80.切ない話でした。親になってから観るべき映画かも。 【よしふみ】さん 6点(2005-02-10 01:49:33) |
79.前半。小津さんといえば静の画だというのでとりあえずカメラワークに注目。あぁ、こういうのは好きだ。落ち着く。そして実は結構コミカル。会話のシーンで毎回顔がパッパッとアップになるのを不自然に感じるのは、きっと現代の日本人がお互いの目を見て会話をしなくなったからだろう・・・嘘、何かセンテンスとセンテンスの間に不自然な空白があります。古いから仕方ないけど仕方ないですませちゃ小津さんに失礼なので減点。中盤。いかんね。静の画は良いけど、それは僕にとっては風景に限定される。大自然もしくは雄大な街の風景などは、静で撮るのは全く構わないが、人間同士のシーンで静を撮られても退屈だ(アバウト・ザ・シュミットは「生きる」でなくこちらを参考にしたのではないか?)。人間はもっと活動的で能動的に動くべきなのだ、まだ精々二十世紀しか歴史を紡いでないんだぞ、ぼやぼやと会話している場合かぁーっ、減点。終盤。うぅぅぅう、親の急逝は、高校生の僕には辛いネタです。涙が出ました。そんな事言わないで下さいよ原節子さん。俺は絶対親大事にしますから。くそ、映画なんて観てる場合じゃないな!・・・ちょっとだけノルマ減らそう。 【ぶらっくばぁど】さん 7点(2005-02-04 21:47:00) |
78.ダメだ…私のように中身のない人間では、この映画に深遠なるものを汲み取ることができません。 【K】さん 4点(2005-01-30 23:24:14) |
77.《ネタバレ》 「親孝行って何?」って考える♪でもそれを考えようとすることがもう♪親孝行なのかもしれない♪・・・この映画の子供たちは誰ひとり「親孝行って何をしたらいいんだろう?」って考えてない。「熱海なんてどーお?」「いいんじゃない?温泉あるし」って爺婆と話しろよ!めったに会えないんでしょうが!!そんな実の息子娘と対照的に爺婆に親切な亡くなった息子の嫁。そんな彼女も「私ずるいんです」と言う。いま日本国内では映画にしろ小説にしろ「泣ける」という要素がないと売れない空気ですけれど、私がこれらの作品に触れて感じたことは、「泣ける」映画は往々にして観客を泣かせることを最終目的にしているためにそこから先に進めないということです。泣いてスッキリしちゃう。日本の皆さん、小津安二郎を見なさい。これを同じ日本人が創ったんだよ。と言う私も「東京物語」しか見たことないですけど・・・。 【キュウリと蜂蜜】さん 9点(2005-01-03 23:15:40) (良:1票)(笑:1票) |
76.なんとも寂しい老後ですな、やるせないと言うか何と言うか。 自分も息子達のような行動をしてしまう可能性も大いにあるんで責めれないんだよなぁ。50年前の映画とは思えないほどの出来のよさ。昔の日本映画って本当に凄かったんだね…。 【ふくちゃん】さん 8点(2004-12-26 05:34:48) |
【のりまき】さん 8点(2004-12-07 20:53:00) |
74.《ネタバレ》 前半部分は単調なリズムだし映像がほとんど変わらないから、退屈だったけど、後半はもう感動しまくったなぁ。笠智衆さん35歳でこの演技は凄すぎです。 【夏目】さん 10点(2004-11-10 16:51:24) |
73.時代、風景、風俗、この映画を見て日本人でいて良かった、こういう過去の時代を実際に過ごしてきた国に生まれて良かった、と思ってしまいました。ひなびた銭湯にでも行きたくなります。ただ今みると杉村春子は普通だと思います。みんな自分の暮らしがあるんだから。 【omut】さん 7点(2004-09-25 07:18:35) |
72.私はリメイク版(八千草薫や松たかこが演じているやつ)を見てこの映画を知ったのですが、そのリメイク版を見た時点で衝撃、というか静かな衝撃みたいな映画が終わった後もぼーと物思いに耽てしまう感覚に襲われました。機会があってやっとこちらの方を見れるようになったのですが、リメイク版もこちらもそれぞれの良さがあり、どちらも10点満点の映画だと思います。やはり元の脚本が素晴らしいのでしょうね。心に残る映画です。 【あしたかこ】さん 10点(2004-08-31 22:37:22) (良:1票) |
