヤツに虐められて耐えているのを見せられているのと同じですね。後味が悪いエンディングを見た後も最後は自分にも同じ災難が降りかかったらと思い、他人におきた不幸をニュースで見ているような感覚となったのです。 でも夢中にさせたら作ったほうは勝ちかもしれませんね。 【飴おじさん】さん [地上波(邦画)] 6点(2008-03-02 00:30:57) |
101.結局、無罪だと左遷されて有罪だと出世するんだから、よっぽどの事が無い限り、有罪にするんだろうな。所詮、裁判官だって人の子。一生懸命頑張って司法試験に合格したんだから出世したいだろ?被疑者の人生より自分の人生の方が大事だし。だからこの問題の解決策は、弁護士を刑事と民事で分けて、刑事を公務員にして、有罪だろうが無罪だろうが出世に関係ないという仕組みを作るしかないな。 あと民事でも被告が国・自治体の場合には弁護士は公務員にしなきゃダメかもな。 |
100.《ネタバレ》 周防監督の魂が乗り移った作品。監督の言いたいことは十二分に伝わるわかりやすい作品。途中の展開とタイトルから有罪になるのはわかってしまったが、やはり憤りを感じずにいられなかった。残念だが、これが日本の現実で、もはや伝統と化しているのだろう。自分がこんな目に合うなんて考えてもいないが、いざこうなったら自分の性格柄この映画の主人公と同じようなことになってそうでそれも怖い。これだけ観客に伝われば十分だと思うが、映画という観点から考えると、ドラマがない。それほど長さを感じなかったのだが、頑なに否認を続ける主人公の心理と、したくないと断っていた仕事を引き受けた女性弁護士の心理がごっそり抜けている。そこがなくてもある程度主人公に感情移入できるようにはなっているが、その辺りの描写があればもっと深い作品になったと思う。 【TOSHI】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 00:02:52) |
99.これはもうホラーだと思った。こんな無茶苦茶な裁判で自分の社会的地位が失われるかと思うと、満員電車が怖くて夜も眠れない。この圧倒的リアリティーを持った映画が、一般人からすれば全く「あり得ない」裁判を描いているという皮肉。おー、怖。 |
98.《ネタバレ》 類似する作品がないことからも存在意義ありあり。着眼点がすごいですね。観ている間イライラして仕方ありませんでした。いけしゃあしゃあとデタラメをいう被害者の女子中学生を鼻の骨が折れるほどぶん殴りたくなりました。法廷に入ってきたときにぐずぐず泣いているのにも神経を逆撫でされます。「てめぇのせいでこっちはどんな目にあったと思ってんだよ?」って感じです。 否認した場合、訴訟費用や保釈費、拘留中の賃金ロスを考えたら600万円くらいの損失だと思われ、勝つ確率が97%なら期待値はマイナス582万円。やっていなくても認めた場合、罰金5万円と示談金が10万円くらいで期待値はマイナス15万円。普通に数学ができれば、不条理であっても認めることになると思うけど、「やってないのになんで認めるのか」の一点張りの主人公も結構イタイ。 【承太郎】さん [DVD(吹替)] 8点(2008-02-28 00:37:17) |
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97.《ネタバレ》 コメディエンターテイメント映画監督周防氏による、シリアスな社会派痴漢冤罪裁判ドラマですね。 こんな不条理があってたまるか、とイライラしっぱなしの二時間半。絶対勝てるに決まってると思って共にたたかった二時間半。・・・燃えつきました。んなアホな、と笑い飛ばしたいのに、徹底的なリアリティにより黙らされてしまいます。まったく腹の立つ傑作。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-02-22 14:34:22) (良:1票) |
96.《ネタバレ》 現実をテーマにした映画とは言え、映画である以上最後は無罪で終わるんだろう、と考えながら見ていたが、期待を裏切って現実でも多いであろう有罪で終わった。裁判官にしてみても、他人の心が読めるわけでもない。しかし、疑わしきは罰せずとならない理由として、無罪判決を出すと国家に楯突くことになる…とあったが、では何のための三権分立なのか、と日本の現状に危機感を覚えた。 【Ad】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-02-04 01:26:11) |
95.映画館で観なくてよかったよ。コレって、映画ちゃうやーん。ドキュメンタリーってやつに近いな。裁判のこと知らない方は是非1度、ちゃんと観ておいて損はないヘビーな作品。この作品が名作か?と言うと、そうとも言えない。だってほぼドキュメンタリーなんですもん。教材ですよ、コレは。 【Keicy】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-03 02:38:55) |
