1.《ネタバレ》 ダニー・カリフォルニアの流れる中、藤原竜也のナレーションによるルール説明と前編のダイジェストが流れるオープニングのカッコよさに引き込まれましたが、まさかデスノートでホロッと来るとは思ってもみませんでした。今回は完全にLファンに捧げられた映画です。前半は笑えるところもありましたが、表題のthe Last nameの展開は本当に切なかったです。心臓麻痺の描写は相変わらずですし、ラストのオチは原作読者でなくても十分予測できてしまう既視感の強いものです。その点では少しガッカリしましたが、月とLが本部で2人きりになる状況を作ったり、Lがノートのルールを駆使するシーンを入れるなどツボを押さえた演出も見せてくれましたし、ドラマの浅かったデスノートの最後をああいう風に締めくくってくれたのは感謝したいです(レッチリの主題歌は今回もバッチリ決まっていましたし)。他のキャラでは夜神総一郎がLに次いで美味しいところを持っていったのも印象的でした。ドラマ要素の抜け落ちていた原作ではどうしても正義感の説得力に欠け、Lの足を引っ張る役割を果たしているだけの印象でしたが、見せ場が作られたことで格段に魅力が増していました。役者では藤原竜也が前編以上の熱演を見せてくれます(彼の代表作はBRでなく、本作で決定でしょう)が、鹿賀丈史はややソツなくこなしすぎた感があり、あまり盛り上げられていなかったのが残念。戸田恵梨香は時々違和感がありますが、原作の厚かましさがなくなったおかげでそれほどウザい存在にならなかったのが救い。ビジュアル面では前編よりも印象的なシーンが多く、特に死神界のビジュアルはPCのスクリーンセーバーにしたいぐらい好みです。金子監督と松山ケンイチはこれからも応援していきたいと思いました。追記:再度見直してみましたが、劇場を去るのが惜しくなったのはこれが初めてです。松山Lへの哀悼も込めて9点。