71.《ネタバレ》 いい映画だと思います。出てくる人達が皆普通の人で、描かれる物語も普通、人が死ぬ時も普通、とにかく様々な面で普通なので、その分共感できる部分が多々ありました。原節子はちょっと善人過ぎて、なんだか無理している感が漂っているような気がしたのですが、そういう不自然さも含めて描きたかったのか、それともあれは自然な演技でああいう人が当時はいたということなのか、まぁまだまだ私が勉強不足なのでしょう。 【あさしお太郎】さん 8点(2004-08-31 01:32:58) |
|
70.「私ずるいんです」 笠智衆に対して頑なに言い募る原節子は、最後に救われたのだと僕は思う。「東京物語」とは、大都会でひとり生きてきた原節子演じる紀子が自らの頑なさを笠智衆という在るがままの御仁にぶつけることによって救われる物語なのである。もちろんこの大傑作映画は、登場人物たちのさざめく日常を丹念に描き、様々な人々の様々な奮えを静謐に表現することによって、実に多面的で奥が深い作品となっている。その多くの場面に僕は感銘を受けた。 それでもやはり、原節子という優しさの象徴のような女性がその内情の弱さを吐露する場面は、この物語のクライマックスであり、それは笠智衆という「精神」の静かな態度によってしっかりと受け止められるのである。最終的に、笠智衆は妻に先立たれ、子供達には厄介者扱いされるような不遇の立場にあるわけだが、彼はその立場を捩れなく自然に抱えこむことによって、決して自らの弱さに屈しない、かつ自らの強さを誇張することのない凛然とした「勁さ(つよさ)」を見出すのである。原節子が最後に救われ、癒されたのはそんな彼の自然さであり、「勁さ(つよさ)」である。彼女が自分の「ずるさ」と自然に向き合えたことこそが彼女自身の癒しだったのだ。 笠智衆が一人佇む最後のシーン。彼が自分の人生を十分に反芻しており、そのことから滲み出る自然体であることの「勁さ」というものを僕は切に感じることができた。そして、僕も救われたのである。 【onomichi】さん 10点(2004-08-25 01:20:02) (良:2票) |
69.開始五分はとにかく穏やかだった。その五分と言う間に、日本映画の“静けさ”の本当の意味を知った。音楽はいらない、日常の音がただ静かに音楽のような役目になって、二人の会話を浮き立たせる。そして二人の穏やかな会話が心を和ませた。自分が持っているのにも関わらず、自分は持っていないと言って強情を張り、でも結局自分が持っている事がわかると、黙り込む。しかし妻は決して夫を責めない。その心の余裕、やさしさに感動し、泣きかけてしまった。二人は決して争い事を起こさず、無理もまったくせず、ただ自然に相手を想い合う老夫婦。優しさに満ちていた。そして僕の心は完全に癒され、幸せな気分になった。この時点で既に10点をつけると確信した。そして二人は東京へ。大都会、多人口、日本の中心へ。未知の世界へと足を踏み入れた二人だった。始めは子供達も親切に親を想い、見ていたが、徐々にその姿も雑になって行く。その姿はあまりにもあからさまで、僕自身、怒りの感情が爆発して、壁に穴を空けてしまうのを抑えるのにすごく苦労した。どうして親の気持ちを理解しない?親がどれだけ我が子を想い、どれだけ愛しているかなぜ解らない?親が何を求めて東京に来たのかなぜ気付かない?あまりにも辛く悲しかった。観続けているのが辛くなった。そんな中、血の繋がりのまったくない紀子だけがこの辛さ(暗さ)に光を灯していた。老夫婦を心から想い、優しく包み込む紀子。あまりの優しさ、親身さに涙が止まらなかった。血の繋がりはなくとも、まるで親子のような“愛”が老夫婦と紀子の間にはあったのに、実の子供と親の間には薄っぺらな形だけの親子のような関係のようにしか見えず、悔しさすら込み上げ、奥歯を噛締めても涙が止まらなかった。本当に親子の絆はこの映画のようにいつかは薄れてしまうのだろうか?そんなの辛過ぎます。悲し過ぎます。僕は絶対そんな大人にはなりたくない。でも、今はそうならない自信がある。それはこの映画を観たから。僕に親という掛け替えのない存在の大切さに気付かせ、深く考えさせる切っ掛けを作ってくれた。僕はこの気持ちを絶対に忘れない。僕に親の大切さを“映画”という形で教えて下さった小津安二郎監督に、感謝の気持ちと敬意を払い、10点を点けさせていただきます。僕はこの映画が大好きです。本当にありがとうございました。 【ボビー】さん 10点(2004-08-23 15:34:13) (良:3票) |
68.《ネタバレ》 日本の家族。親孝行。シンプルなせりふと映像から伝わってくるものは計り知れない。なんともいえない間と空気感。老夫婦の寂しげな背中。忘れられない。きれいな夜明けのような映画。 【kaneko】さん 10点(2004-07-31 13:47:33) |
