300.エピソード1~3の流れの中で、本作は、アナキンの心の弱さを中心に、正規軍という名のクローン軍が創設されてしまい。また、ジェダイの力が弱まりつつあり、ダークサイドの力が元老院にまで及んでいることが描かれている。
大きな流れの中では、エピソード2の位置付けの意義は充分と考えられる。
一方、エピソード2を単体の映画と評価すると、後半の怒涛の展開には文句のつけようが無く、満点を付けても良い。ただ、どうも中盤のバランスの悪さが目に付く。
確かにアナキンがダークサイドに転落するまでの大切な過程なので、じっくり描くことは否定しない。
タスケン族惨殺事件は、自分の力の足りなさによって、母を死なせてしまったという自分への苛立ちとオビワンへの怒りを描くためにも必要不可欠だ。
エピソード1でヨーダが、恐れは怒りを産み、怒りは憎しみを産み、憎しみは苦痛を産むというセリフからもここは大事な部分だろう。
問題は、アナキンとパドメの恋愛だ。確かにこの二人が恋に落ちないと、ルークとレイアが産まれないので既定路線であり仕方がない部分はある。しかし、必要以上にこの二人の関係が描かれすぎている。エピソード3で強引に二人の関係を引き離そうという動きでもない限りやり過ぎではないか。この二人の恋愛をファンが見たいかどうかは想像がつくとは思うが。
そして、ルーカスの演出方法として、様々なストーリーを同時並行的に描く手法がよく用いられる。ストーリーがよりスピーディーになり、より引き締まるという効果があるとは思う。しかし、今回のようにジャンゴを追うオビワンとパドメ護衛のアナキンのストーリーを並行的に描くことによって得られる相乗的な効果は、それほどない。
緊迫感のあるジャンゴとオビワンとのやり取りに対して、野原で二人でゴロゴロしているシーンを並列的に並べるのは、互いを殺してしまっている気がする。
もしどうしても描くとすれば、今回ばかりは、それぞれのストーリーをややじっくりと描く必要があったと思う。
個人的に好きなパルパティーンがイマイチ出番がないのが残念だが、要所要所でしっかりと影を感じられたので良しとしたい。