94.《ネタバレ》 主人公に感情移入してしまい、2時間20分という長さを全く感じませんでした。 一見、自分には全く関係のないことだと考えてしまうが、 誰にでも起こりえる問題だともの凄い恐怖を感じました。 また、99.9%が有罪。1000人に1人しか無罪を勝ち取れないという現実。 例えやっていなくても痴漢だと言われてしまえば、犯罪者として扱われてしまうのです。 そして、裁判になれば長い時間と莫大なお金が必要になります。 以前、無実を勝ち取った方のお話を聞いたことがありますが、 例え無実を勝ち取ったとしても残ったものは何もないとのことでした。 時間・お金・仕事・家族、全てを失った。 それならば迷惑防止条例で略式起訴されたほうがいいのかとも思ってしまう。 今後、裁判員制度がはじまり裁く側にまわったとき、正しい判断ができのだろうか? 無実の人を有罪に、有罪の人を無罪に・・・ものすごい不安である。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-20 18:51:41) |
93.日本の司法制度、冤罪事件について考えさせられる、いい映画。ただ、映画に引き込まれる分、実際の裁判にかかる膨大な時間に実感がわかないのが残念。元ネタ事件の本(お父さんはやってない)を読むための導入としては最適かも。 【チャップリ君】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-01-17 18:24:56) |
92.《ネタバレ》 この映画を、外国の大学法学部で「日本の特殊な司法の現状」というテーマの教材で使ったという話を聞いたことがあります。それほど特殊なんでしょうね、おそらく。とても丹念に描いていて、長さを感じさせない作りでした。 主人公が、女性弁護士には強気で発言しているシーンが何度か登場する。「25歳無職で痴漢容疑で捕まってるくせに、女性にはずいぶんエラそうだな」と思いながら見た。もちろん脚本なワケですが。 【ハクリキコ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-01-04 23:40:09) |
91.現在の裁判の矛盾点が理解できた。不公平な裁判官の態度はショックだった。 【ホットチョコレート】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-01-03 19:18:44) |
90.《ネタバレ》 この映画を見ていろんな矛盾と憤りとやるせなさを感じた。ここまでシリアスに徹している映画とは思わなかった。痴漢・・・それはおそらくなくなることはない犯罪だろう。そもそも満員電車乗るのにミニスカート履くなよっていいたい。学校に対する文句になるけど中学校・高校の制服で男はズボン・女はスカートってもう古いんじゃないのかな。短いスカート履いてれば痴漢に遭って当然だという認識が女性にあっていいのじゃないだろうか。警察の取調べに関しては鹿児島・志布志の事件を思いだした。志布志の事件では潔白を証明するために自ら命を絶とうとした人もいたみたいだ。裁判制度に関しては知ってて損はない、いやむしろためになることを映画を通して教えてくれた。見ながら最後は無罪を期待していた自分を見事に裏切ってくれた。後味は悪し。 【やぶからスティック】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-12-26 21:21:42) |
89.2時間越えてるので躊躇していたんですが見てみるとあっという間でした。こんなにも感情移入しちゃった映画は初めてです。後味の悪さは覚悟していたんですが、感情移入し過ぎたせいか、観終わった後はめちゃくちゃ腹立ちました。 日本の裁判制度に対して批判的な内容で、説明臭くなるんじゃないかと心配してましたが、自然なセリフと演出でした。 僕が法廷に立っていたら「お前死ねー!!!!」て絶対言っちゃいます。 【みどりいろ】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-12-21 05:13:28) |
88.若干消化不良の感もあるがさまざまなエピソードをよくここまで纏めたもんだなと思う。ハリウッドもどきのスペクタクル大作などという邦画ジャンルには合わないスペクタクソ作品を乱発するよりもこういう映画にこそ邦画の存在意義と生き残る道があるんだと思う。シドニー・ルメットを最後にハリウッドでは途絶えて久しいエンターテイメント性を排除した社会派映画。こういうものの告発という役割も映画にはあったはずだ 【Arufu】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-12-13 12:28:28) |