67.家で一人で見ていて、終わった後思わず立ち上がって拍手したくなりました。日本映画の最高傑作は東京物語だと思います。何より脚本が素晴らしいです。登場人物個々の心情が簡素な整理でも伝わってきます。日本語も美しいし。これを見ていて思うのは、どんなに日本の風景は変わっていても、日本人はそんなに変化していないということが分かります。良く「最近の若い人は……、昔は……」とよく年配の方がおっしゃるけど、そんなことは50年前(今その台詞を言っている人たちが子供の頃)も同じことを言っていたんですね。「最近の若い者は親も殺すから」みたいな台詞、田舎から出てきた親を邪険に扱う子供たち(でも彼らなりに大切にしようとしているんです)、祖父母になつかない孫、そんなの昔も今の一緒じゃないか。お父さんもお母さんも本当は寂しいけど息子や娘にはそれぞれの生活があることがわかってる、ものすごく謙虚で他人に理解がある心が温かい人たちです。こういう年配者の謙虚さが今の日本にはなくなってしまったような。逆に若い人が見れば、両親を大切にしたいという気持ちがきっと芽生えてくると思います。10歳から100歳までの全ての人がこの映画を見てくれたら日本はきっと少し明るくなると思います。 |
66.懐かしくて美しい。全てに時代が感じられ、淡々とした一つ一つのやりとりに深みがある 。こういう作品が色褪せることはないのでしょう。 【KING】さん 8点(2004-06-17 09:54:13) |
65.わたしが観た小津安二郎作品の中で一番好きな映画です。東山千栄子と笠智衆が、わたしの亡くなった祖父母に似ていて、何度観ても泣いてしまいます。日本人で、日本語で、この映画を観れて本当に良かったと思います。 【rexrex】さん 10点(2004-06-12 12:42:45) (良:1票) |
64.この物語の雰囲気と低い視点から撮られた安定感のある映像がとてもあっていた 人がしゃべるときに胸から上の映したカットがさらに映像の安定感を増していてとてもよかった 台詞は普段よく使うような言葉であるのに一言一言が心に響いた 今の時代は騒がしすぎてこのような静かな作品は記憶に残らないかもしれない しかし僕はそうは思わない 静かな作品だからこそメッセージがストレートに伝わり記憶に残るのだと思う 人生において見落としがちな重要なことを気づかせてくれるようなとてもよい作品でした 【ぺぷとりじ】さん 9点(2004-06-08 21:50:18) |
63.笠さんの父も東山さんの母もいい。東山さんの内面からにじみ出てくるような暖かくてふくよかな人柄に「日本の母」を感じる。二人の自然体の演技は何ともいえない。あちこちで交わす夫婦の会話の数々がしみじみとする。忙しい子供達にさほど孝行してもらったわけじゃないのに、「私たちは幸せですねぇ」「そうかなぁ」「そうですよ」(のような)会話にしんみりする。久々に子供たちみんなに会ってあっけなく死んでしまう親に、孝行するのは今のうちと痛感する。親子、嫁などそれぞれに交わされる会話の一つ一つにいろんな感慨がわく。 【キリコ】さん 8点(2004-06-06 14:52:42) |
62.改めて評価する必要もないでしょうが、心理描写の細やかさとカメラワーク、進行のテンポが見事にかみ合った作品だと思います。今の時代にはすべてが遅すぎ、静かすぎるのかもしれませんが。アジア諸国で上映し、反応を聞いてみたい作品です。個人的には、唐沢版「白い巨塔」の最終回の翌日、BSで放映されていたのを見て、改めて衝撃を受けました。「白い巨塔」での財前教授の死は、それなりの深みをもっていたと思うのですが、やはり「東京物語」と比べるといかにも平板にあざとく思い返されました。人の死をみつめるという現代人が逃げてしまう現実を思い返させてくれる作品でした。 【モリブンド】さん 10点(2004-04-30 15:42:43) |
61.《ネタバレ》 主要人物が、喜怒哀楽を強く押し出すことなく奥にぐっと噛みしめようとする様が、逆に感情の奥深さを感じさせます。特に、笠の枯れた佇まい。逆算すると、当時の実年齢は50歳前後のはずなのに、枯淡の境地にあるかのような立ち居振る舞い、台詞。特筆すべきは、ラスト近くで近所の婦人と会話するシーンの、笠の「背中」です。妻を失い、表にこそ出さずに気丈にふるまっているものの、内心にある寂寥感を、見事に背中だけで表現しています。笠の隣にいつも寄り添っていた妻は、もうそこにはいない。わずか数十秒のこのシーンだけで、この点数を計上してもいいくらいです。 |